[最終更新日]2023年9月13日 [記事公開日]2022年7月29日
「スキルない」そんな20代の転職事情と成功させるための対策法
「転職したいけれど、スキルないし…」そんな不安を抱く20代は多いでしょう。心の中では転職を希望しても、社会人経験が浅い自分には転職活動でアピールできるようなこれといったスキルがなく、転職は難しいのではないかと尻込みしているわけです。
このコラムでは「転職したいけどスキルがないから転職できない」と悩んでいる人に向けて、スキルのない20代は本当に転職できないのか、スキルのない20代が転職活動に挑むうえで覚悟すべきこと、スキルのない20代が転職に成功するための対策などについて解説します。
スキルのない20代は転職できないのか?
結論から言えば、スキルがなくても20代の求人募集はたくさん見つかります。ただし、採用面において、スキル不足が不利になるのも事実です。
現在、私たちを取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。IT技術の革新、新型コロナウイルス感染症、戦争や災害など、次々に起こる変化に対応するために、多くの企業が生き残りをかけた戦いを続けています。20代の若手であっても、優秀な人材を希望する企業が増えているのです。
20代の中途採用では、面接官は主に「スキル」「やる気」「伸びしろ」を重視します。このため、スキル不足は不利になりやすいのです。
スキル不足が不利な理由は、即戦力にならないからです。仕事では、職務をスムーズに遂行するためのスキルが必要です。スキル不足の人材に対しては、採用後に社内教育を実施しなければいけません。即戦力になりにくいため、同年齢の応募者がいる場合、スキルの高い人材を採用するケースが多くなります。特に、有名企業や雇用条件の良い企業などの人気企業には、応募者が殺到します。スキルが無ければ採用は厳しいと言えるでしょう。
応募側にとっても、スキルは極めて重要な武器となります。スキルが高ければ業務の効率化に貢献できますし、顧客との良好な関係を結ぶことも可能です。面接時にも、自信を持って面接官の質問に答えられることでしょう。
一方、スキルが低いと、セルフイメージが低くなります。能力に自信が持てないので、面接でもうまく自己アピールができません。自信の無さから、極度に緊張する人もいるでしょう。その結果、面接官に「使えない人材」の烙印を押されることも多いのです。
このように、スキル不足は不利になることが多いのが現状です。ただし、20代に関しては、スキル不足でも採用する企業はまだまだ多いので、それほど心配する必要はありません。若いことは、これから伸びる可能性を秘めているということです。「自社で教育すれば伸びる」と判断されたら、スキルがなくても採用する企業はたくさんあります。
スキルのない20代が就活に挑むうえで覚悟すべきこと
スキル不足の若手が転職する場合、次の点を覚悟しておきましょう。
待遇面の改善は期待できない
まず、スキル不足の若手が転職する場合、待遇面の改善はそれほど期待できません。20代では、転職による年収アップはかなり難しいと覚悟しておきましょう。30代以降はこれまでの経験やスキルが身についているので、それに応じた年収アップや役職待遇での採用もあります。
しかし、20代は経験が少ないですから、どこの企業も給与はそれほど高くありません。「人件費を抑えられる」という理由で、20代を中途採用する企業も多いのです。
採用面で不利になる
また、スキル不足の人は、スキルの高い人と比べて採用面で不利になります。希望する条件の企業から、内定を得られないこともあります。自己アピールすべきポイントが少ないですから、ふるい落とされる可能性が高いのです。
好条件の企業に応募しても採用されず、条件を下げざるを得ないかもしれません。採用されたとしても、希望の部署に配属されない場合もあります。
転職の理由を問われる
スキル不足は企業側にとって、「人間関係のトラブルを起こすかもしれない」という懸念材料にもなります。面接官がスキル不足の20代に対して抱く不安は、「人間関係の構築が苦手なのではないか?」ということです。スキルが低いと、業務についていけません。その結果、顧客や同僚に迷惑をかけたり、上司から叱責されたり、人間関係の悪化を引き起こす原因になることがあります。職場に居づらくなって、辞めてしまう人が多いのです。
