[最終更新日]2023年9月12日  [記事公開日]2022年9月20日

体育会学生の採用スケジュールを徹底解説!効率的に優秀な人材を確保しよう

体育会学生を効率よく採用するには、夏の大会前に就職活動を終わらせる学生に向けて内々定を出せるような採用スケジュールが最適です。

本記事では、体育会学生の就職活動の動向や、優秀な人材を効率よく採用する方法を解説します。

体育会学生の採用スケジュール

体育会学生の採用スケジュール

体育会学生の採用スケジュールを検討する際には、体育会学生の就職活動の動向について把握する必要があります。

体育会学生は、一般の学生に比べると就職活動を始めるのが遅いイメージがありますが、実は一概にそうとも言い切れません。一口に「体育会学生」と言っても、就職活動に対する考え方は様々です。実際、弊社に就職の相談に来る体育会学生のうち、およそ半数程度は大学3年生の春頃から少しずつ就活への準備を始めています。そしてベンチャー企業などが募集を始める大学3年生の秋頃になると、実際にエントリーして面接を受ける体育会学生も、5人に1人くらいはいるのです。

ただし、体育会学生の場合、夏休み期間中は合宿や大会があるので、夏期のインターシップに参加できる学生はそれほど多くありません。体育会学生は、秋期や冬期のインターンシップに参加するのが一般的です。トップアスリートになると競技に集中する期間が長いため、大学4年生の夏から冬にかけて就職活動を始めることもあります。

体育会学生を採用するうえでの心得と準備

体育会学生を採用するうえでの心得と準備

個々の学生を良く見極める

体育会系の学生を採用する際には、体育会学生の一般的なイメージにとらわれず、個々の学生の特質や能力を見極めて採用する必要があります。

体育会学生の一般的なイメージは、競争心が旺盛で、負けず嫌い、練習に打ち込む努力家、決断力や行動力があるといったものだと思います。協調性があってはきはきと話し、コミュニケーション能力が高いといった印象もあるでしょう。ただし、競技の中には個人競技もあれば、団体競技もあります。個人競技を行っていたのであれば、コミュニケーション能力や協調性などは、団体競技をしていた学生ほど培われていないかもしれません。

また、一口に体育会学生と言っても、競技歴も様々です。小学生からずっと同じ競技に打ち込んできた人もいれば、大学に入学後、就職に有利だからという理由で競技を始めた人もいます。前者のように1つの競技に長年打ち込んできたのであれば、忍耐力や自己肯定感が強い傾向があるのは確かです。しかし後者のように、競技歴や始めた動機などが違えば、培った特質などにも当然差が出てきます。ですから採用活動においては、体育会の学生はこうだという固定観念にとらわれず、個々の学生の特質と能力を正確に見極めるようにしてください。

その体育会学生が部活の中でどんな立場にあったかも、体育会学生の特質や能力を推察する材料になります。部活の中で部長を務めていたなら、全体をまとめる能力や引っ張っていく能力に優れている可能性が高いです。副部長なら、部長を支えるとともに、部長と選手の間に入って、うまくチームをまとめてきたと考えられます。マネージャーであれば、金銭の管理や渉外業務なども行っていますし、コミュニケーション能力も優れているはずです。

体育会学生側の視点を把握する

体育会学生の採用活動に向けた準備としては、「体育会学生が企業に求めているものは何か」という点も把握しておくべきです。体育会学生が企業を選ぶときには、福利厚生が充実していることや、経営が安定していること、給与が高いことなどを重視する傾向があります。

就職を機に、長年続けてきた競技と完全に決別しようと考える体育会学生は、あまり多くありません。大半の体育会学生は、就職後も何らかの形で、そのスポーツを続けたいと思っています。そのためプライベートな時間に競技に取り組みやすいよう、休暇制度や収入面が充実した企業を希望する人が多いのです。

加えて体育会学生には、社内行事が盛んで、チームワークを重んずる会社を希望する人も多いです。団体競技に取り組んできた体育会学生には、チームでこそ発揮できる強みを持つ人が多いですし、就職後もこれまでと同様、目標や勝利の喜びを周囲の人間と共有したい人が多い傾向があります。

