[最終更新日]2023年9月12日  [記事公開日]2022年9月22日

【人事向け】採用オペレーションの見直しと採用業務を効率化する方法

もし自社になかなか優秀な人材が来ない、あるいは定着率が低く、せっかく採用しても次々と辞めてしまうといった問題を抱えている場合、採用オペレーションに問題のある可能性があります。人材を選び、採用する段階で何かしらの問題を抱えていれば、自社で活躍してくれるような優秀で適性を持った人材を確保するのは難しいものです。「就活市場になかなか優秀な人材がいないものだ」「今年の就活生はハズレだ」といった愚痴をこぼす前に、そもそも優秀な人材を獲得できるような採用オペレーションを確保できているのかどうかを確認してみましょう。

採用オペレーションの見直しポイント

採用オペレーションの見直しポイント

採用オペレーションの見直しポイントの筆頭に挙げられるのが、採用基準です。「何を」あるいは「どこを」重視して応募してきた人物を評価し、採用するかどうかを判断しているのでしょうか?そもそも「優秀な人材」とはどんな人物のことを言うのか、明確にしたうえで基準を設けているでしょうか?他社では優秀な人材として評価される人でも、自社の風土や理念に馴染めずに、能力を発揮できないケースも見られます。また、実績やスキルを持っていない就活生や第二新卒を採用する場合には、将来性を見極める必要があります。

しかも、そうした評価は通常1人が行うものではなく、複数の採用担当者がそれぞれ担当した人物に対して行います。ですから、採用オペレーション全体で採用・評価基準を統一しておかないと、採用担当者によって評価がまちまちになってしまう恐れがあります。担当者Aが低く評価した人材も、担当者Bなら高く評価した可能性がある、そんなブレが生じるような環境になっていないか、見直しましょう。

採用オペレーションの見直しを行うには、全てのフローを改めて見直し、どこに問題を抱えているかを洗い出してみることが先決です。求人に興味を持ってくれる人材を増やす母集団形成がうまくいってない、あるいは応募受付のための求人情報がうまく拡散できていない、先程触れたように人物評価がうまく機能していないなど、採用オペレーションにはさまざまな課程があるため、どこで問題が生じているのか、流れが滞っているのかを確認しておきましょう。例えば、応募者が少ないのか、内定辞退者が多いのか、あるいは採用オウンドメディアとして利用しているWebサイトやSNSのアクセス数が少ないのか、さらには利用している就職・転職エージェントや求人サイトが自社とマッチしているかどうか、見直すべき点はいくつもあります。

そして採用オペレーションの見直しを行う際は、採用業務を効率よく、スピーディーに行っているかどうか確認することも大切です。これは効率化する方法のところで詳述しますが、採用オペレーションにおいて、担当者同士の連絡がうまく機能していないとか、業務そのものに無駄が多い環境だと、何をするにも時間がかかってしまいます。その結果、応募者の不安を招き、内定辞退や選考辞退が増える要因を作ってしまうことになりかねません。

採用業務を効率化すべき理由と課題

採用業務を効率化すべき理由と課題

「確実に応募者を集めて、その中から優秀な人材を獲得できる環境を整える必要がある」これが採用業務を改善・効率化すべきもっとも基本的な理由です。そして、優秀な人材を獲得するには、業務の効率化とスピードアップは必須と言えます。

もともと少子高齢化などの影響で、現在の就職市場は求職者側の売り手市場となっています。そうなると、優秀な人材はあちこちから必要とされ、さまざまな選択肢の中から職場を選べることになります。しかも、近年では企業側からアプローチする「ダイレクトリクルーティング」を行うケースが増えています。つまり、優秀な人材ほど次から次へと誘いがあり、良い求人が入ってくる環境にあるわけです。

そんな状況の中で採用オペレーションの効率が悪く、採用業務のスピードが遅ければ、優秀な人材を他社に横取りされてしまうリスクが高くなります。せっかく優秀な人材が自社に興味を持って応募してくれたのに、メールの返信が遅い、面接などの日程調整に時間がかかる、合否通知が遅くてなかなか選考フローが進まないといった状況だと、応募者がしびれを切らして他社に決めてしまう恐れがあります。表現はよくありませんが簡単に言えば、採用業務にモタついていると優秀な人材は他社に抑えられ、他社から声がかからない「余りもの」の人材しか獲得できないリスクが高まるのです。

採用オペレーションを行う内部事情としては、人事部門の担当者の負担を減らす意味でも、効率化は必須と言えます。採用計画から評価基準の設定、求人票の作成、求人を掲載する媒体の選定および掲載内容の策定、さらに面接対策をはじめとした選考の管理、内定者のフォローなど、人事部門の採用担当者がやるべきことは多岐にわたります。この負担が大きければ大きいほど採用スピードが遅くなりますし、作業が煩雑になればなるほど、スタッフ同士の連絡がうまくいかなくなり、さまざまな問題が生じてしまいかねません。

業務のオンライン化、求人・選考に関わるデータのクラウド化など、業務の効率を高める環境づくりを行うことで、こうした問題を避け、改善していくことができます。また、母集団を増やすという意味では採用オウンドメディアの活用やダイレクトリクルーティング、ソーシャルリクルーティングの導入といった、環境面・手法の抜本的な改革も必要かも知れません。こうした新しい採用オペレーションをいち早く導入して、一定の成果を挙げている企業もあります。ただし、こうした新しい採用オペレーションの導入には、弊害も付き物です。

