[最終更新日]2023年9月12日 [記事公開日]2022年8月2日
フリーターの中から優秀な人材を見つける方法をプロが徹底解説!
コロナ不況にもかかわらず売り手市場が続き、人材の多様化なども叫ばれる中では、フリーターの採用を検討し始めている企業も多くあります。しかしフリーターからの採用には、やる気や能力の面で不安を感じる人事担当者も多いのではないでしょうか。
このコラムでは、フリーターの特徴と採用の心得、フリーターの中から優秀な人材を見つける方法、優秀なフリーターを採用する秘訣などについて解説します。今後の採用活動の参考にしていただければ幸いです。
フリーターの特徴と採用の心得
フリーターは「正規の雇用につかず、アルバイト等で生活費を稼いでいる人」という印象が一般的です。同時に、その働き方から「ふらふらと遊び歩いている」という印象を持っている人も少なくありません。しかしその実態を見てみると、一概に遊ぶために、怠惰であるためにフリーターをしている人ばかりではありません。正規雇用では出来ない事があるために、時間や働き方の自由さのためにフリーターとしての生活を選んでいる人もいます。
「A:目指している職業・目的があり、フリーターをしている人」
職人やクリエイター、芸能関係など、下積みが必要な期間の活動費としてフリーターをしている事があります。最終的に就きたい職業があり、そのために必要な活動に時間を費やすため、定職よりも給与面で不遇であってもフルタイムの正規雇用を望んでいません。中には「長期的に、物価の安い地域での海外滞在・放浪をするためにお金を貯めている」という人もいます。夢を実現し、目指していた職での活動が軌道に乗れば、フリーターとして就いている仕事は辞めてしまいます。逆に、志半ばで夢破れてしまった人が職の安定を求めて、フリーターとして勤務している職の正規雇用の声に乗ることもあります。
「B:フルタイムの勤務が体調・心情・環境的に難しい人」
仕事自体に意欲はあるものの、上記のような理由から長時間働くことが出来ない人です。激務による心身の崩壊によって、療養を経ても長時間働けない人、介護や育児など家庭環境で長時間家を空けられない人などが挙げられます。正規雇用は厳しい事情のある人であっても、可能ならばきちんと働きたいという願望・意欲のある人は少なくありません。理由に寄り添い、その人の働きやすい・続けやすい環境さえ作れたならば生産性が上がる可能性が大いにあります。環境が合えばそのまま正社員として働くケースもあります。
「C:正規雇用につきかねたまま、ずるずるとフリーターをしている人」
フリーターの中でも割合が多いと言われています。学校を卒業後にもこれといった理由が無く定職に就かない人、企業に就職したが早期離職した人など理由は様々ですが、ひとまずの生活の為にフリーターをしている人です。一般的な社会人としての印象として「ちゃんとしていない」と色眼鏡をかけてしまいがちですが、体調面や時間に制限がある訳ではなく、また長期的に働いてもらえる、シフトの融通が利きやすいといったメリットのある人材である傾向もあります。長期間仕事を続けるうちにやりがいを見出し、正社員として声をかければすんなり決まる例も少なくありません。しかし、そもそもの勤労意欲自体が低いからこそフリーターをしている人もいるので、あまりに何度も突然なシフトの融通を求め続けてしまうと辞めてしまうケースもあります。
フリーターの内情は様々ですが、大きく分けるとこの3つに分けられます。フリーターを採用しようと考える時は、「そのフリーターにとってはどういう契約が魅力的か」、採用する自分は「どういうフリーターが欲しいのか」、この2点に重点を置いた募集を考える必要があります。
当然、採用する側としては「仕事に意欲的であり、生産性を上げる人材であること」「契約期間中に途中離職することなく、契約をやり遂げる人」といった条件が考えられます。しかし例えば応募者側ならば、Aのフリーターにとっては「短期・集中的に稼げる契約」、Bのフリーターにとっては「なるべく長期間で、時間の融通が利く契約」が理想的です。Cのフリーターには一般的に期間的なこだわりが無いものの、人によっては「正社員登用制度の可能性がある契約」を求めて探していることもあります。どういった目的のフリーターを採用したいのかを考えつつ、狙いを絞ることでフリーター側に給与以外のメリットを提示できれば、求人広告費用を無駄にせずに応募効果を得られたり、採用したフリーターの生産意欲が上がっていくと考えられます。