体育会学生を効率的に採用する方法

体育会学生を効率的に採用する方法

体育会学生に合わせた採用スケジュールを組む

体育会学生を効率的に採用するには、的確な採用スケジュールを組むことが欠かせません。2021年11月に、政府は2024年に卒業する学生の就活ルールを発表しましたが、それによると、これまで通り広報活動は3月以降で、選考活動は6月以降、そして内定は10月以降です。このルールに沿って考えると、大学3年生の夏から冬にかけてインターンシップの実施、翌2023年3月1日から企業採用情報などを公開し、企業エントリーや合同説明会参加などの活動がスタートします。2023年6月1日から企業の本選考が始まり、その後、内々定が出されるというスケジュールです。

ただし体育会学生の場合、競技によっても違いますが、3月から4月にかけて春の大会、8月と9月には夏の大会があり、これが学生最後の試合になるというパターンが多いです。そのため体育会系では、夏の大会の前に就職活動を終わらせる学生と、夏の大会後に就職活動を始める学生に分かれます。どちらかと言うと夏の大会前に就職活動を終わらせる学生のほうが多いので、夏の大会前までに内々定を出せるような採用スケジュールが最適です。夏大会を終えてから就活を始める体育会学生を対象にする場合は、大会終了後すぐに採用活動を開始し、内々定もなるべく早く出す必要があります。

1dayインターンシップを活用する

体育会学生の採用に当たっては、1dayインターンシップを活用するという方法もあります。体育会学生の生活の中心は部活ですし、学業も忙しいので、長期インターンシップに参加するのが困難な学生もいます。その点、1dayインターンシップなら1日なので忙しい学生も参加しやすく、「なんとなく気になっているだけ」という志望度の会社にも、気軽に足を運ぶことができるのです。

企業側としても、インターンシップでは大量の学生を受け入れるのが難しいですし、回数を増やすと費用がかかってしまいます。その点、1日だけのインターシップなら一度に多くの学生を受け入れることができ、その後の長期インターンシップにつなげることも可能です。

1dayインターシップのコンテンツを考える際には、まず自社が採用を行う理由を明確にしましょう。たとえば事業基盤を支えるためか、会社の成長のためかといったことです。その次に、採用人数と採用する理由を考えます。退職した社員のポジションを埋めるために○人採用する、成長している部署のために○人の人員を確保する、という具合です。

そして、学生の視点で自社の魅力を分析し、その魅力を書き出して、自社のどこに魅力を感じてほしいかという点を明確にします。体育会学生を採用したい場合は、体育会学生の心に響きやすいキーワード、たとえば「課題解決」「マネジメント」「仲間」「チーム」「挑戦」といったキーワードに基づいて、コンテンツのアイデアを出すとよいです。

1dayインターシップの具体的な形態の1つとしては、簡単な説明を行った後に業務体験をしてもらう方法があります。実際の業務に触れてもらうので、体育会学生の自社に対する理解が深まりやすく、入社意欲も喚起しやすいです。

また、体育会学生向けの1dayインターシップの形態としては、説明会を中心として行うという方法もあります。自社製品や業務内容の説明をはじめ、自社に関することをわかりやすく、興味深く伝えることが大切です。説明だけでなく、実際の業務風景を見学できるようなプログラムを加えることもできます。

加えて、体育会学生向けの1dayインターシップの形態としては、課題やテーマに沿って、グループディスカッション等をしてもらうという方法もいいでしょう。ディスカッションを通して、個々の学生の考え方やコミュニケーション能力を知ることができます。

ターゲティング広告を活用する

体育会学生を集める方法としては、ターゲティング広告を利用して、新卒やインターシップの募集をするというのも1つの方法です。ターゲティング広告は、特定のターゲットに対して、バナーやテキストの広告を表示する方法です。ターゲットに効率よくアプローチできます。

中でも、DSP広告は様々な外部データと連携し、学生をターゲットに設定することができます。手法の1つはIPターゲティングによる広告配信で、大学のWi-Fiに接続している端末に配信するというものです。全国の指定した大学のみに配信できるので、体育大学を選定して配信することも可能です。

もう1つの手法は大学オーディエンス配信で、過去に大学のWi-Fiに接続したことがある端末に配信できるものです。cookie情報が残っていれば配信ができるので、リアルタイムにその大学のWi-Fiに接続していなくても、配信が可能になります。学生が感染症の影響で外出を控えているとしても、配信が可能です。