このような不安がありますから、面接では「なぜ辞めたのか」について、掘り下げて質問される傾向があります。特に、就職後すぐに辞めた人や何度も転職を繰り返している人に対して、以前の職場で何らかのトラブルを起こしているのではないか、と不安に感じるケースが多いのです。前向きな転職理由を答えられるように、しっかりと準備をしておきましょう。以前の職場でも誠意を持って仕事に取り組んできたことや、真剣な気持ちで応募したことをアピールすることが大切です。
前職の「当たり前」は通用しない
20代は社会人としての経験も少なく、視野が狭くなりがちです。「今の職場」を基準に物事を考えがちですが、世の中にはさまざまな職場があります。今の会社では当たり前のことが、転職先の会社では非常識な習慣として受け止められることもあるのです。
例えば、以前の職場では出先から直帰できたのに、新しい会社ではどんなに遅くても、一度帰社して上司に報告しなければならないとか、以前の職場では仕事をしながら自由におやつを食べられたのに、新しい職場では勤務中の飲食は禁止など、以前の職場の「当たり前」が通用しないことが多々あります。
転職にはリスクもある
また、以前の職場とは手当て支給の制度が異なる、福利厚生が少ない、ノルマ達成のハードルが高い、社長がワンマンなどなど…、転職前には想定していなかった問題に直面することもあるのです。
転職は、人生を良い方向に変える大きなチャンスです。でも、リスクもあることを覚悟しておきましょう。
転職活動をしてみたけれど、条件の良い企業からの内定が得られなかった、転職先は職場環境が悪く、長続きしそうにない…、そんな後悔をしないためにも、ここまでなら妥協できるという、最低条件を決めておきましょう。その条件をクリアしない企業には、転職しないことです。
スキル不足を補うのは「やる気」!
また、面接官にいかに「やる気」をアピールするかも大切です。スキル不足を補うのは、「真剣さ」であり、その会社に骨を埋める「覚悟」だからです。いくら優秀なスキルを持っていても、真剣味が感じられない人は、企業側にとって魅力が低い人材です。なぜなら、中途採用には「社内に新風を巻き起こす」ことも期待されているからです。やる気のある人材は、周囲の人にも刺激を与えます。スキル不足のデメリットは、やる気と情熱で吹き飛ばしましょう。
これらを覚悟したうえで、スキル不足の20代が下すべき決断は、次のどちらかです。
1つ目は、スキルに不安があっても、求人が多い20代のうちに転職することです。この場合は、新しい職場で必要なスキルを磨いていくことになります。メリットは、20代ではスキル不足を情熱ややる気でカバーできることです。
2つ目は、今の職場で働きながらスキルを磨き、30代以降に新しい職場に移ることです。メリットは、これまでに培ってきたスキルを生かして、今よりも良い条件の企業に転職できる可能性が高いことです。
今すぐ行動するか、実力をつけた後に行動するか、どちらを選ぶかを決断すべきです。
スキルのない20代が転職に成功するための対策法
スキルのない20代が転職に成功するためにするべきことは、「これまでの仕事を通じて身につけたスキルの棚卸し」と「ポータブルスキルを磨く」ことです。
そもそも仕事上のスキルとは
一口にスキル不足と言いますが、そもそもスキルとはどのような意味でしょうか。直訳すると、「技能・能力」となります。言い換えると、勉強や実務経験などの努力を通じて身につけた能力です。
スキルと聞くと、「資格」を思い浮かべる方も多いでしょう。資格はスキルに含まれますが、資格=スキルではありません。
仕事で求められるビジネススキルは、いくつかの種類に分けられます。その中でもよく知られているのが、「ポータブルスキル」と「テクニカルスキル」です。
ポータブルスキルとは持ち運べるスキル、つまり、どのような職場でも生かせるスキルです。ポータブルスキルは「仕事(課題)への取り組み方」と「ヒューマンスキル(対人能力)」に分けることができます。
「仕事の取り組み方」では現状を把握して、その中から課題を見つけ出し、課題解決の計画を立案・遂行する能力が求められます。これらの過程で予期せぬ問題が起こったときの対応方法や、責任の取り方なども必要な能力です。
