[最終更新日]2023年9月12日  [記事公開日]2022年9月16日

【採用担当者向け】コロナ禍における新卒採用事情と変化を徹底解説

コロナ禍が世界中に与えた影響は計り知れず、それは就職活動や採用活動にも大きな影響を与えました。特に、企業側は新卒採用に対する考え方や方法の変化を余儀なくされましたし、今後も柔軟な対応が求められるのは確実です。では、具体的にコロナ禍において、新卒採用はどのように変化したのでしょうか。

コロナ禍における新卒採用事情

コロナ禍における新卒採用事情

採用活動の早期化

コロナ禍による新卒学生に関する変化の1つ目に、就職活動を始める時期が早くなったことが挙げられます。コロナ禍の影響で、以前に比べ就職が難しくなったため、早期に就職活動を始めて内定を得たいと考える学生が増えました。ここ最近の統計を見てみると、2月上旬の時点で就職活動を始めたという学生の数が増えています。

もちろん、就職活動を始めるのが早くなった要因は、コロナ禍だけではないようです。2021年には東京オリンピックが開催されましたが、もともとは2020年に予定されていたイベントでした。2020年の夏や2021年の夏には、オリンピック開催に伴う企業の採用活動の停滞が懸念されていたこともあり、コロナ禍と相まって、学生の就職活動が早まったとも考えられています。

こうしたことを踏まえ、コロナ禍においては、新卒採用を行う企業側にも様々な変化がありました。就職活動を早めに始める学生が増加したので、それに合わせて、例年よりも前倒しで採用活動を始める企業が増えたのです。

採用活動において重視すべき資質の変化

コロナ禍による新卒採用の変化の2つ目として、学生に求めることの変化も挙げられます。採用されやすい学生の特徴は「課題解決力の高さ」や「論理的思考」が主流であり、これはコロナ禍に関係なく、いつでも新卒採用における人材の判断基準では上位に位置付けられるものです。

一方、コロナ禍が始まってからは「スケジュールを守る」ことや、「体調管理ができる」ことが、優秀な人材を判断する基準の上位に食い込んできました。学生は能力的な面で優秀であることに加えて、性格や生活面における要素も、より考慮されるようになったわけです。

これは、コロナ禍による働き方の変化が大きな原因であると考えられます。テレワークなどの普及により、自宅で仕事をする機会が増えたため、自己管理能力やまじめさといった側面がより重要視されるようになりました。

スケジュールをきちんと守れる人は信頼できるため、企業側にとっても安心できる人材であると言えます。また、コロナウイルス感染症は未知の病気で、感染力もとても高いため、体調管理がしっかりできることもより重視されるようになりました。

体調管理能力は、以前から新卒採用の上で優秀な人材か否かを判断するための大切な項目の1つでした。しかし新型コロナウイルス感染症は感染してしまうと長期間の休暇が必要になり、会社内でのクラスターなどの恐れもあるため、コロナ禍ではより重きが置かれる項目となったようです。

採用活動のオンライン化

コロナウイルス感染症対策として、大人数での会合や不要不急の外出を自粛するよう要請があったため、企業は大規模な会社説明会やイベントなどを中止せざるを得ない状況になりました。その一方で、オンラインでの会社説明会など、新たな形での企業PRの需要が増えたわけです。加えて、インターンシップはオンラインによる在宅ワークの形で実施し、本選考もWebテスト・Web面接といったオンライン上での選考となりました。

このように、コロナ禍によって新卒採用におけるオンライン化は多方面で行われるようになりました。しかし新卒採用のオンライン化は、企業にとっても新卒の学生にとっても、それぞれにメリットとデメリットがあります。

■ オンライン化によるメリット

  • 採用コストの削減
  • 出会える学生の幅が広がった

新卒採用をオンライン化することによる企業側のメリットとしては、採用活動にかかる時間や人件費のコスト削減が挙げられます。特に、全国規模で会社説明会やイベントを行っていた企業にとっては、その全て、あるいは一部がオンラインで開催できることによって、削減できたコストはかなり大きなものだったはずです。

