[最終更新日]2023年9月11日  [記事公開日]2022年9月22日

採用コストを下げるにはどうすればいい?プロが削減方法教えます

採用コストを下げるには、コストの無駄遣いをなくすことが重要です。内定辞退者や退職者を減らすことで採用コストを削減できます。

本記事では採用コストの平均や、中途・新卒における採用コスト事情、採用コストを下げる方法とオススメサービスを解説します。採用コスト削減のための参考にしてください。

採用コストの平均はどれぐらい?

採用コストの平均はどれぐらい?

採用コストとは、企業が必要な人材を採用する際にかかる費用のことです。よく、ニュースなどで「売り手市場」や「買い手市場」といった言葉を耳にしますが、人材の採用も景気によって左右します。

現在は、退職していく人の人数に比べて新卒者が少ないことや、企業がグローバル化していくのに伴って高い能力が求められることが要因となり、容易に採用を決めることが難しくなっています。優秀な人材が見つかるまでに時間がかかることから、採用するためのコストは年々増加すると考えられます。

1人あたりの採用コストは、「採用コストの総額 ÷ 採用人数」で採用コスト単価が出せます。求人広告で1人あたりいくら使ったのかを出すなら、「求人広告の総額 ÷ 採用人数」で求人コストが出せます。1人あたりいくらかかったのかをひと目でわかるようにしておくと、費用対効果がどうだったのかがわかりやすくなります。

マイナビが発表したところによると、2021年卒マイナビ企業新卒内定状況調査において、新卒1人あたりにかかった平均採用コストは、約29.4万円だったそうです。内訳は上場企業で約35.7万円、非上場企業で約28.4万円でした。業種別では、製造業が約33.4万円、非製造業が約27.5万円です。非上場企業の平均採用コストが上場企業より低いのは、もともと採用に割り振れる予算が低いこと、そのため採用難易度の低い人材を採用していることなどが理由でしょう。また、非製造業に比べて製造業の方が採用コストが高いのは、専門知識などを有する採用難易度の高い人材が必要であり、高いコストを掛けざるを得ないものと考えられます。

では、中途採用のコストはどうでしょう。マイナビの中途採用状況調査によると、2018年度の中途採用1人あたりにかかった求人広告費用の平均は、「コンサルタント・金融・不動産専門職」が89.8万円、「ITエンジニア」が79.7万円だったのに対し、「営業」では56.8万円、「管理・事務」では43.4万円という風に、職種による違いが大きかったそうです。高度な専門スキルが必要で、なおかつそのスキルを持つ人口が少ない職種ほど、採用コストが高くなると考えられます。

ただしこの求人広告費用は、中途採用にかかるコストの一部にしか過ぎません。同調査によると、1社あたりが中途採用にかけるコストの総額では、人材紹介の費用が平均489.3万円、求人広告の費用が平均284.7万円でした。つまり中途採用では、人材紹介に、求人広告の2倍近いコストがかかるわけです。先ほども述べたように、専門スキルを持った希少な人材を求めるほど、求人広告のコストがかさみます。しかし、それでもなおそうした人材の確保は困難であり、人材紹介に頼らざるを得ないのが現実なのです。

また、新卒採用は基本的に職種を限定していないので一概に比較できませんが、総じて新卒採用よりも、中途採用の方がコストの方が高いことも見て取れます。中途採用は求人ごとにそれぞれ求める経験やスキルが違うので、それにぴったり合う人材を見つけるのが難しく、採用までに時間がかかるのが理由の一つです。

しかしながら、中途採用でも、特定のスキルや経験は問わない採用と、即戦力になるスキルがある人を求める採用があります。前者の採用であれば平均コストよりも低くなるでしょうし、高度なスキルを持った希少な人材を求めれば求めるほど、採用コストは平均よりもずっと高くなるはずです。

