[最終更新日]2023年9月12日 [記事公開日]2022年9月1日
【就活マニュアル】体育会学生の就活のやり方教えます
体育会系と一般学生の就活の違い
一般学生の就活生がスタートを切るのは、各企業がサマーインターンシップ参加者の募集を開始する3年生の6月から。10月からはオータム&ウインターインターンシップが始まり(翌年2月頃まで)、それと並行して就活生はOB・OG訪問、自己分析や業界・企業分析、試験や面接がある本選考への対策を進めていきます。翌年3月には採用情報が解禁され、就活生はプレエントリー、会社説明会への応募・参加など、実際に内定獲得へ向けて行動する段階に入ります。希望する企業へエントリーを提出し、6月頃から始まる試験や面接を経て、内々定、そして10月頃までの内定へと向かいます。
一方、体育会系の学生は、一般的に3年生の冬頃まで、強豪校や強豪選手になれば4年生になっても現役のため、上記スケジュールに当てはめるとどうしてもスタートが遅れがちになってしまいます。それに、部活動の合間を縫って就活を行うにしても、週6〜7日の練習や、チームミーティング、休日に行われる試合などで活動がこま切れになり、一般学生のように就活に全力を注ぐというわけにはいきません。インターンシップの参加数や、エントリー数などでも一般学生に遅れを取る場合が多いのです。
そんな体育会学生が就活をスムーズに進めるためには、スケジュールを逆算し、一般学生以上に早めの準備をし、情報収集することが必要となります。基準としては、エントリー開始の3月1日以前に業界・企業の情報収集や自己分析は終わらせ、3月からは会社説明会や本選考など、本格的な就活に専念できる状態がベストです。
体育会学生の就活のやり方と進め方
3年生の6月から企業が参加者の募集を開始し、就活生全体の半数以上が参加するといわれているインターンシップは、ぜひとも参加して欲しいプログラムです。期間は、1〜3日、1週間、1カ月から、3カ月以上までとさまざまです。人気のある企業のインターンシップは、参加者の選考があったり、先着順で締め切ってしまう企業もあるので、志望する企業の情報には常に目を光らせておきましょう。部活で忙しい体育会の就活生は長期のインターンシップへの参加は難しいかもしれませんので、1日で終わるワンデーインターンや、2日〜3日で終わる短期のインターンシップをお勧めします。できる限り多くの企業の仕事や雰囲気を体験しましょう。
インターンシップへの参加は、仕事を実際に経験することで、業種や業界、企業を事前調査よりずっと深く知ることができ、雰囲気も体験できるのはもちろんのこと、その仕事が自分に合っているかどうかがわかるなど、様々なメリットがあります。また、他の企業へのエントリーシート作成や面接の際に、「こういう経験を積み、自身がどう変わったか」など、アピールポイントを増やすことができるなど、以降の就活に活かすことができたり、企業の方や一緒に参加した他大学の生徒など、新たな人脈を築くことができるという利点もあります。
そして、インターンシップが終了したら、企業の方にお礼のメールや手紙を送ることをお忘れなく。社会人としての礼儀、という面もありますが、例えばお礼状の内容や日本語の正確さで企業側に好印象を残すことができるかもしれませんし、また、内容を考えて書く際には自然とインターンシップで体験したことを深く振り返るはずですから、その後の就活にも少なからず役に立ちます。
就活生の4分の1程度が行うOB・OG訪問も、可能な限りチャレンジしたいところです。就活生が訪問を行う時期のピークは3月から5月ですが、忙しい体育会系の就活生は2月ぐらいから訪問へ向け準備を始めても、決して遅くはありません。まずは、訪問先を探してみましょう。志望する業種に同じ部活の先輩がいるなら、そのつながりに頼るのも一案です。志望する業種に先輩がいない場合は、部活仲間やゼミ仲間と情報を共有し、訪問できそうな先輩を紹介し合ったり、家族・親戚に頼って紹介してもらうのも良いでしょう。どうしてもこの企業の先輩に話をうかがいたい、という場合は、コネクションに頼らず、メールなどで企業の人事担当に直接アポイントを取る方法もあります。環境や志望する業種によっては先輩を探すのに苦労することもあるかもしれませんが、自分に合った方法を見つけてください。
OB・OG訪問のメリットは、自身で情報を収集するよりも格段に深く企業について知ることができる点です。企業側が発信する情報は良い面、都合の良い点のみの場合がほとんどです。OB・OG訪問では現場の生の声、時には仕事の大変な面や企業にとって都合の良くない面も聞くことができますから、理解がより深まることでしょう。できるだけ多くの先輩を訪ねて、自分にはどんな業種、職場が合っているのかのヒントにしてください。
訪問の前には、あらかじめ質問したいことは整理しておきましょう。先輩は、後輩のあなたのために、厚意で貴重な時間を割いてくださいます。無駄な時間を取らせないだけの準備は、済ませておくのが社会人のルールと言えるでしょう。そして、インターンシップと同様に、訪問が終わった後は、お礼状を送るようにしましょう。
企業をより良く知るという意味では、企業説明会や合同説明会、学内企業説明会に参加するのも必須となります。志望する企業が定まっているなら、その企業の説明会には都合をつけて必ず参加しましょう。合同説明会は、数社から数十社の企業が集まり、1日のうちに説明を行うので、広くさまざまな企業について知るには、時間のない体育会系の学生にとってはありがたいイベントです。学内企業説明会は、複数の企業が学校を訪れ説明を行うもので、原則的に大学の生徒のみを対象としています。企業の説明役の方がその大学の出身者の場合が多く、OB・OG訪問と同じような、より親近感のある方のお話を聞けるという効果も期待できます。こちらも体育会系の学生にとっては上手く利用したいイベントです。
