[最終更新日]2023年9月12日  [記事公開日]2022年9月1日

既卒で就活を続ける人必見!逆転成功するための秘訣教えます

既卒就活生の厳しさとは

既卒就活生の厳しさとは

「新卒の内に就職しないと不利になってしまう」、学生が就活を続ける中でこうした話を聞いたことがある人は少なくありません。この理由は「新卒枠から外れてしまう」事に起因します。4月までに就職できたか、出来なかったかというのは年齢的に見れば大した違いがあるようには感じられませんが、実際には卒業予定者の就職内定率が71.2%なのに対し既卒者の同年度の内定率は42.4%と大きく差がついた結果が出ています。何故既卒になることでここまでの差が出てしまうのでしょうか。

これは「新卒ならば在学中に就職活動の準備をし、終える事」が日本社会の慣例となっており、それが出来なかった既卒就活生=能力が劣っていると思われてしまう、という事が挙げられます。具体的には「卒業という締め切りがあるうちに準備・行動を終えられなかった計画力不足、行動力不足」、「新卒で採用されなかった、面接上でのコミュニケーション能力不足」と認識されてしまうのです。実際には上記の理由以外で既卒になってしまったケースも多くありますが、それを説明できるのは面接に至ってからであり、書類で見られる段階では上記の印象を持たれてしまいがちです。

しかし学業が本分であるはずの学生が、最後の1年を就活に費やしてしまうこの慣例には年々疑問の声も多くあがっています。新卒ならば卒業を待たなければならない「見込み新入社員」であること、内定辞退が起きるケースもあることから、確実に入社される既卒者が好まれる事もあります。また大学の専攻や研究経験によっては、既卒であっても高い専門性を見込まれて採用されるケースもあります。こうした風潮から既卒のある程度の時期までは「新卒枠」での応募が可能であるケースもありますが、まだ一般的とは言えません。何よりも「在学中に内定を取れている学生は多い」という実情から、既卒就活生には在学中の就職活動生よりも厳しい眼が向けられることがあります。

既卒が就活を続けるうえで意識すべきこと

既卒が就活を続けるうえで意識すべきこと

既卒就活のデメリットは、「大手や人気の高い企業の『既卒』応募はほぼ無い」という点です。より優秀な人材が欲しい大手企業は、先述したように「計画性や行動力のある学生」を求めています。もちろん、実際には就活中にどうしても避けられない問題があった、在学中に優先すべき事があって就活に集中できなかった等のケースはあります。特に後者の理由があり、大手では数少ない既卒募集枠に応募した場合には自信を持って堂々と「こうした研究の為に」「活動の為に」など、既卒である理由を説明できるようにしておけるのが望ましいです。

既卒の就活において、同列に並べられがちなのが「第二新卒」です。これは新卒で入社したが、新入社員としての研修中、研修後に辞めてしまった人を指す就活業界用語です。条件としては一見既卒と同じに思われがちですが、第二新卒には「新人教育を受けた社会人」というメリットを持っています。一般的に、新入社員は入社後すぐに即戦力として働くのではなく、どの会社であれビジネスマナー、電話応対やパソコンの扱い方など「その会社で社員として働くための教育」が行われます。この点を済ませている第二新卒は、募集している会社にとっては「普通の新卒や、社会人経験のない既卒よりも早めに即戦力に育てられる」人材となるのです。この点において、既卒は第二新卒よりも不利になってしまいます。ただし第二新卒のデメリットとして、「すぐに入社した会社を辞めてしまう、離職しやすい人材ではないのか」と思われる事もあるので、一概に既卒だけにデメリットが大きいとは言い切れません。

また、「既卒」も「第二新卒」も、具体的な年数や定義がある訳ではありません。厚生労働省の「三年以内既卒者等採用定着奨励金」という制度から、既卒は「卒業してから3年以内の就活生」を指すものとされています。そして企業によっては、この制度に則って「3年以内」であれば、既卒であれ第二新卒であれ新卒枠での応募が出来るケースもあります。卒業してしまった、一度会社を辞めてしまったからといって新卒枠での入社の道が断たれる訳ではありませんが、より狭き門だと身を引き締め、チャンスを逃さないようにしなければなりません。

既卒者が最も注意しなければならない事は、この「3年以内」という時間制限を知らずに、「新卒に間に合わなかった」と心が折れてしまう事、逆に「あと3年もあるのか」と余裕綽々で日々を無為に過ごしてしまう事です。この期間はあくまで「日数上は新卒で入社できる可能性がまだ残っている延長戦」である、かつ他でもない新卒者と枠を争う事になります。既卒のメリットを重視している企業でもなければ、他の新卒者よりもそもそもの難易度が上がっています。一概に諦める必要こそありませんが、万端な猶予がある状態でもないのです。

既卒が就活を続け、逆転成功するための秘訣

既卒が就活を続け、逆転成功するための秘訣

既卒で就活を続けるには、「既卒であるメリットを知り、ネガティブなものと恥じない」事が何よりも重要です。学業や研究に打ち込んでいたわけではない、面倒で就活をしていなかった等のネガティブな理由で既卒になったとしても、その心を改めて諦めずに既卒での就活を始めた事自体は誇るべき事です。既卒就活生への面接において、必ず「何故就職せずに卒業したのですか?」と問われます。理由がどのようなものであれ、もちろんそこで馬鹿正直に、かつ単純に「就活をサボっていました」「バイトで忙しくて就活しませんでした」と言うべきではありません。過度に嘘で虚飾しろとは言いませんが、「こんなダメな人材だけどもらってください」と乞う事に一切意味はありません。既卒になった理由という答えにくい質問にどう答えるか、ネガティブな経験をどう捉えて、それをどう将来に活かそうと考えているのか、どうこの会社で役立てるつもりなのか、これを問われているのです。

