[最終更新日]2023年9月13日 [記事公開日]2022年7月14日
「20代前半の転職は厳しい」はウソだった?真相と成功のための流れを把握しよう
「20代前半の転職は厳しい」そんな噂を耳にして、転職への意欲がしぼんでしまった人もいるかもしれません。しかしその噂、本当でしょうか。「転職したい」という気持ちを抱えながら、現職の仕事をいつまでも続けるのは辛いものです。簡単にあきらめてしまう前に、その噂の真相を確かめ、どうすれば20代前半でも転職が可能になるのか知っておきましょう。
このコラムでは、20代前半の転職が本当に厳しいのかどうかと、20代前半の人が転職をする上で覚悟すべきこと、20代前半の転職を成功させる対策などについて解説します。
20代前半の転職は厳しいのか?
上の年代の人から20代前半を見ると、「人生経験が足りない」「まだまだ若い」といった印象が残ります。そのため、転職というキーワードを重ねてみると「難しい、厳しいのではないか」といった見方が根強いのが現状です。しかし実を言うと20代前半の転職は成功率が高く、世間のイメージで言われるところの「厳しい、難しい」といったことは全くありません。
就職している20代前半の場合、高校・短大卒なら入社5~7年ほど経過しています。大学卒業の場合は、入社2~3年ほどの勤務年数だと考えられます。まだまだ新人~中堅といったところです。やっと独り立ちをして、仕事にやりがいを覚えたころと重なります。人によっては、後輩社員に仕事を教えている人もいることでしょうが、まだまだ業務上の失敗も多く、「転職活動をするには早い」と思われがちですが、20代前半の転職が成功しやすいのには、れっきとした理由があります。
20代前半の転職が成功しやすい3つの理由
ポテンシャルがある
年齢的な伸びしろがある
これから企業を背負う存在が欲しい
ポテンシャルとは、潜在能力や将来性を指しています。20代前半なら人生経験・業務経験ともに「薄い」と判断されますが、これから経験を積んでいけば大成するだろうという将来性が期待できます。20代前半の人は「ポテンシャルが高い」と評価されることが多く、チャレンジ精神旺盛といった前向きさなども併せてチェックされることもあるでしょう。
企業側はスキルよりも、「20代前半であること」「将来性があること」「人柄が良いこと」といったポイントを重視して採用することが一般的です。これが、いわゆる「ポテンシャル採用」です。
ポテンシャルと近い要素ですが、20代前半はまだ「仕事に対するこだわり」が少ない人が多く見られます。大卒の場合は、まだ「第二新卒」として受け入れてもらえることもメリットとなるでしょう。また、先輩・上司の指導をしっかり理解し、自分なりの仕事ができるよう模索できる世代です。なんでもチャレンジしたいと意欲的に取り組む人もいます。社会人経験が少ない分、「伸びしろがあり、新しい色に染め直せる」と受け止める企業も多く、教育によって企業人としてイチから育てられることが企業側にとってメリットなのです。
「年齢的な伸びしろ」とはどういったことでしょうか。企業としては、長く勤めあげてくれる人材を求めています。定期的に若い人材を採用し、人材育成をすることで、企業の繁栄を目指せるからです。若い世代の社員がいることで、会社自体の若返りを図れるほか、「活気がある会社」といった企業イメージも付きやすくなります。
また、若い世代は先入観が少なく、柔軟な考え方や物の見方ができます。若い世代が新しいものを生み出す可能性があるため、20代前半の若い世代を確保したいという企業が多いのです。
もちろん、必ずしも20代前半の転職希望者が歓迎されているとは限りません。しかし、わずかな期間でも企業での職務経験があることや、人材育成の観点から、「若い世代を採用したい」という企業が多い現状にあります。社内に新しい風を取り込むことで社内全体の生産性向上にもつながるため、積極的に採用する企業もあるのです。
20代前半が転職をする上で覚悟すべきこと
先にも記しましたが、企業のすべてにおいて、必ずしも「20代前半の転職希望者」を歓迎しているとは限りません。「単純に勤務先を変える」といった意識で転職活動をしている場合は、企業の人事担当者に簡単に見透かされてしまいます。面接時に動機について質問をされれば、答えに窮してしまうかもしれません。相手が納得できる答えで返せなかった場合、その企業との縁はここで終了しかねません。
