[最終更新日]2023年9月19日  [記事公開日]2022年1月7日

会社が嫌いでもう無理!そんな時の対処法と「転職」という選択肢について

「会社にいきたくない」と思うことは、誰にでも起こりうる特別なことではありません。誰かに相談すれば、「もしそうならば、すぐにでも転職すればいい」というアドバイスを受けるかもしれません。

しかし、会社に行くのが嫌だという原因があいまいなままでは、万が一転職に成功したとしても、すぐに同じことの繰り返しで、新しい会社も嫌になってしまうのがオチでしょう。そうした不毛な結末を避けるためには、より論理的に、会社が嫌だと思う原因を明確にして、対策を練る必要がありそうです。

会社が嫌いと感じる原因

会社が嫌いと感じる原因

人生の中で会社にいる時間の長さは、実感している以上に長いものです。1日最低でも8時間は会社にいると仮定すれば、1日の起きている時間の半分は会社で過ごしていることになるでしょう。もし、その1日の半分の時間を「この会社にいるの嫌だなぁ」と悩み、ため息をつきながら、多大なストレスとともにネガティブに費やしていると考えたら、それはなんともったいないことであるかと思うはずです。

まずは、会社が嫌いと感じる要因については、一般的に1つではないということを自覚しましょう。例えば、ある特定の上司による執拗かつ行き過ぎたパワハラが原因など、誰から見ても原因が明確な場合は別ですが、その場合は対策もそこに集中すればよいので、逆に解決しやすい側面もあります。しかし、そうした分かりやすい特定の原因があるわけではなく、さまざまな要因が積み重なり、たまっていった結果、それら全てが少しずつ自分のモチベーションを奪っているケースの方が多いのではないでしょうか。

その中でも、ある転職サイトの調査において、仕事を辞めたいと思った最大の理由が、給料が安いことへの不満であったことは興味深いでしょう。仕事=お金を稼ぐという目的が最大のモチベーションであることが分かります。人間は多くの場合、他の人と自分を比較することによって、自分自身の置かれている境遇を判断するものです。

社内においては、上司や同僚と比較して、自分の給料がより少ないと感じれば、それは会社への直接的な不満となります。同じ業種の他の会社の同年代と比較して同様に感じれば、その他社をうらやみ、自社への不満をつのらせます。他業種の企業と比べて同じ水準であっても、自社をその給料の安い業界の一企業として、やはり不満の対象となるでしょう。どちらにしても、雇われて給料をもらっている限りは、給料の急激かつ大幅な上昇は見込めませんので、会社を嫌いだと感じる要因になれば、それを修正することはなかなか難しいでしょう。

お金の話以外で会社を嫌いだと感じる原因となりやすいものは、やはり職場の人間関係でしょう。冒頭で触れたとおり、さまざまな労働形態はあるものの、基本的には、起きている時間の最低でも半分の時間は職場にいて、上司や同僚と空間を共有しているのです。もし、その長い時間をともに過ごす人々そのものがストレスの原因である場合の苦痛は計り知れません。ただし、多くの人間が仕事というつながりで同じ時間を過ごしているのですから、性格的に大なり小なりの合う・合わないという問題は常についてまわります。多くの人は、それを仕事なのだから仕方ないと、自分のプライベートとは切り離して割り切るという選択肢を取ります。たとえ人間関係で嫌なことがあっても、会社を出るまでのことと割り切って、受け流している状態と言えるでしょう。

しかし、中には物理的な距離が近すぎて、または業務的に顔を合わさずにはいかないという環境の中で、どうしても受け流せない人もいるかもしれません。月曜日の出社を思うと気分がめいってしまう、いわゆるサザエさんシンドロームも、その原因は、またあの上司や同僚、またはお客さんと顔を合わせなくてはならないのか…と憂鬱になることにあります。さらに、この人間関係も一言では言い表せない複雑さがあります。原因のタイプは1つではありません。