中途・新卒における採用コスト事情

中途・新卒における採用コスト事情

採用するにあたり、必要なコストにはどんなものがあるのでしょう。新卒採用にかかるコストの一例を挙げてみると、求人の掲載や就職イベントに出す広告費、採用サイトの制作費、会社説明会やインターンシップを開催するための費用、内定通知などを送る郵送費、そして内定者の交通費や引っ越し費用、懇親会費などがあります。中途採用の場合は、会社説明会やインターンシップなどの費用はかからないでしょうが、その他費用は同じように必要になるほか、人材紹介サービスを利用する場合はその費用も掛かります。

それから、人事担当者にかかるコストがあります。人件費はもちろんのこと、面接や会社説明会などでの移動のための交通費や宿泊が伴えば、その費用も必要です。内定者との懇親会等があれば、その費用もかかります。

こうした採用コストは、外部コストと内部コストに分けられます。採用コストを下げるためには、採用コストとは何かを知っておく必要があるでしょう。

求人募集する広告費や採用代行費、会社案内などの制作費、説明会などの会場費、人材紹介サービスで採用が決まった場合の成功報酬、そして内定者の研修費などは外部コストに当たります。外部コストがかさんでしまうと、採用コストが高くなってしまうケースは多いです。

内部コストには、採用にかかる採用担当者の人件費や応募してきた人の交通費、そして内定者の引っ越し費用などがあります。採用がすんなり決まらず、長くかかるような場合は、それだけ内部コストがかかることになります。何にいくらかかったのかを明確にし、管理することで、どの点が問題かがわかるようになり、コストを下げるにはこうすれば良いという方法が見えてくるでしょう。

採用コストを下げる方法とオススメサービス

採用コストを下げる方法とオススメサービス

コストを下げるにはどんな方法があるのでしょう。1番に挙げられるのは、コストの無駄遣いをなくすことです。例えば、戦力になってもらうために教育をし、そろそろ戦力になってもらえるかという時に退職してしまった場合、その社員の人件費と採用費が無駄になってしまいます。

これはミスマッチが起こったために生じたことであり、ミスマッチを無くして採用した社員が会社に貢献してくれれば、かかった費用は無駄にはなりません。退職時に退職の原因を聞いておき、次の採用に活かすようにしましょう。入社してみたら求人広告にあった内容と違ったという理由で辞める人が出た場合は、求人広告の内容を今一度チェックしてください。

内定辞退者を少なくすることも、コスト削減になります。そのためには内定者を小まめにフォローし、内定辞退を防ぐことが大切です。法律上、内定辞退は入社日の2週間前までとされているので、入社日近くまでしっかりフォローを続けましょう。

具体的にどんなフォローをすれば良いかというと、できれば直接会う機会を作り、一緒に働こうと内定者に伝えることです。フォローの例として、社員と交流しながらの食事会や職場見学、内定者同士のコミュニケーション、社員研修の様子などの情報提供があります。最近はSNSでのコミュニケーションが多くなっていますので、セキュリティー面を整備しておくことが大切です。

内定辞退やミスマッチを防ぐために、インターンシップ制度を導入している企業も増えてきました。新卒の選考時によく使われますが、実際のオフィスや店舗で数日働いてもらい、仕事の内容や職場の雰囲気を体験し、次のステップに進むかどうかを決めてもらう方法です。これを体験することで、辞退やミスマッチが減ると考えられています。

求人広告が適正に活用されているかもチェックしましょう。費用はもちろんのこと、ターゲットが広告と合っているかどうかは重要です。出稿媒体や出稿時期、応募者の細分化、そして応募者、採用人数です。しっかりアピールしているのに応募者が少ない場合は、出稿媒体の担当者に、PV数がどれくらいなのか、平均と比べてどうなのかを確認して、修正すべきところは修正します。

社員からの紹介で採用する方法なら、採用コストは低く抑えられます。以前はよく、「コネ」入社とか「縁故」採用と言いましたが、今は「リファラル採用」と言います。この方法だとコストがかからない上、ミスマッチが少ないので、早期退職も少ないです。紹介してくれた社員に対するインセンティブを設けたとしても、広告費よりは安く済むのでおすすめです。中途採用の場合は、この方法を使うと、比較的早く決まることがあります。