「ヒューマンスキル」では、社内のさまざまな人との人間関係の構築、社外のお客様や取引先、事業パートナーなどとのコミュニケーション能力、上司への対応、部下のマネージメントが求められます。
ポータブルスキルに対し、「テクニカルスキル」は実務に必要な技能です。簿記などの資格やプログラミング言語、製造技術など、さまざまなスキルがあります。
そして、ポータブルスキルとテクニカルスキルの上位に来るスキルが、「コンセプチュアルスキル」です。このスキルは、ヒューマンスキルやテクニカルスキルを使って、より複雑な問題解決する能力です。マネージメントや経営などにも関わるスキルと言えるでしょう。
20代の転職では「ポータブルスキル」が重視される
IT企業や医療、開発職など、専門性の高い業種では、テクニカルスキルが欠かせません。医師や看護師は国家資格がなければなれませんし、開発職においても専門的な技能や知識が求められます。
しかし、一般的な業種では、20代は「ポータブケルスキル」があれば十分に評価されます。30代以降は「ポータブケルスキル」に加えて、「テクニカルスキル」も必要です。30代からは即戦力としての期待度が高まりますから、これまでの経験や知識によって磨かれた「テクニカルスキル」が求められるのです。また、40代以降では、「コンセプチュアルスキル」も身につけておくべきです。
経験が浅い20代に求められる「ポータブルスキル」は、仕事をスムーズに進める能力やコミュニケーション能力が主体です。これまでに得た成功・失敗体験から学んだこと、仕事を通じて獲得した工夫や技術、知識などが強みとなります。
ですから、20代の転職では、資格などのテクニカルスキルがないことをそれほど気にする必要はありません。それよりも、仕事への取り組み方や自分なりの工夫、コミュニケーション能力の高さをアピールしましょう。特にコミュニケーションが苦手という方は、ある程度の努力が必要です。だからといって、社交的になったり、万人に好かれたりする必要はありません。相手を思いやる気持ちを持って礼儀正しく接すれば、引っ込み思案の人でもコミュニケーションスキルが高いと評価されます。特に、面接では笑顔ではっきりと、聞き取りやすいしゃべり方を心掛けてください。
スキル以外で重視されるポイント
次に、スキル以外で採用担当者が重視するポイントについても、知っておきましょう。
20代の応募者に対して、面接官は「伸びしろ」と「やる気」を重視します。今はスキルが不足していても、今後伸びそうな人材は採用されやすくなります。伸びしろの判断材料としては、学歴や経歴、筆記試験、面接の対応などがあります。また、伸びしろがある人は向上心とやる気に満ちているので、意欲の高さも重視されるポイントです。
「自分はスキル不足だ…」と思っていても、実際には人の話にじっくりと耳を傾けるコミュニケーションスキルがある、仕事を最後までやり遂げる責任感がある、明るい性格でチームのムードメーカーとして活躍できるなど、思いがけないスキルが評価されることも多いのです。
書類審査・面接で高評価を得るためには、自分の弱みや強みを知っておかなければいけません。転職サイトを活用すると、担当のエージェントがカウンセリングを通じて、能力を分析してくれます。思いがけない強みがわかり、新しい道が開けるかもしれません。また、自分の能力に適した求人を紹介してくれるのも魅力です。その中には、一般には募集されない、非公開の求人も多数あります。
まとめ
スキル不足は確かに不利になることも多いのですが、20代はやる気と伸びしろが評価されれば、採用されるチャンスはたくさんあります。
ただし、何の覚悟もなく転職をするのはおすすめしません。「今の職場が何となくイヤだから」などのあいまいな理由で転職すると、後悔することが多いからです。転職のリスクを見極め、今後のキャリア形成も考えたうえで、納得のいく条件の転職先を見つけましょう。
また、「スキルない、転職が不安」という方は、今の職場で働きながら必要なスキルを身につけ、30代になってから転職するという選択肢もあります。「それでも今すぐ転職したい」という人は転職エージェントなどを頼って、自分ではまだ気づいていないスキルや強みを発見してもらい、それに合った求人を紹介してもらうと良いでしょう。
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