DSP広告サービスを提供する会社は、接続メディアの数が国内でも最大規模のアドマトリックスや、導入ユーザー実績数が1万社以上のブレードをはじめ、多数あります。DSP広告は、体育会学生にアプローチする点で効率的ですが、リスティング広告やSNS広告とは違い、利用の際に初期費用がかかります。また、最低契約期間が指定されている場合もあります。提携している配信先やユーザー情報の根拠となるデータなども違うので、業者の選定を慎重に行いましょう。

ただし、こうしたやり方だと体育会系の大学にしか広告できず、体育会系の学部や部活動を含む総合大学の体育会学生に働きかけることは不可能です。また、自社の認知度を上げる手段としては有効であるものの、対象が「体育会系」と広範囲なので、自社の求める人物像に合わない学生も多数集まります。

人材紹介サービスを活用する

単に体育会の学生であるというだけでなく、自社の求める人物像に合った体育会学生だけをターゲットにし、効率的な採用活動を行う方法としては、体育会学生に特化した人材紹介サービスを利用するのが最適です。弊社「ジールコミュニケーションズ」でも、体育会学生とのマッチングイベントや体育会学生に特化した紹介サービスを行っていますので、お気軽にご相談ください。

内定後のフォローアップも大切

確実に入社してもらうために、内定後のフォローを継続的に行うことも重要です。体育会学生はどの業界でも人気があるので、内定が出たとしても就職活動を続けることも多いです。内定を出した後にフォローがないと、不信感や不安につながり辞退する可能性が高くなります。

内定後のフォローの1つとして、懇親会の実施があります。懇親会の目的は、内定者同士が親しくなること、内定者が会社についての理解を深め、入社に対する不安を取り除くことです。懇親会には入社2~3年目の自社の体育会出身社員を出席させれば、内定者と交流し、仕事の内容などを話してもらうことができるでしょう。

懇親会の形は、飲み会や休日のバーベキュー、グループワーク、ゲームなどを行う交流会など、様々な形で行えます。ざっくばらんな雰囲気で雑談を交えつつ行えば、内定者同士、または社員と内定者の距離も縮まり、入社への不安を取り除くことができます。体育会出身者ならではの共通の話題も多く、話も盛り上がることでしょう。場合によっては、オンラインでの懇親会を開催することもできます。Web会議システムを使うので、遠方にいる内定者も参加することができます。

内定者は会社の様子や仕事の内容を知りたいと思っているので、社員のブログで情報を発信するのも有効です。ブログで発信する内容には、自己紹介、1日のスケジュールの他に、仕事上の失敗談や仕事をしていて嬉しかったことなども含めることができます。また、会社のイベントや行事、休暇の過ごし方、近況報告なども書くことができます。もちろん、人事の担当者も定期的に連絡を取って丁寧にフォローしますが、先輩社員が教えてくれるリアルな経験や身近な話題は、内定者にとって励みになるでしょう。

内定者はスキル面での不安を抱えているかもしれないので、オンライン研修やe-learningでフォローするのも良い方法です。ただし、内定者のスケジュールも考慮して、負担にならないように実施しましょう。強制参加や時間の拘束がある研修は、コンプライアンス面もよく考えて、十分確認した上でに行ってください。

e-learningと研修には、「内定者パック」のようなサービスを活用することもできます。「内定者パック」には、e-learningと研修だけでなく、内定者同士がメッセージの送受信や、会社宛てに質問ができる機能もあります。会社側はユーザー管理ができるので、連絡事項やアンケートを送り、内定者と共有するファイルをアップロードすることも可能です。費用は掛かりますが、こうしたサービスを使うことで、人事担当者の業務の手間を減らすことができるメリットもあります。

まとめ

体育会の学生を採用したいと考えている企業は多いので、確実にを採用するにはしっかりとした準備と計画が必要です。スポーツをしている学生ならではの忙しいスケジュールを理解して、それに合った採用スケジュールを組んでください。また、インターシップや広告、内定後の懇親会などは、学生の視点に立って、彼らが魅力を感じられるようなものにしましょう。

単に体育会の学生であるというだけでなく、自社の求める人物像に合った体育会学生だけをターゲットにし、効率的な採用活動を行う方法としては、体育会学生に特化した人材紹介サービスを利用するのが最適です。いろいろな方法を活用して、体育会学生が「ここで働きたい」という気持ちになるような採用活動を目指してください。

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