他にも、インターンシップや選考をオンラインで行うことによって、今までよりも幅広い地域から参加者を迎えることができると同時に、多くの人数を受け入れることも可能になりました。そのことで、これまで出会えなかった遠方の優秀な学生や、通り一遍の足切りによって見逃されていた優秀な学生を発掘する機会が生まれたわけです。

こうしたオンライン化によるメリットは学生にとっても同様で、オンラインでの面接やインターンシップがあることは、時間的な面でも金銭的な面でも、大きなコスト削減につながっています。大人数が苦手な学生や対面での面接が不得意だった学生にとっても、メリットがあったかもしれません。

■ オンライン化によるデメリット

  • 設備投資にコストがかかった場合もある
  • 質の高い母集団形成と学生の見極めが難しくなった

一方で、新卒採用のオンライン化のデメリットとしては、オンライン化への対応力が求められるということが挙げられます。コロナ禍以前からオンライン化を進めていた企業を除けば、こうした異例の事態が起きたが故に、急遽オンラインへの変更を余儀なくされた企業がほとんどです。

そのため、新しい採用活動におけるノウハウの作成や実施、オンライン化への設備投資などのコスト面で、問題が生じた企業もあります。こうした点は、採用活動のオンライン化のデメリットであると言えるでしょう。

また、クオリティの高い母集団形成が難しくなったことや、優秀な人材を見極めるための選考作業の難化も、採用活動がオンライン化されたことのデメリットに含まれます。

限られた方法で母集団を形成しなければならなくなったことは、企業にとって新たな課題となり、人数を集めるだけでも大変になったという企業も増えたようです。通常は対面形式で行われていた選考のための面接などもオンラインで行われるようになると、新卒学生の人柄や熱意などの見極めが極めて難しくなったと感じる面接官も増えました。

これから予想される事態と変化

これから予想される事態と変化

コロナ禍で設備投資をした企業にとって、オンラインを活用した新卒採用の機会はますます増えることが予想されます。もちろん、新型コロナウイルス感染症の拡大が収束してくればその比重はかなり低くなるとはいえ、やはりオンラインによるメリットもあるので、全てが完全にコロナ禍前のような状態に戻るとは考えにくいです。

学生へのアンケート調査では、会社説明会やイベントがWEBなどのオンラインで参加できることは嬉しいという人が多いのに対し、面接などは実際に会って行う対面形式が望ましいと考える人が多くいました。

オンライン化によって学生を見極めにくくなったと感じた面接官が増えたのと同様、やはり学生の方も会社の雰囲気や社員の様子などは、実際に目で見て肌で感じたいと思う人が多いようです。

今後コロナ禍が収束した場合は、一時的に見合わせていた新卒採用を、再開する企業も増えることが予想されます。コロナ禍で先行きが見えない状況では、企業も新卒採用に慎重になっているケースが見られました。

また、採用活動そのものにもいくらかの制限がかけられていたため、思うように実施できなかった企業もあります。そのような企業が、コロナ禍終息後に採用活動を通常通り再開した時には、新卒採用の求人数は相当増えるはずです。

加えて、コロナ禍で蓄積されたノウハウを活かし、就職活動を早期から始める学生が多くいることも予想されます。

それに応じて、企業側も新卒採用活動をさらに早期化するところが増える見込みです。そのためコロナが収束した後の採用市場では、学生側も企業側も、急速な動きをすることが予想されます。

コロナ禍における変化から対応すべきこと

コロナ禍における変化から対応すべきこと

コロナ禍で得た教訓や経験を活かしつつ、今後予想される新卒採用に、企業はどのように備えることができるでしょうか。

オンライン採用の質を上げる

1つ目にできることとして、効果的なオンライン化の準備があります。コロナ禍以前から、様々な分野でのオンライン化は、少しずつですが、進められてきていました。そこに新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、新卒採用のオンライン化が急速に進んだわけです。

今後もメリットがあると見なされる分野では、コロナ禍終息後も新卒採用においてオンライン技術が用いられ続けるでしょう。

新卒採用において大切なのは、単なるオンライン化ではなく、効果的なオンライン化を進めていくことです。設備投資に多くの費用がかからないこと、企業にとっても応募者にとっても使いやすいものであることが効果的と言えます。