運よく内定を受けた場合でも、「単純に勤務先を変える」という意識を持ったままであれば同じことです。再び新たな居場所を求めて転職を検討することも考えられます。そんな風にならないために、20代前半が転職をするうえでは以下のような覚悟を決めて転職活動を始めるべきです。
20代前半でも「これが最後の転職」と覚悟を決める
一度転職に成功すると、「20代前半だから、まだ何度でも転職できる」というような勘違いを起こしがちです。転職先が少しでも自分が思い描く働き方と異なると感じた場合、次の転職について漠然と考えるようになってしまいます。
20代前半の転職が有利なのは、「初めての転職」であることと、「第二新卒」だからです。短期間で転職を繰り返す人は、年齢が若くてもポテンシャルを見出すことができません。ポテンシャル採用がまかり通るのはこの1回限りだと受け止めて、転職活動に臨みましょう。
こういった理由から、定年退職をするまで在籍できることを目指して、転職先の検討を試みる必要があります。できる限り「これが最後の転職」といった意識と覚悟を持つことをおすすめします。
転職先ではゼロからのスタートと受け止める
転職に際しては、「転職先ではゼロからのスタート」と受け止めましょう。これまで自身の職掌に対する責任を全うしてきた人ほど陥りやすいのが、「前職との比較」です。
- 「前職はソフトの導入でシステム化されて仕事がしやすかった」
- 「関連部署とのあつれきやしがらみがありすぎ!」
- 「転職を検討したときは面白そうだと思った業種なのに、成果ばかりを求められ、萎えた」
- 「社内の縦割りや横の連携が伴わず、無駄な根回しに時間を費やすことが多い」など
そのように前職との比較をすると、次第に「転職先のNGポイント」ばかりが目に付くようになってしまいます。NGポイントが気になってしまうと、「また転職したい」と思い詰めてしまうでしょう。人生経験が浅い20代前半の場合、転職によって環境が大きく変わることで、体調を崩してしまうこともあります。
転職をする場合は、「前職と転職先は別物、ゼロからのスタート」であると切り替えてください。すべてが前職と同じ条件ではないこと、いろいろな性格や特性を持った人間がいることを覚悟しておくと、新しい職場へ飛び込んだ後もなじみやすくなります。また、「無駄だ、形骸化している」と思った事柄に関しては、指摘して改善を求めていくことも可能です。これは、職務経験を持った新人だからできる事柄です。会社を変えていくという覚悟とともに飛び込んでいくこともよいでしょう。
転職のゴールは内定をもらえた時ではない
転職を検討している人、転職をした人は「転職したから、前職での悩みは解決できる」と考えます。しかし、前職での悩みの解決は「退職した」という表面上だけで、実際には何も解決できていないことがほとんどです。もちろん、転職先でも同じような悩みに遭遇する可能性も否めません。このような人は、転職の成功をゴールに設定しているケースが多く見られます。
「内定をもらえた=自分を認めてもらえた」ことにゴールを見出してしまいがちですが、本当に認めてもらえるのは、与えられた業務で結果を出し、会社に貢献できてからです。転職のゴールは「転職後、社内での自身のポジションを確立し、長く勤めていけること」にあります。ここを勘違いしないよう、就職を検討した時点で覚悟を持つようにしましょう。
20代前半の転職を成功させるための対策法
20代前半の転職は難しくないとは言われていますが、慎重に行動しなければ転職失敗に至る可能性もあります。しかし、対策を講じることで、転職成功の可能性を高められます。
転職の目的を明確にする
はじめに、なぜ転職を検討しているのか目的を明確にしましょう。
収入面や業務の待遇について、よい環境を求めたい
転職希望先の会社なら自分が本当にやりたいことを実現できる
転職先でも保有する資格を活かした仕事をしたいなど
このように確固たる目的を持つことで、転職したい企業を早い段階で絞り込みができます。説得力がある志望動機を作ることもできるでしょう。なぜ転職に至ったのか、その経緯も説明できるように準備することをおすすめします。
自己分析をしっかり行う
次に「自己分析をしっかり行う」ことを意識してください。
