[最終更新日]2024年7月12日 [記事公開日]2022年9月22日
採用業務の効率化を図りたい人事必見!時間とコストの削減方法教えます
採用業務は業務プロセスも多く、人事担当者や採用担当者にとって大きな負担になりがちです。本記事では、採用業務を効率化するための準備や方法を具体的に解説しています。採用工数を減らし、求職者を明確な基準で評価したい方はぜひ参考にしてみてください。
採用業務を効率化すべき理由
人材を採用する業務では、多くの作業が必要となります。ただ求人募集を出し、応募した人を面接するだけではありません。まず最初に、採用計画を作成したうえで、具体的な労働条件などを明記した求人票を作成します。一定期間内に応募してきた人材に選考を行いますが、書類選考の内容や、面接を誰が、何回行うかという点も、事前に決めておく必要があります。さらに、応募者には働きながら仕事探しをしている人もいるため、面接日時の調整も必要となるでしょう。
面接を終えたら、企業にとって適任だと思う人材を選び、内定を通知します。そこからは、入社に向けての手続きを始めると同時に、内定者へのフォローも大切な業務となります。
採用業務は、採用者が入社して終わりではありません。入社後に、採用者が企業へどのぐらいの効果や利益をもたらしたかという効果測定も行う必要があります。
こうした一連の作業には、莫大なコストが必要となります。中途離職者が少ない企業ならば、採用業務の頻度を抑えることができますが、社員数が少ない企業では、離職者が出るたびに採用業務が必要となり、人事担当者にとっては大きな労力を要する業務となります。
採用業務は、人事部だけの負担ではなく、配属先となる部門にとっても大きな負担となります。多くの社員にとっては、採用業務は通常業務と並行して行わなければいけないため、採用業務の負担が大きくなればなるほど、通常業務への影響が懸念されるかもしれません。採用業務を効率化することは、社員にとっては大きな負担軽減というメリットがあるのです。
採用業務を効率化すべき理由には、優秀な人材を確保することがあげられます。近年の転職市場においては、仕事探しをしている求職者より、求人募集を出している企業の方が多い状況が続いており、売り手市場となっています。こうした状況で優秀な人材を確保するためには、迅速かつスムーズに採用プロセスを進め、素早く人材を採用しなければなりません。多くの求職者は複数の企業へ応募しているため、採用業務に時間がかかっていると、他の企業から良い条件で内定を受けた求職者が、そのまま他社に入社してしまうでしょう。採用業務を効率化することは、優秀な人材を素早く確保することにもつながるのです。
しかし、採用業務の効率化を希望しても、なかなか思い通りに進まないケースは少なくありません。例えば、効率的に採用業務が進まない原因の一つに、求職者とのコミュニケーションがあります。採用業務においては、求職者とのコミュニケーションはとても大切で、優秀な人材を確保するためには、丁寧なフォローなども必要不可欠です。丁寧なコミュニケーションを複数の求職者に行うとなると、コストや工数が多くかかります。効率化を進めたくても、必要不可欠な作業となると、なかなか効率的にできないというジレンマがあるのです。
メディアに掲載している求人募集の内容に関しても、常に最新の情報に更新する必要があります。この点に関しても、利用している媒体が多いほど、コストや手間がかかるでしょう。古い情報をそのまま掲載していると、求職者への印象が良くないだけでなく、企業の信頼も損ないかねません。
採用業務の効率化は、企業の人事部や人事担当者が独断で決定できるわけではありません。業務の効率化を求めても、それが現状の採用プロセスと大きく異なる場合には、企業内で新しいプロセスを構築する作業に時間と費用がかかります。
転職サイトや求人サイトに広告掲載を依頼する場合も、複数ある求人サイトの中からどんな基準で選ぶのか決定することが必要となります。さらに、求人情報を転職サイトに丸投げするのではなく、具体的にどんな人材を確保したいかを、求人サイト側の担当者と密に連絡を取りながら、採用業務を二人三脚で進めなければいけません。
採用業務を効率化するための準備
採用業務を効率化するためには、まず現在の選考プロセスを見直して、具体的な問題点を洗い出す作業から始めましょう。現在の選考プロセスの中には、良い点もあれば改善すべき点もあるでしょう。すべてに改善が必要という場合を除いて、良い点はそのまま残し、改善するべき点を改善することによって、現在よりもさらに良い採用業務プロセスを構築できるのではないでしょうか。
採用業務におけるプロセスの見直しでは、製造業で用いられる「歩留まり」という概念を適用すると分かりやすいです。歩留まりというのは、理論上最も理想的な生産高に対する、実際の生産高の割合のことです。例えば、理論上では一定量の原料から1,000個の製品を作れるはずなのに、実際に製造してみると、問題なく完成したのは980個で、残りの20個は不良品になってしまった場合を考えてみましょう。この場合、理論上で計算した製造量よりも、実際に完成した製造量は異なります。完成した製造量が理論上の製造量に対して98%となり、この数値がこの製品における歩留まりとなるわけです。
この概念を採用業務に適用すると、どうなるのでしょうか。例えば、内定を通知した人材が10人いたとします。これは、企業が入社してくれると見込んで内定を出した数です。しかし、多くの場合、求職者は複数の企業へ応募していますし、優秀な人材になればなるほど、複数の企業から内定通知を受け取ります。内定通知を受け取った企業すべてに入社することはできないので、その中から1社を選んで入社することになります。つまり、企業にとっては、10人に内定通知を出しても、10人全員が入社してくれるわけではないのです。内定を出した10人のうち、実際に入社するのが7人なら、この採用業務における歩留まりは70%となります。
この70%を高いとみるか低いとみるかは、その企業が事前に想定した基準によって異なります。もし、想定していた歩留まりよりも低いのなら、それは採用業務のどこかに問題点が潜んでいるでしょう。それを洗い出したうえで、具体的な効率化の内容について、模索しなければいけません。
採用業務の歩留まりに関しては、理想的なのは10人に内定を出したら10人が全員入社してくれるという100%の状態です。しかし、優秀な人材ほど他社に流れる可能性が高いという点を理解したうえで、想定歩留まりを決める必要があります。
採用業務を効率化する方法
採用業務の全体的なプロセスを見直して大きく改善することは、すぐには難しいかもしれません。しかし、一つ一つのプロセスの中で細かい部分を見直し、工夫することで、現在よりも効率的な採用業務を遂行することは可能です。
それでは、具体的にどんな方法を取り入れたら良いのでしょうか?