最も多いのは上司に恵まれなかった場合でしょう。会社内のヒエラルキーを利用して、理不尽な態度を取ってくる上司とまともに接するのは至難の業です。現代では、パワハラから発展して、モラハラやセクハラなど、より具体的に定義されるようになり、それを許さない社会の風潮になりつつありますが、まだ一部の企業でのみ通用する話であると思われます。中小企業など、より人間関係が狭くてウエットな場合に、上司の𠮟責や指導を何でもかんでもモラハラとは糾弾しづらい面も多く残っているようです。

しかし、人間は自分のことを否定され、罵声を浴びるなどの他者からの行動にさらされることに対して、さほど耐久は強くないのが大多数でしょう。その結果が、うつ病と診断される社会人の増加傾向となって、表れているのだと思われます。さらに、直接の言動による威圧や叱責という形だけにとどまらず、社内で無視をされて仕事をアサインされないといった、陰湿ないじめのような行為もあるでしょうし、会社を嫌いになる動機としては十分すぎるほどであると言えます。

より客観的な視点から、自分の会社の将来性に黄色信号が点っているのを確認した場合にも、会社が嫌いになるというか、会社を見限るような心境になることもあるでしょう。会社の業績が目に見えて悪化している中で、今後の成長のための投資も一切行わず、給料の削減のために社員をリストラし、突然、文房具の一つ一つに至るまでの経費削減命令が出たり、社長が金策に追われて会社にいる時間が短くなったり、メンバーを限定した役員会が頻繁に開かれるなどの兆候が現れたりしたら、会社の存続自体の危機もあり得ます。そうした前兆のいくつかを感じた場合に、この会社にいても自分自身の成長を見込めないと感じ始めたら、もはやそれは会社を嫌いになったことと同義でしょう。

会社が嫌いと感じた時の対処法

会社が嫌いと感じた時の対処法

こうした会社を嫌いになる原因が浮上した場合に、状況や環境によって取るべき対処法は、人それぞれ異なるかもしれません。しかし、前提としてやるべき共通の対処法はあります。

それは、「嫌い」という負の感情で広く覆われている心を、いったん冷静に落ち着かせることです。仕事が休みの日などに、オープンテラスのカフェやおしゃれなレストランに行って、頑張っている自分にご褒美をあげるようなイメージで、自分時間を満喫しましょう。気分転換のできる趣味のある人は、1日中趣味に没頭してみるのも一つの手段ですし、これといって趣味のない人は、普段は忙しくてあまりしないこと、例えば日帰りまたは一泊旅行をしたり、好みのジャンルの最新作を映画館に見に行ったり、カラオケに行って大声で熱唱したり、とにかく心のネガティブな面積を少なくしましょう。

その後、少しでも心に余裕ができた時に、会社が嫌いと思うようになったきっかけの出来事、人間関係であれば特に誰が苦手なのか、どうして苦手なのかといった原因や理由を客観的に書き出してみましょう。一つだけのこともあれば、複数の原因に気づくこともあるでしょう。

次に、改めて客観的に認識した原因を、自分が積極的に動くことで解決できる可能性があるかないかを見極めましょう。例えば、人間関係であれば、もしその上司の監督下から抜けられれば、会社を辞める必要はないのかどうかがポイントになるでしょう。答えが是であるなら人事部に相談するなどして、自分自身がその部署から離脱して、その上司のいない環境でリスタートすることも可能でしょう。もし会社の規模が小さすぎるとか、専門性が高すぎて他に動ける部署がない、そもそも転勤もなければ、部署を移動できても同じ空間にいることには変わりないといった状況であれば、それはもう自分自身ではどうにもできないこととして、客観視するべきです。

会社が嫌いで「転職」を考えた時の判断基準

会社が嫌いで「転職」を考えた時の判断基準

例えば、会社の給料が安すぎるという不満が会社を嫌う原因である場合でも、自分が新たに資格を取得するとか、挑戦が可能な昇進試験などの機会がないかを調べ、社内プロジェクトに応募することで、今の給料のベースが上がったり、プラスアルファの報償を得られたりなど、自分自身の努力で待遇面を改善できるのであれば、挑戦もせずに会社を嫌いになるという現状を変えられるかもしれません。逆に、いくら考えても給料のベースアップも報酬の上乗せも見込めないのであれば、それも自分自身ではどうにもできない案件として理解しましょう。