フリーターの中から優秀な人材を見つける方法
フリーターの中から優秀な人材を見つけるには、その人材の「フリーターとしての活動歴」や「所属していた部活動」、そして「前職」の話題をいかに掘り下げられるかが重要です。応募要項や募集している仕事に必ずしも一致していなくとも、その経験自体が仕事に思わぬ益を生み出すケースもあります。
フリーターとしての活動歴を参考に見つける
「フリーターとしての活動歴」は、フリーターとしてその人がどういったアルバイトを過去に行って来たかです。アルバイトはサービス業ならば接客、レジ打ちや清掃といった、いわゆる「手順さえ理解すれば概ね誰でも出来る仕事」です。しかし中には、アルバイトであっても徹底した研修を行い、店舗で提供する接客サービスを向上させている企業もあります。「アルバイト 研修 評判(口コミ)」で調べてみると、きちんとマニュアルを設けて接客、電話応対などを研修時点でこなさせている企業も少なくありません。新入社員においても同様の教育を施すものですが、アルバイトで研修済みのフリーターならばその点において即戦力となってくれる可能性が高まります。これまでもフリーターとして活動してきた応募者ならば、そうした観点からどういった経験を積んできたのか確認してみましょう。本人にとっては履歴書に特筆する事もない点であっても、思わぬ掘り出しものが見つかる事もあります。
所属していた部活動を参考に見つける
「所属していた部活動」は、その人がフリーターとして初めて応募してきた際の参考点となります。一般的に、運動部では指導者・先輩・後輩の間で厳しい上下関係が築かれています。そのため、上の言う事をきちんと聞く、返事・挨拶をしっかりする、という雇用者と被雇用者として重要な「立場が上の人を明確に敬う」距離感やコミュニケーション能力が培われている可能性が高いのです。これは運動部だけでなく、合唱部、吹奏楽部など一部の文化部においても同様です。また、基本的に運動部や一部の文化部では「人前で練習成果を披露する」という活動が伴います。大勢の人の目に触れて、その視線を一身に受ける場や舞台に立ったことがある経験は、人前で立ち振る舞ったことのない人と比べて一日の長があります。もちろん例に挙げた部活動であっても、学校によっては必ずしも上下関係に厳しいものだとは限りません。しかしどういった部活動をしてきたか、上下関係が厳しかったかどうかは、それを聞いた際の受け答えでも感じ取れるものがあるでしょう。
「前職」の話題を参考に見つける
「前職」、これは特に主婦・主夫の人に多い「介護や育児に注力するために前職を辞めていたが、状況が変わったので働きたい」と考えているBタイプのフリーターです。こちらも前職によってはしっかりとした研修経験を積んできている人、もしくは資格等でも生産性の高い仕事をしてくれる人である可能性が高まります。主婦・主夫層は時間に制限がある人もいれば、時間に融通が利く人もいます。どれだけシフトに入ってもらえるか、シフトを入れるのが厳しい時期はあるのか、子供や介護で突発的にシフトを空ける可能性がある要素はあるのか話し合った上での採用が望ましいです。
フリーターの活動経験が見極めにくい時は
このように様々な活動経験の有無が、そのフリーターが優秀な人材かどうかの判断材料になります。しかし中にはどういったアルバイトは研修がしっかりしているのか、部活動では上下関係がしっかりしているか、ピンとこない人もいるかもしれません。地域的な状況にも左右されるので、そうした情報に詳しい人が身近にいれば一番確実な情報源となります。一般論的な評価を知りたい場合は、「人事ウケ アルバイト」「人事ウケ 部活動」といったキーワードでネット検索するのもおすすめです。
優秀なフリーターを採用する方法
優秀なフリーターの見つけ方は、「先述した前歴を持つ人を書類選考で弾かない」、そして備考欄や実際の面接の場で、タイプABCのいずれのタイプかを認識し、当人のメリットになる契約に近づける事で円満な採用が望めます。更に、そうした人に「積極的に応募してもらいたい」と考えるなら、人材募集の広告原稿においてもタイプに狙いをつけた訴求力が必要になります。
