[最終更新日]2023年9月11日  [記事公開日]2022年9月22日

若手採用に成功するには?採用事情と成功のためのカギをご紹介します

新卒や第二新卒、20代後半から30代後半の中途採用人材などの若手人材は、他社の社風に染まっておらず、意欲が高い方も多いことから、現在採用市場で需要が高まっています。

本記事では、若手採用に成功するために必要不可欠な準備・対策を解説しています。若手の人材を確保するための参考にしてください。

若手人材とは?

若手人材とは?

若手人材という言葉は明確な定義はありませんが、多くの場合、高校や大学を卒業したばかりの新卒、学校を卒業した後3年以内に正規社員として働いた経験がない既卒、新卒で正規社員として入社し、3年未満で退職した第二新卒、第二新卒よりも社会人としての経験が長い20代後半から30代前半の中途採用を指します。

厚生労働省がまとめた「若年者雇用対策の現状等について」によると、卒業後定職に就いていない15歳~34歳までのフリーターは2018年時点で約143万人、ニートは約53万人もいるそうです。しかも卒業後定職に就きながら、3年以内に退職してしまう人も、高卒で39.3%、短大卒で41.5%、大卒で31.8%に上っています。つまり既卒や第二新卒として採用可能な人材が、それほど多く埋もれているわけです。少子化により新卒の採用が難しくなりつつある現状においては、これらの既卒や第二新卒が、若手の人材を確保する新たな市場として注目を集めています。

若手採用にはいくつかのメリットがあります。20代前半の場合は、実務経験に乏しく必要なスキルも十分習得していないので即戦力にはなれませんが、上司の話を素直に聞いたり、業務に早く慣れようと意欲をもって取り組むことが多いです。将来的な戦力としても期待できます。20代後半だとある程度の実務経験があるので即戦力として働けます。30代は、前職で管理職やマネージャーなどを任せられていた人もいるため、そうした経験を生かせるポジションで働いてもらうことができます。

若手採用に成功するための準備

若手採用に成功するための準備

若手採用において成功するには、準備の第一段階として、採用によって何を実現したいのかを明確にしなければなりません。たとえば、営業の人員を採用したい場合、実現したいことには「売上拡大」「組織の若返り」「マネジメント人材を確保」など、様々な目的が考えられます。その目的次第で、求める人物像も異なるものになるはずです。ですから若手採用を成功させるためには、まず自社が若手採用によって何を実現させたいかをはっきり決める必要があるでしょう。

次に、採用要件を決めます。採用要件には必要な経験・知識・資格・スキルなどが含まれます。例えば、 保険の営業を採用したい場合、採用要件は「保険営業経験者」や「営業経験者」「未経験者可」のいずれかになります。「保険営業経験者」とするのは、採用後に保険や営業について教える余裕がない場合です。もし、保険について教える余裕はあるので営業経験だけがあればいいという場合なら「営業経験者」、全て教える余裕があるなら「未経験者可」になります。

また、自社の魅力を明確にする必要もあります。自社が属する業界の安定性、自社の安定性、商品の強み、仕事のやりがい、昇格スピード、給与、福利厚生などです。その他にも、勤務時間、オフィスの設備、人間関係などに関する自社の魅力について考えます。仕事のやりがいや人間関係などは、具体的なエピソードを含めると魅力が伝わりやすくなります。

以上のことが明確になったら、求人の掲載時期を決めます。中途採用市場が活発になるのは、人事異動やボーナス支給の前の時期に当たる1月~4月、6月~7月、9月~11月です。一方、中途採用市場の動きが落ち着くのはゴールデンウイークや長期休暇のある5月、8月、12月です。市場が活発な時期は、市場に多くの人材がいるというメリットがありますが、競合する企業も多いというデメリットもあります。市場が落ち着いている時期なら競合する企業は少ないですが、求職者も少ないという状況になります。どちらの時期にもメリットとデメリットがあるので、自社にとってはいつが最も良いタイミングなのかを見極める必要があります。