例えば、採用オウンドメディアを採用オペレーションに組み込もうと思った場合は、Webサイトの構築・運用・管理が求められるようになります。ソーシャルリクルーティングを導入するとなると、SNSを定期的に更新しなくてはなりません。そうした人員を確保できるか、そもそもノウハウを持った人間が社内にいるのか、あるいは新たに発生するコストを負担できるのかといった問題があります。しかもこうした新しい手法に馴染むまでに時間がかかるうえ、煩雑な作業が伴い、かえって人事部門の業務の負担が増えてしまう可能性さえあります。

ですから、効率化を目指す段階で綿密な計画を立てて、時間をかけて取り組んでいく心構えが必要です。新しい手法を導入することで、結果的にどれだけ効率化が実現するのか、優秀な人材を獲得するのに役立つのか、そして新たに導入するだけの価値があるのか、費用対効果、メリットとデメリットのバランスをよく踏まえながらの判断が求められます。

採用業務を効率化する方法

採用業務を効率化する方法

こうした課題を抱えた状態で、採用業務を効率化するためにはどのような方法が有効なのでしょうか?これまで何度か挙げてきた「採用業務のスピード化」を図る際に役立つのが、採用管理システムの導入です。採用オペレーションを一元化し、業務をスムーズに行うことのできるシステムで、応募者のデータや採用オウンドメディアの活用、面接の評価傾向の分析、さらにはZOOMとの連携などの機能を備えています。サイトを利用して求人情報を拡散する場合には、作成した求人情報や求人票を一元管理することもできますし、システム上から応募者とのコミュニケーションを取るなどの機能も利用できます。

採用管理システムとは別に、採用プロセスのオンライン化を推進していくのも有効な手段です。応募はすべてWeb上で受け付け、紙の履歴書は扱わず、応募者とのコミュニケーションもすべてオンライン上で行います。メールはもちろん、オウンドメディアを活用してのコミュニケーションが有効です。また、これは判断が分かれるところですが、面接をWeb上で行うことも選択肢に入ってくるでしょう。

こうしたオンライン化を推進していくことでも、採用に関連したデータを一元化しやすく、業務をスムーズに進めやすくなります。面接会場の準備・手配の手間が省けますし、応募者もわざわざ面接に出向くといった負担がなくなります。負担が少ないことを理由に気軽に応募してくる求職者の中にも優れた人材が混ざっているかも知れませんし、遠隔地にいても選考を受けられることで、IターンUターンなど移住を視野に入れて職探しをしている人にもアプローチできるメリットを持っています。

おそらく、「面接は直接対面して行わないと人物をしっかり評価できない」「手書きの履歴書にはその人の内面が現れるものだ」といった考え方を持っている企業も多いはずです。もちろんそうした面もありますが、それが採用オペレーションを非効率的にするほどの価値があるのか、見直してみる必要もありそうです。必ずしも全面的に採用オペレーションをオンライン化する必要はなく、どこまでオンライン化・効率化するかを判断することも重要なポイントとなってくるでしょう。

思い切って、採用オペレーションを外注する方法もあります。採用代行サービス(RPO)というサービスを利用することで、自前で採用業務を行うことなく、人材探しが可能です。採用業務の基本的な部分、面接の段取りや求人情報を掲載するメディアとの打ち合わせ、採用業務の進捗状況の管理といった面倒な部分を委託することができます。サービスによっては、募集から人物評価まで、ほとんど全面的に委託することも可能です。母集団の形成や採用計画の策定のサポートなども受けられます。問題なのは、利用する採用代行サービスが自分たちが求める人材探しにマッチしているか、そして費用対効果に見合うかどうかです。この点は、採用代行サービスの内容や評価、実績などから個々で判断していくことになります。

とはいえ、自社で働く人材を全面的に外部に委託するのは不安が伴う、コストがかかり過ぎるという企業も多いでしょう。そういう場合は、就職エージェント・転職エージェントと呼ばれる「人材紹介サービス」の導入がオススメです。人材紹介サービスは、採用オペレーションそのものを外部業者に丸投げするのではなく、候補者集めの部分を委託し、実際の選考過程は自社で行います。ただし、エージェント側へ事前に伝えておいた、自社の求める人物像に合致する候補者のみを紹介してくれるので、実質的には初期選考が済んでいるも同然です。面接は自社で行うとはいえマッチング率が非常に高く、求める人物像とかけ離れた候補者に費やす無駄な面接を省けます。採用オペレーションが効率化できるとともに、優秀な人材を確保できる可能性も高まるわけです。

また、人材紹介サービスの場合は基本的に、料金が成果報酬型であることもメリットです。人材紹介サービスの料金は一見、採用代行サービスと同様高額に見えますが、実際には紹介料は採用と引き換えに発生するため、採用に値する人物を紹介されなければ料金はかかりません。つまり人材紹介サービスでは、採用の有無に関わらず作業の対価として料金が発生する採用代行サービスと違い、無駄なコストがかからないのです。確かに料金そのものは安くはありませんが、これまで成果を上げられない採用オペレーションにかかっていた無駄なコストを削減できることを思えば、高すぎるということはないでしょう。ただし事前に厳選されている分、一度に紹介してもらえる人数には限りがあり、大量採用には向いていないので、他の手段との併用が基本になります。

弊社「ジールコミュニケーションズ」でも、新卒・中途の様々な人材紹介を行っていますので、ぜひご検討ください。

まとめ

採用オペレーションが機能していないためになかなか人材が定着せず、人手不足が解消しない環境では、頑張っている従業員のモチベーションも低下してしまう恐れがあります。長く働いて会社の利益をもたらしてくれる人材をしっかり確保することが、そのまま職場環境の向上や業務全体の改善にも結びつくだけに、じっくりと検討しながらより効率的でふさわしい環境を整えていきたいところです。

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