[最終更新日]2023年9月12日 [記事公開日]2022年9月15日
「なぜフリーターなのですか?」と理由を聞かれた際のベストな答え方
現在フリーターの人が就職活動を行っている場合、よく聞くのが「面接の時に、今フリーターの理由聞かれたけどうまく答えられなかった」という悩みです。
そもそも書類選考を通過して、面接に進んでいるため、人事担当者にとって現在フリーターと知っていても会いたいと思ってくれています。前向きに考えられるとよいのですが、問題はその理由を問われた時の答え方です。応募者の中には正社員からの応募もいれば、中には新卒で申し込んでいる人もいるかもしれません。
彼らと比べて自分を選んでもらえるようにするためには、何を伝えるべきか、あらかじめまとめておくと相手の理解を得られ、好印象を与えることができるはずです。面接で失敗しないためにも、採用担当の心理や、見本となる面接の答え方を知り、対策をたてましょう。
面接でフリーターになった理由を聞く意図
フリーターと聞いて、どんな人をイメージしますか。フリーターという言葉は1980年代に求人雑誌によってつくられた「フリー・アルバイター」の略語で、内閣府や厚生労働省によっても定義が異なります。年齢は15歳から45歳を対象としており、雇用形態はパートやアルバイトを指す事が多いです。そのため、現在パート又はアルバイト中の方々はもちろん、現在無職で求職中の人でもフリーターと呼ぶことがあります。
1980年代によく使われたフリーターという言葉は自由な働き方をしている人というイメージでしたが、2000年代に入るとバブル景気は下降の一途をたどり、さらに就職難が深刻化したため、フリーターという言葉にマイナスのイメージが定着してしまいました。
全員ではありませんが、テレビやマスコミのイメージ戦略によって、フリーターという言葉には「定職につかない、長期勤務をしていない」という固定観念がついています。2000年に正社員として入社した人は、現在多くの人達が40代から50代の役職者となっている事が想像できます。
そうした方々が、企業の面接官であり、皆さんの採用を判断しているということを頭に入れておくことをお勧めします。なぜなら、フリーターというイメージを払拭し、きちんとした考えでフリーターをしていた理由を説明できれば、フリーターでいた理由を聞かれる事は面接で好印象を与えるチャンスにもなるからです。
なぜ、フリーターと言われるとあまり良くないイメージがあるのでしょうか。それは、雇用形態と責任範囲の違いによるものと思われます。正社員と異なり、フリーターの雇用形態はパート・またはアルバイトがほとんどです。
どちらも時給制で、好きな時間や日程で働けるという点がメリットですが、責任範囲は正社員と比べると大きくありません。もちろん、企業の方針にもよりますが、フリーターという言葉のイメージとして責任感がないと思われがちです。
フリーターなら3ヶ月や6か月などの短期の勤務も可能です。自由な時間で働いた分の賃金を得る事ができますが、正社員と比べると昇給や手当もなく、福利厚生も使えないなどの制限があります。
フリーターだった理由を聞く意図は、何故今の状況から正社員に応募するのかという正社員に対する覚悟や意思を聞きたいからなのです。実際、金銭的な理由だけを述べたり、他社への応募が複数あると感じられたりすると採用の確率は低くなってしまうようです。
「なぜフリーターなのですか?」と理由を聞かれた時の回答内容はもちろん、転職を繰り返したり、前職の勤務期間が短かった場合、その理由について採用担当者が納得する理由を考えておく必要があります。
SNSの普及や副業を推進する時代の流れによって、フリーターという働き方はあまり珍しいものではなくなりました。今ではやり方によっては、フリーターとして個人でも稼ぐ事ができます。
マーケティングなど限られた職種では一部推奨している所もありますが、日本の企業のほとんどは副業を推奨しておらず、専属で、しかも長期で責任をもってしっかり働いてほしいと願っている採用担当者は少なくありません。そのため面接時は、フリーターでも収入を得る事ができていたのに、正社員として入社したい理由は何か、これと同様にこれからは専属で働くつもりがあるのか、を懸念している事が多いです。