1つ目は、求職者への対応をスピードアップすることです。求職者は、自社だけでなく複数の企業へ同時に応募し、並行して選考を受けていると考えられます。仮に自社が第一志望だったとしても、対応やレスポンスが遅いと、求職者は「誠意がない企業だ」と考えて別の企業へ転職してしまうかもしれません。誠意のある企業だという印象を与えるためには、求職者への対応を迅速に行うことが必要不可欠です。
しかし実際には、求職者一人ひとりに対して、正確かつ丁寧なレスポンスを迅速に行うことは、難しいかもしれません。人事部の中で、採用業務のみを行う社員であれば可能かもしれませんが、通常業務と並行しながらの採用業務となれば、思うように手が回らないことも多くなるでしょう。
その場合には、レスポンスの自動化を検討すべきです。これは、求職者からメールなどで問い合わせを受けた時に、「受け取りました」という通知をひとまず送信するシステムです。事前にテンプレートを作成し、求職者からメールを受け取ったら自動レスポンスメールを送信します。そこから24時間以内や翌営業日以内など、事前に決めていた日数内に対応することができます。
自動化されたレスポンスメールを採用することによって、求職者は企業へ送信したメールが届いたことを確認できますし、どのぐらいの早さで対応してもらえるかという点についても知ることができます。そのため、イライラしながら返信を待つことや、マイナスイメージを持たれて他社へ転職されるリスクを最小限に抑えることができます。
2つ目は、評価基準の見直しです。採用プロセスにおいて求職者を評価する基準は、企業内や部署内である程度の基準が設けられていることが多いです。しかし実際には、面接官ごとに異なる基準で評価されることが多くあります。求職者が異なる基準で評価されていると、どの求職者が最も適した人材かを見極めにくくなるだけでなく、その選考業務においても時間や手間が多くかかるでしょう。
さらに、バラバラな評価基準によって採用された求職者の中には、企業カルチャーにミスマッチな人材の可能性も考えられます。そうすると、工数やコストをかけて採用業務を遂行しても、早期離職となるリスクが高まります。
評価基準の見直しにおいては、漠然とした抽象的な基準ではなく、できるだけ客観的に評価しやすい基準を作ることが必要です。より具体性のある指標のほうが、どの面接官が対応した場合でも客観的に評価しやすくなりますし、面接官が変わっても評価の結果が同じになり、平等性も高く維持できるでしょう。
しかし選考過程においては、すべての評価項目を明確な指標で判断できるわけではありません。例えば、コミュニケーション能力や求職者の雰囲気、意欲ややる気などは、数字で評価することはとても難しいです。そうした部分に関しては、細かく評価できるチェックリストを事前に準備することや、面接官がメモ書きできる評価表を準備するのも得策です。
3つ目は、採用業務を外部機関へ委託することです。採用業務には工数や時間がかかるだけでなく、面接官によって判断基準が異なりやすいというデメリットもあります。それならば、採用業務のみを専門に行うプロへ依頼すれば、統一された基準のもとに求職者を評価することで、より企業にマッチした人材を確保できるのではないでしょうか。また、外部機関へ委託することでコストはかかりますが、自社の社員にかかる負担や工数を軽減することが可能となります。
特に、人事や採用に携わる部署の人手が不足している場合には、外部機関への委託には大きなメリットが期待できます。場合によっては、採用業務を直接行う場合よりも低いコストで採用できることもあるため、検討する価値はあるでしょう。
まとめ
採用業務は、社内の人事や採用に携わる社員にとって、非常に大きな負担がかかる業務です。また、複数の面接官が対応すると評価基準が異なり、適切な選考が難しくなるケースもあります。採用業務を効率化することによって、社員の工数や負担を軽減できるだけでなく、より統一された基準で求職者を評価することが可能になるでしょう。もし、採用業務についてお困りごとがあれば、ジールコミュニケーションズまでご相談ください。
ジールコミュニケーションズでは、新卒・既卒での就職活動、第二新卒、中途で転職活動をはじめ、企業向けの採用支援や学校・キャリアセンター向けのサポート支援を行っております。豊富な実績や手厚いサポートによってお客様に向き合った支援サービスをご提供いたします。
お問い合わせよりお気軽にお悩みや希望をご相談ください。
問い合わせから相談する