なぜ転職をすることになったのか、掘り下げることは大事です。自己分析は新卒採用のときにも経験があるかもしれません。自分の弱さや強みを理解することで、再び「転職や退職の検討」といった思考に陥ることが少なくなります。
また、自分の強みを転職先でどう活かせるかを考えてください。採用面接の際に、自己アピールとして使えます。
それに加えて、もちろん企業研究も行いましょう。応募の際に、単純に「福利厚生がよさそう」「同業種だから働けそう」といった理由で見つかった求人に手あたり次第応募するのは、転職失敗に至る典型例です。第二新卒枠を目指すなら、新卒採用と同様に、企業研究も必須となります。企業が求める人物像と自分自身は合致するか、合致させるにはどういったことを補うべきかなども熟考しながら、転職活動に臨むことが大切です。
転職スケジュールを立てる
転職活動をする場合には、転職スケジュールの熟慮も必要です。
漠然と転職活動をしていた場合、時間だけが過ぎてしまい、実のある転職ができません。転職活動の期間をきちんと決め、この期間内に転職ができるよう、スケジュールを決めていきましょう。スケジュールには、退職日と入社予定日を決めることも含まれています。例えば、転職活動を3ヶ月と決めた場合は、以下のようなスケジュールが一般的です。
1ヶ月目 転職希望先の情報収集~転職志望企業を決定
2ヶ月目 応募~面接/内定 退職届提出
3ヶ月目 退職・入社準備
このようにスケジュールを作ることで、転職活動が具現化し、スムーズな転職ができます。
スムーズな退職手続きで円満退社
転職活動を始めると、どうしても意識が「新しい職場」へ向いてしまいがちです。このことで、在職中の企業で失敗をしたり、おざなりな対応で迷惑をかけたり、と気持ちが散漫になることも考えられます。このまま転職を切り出せば、希望日の退職が難しくなる可能性もあるでしょう。転職による退職の場合は、勤務先との禍根を残さないよう入念な準備が必要です。
早い段階で退職願を出すこと(遅くても2週間前までには届出をする)
引継ぎ等はきちんと行うこと
業務で知りえた情報などは転職先へ一切持ち出さないこと
現勤務先との覚書などには応じること
退職の日まで、責任をもって業務に携わること
基本的な事柄を責任もって全うすることで、初めて円満退職が成り立ちます。とくに、自分の担当顧客や取引先を持っている場合の引継ぎは、間違いなく完了させましょう。
転職エージェントを利用する
20代前半の転職は一度限り、失敗はできないと認識すべきです。自分自身が思い描く転職を成功させたい場合は、第三者の客観的な意見を取り入れるために、転職エージェントの利用をおすすめします。初めての転職でノウハウを持ち合わせていない場合にも、心強い味方となってくれるはずです。
自己分析や職務経歴書の書き方などをレクチャーしてもらいながら、採用面接に臨めます。もちろん、条件に合致する転職先候補の企業を紹介してもらえるので、自力では転職先候補を探し出せないという場合にも最適です。
転職エージェントを介して転職活動を行うと、ポテンシャル採用だけではなく、これまでの勤務経歴や保有資格などを重視してもらえる可能性もあります。非公開求人などを紹介してもらえることもあるため、納得できる転職活動になること間違いなしです。
転職エージェントは秘密を厳守してくれるので、現在の勤務先に知られることなく、水面下で転職活動を行うことも可能です。円満退職へ向けた相談にも乗ってもらえます。
弊社ジールコミュニケーションズでも、20代前半の転職活動を支援する無料サービス「若手社会人向け転職サポート」を展開していますので、ぜひ活用してください。現職の仕事を続けながらの転職活動は、新卒の就活時よりずっと大変です。私たちプロが全力でサポートしますので、二人三脚で20代前半の転職を成功させましょう!
まとめ
20代前半の転職は「第二新卒枠」といったポテンシャル採用が期待できるため、難しくはないと言われています。ただし、何度も繰り返すことはできませんので、「20代前半の転職は一度きり」であることを覚悟して臨みましょう。
この一度きりのチャンスをよいものにするために、対策を講じることが大切です。転職エージェントのサポートを受けることを視野に入れながら、転職を成功させましょう。
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