[最終更新日]2023年1月26日  [記事公開日]2022年9月2日

アスリート引退後の就職はどう探す?具体的な探し方とオススメ職業・受かり方を解説

高校や大学を卒業した後も実業団の選手などの形で選手生活を続けているアスリートにとって、引退後の去就は常に悩ましい問題です。会社員としての経験がないアスリートは就職するにせよ、同期とのビジネススキルに差がついてしまい、就職活動に苦労することが多いのが現実です。今後、アスリートを引退した後のセカンドキャリアとして企業への就職を考えているという方は、アスリートの職探しの現状を理解し、就職先の探し方や受かるための対策法を考えておく必要があります。

アスリート引退後の職探し事情

アスリート引退後の職探し事情

アスリートのセカンドキャリアとしての就職や転職活動が社会問題化していると言われています。それほどアスリートのセカンドキャリアの構築は厳しいというのが実情です。特に現役時代、競技に真剣に打ち込んできたアスリートほど、引退後についての準備ができていない傾向が強くあります。指導者や周囲が引退後の進路をフォローしてくれるケースはともかく、サポートが満足に受けられない場合は就職先や進路を見つけることが困難になってしまうケースも少なくありません。

一例としてプロ野球選手のセカンドキャリアの実情が挙げられます。野球は競技人口が多く、日本人なら誰でもプレーしたことはなくてもその競技の名前は知っているというレベルのメジャーな競技です。その頂点と言えるプロ野球の選手ですら、2014年の調査によれば戦力外などの理由で現役引退した選手のうち、17%が進路未定となっています。プロ野球選手ですら、競技一筋できた反動がここに現れてしまっています。中には解説者、あるいはコーチや監督など、野球関連の職を得られる人もいますが、それはごくわずかな選手に限られています。

企業に所属している場合でも、セミプロ選手として仕事より競技を優先することが認められることが多いです。業務に充てる時間も短く設定されることが一般的で、負担の少ない職種を任されるケースも少なくありません。企業所属とはいえ、実際には競技優先の生活を続けることになるので仕事に関するスキルが身に付きにくいことが多いとされます。企業の手厚い待遇が逆効果になってしまっているとも言えるでしょう。

企業チームでプレーしていたアスリートには引退後、その所属企業で普通の社員として働く道もありますが、全員が問題なくその道を進んでいくことができるわけではないというのも事実です。所属企業でそのまま働き始めても、これまで競技優先だったことから社会人スキルの不足が露呈し、自分よりも若い社員に後れをとってしまうことも少なくありません。セカンドキャリアに対しての自信を失うばかりでなく、転職するにもスキル不足の問題が足かせとなり、そのまま仕事を続けることができないという最悪な状況に陥ってしまうケースもあります。

成績の伸び悩みやケガなど、引退に至るまで問題はもちろんのこと、日頃からアスリートには多くのストレスがかかっていることは間違いありません。世界選手権で入賞経験のある陸上選手出身の人物が万引きで逮捕されたり、オリンピックのメダリストながら2度の解雇を受けて暴行事件を起こし逮捕されたスピードスケート選手のようなケースもあります。プロ野球の清原和博選手が覚せい剤取締法違反で逮捕されたという事例もあります。多くの場合、これらは将来への不安が大きな理由となっていると考えられており、一流選手であってもセカンドキャリアを問題なく過ごせるという保証はないのです。

アスリート引退後の就職先を探す方法

アスリート引退後の就職先を探す方法

アスリートのセカンドキャリアの選択肢としては「コーチや指導者として後進育成を行う」「プロチームの運営側になる」「知名度を活かし起業する」「投資家になる」というものも考えられますが、ここでは特に「一般企業へ就職する」ことに焦点を絞り、就職先の探し方を見ていきましょう。

転職先を探すことを考えた場合、誰でも一番先に思い浮かぶのはハローワークを利用することでしょう。しかし、ハローワークでは選手時代の成績等、アスリートとしてのキャリアは殆ど評価の対象にならないことに注意が必要です。むしろ引退時の年齢にもよりますが、一般企業での職歴がないということが大きなハードルとなってしまう可能性の方が強いと言えます。

アスリートがセカンドキャリアのために入社する会社を探すにあたって、最も手っ取り早いと言えるのは、先輩や競技関係者に企業を紹介してもらうことでしょう。自分より先に現役引退し、一般企業に勤め始めた経験を持つ先輩であれば、その経験についても教わることができるでしょうし、いろいろと参考にできる部分も大きいと言えます。

ネットで転職サイトを探すというのも手ごろな方法です。ただし、一般的な大手の転職サイトを利用する場合は注意が必要です。あくまで一般向けの転職サービスの場合、学歴や職歴が重視されることが多いため、アスリートがセカンドキャリアを探すために利用する場合、不誠実な対応を受けたり思うような求人案件がなかなか見つからず、転職活動がなかなか進まないということが起こる場合もあります。

最も確実性が高くセカンドキャリアを成功させる確率の高い方法はアスリート転職支援サービスを利用することでしょう。アスリート転職支援サービスは、元アスリートを採用することに積極的な企業を厳選し、個々のアスリートに最適な求人を紹介するばかりでなく、応募書類の添削指導や模擬面接、採用条件の交渉、更には就職後のカウンセリングや指導に至るまでアスリートがセカンドキャリアを成功させるための様々な支援を提供しています。独力で就職先を探すよりも専門の指導員の支援を受けられるので、より希望に沿った企業を見つけることが可能です。