採用要件等具体的なことが決まったら、採用のための原稿作りに移ります。。求職者は他社求人と比較するので、漠然とした内容だと素通りされてしまいます。そのため、求人原稿は詳しく丁寧に書くことがポイントになります。

「仕事内容」については、ぜひやってみたい、自分でもできそうだと思わせるような内容にします。そのためには、誰に対して何をどのようにするのかといったことを含めることが大切です。たとえば、不動産会社が営業と事務を任せたい人材を募集する場合、「必要書類の作成や物件の内覧への同行」と書くだけだと求職者は仕事のイメージがわきにくいです。そこで、内覧なら1日何組ぐらいを担当するのか、どんな物件を主に扱っていて、客層はどうかということも具体的に書くと、イメージしやすくなります。また、仕事の流れを箇条書きにして、書くという方法も効果的です。

未経験者でも応募可能な場合は、どんな研修が受けられるのかを具体的に書くことも大切です。未経験者はいろいろと不安があるので、「社内研修あり」だけでは、あまり不安が解消されません。どのくらいの期間どんな内容の研修が受けられるのか具体的に書かれていると、こういうサポートがあれば自分でもできるかもしれないと思ってもらえます。

「応募資格」は、あれもこれもと書きたくなるかもしれませんが、そうすると自分には無理だと思わせてしまうので、どうしても必要な知識や技術、経験だけに抑えておきます。

「給与・休日・福利厚生」に関してもできるだけ詳しく記載します。「給与」は月給○○万円以上とするだけでなく、もし、歩合給などがあればそれも記載します。月収の例を具体的な数字を出して書くこともできます。

「休日休暇」については、ゴールデンウイークや夏季休暇、年末年始休暇、介護休暇、有給休暇などを書きますが、それぞれ何日取れるのか、取得率や取得実績の有無なども加えておくとよりイメージしやすくなります。若い世代は、プライベートも充実させたいと考えているので、具体的な休暇の情報を記載しているなら注意を引くことができます。

「福利厚生」には家族手当、出張手当、資格手当、交通費手当などが含まれます。手当に関しては、支給対象条件を明示します。金額が固定であれば、具体的な金額を記載することもできます。交通費に関しては、非課税限度額を超えても費用を全額支給するなら「通勤交通費全額支給」と記載し、「非課税限度額まで」「公共交通機関の普通運賃のみ」という条件があるなら「通勤交通費支給」とした上で支給条件を記します。制服については無料ですべてを支給または貸与するのか、それとも支給するものと自分で用意するものがあるのかを明記します。福利厚生については、後でトラブルにならないように正確に書いてください。

若手採用に成功するための対策

若手採用に成功するための対策

若手の採用を成功させるためには、情報発信の仕方も考えなければなりません。求職者は応募先を決める前に、企業ホームページの採用ページや企業が運営するSNSを確認したり、求人サイトや転職エージェントを利用しています。また、転職セミナーや合同説明会などに行って話を聞いたり、口コミサイトを確認する人も多いです。

企業ホームページの採用ページは、求人サイトのように決まったフォーマットがないので、載せたい内容を自由に記載できるというメリットがあります。また、仕事内容や採用要件だけでなく、社員のインタビューや社長からのメッセージなども含めることができ、企業の魅力を十分伝えることができます。

SNSは、求人サイトなどに登録していない人にもアプローチできるというメリットがあります。シェア機能もあるので、情報が拡散されるという良さもあります。企業としても気軽に発信でき、企業の採用ページとはまた違った視点で情報を発信できます。アカウントの作成も無料なので、予算が十分でない企業も始めやすい方法です。