こうした精神面や待遇面での問題については、転職エージェントなどのプロフェッショナルや、信頼できる身内や友人などの意見を参考にすることも意義のあることです。会社を辞めずに自助努力で解決できそうなのか、いくら頑張っても無駄なのかについても、第三者のより客観的な視点から、自分では気づかなかった視点でのアドバイスをもらえるかもしれません。

そして、明るい太陽の光の下で考えたように、会社を嫌いと感じている原因を心に余裕を持って客観視した結果、自分ではどうにもできない原因ばかりであるという結論に達したなら、もう転職を具体的に計画し、実行するタイミングと言えるでしょう。仮に転職が成功して、新しい環境で仕事ができるようになったとしても、新たな人間関係で悩むことが発生することは特に不思議でもありません。どこの職場にも、良い人もいれば悪い人もいる、気の合う人がいれば合わない人もいるというだけのことです。それでも、その特定の上司と顔を合わさずに生きられたら、必ずや自分の人生は好転すると確信を持てるようであれば、躊躇する必要はないでしょう。就労規則にのっとって、最短で辞められる日から逆算して退職願を提出し、まずは辞めるという行為の土台を作るところから始めてください。

有給休暇の消化していない日数を調べ、最後に使いたい旨をしかるべき部署や担当に相談してみましょう。もし退職日まで最低限の出社日数で済むならば、転職活動の必要性からも、時間の節約になります。転職のために必要になる書類があれば、それらをスムースに受け取れるように段取りもつけておきましょう。実際にその事務作業をしてくれる人が分かるのであれば、一度ゆっくりと時間をかけて話を聞いてもらい、こちらの希望も伝えたうえで、どういうスケジュールで退職日を迎えるかを明確にしてください。引継ぎはしっかりとこなして会社に迷惑がかからないように準備することは、転職活動における面接でも高い評価を得られることにもつながります。自分自身のためにも、立つ鳥跡を濁さずを徹底しましょう。

まとめ

会社のことを100%愛している社会人も実際にいるのかもしれませんが、大多数はそこまで思い入れを抱かない社会になってきていると言えそうです。コミュニケーションの取り方が変化していることもあり、さまざまな人間関係のエラーは完全にはなくならないでしょうし、会社を嫌いという話を肴に、同僚とお酒を飲みに行って、愚痴って発散し合うという光景も少なくなっているのかもしれません。

形こそ変わっていますが、会社を嫌いになる原因の本質は変わらないものですので、地球が存在している限りは、どの世代においても等しくついて回ることなのでしょう。だからこそ、自分はどうして会社を嫌いなのかと自分に問い、その原因を自分で解決できるものかどうかを見極めましょう。このフェイズでは、第三者のアドバイスも有効に機能することが多いでしょう。一人で悩まずに、プロフェッショナルや気の置けない人に相談してみましょう。

もし、自分ではどれだけ努力しても報われることはないだろうという結論に至ったら、あとは潔く転職することを視野に入れて、退職の手続きをスムースに行うことが肝要です。終わりよければ全てよしであると信じ、できる限りの衝突を避け、必要書類の受け取りや各種制度の相談も、会社のしかるべき担当者と段取りをつけておきましょう。

ジールコミュニケーションズお問い合わせ

ジールコミュニケーションズでは、新卒・既卒での就職活動、第二新卒、中途で転職活動をはじめ、企業向けの採用支援や学校・キャリアセンター向けのサポート支援を行っております。豊富な実績や手厚いサポートによってお客様に向き合った支援サービスをご提供いたします。
お問い合わせよりお気軽にお悩みや希望をご相談ください。

問い合わせから相談する