例えばバイトにあけくれていたのならば、何の・どんなアルバイトをしていたのかがキーになる事もあります。ビジネスマナーの構築が問題となりがちな新社会人において、「厳しい研修のあるアルバイト」はプラスに働く事もあります。接客アルバイトをしていると「こんなこと出来て当然」と思うことかもしれませんが、電話応対、社外のお客様への応対の心得がある、最初から問題なく出来る新社会人は珍しいものなのです。これを強みと知らずに、ただ「アルバイトをしていました」と言っては、何が出来るかが伝わりません。「〇〇のアルバイトをしていました。そのため、繁忙の時間帯にかかってくる沢山の電話のさばき方には慣れています」など、どうあれプラスの印象に出来る経験談に繋げていく事を心掛けてみましょう。人事の中にはアルバイトの研修を厳しく行っている企業を知っている人も多く、「あそこの研修をやったなら信頼がおける」という視点を持っている人もいるのです。

続いて、「既卒者向けの応募」「既卒歓迎求人」を逃さず狙うようにしましょう。先述したように、既卒者は新卒者に比べて不利な点もあるものの、既卒者には新卒にはないメリットがあります。面接で「すぐに現場に入れる」、「辞めにくい人材」と見なされれば、採用率は上がります。このメリットを理解した上で、新卒が辞めがちな時期に売り込めればより採用される可能性は高まるでしょう。一般的に、入社した新入社員が何らかの理由で辞職したいと考える時期は「1ヶ月後(5月)」、「3~4ヶ月後(7、8月)」、「半年後(10月)」そして「1年後」だと言われています。それぞれで何故そう考えるかの理由は異なりますが、同時にこのタイミングに合わせて応募数が増える傾向もあるのです。

ただし、この傾向は業界によって異なる可能性もあります。業界によって繁忙期が異なる為です。その業界が1年のうちでどの時期が最も忙しくなるのか調べるのも企業研究の一環ですが、個人では調査に限界を感じる事もあるかもしれません。その場合は就職エージェント、就職支援サービス等を利用する事も望ましいです。自分一人では行き詰まりがちな就職活動に適切なアドバイスがもらえる事は勿論、その業界の求人数・求人傾向も押さえている、いわば就職活動のプロによるサポートが得られる点が魅力です。就職エージェントというと新卒向け、転職者向けがまず思い浮かぶかもしれませんが、既卒・第二新卒に強いことを謳う就職エージェントサイトも少なくありません。

最後に、既卒就活生だからこそ「孤独な就活をしない」ことも大切です。大学の就職課・キャリアセンターを卒業後も利用できるかどうかは大学によりますが、可能であるなら利用しない手はありません。自己分析、履歴書の添削・確認などは自分だけでは限界があります。どこを直して良いか判らない状態で、自己分析を否定され続けることに参ってしまう就活生も少なくないのです。徐々にやる気を削られて、行動できなくなってしまいます。卒業時点で既卒になってしまう事が判り切っているのなら、事前に卒業後でもサポートが得られるか、少しでも早いうちに確認をしておきましょう。

また、周りの友人が就職している場合、連絡を取るには気が引けてしまうかもしれませんが、彼らこそ「新社会人として悩んでいる事」を知っている張本人です。彼らが悩んでいる事=彼らの上司が悩んでいる事でもあります。「電話応対が苦手なのに任されてしまって困る」、「書類作成の速度が遅くて先輩においつける気がしない」、「上司に全然馴染めない」様々な悩みが新社会人につきものです。そうした新社会人に多い悩みを知り、「自分はこうしたことが出来る」とアピール出来れば、今まさに新入社員の育成に悩んでいる企業にとっては魅力的な人材に見える可能性が高まります。特にゴールデンウィーク後は、数日間の休みを挟んだ事で「この企業に入ってみたけれど思っていたのと違った」と冷静になり、人の流動が起きがちな時期です。まずはこの時期に応募してみる事で、空いてしまった「新卒」枠を狙いましょう。

まとめ

既卒就活生が就職活動を成功させるには、「既卒がデメリットだけだという考えを捨てる」「既卒のメリットを理解する、自分が既卒のメリットをどう活かす経験があるのか考える」といった自己分析と、「既卒募集を逃さないように行動し続ける」行動力、この二つが重要になります。既卒になったからといって、すぐに全ての門戸が閉じられる訳ではありません。新卒市場を持て囃す風潮がある事から、学生時の就職活動は「当然」といった空気感が出来ていますが、実際に社会に出てみれば数ヶ月で辞めてしまう新社会人も居ます。

更に新卒で就職できなかったからといって、自分がどうして落ちたのかを企業が知らせる事はまずありません。その為、「自分は劣っているから落ちた」と一概に思い悩んでしまうのも間違っています。落ちた理由は受かった学生と自分で10と1の違いだったのか、11と10の違いだったのかなど判らないのに、過度に重く受け止めすぎてしまう必要はないのです。

「新卒で内定無しは人生終了」と言われがちですが、実際には社会はそこまで不寛容でもありません。しかし行動・活動を止めてしまえば「その状態」は延々と続き、就職活動にはどんどん不利になっていきます。特に既卒でありながら新卒を狙えるタイムリミットが「3年以内」と明確にある以上は、チャンスは限られています。狙っていた大手が既卒募集をしないならば、同業界で自分がしたい仕事をしている別の企業が既卒募集をしていないか探す、自分で探すのが難しければ就職エージェントを頼る等、新卒とは違う「既卒」の特性を理解し、就活続けるようにしましょう。諦めずに、しかし現実的に成果を見据えた行動を続けられれば、何もしないよりも圧倒的にキャリアを積める可能性は大きくなります。

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