SNSによるソーシャルリクルーティングをする時にはターゲットにマッチしたSNSを選ぶことが大切です。また、採用課題やSNSだからこそ伝えられる魅力について十分検討した上で、始める必要があります。SNS上には多くの情報があふれているので、更新頻度が低いと他の情報の中に埋もれてしまいます。それゆえ、定期的に情報を更新することもポイントです。ただ、SNS採用は、効果が出るまでには時間がかかり工数も多いというデメリットがあります。そのため、自社にとってSNS採用が適切かどうかを見極めてから始めるようにしてください。

求人サイトを利用するメリットは、求職者が誰でも無料で利用できるので、多くの人材の目に触れるということです。また、業界や職種、年収、休日など検索軸が豊富に準備されているので、採用要件に合った人だけが応募してくるというメリットもあります。紙媒体よりも多くの情報を載せることができ、サイトによっては、写真を載せることも可能です。

ただし求人サイトの場合は、採用不採用に関わらず掲載料がかかります。そうした無駄なコストをかけたくなければ、完全成果報酬型の転職エージェントを利用するのがオススメです。弊社「ジールコミュニケーションズ」でも新卒・既卒・第二新卒・専門学生など幅広い若手人材を紹介していますので、ぜひご活用ください。

情報発信の方法はたくさんあるので、その中から自社に合った方法を選択するようにしましょう。1つだけでなく複数組み合わせることもできますが、担当者の負担が増え過ぎないように配慮することも大切です。

採用活動がうまくいくように職場環境が整っているかもチェックしましょう。若手が働きたいと思う職場にするには、やりがいを感じられる環境が必要です。評価制度が整備されておらず、自分の仕事が適切に評価されないことがわかると、せっかく就職してもやる気をそがれ早期退職につながってしまいます。また、十分な研修や教育制度を設けるといったサポート体制も必要です。

さらに、心と体の健康が保てるような環境も整えておきましょう。社内設備が充実しているか、休憩スペースなども確保しているか、同僚や上司とのコミュニケーションが取りやすい状況になっているかなどを確認してください。

若手はワークライフバランスを重視する傾向があるので、休暇が取りやすいかどうか、業務の効率化を図って残業時間を減らせるかといった点も大事なポイントです。中途採用の20代後半や30代の人材であれば、結婚して子育てをしている人もいるので、産休や育休、介護休暇が取りやすいといった点も整備する必要があります。

選考中あるいは内定を出した後に辞退されて必要な人材が採用できなくなるということがあります。そうした事態を避けるためにフォローアップ体制について考えることも必要です。

面接では、人事担当者だけでなく、入社後に一緒に働くことになる社員に自由に質問できる機会を設けるなどすると、若手人材の不安を和らげることができます。また、面接では自社の良い部分だけでなく、課題についても説明しておきましょう。自社の良いところばかりアピールするのではなく課題についても触れることで、応募者の信頼を得ることができるからです。

面接前後の職場見学を取り入れることもできます。職場見学では、体験型にしたり、社員と直接話をしたりできるようにすると、働くイメージを抱きやすくなり、ここで働いてみたいという気持ちにさせることができます。見学の後にグループディスカッションで感想を述べ合ったり、見学レポートを提出してもらったりすれば、求職者の志望度のチェックやその後のフォローアップに役立てられます。

面接をする人は、求人に記載している仕事内容や給与などを必ず確認してから面接に臨みます。求人情報と面接で話されることが違っていると、不信感を持たれる事態につながる可能性が高くなるからです。もし次回以降も選考が続くようなら、そのスケジュールを迅速に決めて伝えるようにします。合否通知もスピーディーに行うようにしましょう。絶対に逃したくない人材に対しては、面接当日に通知するのも1つの手です。

まとめ

数年の仕事経験があり、即戦力となれる若手人材の採用において成功するには、事前の準備と対策が欠かせません。若い世代に訴える情報発信の方法を考える、やりがいやワークライフバランスを大事にするという特徴を踏まえた職場環境整備、辞退者を出さないための対策など、様々な角度から準備と対策をして若手人材の採用に取り組んでください。

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