A:目的があってフリーターをしている人から優秀な人材を見つける方法
短期契約が望ましいAタイプのフリーターならば、魅力的になる条件は「短期募集であること」に加えて「突然シフト調整に入ってもらうなど、体制によっては時給に色がつくこと」「少額でもボーナス制度がある」など、「ここでなら短期でもがっつり稼げる」と判断できる募集です。また「成績を出した人は再雇用時に優先します、厚遇します」など、短期契約であっても人材を使い捨てない姿勢を示せば、一旦は自身の目的の為に辞めてしまった優秀な人材が再度応募してくれる事もあります。この姿勢は一度仕事を辞め、前線を退いたBタイプのフリーターにとっても魅力的です。
B:フルタイムの勤務が難しいフリーターから優秀な人材を見つける方法
長期契約をしたいが勤務時間に不安があるBタイプならば、「勤務時間、日数は応相談です」の一言が募集にあるとないとでは求人力が大きく変わります。Bタイプは自他の体調や家事、送迎や催事などで、本人の望まない早退やシフトの穴抜けが起きてしまう事があります。募集側は不可抗力で起きるそれを「自己責任」「しっかりしてよ」と突き放すばかりではなく、それを踏まえた上で「2人以上の勤務体制にする」等のフォロー体制を整えなければ、せっかく採用した優秀な人材も次々に抜けて行ってしまいます。
Bタイプの人に狙いを絞りたいならば、「週〇日から働いている人もいます」「1日からでも助かります」、「フルタイム・ハーフタイムで選べます」など、その人が仕事以外で忙しい時間帯を考慮した応募文面が必要です。一般的な応募ではハードルが高いと感じてしまうBタイプの人だからこそ、「まずはご相談ください」「希望に沿えるように話し合います」といった文面がそのハードルを取り除きます。
C:正規雇用につきかねたフリーターから優秀な人材を見つける方法
特にやりたい事も無いがひとまず生活費の為に働こうとしているCタイプの人は、正社員登用を見込める人材でもあります。またCタイプの人の中には「正社員となるべく、その会社の事を知るためにアルバイトしている」というインターンシップ代わりの応募や、やっていくうちに仕事を知り、出来る事が増えて正社員になっていく事を望み始める人もいます。これは実際に応募し、働き始めなければ判らない事ではありますが、そういった人材の採用チャンスを逃さないようにするには、やはり「社員登用制度があります」の一文は不可欠です。
ただし、ただ「正社員になれます」と言われたところで、「仕事環境、仕事そのものにそうなりたいと思える魅力があるか」「正社員として働く知識を得られる環境であるか」、この2点に実情が伴っていなければ「正社員になっても余計に大変になるだけだ」という悪印象に繋がってしまいます。他社の社員登用制度のある募集を参考にしつつ、「本気で人材を育てる気があります」という姿勢の見える募集と、その実態に見合った職場環境であれば、フリーター人材は会社に定着する人材になり得ます。
まとめ
人材不足が騒がれる昨今、フリーター人材の人気は高まりつつあります。正社員よりもシフトに自由が利く、短期契約・長期契約での人材費の調整も可能など、企業側にとってはメリットの大きい人材であることも確かです。しかし少子高齢化の進む昨今では、「フリーターの使い捨て」ばかりでは会社や現場を支える人間は育ちません。優秀さの萌芽が見られる人材にいかに熱心に仕事をしてもらうか、応募してもらうか、再応募してもらうかは企業側が考えなければならない課題です。自社の応募に中々フリーター人材の応募が来ない時は、自社にはどういった人材が望ましいのか、そのマッチングに合った応募条件を出せているか、フリーターの実情理解を深めた「見つけ方」を再検討してみましょう。
弊社ジールコミュニケーションズでは、優秀な人材の見つけ方に悩む企業様を支援する人材紹介サービスを行っています。弊社がご紹介するのはフリーターと言えども、しっかりと社会性を身に付けた優秀な人材ばかりです。またフリーター以外にも、新卒・既卒・専門卒・第二新卒など幅広い人材をご紹介できます。優秀な人材の確保に悩まれている人事担当者の方は、下記の「お問い合わせ」からお気軽にご相談ください。
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