その理由が明確で、且つ納得ができるものであれば、フリーターの理由を聞かれても自分のプラスポイントにできます。もちろん、面接の時点できちんと面接する企業の歴史や業界、会社概要や会社の方針など、できる限りの情報を入手し、どんな人物像を求めているのか、紹介者と相談しながら下調べしておく事も必要です。
フリーターの中でも特に理由を聞かれるのは、転職回数が多い人です。通常採用の流れとして、履歴書で書類選考を行い、次に面接が行われ履歴書から判断できなかった点を中心に質問されます。転職回数が多く短い期間の勤務が続いていれば、もし採用してもすぐやめてしまうのではないかと思われがちです。面接官に誤解を与えないためには、今回の就職は今までとは違う理由や、自分がこの会社にどれだけ役に立つかを説明できるようにしてください。
【例文あり】フリーターになった理由を上手に答えるコツ
フリーターになった理由聞かれたら何と答えますか?意外とこの対策をたてていない人が多いです。必ずといっていいほど理由は聞かれると思って何と答えるか考えておくと、面接に積極的に臨んでいる事も伝えられます。
しかし、正直に答えるにしても誤解を招いては意味がありませんので、基本はあくまでも「この人を採用したい」と思わせる伝え方をするのが一番です。実際の例を使ってどのように答えるか、具体的に解説します。
正社員を退職してフリーターになった場合
まず1つ目の例は、一度正社員で就職したものの、なんらかの理由があって退職して現在フリーターとなっている場合です。この時、面接官は「うちの会社に就職しても辞めるのではないか」と考えている事を念頭におきましょう。そのため、退職した理由の他にフリーターで働き続けた理由を伝える必要があります。
退職した会社と先方の会社がどう違うのか、相手に伝えなければなりません。これは、何年フリーターをしていたかにもよりますが、「正社員の仕事が大変で退職しました」と答えた場合は、面接官は「弊社でも、続けられないかもしれない」と思ってしまいます。自分が採用面接官で、相手がどんな答えをしたら採用したいと思うか想像を働かせましょう。例えば、こんな風に言うことができます。
「前職では、とにかく就職しなくてはと焦って正社員になりましたが、目的が見つからず無気力な自分になってしまったため退職しました。しかし、その後に働いた〇〇では、アルバイトではありましたが、自分が役に立てる仕事は何か、強みを見つけられたため、前回正社員になった自分とは違い、強い意志をもって御社で強みを生かせると思っているため応募しました。」
ここでのポイントは、フリーターでの経験が会社の仕事生かせることをアピールする他、正社員を退職した後にどう変わったかを話すことで前回の就職とは違う事を伝えています。
新卒で就職できなかったためにフリーターになった場合
次に、フリーターになった理由を聞くケースとして、大学卒業からフリーターになっている場合です。面接官は、「就職活動をしていたのか。もし就活していたら何が原因で就職できなかったのか」を知りたがっています。自分の意思で就活を行わなかった場合は、その理由を伝えるとよいのですが、ポイントは共感できる理由を述べる事です。
面接官は、積極的にあなたの良い所をみつけるよりも、マイナス点がどの程度あるかを見ます。つまり相手の「就活で問題があったのだろうか」という疑問を払拭するには、就活時の状況と今の状況が違うことをはっきり伝える必要があります。
新卒で、就活を行っていたのか、もしやっていなかったらその理由を述べてください。反対に就活をしていたのにも関わらず就職できなかった場合、自己分析し反省点をあげる事で、客観的な視点をもてる事を伝えられます。
「私は就活をしていましたが、就職できなかった理由として、自分の希望ばかりを夢見て会社にどんな貢献ができるかなど考えていませんでした。それが就職できなかった理由だと思います。しかしフリーターとして社会人を経験し、自分の意見ばかりを押し通すようではいけない事に気付きました。