自社で採用ページを作り、活用すれば、求人広告を出さずに済みます。採用ページはIndeedなどの求人サービス会社と提携することができ、広告費の削減が可能です。しかし、ホームページが魅力的でないと見てもらえず、採用につながりません。ホームページが魅力的で読みやすく、内容がわかりやすいかを確認することが大切です。

今まで採用する側は、求人広告を出して応募者をひたすら待つだけでした。コスト削減のためには待つだけよりも、こちらからこの人と思う人に声をかけ、アプローチする方法が良いでしょう。「ダイレクトリクルーティング」と言い、ビズリーチなどのダイレクトリクルーティングサービスのデータから探したり、SNS上で探したりします。自社を売り込まなければいけないため、「ヘッドハンティング採用」「攻めの採用」と言われています。

そして、人件費や業務の内容(内部コスト)を今一度見直してみましょう。無駄な作業がないか、効率が悪い方法で仕事をしていないかを確認するのです。採用業務のマニュアルは整備されているでしょうか。企業によっては、こういったマニュアルが整備されていないことがあります。このような場合は、まずマニュアルをきちんと作ることが大切です。そして、作成したマニュアルをもとに業務を回していけば、効率アップへとつながります。

また、条件を満たしていれば、採用した後で雇用関係助成金がもらえます。その条件とは、雇用保険適用事業所の事業主であること、労働基準法などの法令違反がないこと、支給のための審査への協力、支給に必要な書類を作成し、保管、整備していること、そして申請期間内に申請を行うことです。さらに、生産性が上がり、要件が満たされていると認められると、増額されます。申請書の作成、審査があるため、手間も時間必要ですが、これがもらえると採用コストの削減につながります。厚生労働省のホームページに詳細が記載されていますので、確認してみましょう。

社員だけで採用業務を行うのは大変で、人手が足りない、残業代が増えるというような場合は、採用代行を使ってコストを削減することもできます。代行業者に依頼すれば、その費用でかえって高くなるのでは?と気になるかもしれません。しかし、採用業務全部を依頼するわけではなく、応募者への対応だけとか、説明会だけお願いするなど、一部を依頼することができます。面接や合否判断などの重要な部分は社員が行い、説明会を行う会場設営など、社員の負担になる部分を代行に依頼すれば、それほど費用がかかることはありません。

まとめ

自社の採用コストが平均よりも高いか安いかをチェックし、高い場合は何が高くなっているのか、その原因は何かを追求してみましょう。広告費が多いようであれば、その見直しが必要です。社員のいつもの業務の他に採用業務が加わって負担となり、残業代がかなり増えてしまうのであれば、どうしてもコストが高くなってしまいます。

また、入社後のミスマッチや早期退職を予防するために、内定者とのコミュニケーションはきちんと取れていたか、求人内容に誤りはなかったかなどの見直しが必要になります。採用してすぐに辞められることは、企業にとってもダメージは大きいものです。

現在は採用代行業者や人材紹介サービスも数多くあります。新卒採用でも、こうした外部業者の利用はもちろん可能です。外部に委託できる部分は委託して、社員の負担を軽減しましょう。社員の負担が軽くなれば、その分内定者を手厚くフォローすることができますし、きちんとフォローすることで内定辞退や早期退職が避けられ、結果的にコスト削減へとつながることになります。年々採用が厳しくなってきており、採用コストがかさみがちです。様々なサービスをうまく利用して上手にコストを削減しながら、良い人材を採用できるように努めましょう。

弊社「ジールコミュニケーションズ」では、高いマッチ度と入社までの徹底フォローにより、内定辞退や早期退職が起こりにくい人材紹介サービスを提供しています。採用コストの削減に、ぜひお役立てください。

ジールコミュニケーションズお問い合わせ

ジールコミュニケーションズでは、新卒・既卒での就職活動、第二新卒、中途で転職活動をはじめ、企業向けの採用支援や学校・キャリアセンター向けのサポート支援を行っております。豊富な実績や手厚いサポートによってお客様に向き合った支援サービスをご提供いたします。
お問い合わせよりお気軽にお悩みや希望をご相談ください。

問い合わせから相談する