インターンシップやOB・OG訪問などと並行し、必ず行うべきことが自己分析です。エントリーシートや面接で自分をどうアピールするかをあらかじめ決めておけば、情報解禁となる3月以降の就活に専念できます。2月までには、志望動機、長所、学生時代に力を入れたこと(通称・ガクチカ)などをしっかり固めておきましょう。部活などの学生生活以外にも、例えばアルバイトでの経験や、入社後にどうしたいかなど、具体的に答えられるようにしておければベストです。
体育会系の学生には、それぞれの競技で培ったさまざまな長所があるものです。ここ一番の場面で発揮する集中力、チームで勝利を目指す協調性、劣勢でもあきらめない忍耐力、徹底的に相手を調べる研究・分析する力、対戦相手をリスペクトするスポーツマンならではのやさしさ、など、挙げていけばきりがありません。しかしながら、体育会系の学生には、競技で良い成績を残していないからという理由で自己評価を低く見積もっている人が意外と多いそうです。でも、考えてみてください。全国大会に出場できるのは各都道府県でたったひとにぎり。全国大会で優勝するのは、その中のたった1人(1チーム)なのです。成績のことは気にせず、競技に対して真摯に向き合い、練習中や競技中に何を考え、どう行動したのかを思い起こせば、アピールポイントがたくさん見つかるはずです。
また、自己分析は自分一人で進めようとしても独りよがりになってしまい、なかなかうまくいきません。部活の仲間や家族に、自分のことをどう見ているかを聞いてみましょう。距離の近い人だけでなく、例えば同じクラスで少しだけ話したことがある程度、というような、全く他人ではないが比較的距離のある人に聞いてみるのも、狭いコミュニティの誰もが気づかないような、あなただけの長所が見つかる可能性があり、効果的です。
また、個人で行う業界・企業分析も、自己分析同様、できる限り進めておきましょう。興味のある業界数種を、まずは広く浅く調べてください。その中に、志望したいという分野、企業があれば、深く掘り下げていく、というやり方が良いでしょう。
3月には、企業による採用情報公開が解禁され、プレエントリーの受付が始まります。企業の採用サイトや、就活サイトから申し込むと、詳しい資料が送られてきます。志望する企業に申し込みましょう。なお、プレエントリーは正式に入社を希望するエントリーとは別物です。あなたが申し込んだ企業に興味があり、説明会の日程や選考情報などを知りたい、ということが伝わるものと考えてください。
数社の説明会などから、志望する企業が決まったら、いよいよエントリーです。企業それぞれのエントリーシートを作成、提出します。準備した自己分析をフル活用して作り込みましょう。エントリー数は、平均的には20社前後の就活生が多いようですが、エントリー数だけ、エントリーシート作成や、試験、面接が生じますから、あまり多く出しすぎて後々困る、という事態は避けるようにしてください。
体育会学生が就活を成功させる方法
体育会学生の就活において、やはりすべてにおいてネックになるのが、就活に割ける時間が少ないということでしょう。先にも記しましたが、3月の本格始動までに、少ない時間でどれだけ準備ができるかが、体育会学生の就活を満足のいく結果につなげる最大のカギとなります。短期のインターンシップを選んで応募、参加したり、合同説明会などで効率的に企業の情報を収集するなどは是非実践してください。また、これまでどのように就活に取り組んできたかを随時振り返られるよう、「就活ノート」をつけることも、効率アップに非常に役立ちます。
他にも、一人でできること、例えば企業・業界分析や自己分析などは、これまではスマホを見ているだけだった通学時間や、授業の空いた時間などを有効に使うことを心掛けましょう。企業・業界分析については、一般学生と同じように多くの業界に触手を伸ばしては遅れを取る可能性があります。事前の研究が深ければ、興味のある業界・企業をある程度絞ることができ、本格始動の3月以降、少ない時間で自分に合った企業へのアクセスが可能になるでしょう。
体育会学生の就活の失敗例で多いのは、スタートの遅れ、スケジュール管理の不徹底による時間不足です。冒頭に記したように一般的に学生が就活を始めるのは3年生の6月からですが、企業・業界分析や自己分析はもちろん、意欲を見せることができればOB・OG訪問なども、一般学生より早く進めることも不可能ではありません。より早く、より多くの情報を収集して、来たる3月に備えましょう。
体育会学生は一般学生より、時間の問題については確かに不利な面もあるかもしれませんが、実は有利な点もあるのです。例えば、同期、先輩、後輩や、OB・OG、コーチや監督など、部活を通して自然とさまざまな年代の人と接している点です。就活では必ずチェックされる言葉遣いや礼儀は、そういう環境で培われていくものですから、その面では一般学生よりも上回っている人が多いでしょう。ただし、ビジネスマナー、例えば名刺の受け取り方や服装のマナー、電話の出方や取り次ぎ方などは、知らなければわからないものも数多くありますので、事前に調べ、身につけておきましょう。
時間のなさを早い準備で克服し、部活で自然と鍛えられた長所を活かし、自信を持って就活に臨んでください。
まとめ
忙しい体育会学生が就活を成功させるには、時間のなさを早いスタートと効率アップでカバーし、これまでの部活動で身につけた礼儀正しさやタフさ、人脈など、体育会ならではの強みを生かして戦うことが必要です。あなたに合ったやり方を見つけて、成功を掴んでください。
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