代表的なアスリート転職支援サービスをいくつか紹介します。

「スポナビキャリア」

「スポナビキャリア」は、体育会学生の就職サポートを始めとする各種サービスを展開する株式会社スポーツフィールドが提供しているアスリート特化の転職エージェントサービスです。アシックスやデサントなど、スポーツ関連企業の求人も多く、転職後も競技に携わっていきたいと考えているアスリートには大きな魅力と言えるでしょう。転職慣れしていないアスリートへの支援体制も充実しています。

「マイナビアスリートキャリア」

「マイナビアスリートキャリア」は総合人材サービス企業のマイナビが提供しているアスリート向けの転職支援サービスです。マイナビアスリートキャリアでは適性診断テストを無料で行っており、職業適性を把握した上で就職体験することもできます。これにより、採用のミスマッチが発生しにくくなることも大きなポイントです。一般の転職希望者だけでなく、アスリートとしての引退を控えた方でもしっかりとした支援を受けることができます。

「アスリートプランニング」

「アスリートプランニング」は株式会社APパートナーズが運営しているアスリート(障害アスリート含む)の転職エージェントサービスです。利用者の内定獲得率が92%と非常に高い点が大きな特徴となっており、書類選考の通過率に限れば100%という驚異的な数値を達成しています。

「ジールコミュニケーションズ」

弊社「ジールコミュニケーションズ」は、社長を始めとする元アスリートが、アスリートの就職を支援するために発足した就職・転職エージェントです。アスリート以外の人材紹介サービスを行うようになった現在も、もちろんアスリート向け就職サポートを継続しています。自身が長年スポーツに取り組んだ経験がある専門のキャリアプランナーが多く在籍し、マンツーマンで転職支援サービスを提供することが大きな特徴です。女性の元アスリートのキャリアプランナーも多いので、女性アスリートならではの悩みにも寄り添った就職支援ができます。

弊社は求人の質の高さにも定評があり、一人一人とじっくり面談を行った上で、各人の経験や希望に沿う求人を厳選して紹介します。従来型のセカンドキャリアのほか、デュアルキャリア歓迎の企業も紹介可能です。

紹介後の支援内容は、基本的な就活ノウハウのレクチャーから応募書類の添削、面接対策、入社に関する手続き、就職後の就業支援に至るまで幅広い内容となっています。転職活動にかかる時間は、サービスの利用開始時点から内定まで、平均して1ヶ月半とスピーディです。最短2週間で内定獲得したケースもあり、短期間で転職活動を終わらせたい人には特にメリットがあります。

オススメ職業と受かるための対策法

オススメ職業と受かるための対策法

どんな業種・職種を選択するかは最終的には個々人の適性によるものですから、特別アスリートがセカンドキャリアとして選択しているのに向いている職種というものがあるわけではありません。ですが、その中でもアスリートに適性のある職種としては次のようなものを上げることができます。

まず挙げることができる職種はスポーツトレーナーです。もともとアスリートである以上、身体を動かすことは得意である筈ですから、適性が高いのも当たり前と言えます。身体を動かす仕事の方が座って事務仕事をするよりも楽でいいと思う人も多いでしょう。指導するだけでなく自分も一緒に身体を動かせば、現役時代の身体を維持することにも役立ちます。

元競技者として、他のアスリートとの繋がりも多いです。また自分の周囲にもスポーツに興味を持っている人も多いはずです。自分の競技を通じてつながりを持った人たちが顧客になることも多く、最初から順調に仕事ができる可能性も高くなります。プロアスリートとしての権威性も集客する際に有利に働きます。

一般企業においてアスリートに向いている職種と言えるのが営業職です。もともとスポーツと営業職には考え方に類似性があると言われており、目的達成ための課題を特定(計画)して実践に臨み(実行)、その結果を分析して(評価)、問題点があれば改善する(改善)、その繰り返しで最終的に目標に到達するサイクルは、いわゆる「計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Action)」という、いわゆるPDCAサイクルはスポーツにも営業職にも共通していると言えるでしょう。また体力を要求されるという意味でも、営業職はアスリートに向いていると言えます。

多くのアスリートは競技生活の中で元気に挨拶することや礼儀正しく振舞うことを自然に身に着けていますが、これは社会人として特に求められる基本的な立ち振る舞いであり、特に営業職では相手に与える第一印象の良しあしを決定する重要なファクターとなります。基本的にそれらの所作ができているアスリートは、それだけでも営業職への適性があると言えるでしょう。

アスリートとしてのセカンドキャリアを成功させるためには、まず採用試験に合格する必要があります。合格するための基本対策としては次のようなものが挙げられます。

まず、ビジネスの世界を理解しましょう。ほとんどの場合、アスリートがセカンドキャリアとして選択することになるのは「営利法人」、つまり、いわゆる「ビジネス」の世界であり、当然その中で働くということはビジネスに対する知識を問われることになります。現役の間からビジネスに関するルールや知識、構造や仕組みなど基本的なことがら(例えばお金の流れ等)を学習し理解しておくことが大切です。

採用試験を有利に進めるために「資格」を取得しておくことも有効な対策となります。求人情報の中には資格があることを応募条件とするものも多く、また、有資格を条件としない求人でも、資格を取ることで有利になることが多いです。国家資格には取得するための学歴条件等が厳しいものもありますが、ビジネスに活かせる資格の中から自分に取得可能な資格を取得しておけば、採用試験にもかなり有利に働くことになるでしょう。

まとめ

アスリートのセカンドキャリアには多くの選択肢がありますが、アスリート特有の問題が障壁を高くしてしまっている側面があることも否めません。まず自分が置かれている現状をきちんと認識した上で対策を取ることで対処することが可能です。なるべく早めにセカンドキャリアに向けた準備を始めることが大切です。

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