例えば、パソコンや通話に機器が必要となるような専門的なソフトを使わなくても、スマホなどで手軽に簡単に操作できる、アプリなどを使って参加できるようにすることが重要です。

採用イベントの見直し

2つ目に企業ができる対応策は、イベントなどの見直しです。求人活動や企業のPRのために、合同説明会やイベントを行う企業はたくさんあります。新型コロナウイルス感染症に対する規制が徐々に緩和されていく中で、企業はその時々に合った方法で、イベントを開催することができないかをよく考えるようにしましょう。

例えば、対面式での大規模な会社説明会を行うことは現実的ではないものの、小規模でなら対面式での説明会を行うことができる場合があります。そのような時には、小規模で説明会を行うかどうかを決めるだけでなく、どんな説明会なら最も効果が出るのかもよく考えておく必要があります。

効果的な会社説明会やイベントを行うためには、内容を精査しておくことは当然必要ですし、イベント後のフォローアップ体制を整えておくことも含まれるでしょう。イベント参加者にアプローチしやすい体制を準備しておくなどの工夫も必要です。

弊社ジールコミュニケーションズでも、新卒採用を支援する法人向けサービスとして合同説明会やマッチングイベントを開催しておりますので、ぜひご活用ください。

ダイレクトリクルーティングの活用

企業が新卒採用で行うことのできる3つ目の対策に、ダイレクトリクルーティングの活用が挙げられます。ダイレクトリクルーティングは中途採用で活用されるイメージがあるかもしれませんが、新卒採用でも効果的に使うことができます。

リクルートされた学生も、直接のオファーがあった方が、企業に対して魅力を感じやすいものです。企業にとっても、学生にとっても、効率的な採用方法の1つであると言えます。

ダイレクトリクルーティングを成功させるためには、自社PRとリクルート体制の強化が必要になります。自社PRの強化のためには、自社サイトなどの情報は一般的なものではなく、閲覧する学生にとって魅力的なものに作っていく必要があるでしょう。

また、リクルートは単にスカウトを行えば良いというものではなく、魅力的で説得力のあるスカウトを行う必要があります。具体的かつ明確なオファーができるように、準備はもちろん、リクルーティングスタッフの教育や訓練をしておくことも重要です。

スケジュールの変更にも柔軟に対応する

企業が新卒採用で行える4つ目の対応策は、柔軟なスケジュールの作成です。コロナ禍では予見しえないイレギュラーな出来事が続いたため、臨機応変な対応力が試されました。このことを教訓として、企業はイレギュラーへの対応力を高めておくことが重要です。

そのためには、柔軟なスケジュールを立てておくことが含まれます。新卒採用では、申し込みから選考、そして採用まである程度の時間がかかります。その間に、イレギュラーな事態が起こることも珍しくないでしょう。

それは、社会的なことが原因かもしれませんし、企業や応募者の個人的なことが原因かもしれません。いずれにせよ、そうした事態に柔軟に対応できる企業ならば、応募者にとってとても魅力的に映るはずです。

今は働き方改革に伴って、学生のライフスタイルや考え方も多様化しているので、それぞれの考え方や要求に対応できるような柔軟性が求められる時代になってきています。

まとめ

新型コロナウイルス感染症の拡大は、社会に大きな影響を及ぼしました。様々な分野で、既存のやり方に固執するのではなく、臨機応変に対策を立てることの必要性が強調されています。

新卒採用においても、コロナ禍によって変化したことがたくさんあります。新卒で優秀とされる人材、必要とされる資質や能力には、「スケジュールを守ること」や「体調管理ができること」などが求められるようになりました。これは、在宅ワークの増加や感染症にかかるリスクが主な理由です。

企業側に求められることも変化しました。採用活動の早期化やオンライン化です。コロナ禍で安全かつ効果的な採用活動ができるように、企業は設備投資やスケジュールの調整が余儀なくされました。

今後、コロナ禍がどのくらい続くのかはわかりませんが、採用活動のオンライン化や早期化は引き続き必要になる見込みです。企業は、効果的なオンライン化を進めていくことやイベントなどの見直しをすること、ダイレクトリクルーティングを活用し、柔軟なスケジュール作成をすることで、そうした動きに対応していきましょう。

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