[最終更新日]2023年9月13日 [記事公開日]2022年7月14日
就職浪人における選考の流れを解説!選考通過するための対策法も合わせて解説
就職浪人の採用選考通過には、新卒時とは異なる難しさがあります。卒業後3年以内は新卒扱いとは言うものの、「全然扱いが違う」と感じている人も多いはず。
このコラムでは、就職浪人における選考の新卒時との違いや、それでも選考を通過するための対策法について解説します。就職浪人になっても、就職は不可能ではありません。新卒時との違いをきちんと把握し、適切な選考対策を講じましょう。
就職浪人における選考と新卒との違い
就職浪人とは、卒業後に何らかの理由で就職をしなかった人のことを指します。そのため、就職浪人は既卒として扱われるケースが多いです。既卒という言葉の定義は、卒業後に就職しなかった人に加えて、卒業後に1回就職をしたものの、1年足らずで辞めてしまった人に対しても適用されます。
それに対して、新卒とは大学卒業後すぐに就職する人のことを指します。具体的な範囲としては、大学、短大、専門学校、高等学校を卒業後に就職する人です。このような人を対象とした求人を「新卒採用」と呼んでいます。
このことから、就職浪人と新卒との違いは、卒業しているか否かということになります。国が定める新卒の定義では卒業後3年以内は新卒と見なすとなっているため、本来であれば卒業後3年以内の就職浪人も新卒扱いになるはずなのですが、必ずしも新卒として応募できるとは限りません。その理由として、国の方針は法的な拘束力がないため、罰則もなく、卒業後3年以内の人を新卒と見なさなくても、企業経営に影響が出ないことが挙げられます。
企業によっては、国の指針に従って新卒と見なすケースもあります。必ずしも就職浪人が既卒と扱われるわけではないので、求人情報をチェックして、最終的に自分がその企業の求人が求める新卒に当たるのか、既卒になるのかを見極める必要があります。
ところで、就職浪人と新卒では選考内容に違いがあるのでしょうか。実際の求人情報をチェックしてみると、求人内容にも違いが見られることに気づかれることでしょう。
例えば、A社の求人では新卒採用について、「〇〇年の春卒業予定の四年生大学もしくは短大卒以上」と書かれているとします。この場合、卒業予定者に求人枠が絞られているので、就職浪人は既卒扱いとなり、応募できません。
企業によっては、新卒者と既卒者採用に関して、特に差を設けてないところもあります。これは国の方針を尊重し、3年以内の既卒者については新卒と見なすという原則に立って判断している可能性があります。このような企業への応募であれば、就職浪人でも有利に就職活動を進められるかもしれません。
選考の段階で、新卒か就職浪人かで判断が異なるかどうかが気になるでしょう。基本的なフローはほとんど同じなのですが、就職浪人に対してハードルが高くなるのが面接です。既卒者採用での応募になる場合、一次面接と二次面接がネックになってきます。
新卒採用では、志望動機などの基本に沿った面接対策を進めるだけで良いので、それほど心配はありません。就職浪人の選考になると、面接官が投げかける質問をきついと感じることもあるでしょう。なぜ卒業後就職をしなかったのか、就職をせずに何をしていたのか、といった質問が飛んでくる可能性があります。この段階で動揺してしまい、答えが曖昧になったり、的を外してしまったりすると、採用の可能性が大幅に低くなってしまいます。
新卒採用の場合、採用側は積極的に雇用をするため、ハードルを下げている可能性が高く、応募条件も緩やかで応募しやすいというメリットがあります。それに対して、就職浪人(既卒者)の場合は必ずしも積極的な採用対象になるわけではないため、面接などの質問攻めに遭う可能性があり、採用される可能性は新卒よりも低くなってしまうのです。そうだとしても、あきらめることなく、適切な対策を立てておくことで、乗り越えられる可能性が高くなります。
就職浪人の選考の流れ
基本的な選考までの流れを見てみると、表面的には新卒者とあまり違いはないように感じられるかもしれませんが、実際は募集を出す企業によってまちまちのようです。基本的なパターンを押さえておき、あとは企業の選考過程をチェックするのがおすすめです。