さらに職場の先輩方にいろいろと教えて頂き、フリーターではなく正社員として会社の拡大に役立ちたいと考え、今までの経験を活かせる御社に応募しました。」
ここでのポイントは、フリーターになった理由だけではなく、この会社を選んだ理由にも注意を払うことです。
自らの意志でフリーターになった場合
3つ目は、意図的にフリーターを選んでいた場合の答え方です。1つ目や2つ目と違うのは、自分の選択でフリーターを選んでいるため「なぜ正社員で就職しようと思ったのか」心境の変化の理由が、安易に給与や待遇だけで選んだと思われると面接には受からないでしょう。
正社員と比べて、フリーターのメリットはいくつかあります。そのメリットを何故捨てることになったのか、どんな仕事をしてなぜ正社員の求人に応募しようと思ったのか、ここが一貫して筋が通った説明だと面接官も納得するはずです。
「学生の頃から劇団に所属し、アルバイトをしながら舞台役者への道を志していました。しかし舞台を通してさまざまな専門職があり、役者以外の道で舞台に一生関われることも学びました。専門知識や歴史についての知識を生かして、今までの経験が生かせるこの会社で正社員として働く事が、今は自分の夢となっています。」
もしフリーターを何かの理由であえてそうしていたのなら、その状態から正社員の就職活動になった経緯を交えて説明するのがポイントです。
フリーターになった理由を答える際の注意点
フリーターだった理由を聞かれた時に、まず考えるべきことは、「質問した相手の気持ち」です。面接官はどういう理由でその質問をしたのかという意図を理解するだけではなく、自分は何を求められているのかがわかれば、おのずと答えはでてきます。
面接官は、いじわるな質問をしたいわけではありません。入社後、かならず起こるであろう困難はどこの会社にいってもあるものですが、そんな時あなたがどういう態度でどのように取り組むかを知りたがっています。
特に、自分があまり認めたくない点を話題に上げられた時などは、「イエスバット話法」を使いましょう。これは営業技術の一つでお客様からの意見に真っ向に反対せず、一度同調した上で切り返す方法です。相手の意見を一度認める事によって満足度を高め、その後で自分の意見を述べます。
また、どんなにきれいごとを並べたとしても、嘘を見抜けるぐらい面接官はたくさんの人と面接をしていますので、嘘や誇張は厳禁です。後でつじつまが合わなくなるような嘘や大げさな話はせず、真摯にとりくんでいく姿勢を見せる事が高評価につながります。
決してフリーターがいいか悪いかを話しているわけではありませんが、日本企業の正社員採用という数少ない枠の中で選ばれる為には、相手が納得する提案力が必要なのです。自信をもって落ち着いて話す事も必要なポイントになります。
また、フリーターになった理由は人によって様々です。あえて、正社員の道を選ばずにフリーターとして働いてきた理由がある場合は、その理由をしっかりと伝えた方がよい印象を与えます。扶養控除や家族状況などであえて時間の融通がきくアルバイトを選んでいたのであれば、それも立派な理由です。
しかし、正直に「正社員が大変だと思ったのでフリーターになった」と話したら、面接官が選びたくても、就職してすぐに辞めてしまう懸念がある人は採用されることはありません。どこの会社も採用されたら長く働いてほしいと思っています。フリーターを選んだ理由をポジティブに伝えることができれば、面接官の印象も変わるはずです。
まとめ
面接で「何故フリーターなのですか?」と聞かれた時に回答する内容は、いくつかのパターンがあります。自分の背景にあった理由を書き出し、さらに読み返して自分が面接官になった気持でどんなふうに聞こえるか、誰かに感想を求めてみるのもいいかもしれません。このように考えて行動する事が、あなたの成長に確実に役に立ちます。
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