最初の段階は、求人情報のリサーチです。新卒向けの求人募集は、学生に対して広報を通じて企業情報を公開し、募集要項などを知らせるのが一般的ですが、就職浪人の場合は自力で探す必要があります。自分で企業情報を求人情報サイトなどでチェックして、応募要件などを自分でリサーチするという意味です。
もちろん、新卒の場合も広報から提供される情報を自分でチェックするのですが、広報を通じて提供される情報のボリュームが非常に厚く、豊富な情報の中から取捨選択することができます。就職浪人の場合は情報を集約して提供してくれるサポートがないため、手探りで探すことになり、手間がかかってしまうのが実情です。
2つ目の段階は、会社説明会への参加です。就職浪人向けの会社説明会はあるのかと思われるかもしれません。確かに、新卒向けの求人のように、大企業を含めた多くの企業が会社説明会を開催するような状況とは異なることを理解しておきましょう。基本的に、就職浪人や既卒者向けの会社説明会は、いわゆる大企業などの有名な企業の参加はほぼ皆無と考えてよいかもしれません。会社説明会を開催するのは中小零細企業が中心になるので、その点は覚悟しておく必要があります。
ただし、条件が当てはまるのであれば、積極的に参加することをおすすめします。とはいえ、本来の目的は「新卒」向けの説明会なので、就職浪人に対する採用意欲は決して高くはないことも理解しておきましょう。圧倒的に不利だと思うかもしれませんが、モチベーションを高めて望むなら、自分の希望に合った募集が見つかる可能性はあります。少しでも希望に合った募集案件を見つけたなら、すぐにエントリーするのがポイントです。
3つ目の段階は、選考試験です。選考試験は新卒、既卒ともにほぼ同じ内容になっています。ただし、募集要項によって内容が異なることもあります。選考試験は企業の方針に従って実施されますが、コロナ禍以降はネットで選考試験を実施するケースも増加しています。選考試験と同時日程で一次面接を実施する企業もありますので、事前にしっかり確かめておきましょう。
4つ目は、面接です。先ほど選考試験と同時に実施するケースもあると述べましたが、一般的には面接と試験は切り離して行うことが多いです。面接の回数も企業によりまちまちですが、二次面接もしくは三次面接まで実施するケースが増えています。それぞれの面接のタイミングに合わせて、面接対策を進めるようにしてください。
対面による面接に加えて、リモート(オンライン)での面接を実施する企業も増えています。リモートの場合、相手側が就職希望者の人となりや考え方などを把握するため、かなり突っ込んだ質問が投げかけられることもあります。さらに、リモート面接の場合は、それに見合った通信機器やパソコン、タブレットなどを用意しておく必要があります。
5つ目の段階が、内定通知です。内定通知は紙ベースではなく、メールで通知されるケースが増加しています。企業によっては自社WEBで公開するところもあるため、通知方法をあらかじめ把握しておいてください。
6つ目の段階は、内定フォローです。入社式までの間に内定者向けのセミナーやオンライン研修などを実施するケースもあります。
7つ目の段階が、入社式です。入社後は、新入社員向けの研修(OJT)などのカリキュラムが組み込まれます。現場でのやり取り、業務上の心得など、多岐にわたる研修が実施されます。
多くの企業がリモートワークを推進していることもあり、かつてのような実際に対面で行う採用試験や面接は、中小企業などに限られるようになりました。時代の変化に合わせた就職対策が必要になってきたと言えるでしょう。
選考を通過するための対策法
1つ目の対策法は、できるだけ多くの企業の募集にエントリーすることです。就職浪人になって気づくのが、新卒の採用数と比較すると、圧倒的に求人数が少ないことです。
一生懸命探しても、新卒の時のようなたくさんの募集案件を見つけるのは難しくなります。この点を意識するなら、エントリーする企業の数をできるだけ増やすことが必要です。登録数が増えれば、その分だけ採用される可能性が高くなるからです。新卒よりも2倍以上の労力がかかることを考えて、取り組むようにしてください。
2つ目は、応募先をよく選ぶことです。先ほどできるだけ多くエントリーするようにと勧めたので、矛盾しているのではないかと思われるかもしれません。これは、よく企業を選んで、より多くの募集にエントリーするという意味です。
就職浪人になると、どうしても焦りが出てきてしまいます。焦りに負けてしまい、もうどの企業でもよいから応募しよう、と片っ端からエントリーしたとします。採用が決まり、喜んだのも束の間、実際に就職してみると実はブラック企業だった、ということもあり得ます。悲惨な結果を招かないために、企業情報をしっかり把握して、選ぶようにしてください。
3つ目は、未経験の採用を重視している企業を選ぶことです。就職浪人のデメリットは社会経験がないことです。既卒という立場で就職活動をすると、経験者を中心に募集する企業が多いことに気づきます。対照的に、未経験でも応募できる企業であればスキルや経験がなくても応募できるため、ハードルが下がります。リサーチする時にはこうした面も考えておくとよいでしょう。
4つ目は、やはり面接対策です。就職浪人の就職活動が厳しいとされる理由は、面接のハードルが高いことにあります。必ずと言っていいほど聞かれるのが、どうして新卒で就職しなかったのか、という質問です。卒業後3年以内で新卒扱いすると謳っている企業でも、卒業後すぐに就職しなかった理由を聞く面接官がいます。ここで自分の意思をはっきり表すことができないと、選考通過の道は険しくなるでしょう。事前に卒業後すぐに就職しなかった理由をまとめておき、質問されても答えが曖昧にならないようにしておくのがベストです。
5つ目は、オンライン面接対策です。近年オンライン面接を採用する企業が増えています。オンライン面接のメリットは自宅で参加できることです。そこで注意しておきたいのが、自分をはっきり映すことができる機材を整えておくことです。
パソコンの場合、内蔵のカメラよりも、外部接続のWEBカメラを用意する方が画質が良く、相手もしっかり把握できます。マイクも外部接続のものを用意しておくなら、雑音などが入りにくく、声が遠くて聞こえにくいといったトラブルを回避できます。
インターネット環境や騒音の有無などもチェックしておきましょう。できれば事前に友人とオンラインで結んで、画質や音質などをチェックしてください。
オンライン面接では、背景の設定も重要です。部屋の中が映り込んでしまうのを避けるために、壁をバックにしたり、背景に写真撮影用のクロスを張ったりして、面接官が他のものに目を奪われないようにしたいものです。目線にも気を配り、カメラを見て話すようにしましょう。
これらの点を心得ておくなら、選考に通過できる可能性が高くなります。
まとめ
就職浪人の就職活動は、新卒と比較すると、かなり不利な状況にあることが理解できたと思います。不利な状況にあえて向き合うことで、次のステップへ進めるようになります。就職浪人になりたくてなったわけではなく、就職して社会に貢献したい、そうした願いを持ち、就職活動に携わることが成功の鍵です。
選考のフローも、新卒と比較するとハードルが高くなります。注意点を把握し、避けるべき要素を理解して就職活動に向き合うことです。毎年多くの就職浪人の方が就職活動に向き合い、選考を通過しているという事実に目を向けると、積極的に行動できるのではないでしょうか。事前の準備を整えておくことで、面接時に思いもよらない質問をされたとしても、落ち着いて答えられるようになります。そのような姿勢が成功へとつながるのです。
それでも選考が難航している就職浪人の人には、就活エージェントなどのプロに頼ることをオススメします。就活エージェントなら割と積極的に就職浪人を受け入れてくれる企業を紹介してもらえますし、就活対策も指導してもらえるので、内定率が高いです。弊社ジールコミュニケーションズでも、就職浪人した人の就活を支援する無料サービス「既卒・フリーター向け就職サポート」を実施していますので、ぜひ活用してください。
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