[最終更新日]2023年9月19日 [記事公開日]2021年12月28日
仕事に対して向上心がない?そんな人の仕事への向き合い方
毎日の仕事をそつなくこなしている社員の中には、『そんなに頑張って働かなくてもOK』という人が結構いるものです。どの職場でも、何人かはやる気満々でバリバリと仕事をしていますが、どちらかといえば向上心がない社員も少なくありません。定時だけ仕事をサッサっと流している社員や、ちょっとダラダラと作業してしまう社員もいます。
そこで、もし自分が向上心のない社員になってしまったらどうでしょうか。そういった状況では、仕事上の悩みも出てくるでしょうし、将来的な不安も感じるかもしれません。何よりも、自分はやる気のないダメ人間だと自己嫌悪に陥るリスクもあります。
向上心がもてない原因とは?その対処法について知っておくのは、どなたにとっても役に立つことでしょう。
仕事に対して向上心がない理由とは
仕事に対して向上心が湧いてこないという悩みはよくあることです。例えば夢と希望に燃えて入社した新卒の頃、どなたも全身全霊で仕事に打ち込むものです。ですが時が立つにつれて、そのやる気が徐々に薄れてしまうのはごく当然の成り行きです。
入社時のハイテンションをずっと維持していられるほど、人は前向きでも純粋でもありません。職場での経験を積めば積むほどその環境に慣れていきますから、自然とリラックスした精神状態になっていきます。ただし仕事に慣れると同時に、向上心・夢・希望という目標も生まれてくるもので、もっと高給取りになりたいとか、キャリアアップしたいといった欲が湧いてくるのが普通でしょう。
そうではなく、『自分はこのポジションでOK』と、それ以上スキルアップすることも、キャリアや給料が上がることも望まないのはちょっと問題があるかもしれません。
もし、今向上心のない状態で仕事をしている人は、『なぜ自分は、出世や生活を裕福にするための仕事上のステージアップを望んでいないのか』と自問自答してみると良いかもしれません。そして向上心が湧かない理由を客観的に把握しておくと良いでしょう。
そこで、向上心が持てない人の心理状態について知っておきましょう。自分がどれかに当てはまるとしたら、知らないうちに向上心のない社員になっている可能性があります。
【今の職場や収入に満足している】
高度成長期からバブル期までの日本では、バリバリ働いて出世することが人生の成功者という考え方がありました。成功するためなら24時間戦えるビジネスマンが国内にあふれていた時代です。
ですがバブルの崩壊とともに、日本経済は減速していき、その後30年近く景気の低迷が続いています。デフレスパイラルで物価も頭打ちの状態ですし、給料も下がるばかりで一向に上がりません。すると、労働者のモチベーションが低下してしまうのは仕方がないことで、『このままの生活が維持できれば幸せ』という考え方も増えています。
無理をして出世や給料アップを求めると、今よりも悪い生活へと落ちてしまうリスクがあると懸念する向きもあります。ある意味で『守りに徹した生き方』とも言えますが、『今が良ければそれでOK』と、将来的な展望を排除する心理があるとも考えられます。
もちろん、今のポジションが自分の望むライフスタイルに適しているというのであれば問題はないでしょう。しかし、余裕のない生活を仕方なしに甘んじているのであれば、向上心が湧かない自分の生き方を客観的に分析してみる必要があるかもしれません。
【何事にも無関心になっている】
自分の能力を出し惜しみせず、全力で物事にチャレンジする姿勢は、アスリートのひたむきさのように美徳とされています。ですが、それで失敗したり挫折するのであれば、むしろ張り切って仕事をするのではなく、能力の7割程度で軽く流していく方が良いと考える生き方もあります。
肩の力を抜いて、マイペースで仕事をするのはメリットのある働き方ですが、ひとつ気を付ける点としては『他責のマインド』で仕事をしてしまう可能性があることです。向上心がない人の中には、任された仕事で発生したミスや、レベルの低い結果に対して自力でカバーせずに、つい他人に依存しようとするこがあります。
チームで新しい商品開発をしているのに、『ほかの誰かが意見を出してくれるだろう』と真剣にならないかもしれません。トラブル解決については、『時間が解決する』と消極的なこともあります。こういった働き方をするようになると、将来のキャリアアップや給料アップを求めずに、ただ日々の仕事を流してしまう傾向がでてきます。職場で必要とされるスキル習得すら億劫になってしまうこともあり、社員としての責務を果たしていない可能性があるでしょう。
【目先のことだけで精一杯な状態】
向上心の欠如ということではないかもしれませんが、とりあえず与えられた職務をこなしているだけで精いっぱいだという人もたくさんいます。人で不足の職場では特に顕著に見られることで、毎日同じ作業の繰り返しで、しかも仕事量が非常に多いというケースでよく見られます。
そういった職場では、『今日すべきことはやり終えた』という満足感と安堵感で毎日が過ぎていくリスクがあります。その努力が将来の収入アップに直結しているならば良いですが、ほとんどキャリアアップするチャンスがなく、昇給もあまり期待できない職場は少なくありません。
すると、意図せずとも現状維持をするのが精いっぱいになってしまい、それ以上を求めるチャンスも少なく、それ以上にアップする努力もしなくなってしまう可能性があります。
【何事も悲観的に考えてしまってトライの精神がない状態】
自分には大した能力がなく、思うような成果も成功も得られないと悲観的に考えてしまうことはよくあります。すると、スキルアップのための学習を積んで、資格を取って、さらに上を目指そうという気概が生まれてこないかもしれません。
『どうせ自分なんて大したことはない』と諦め気分で、何をするにしても控えめに済ませてしまうという人も、やはり向上心が湧かないことがあるでしょう。こういった精神状態にある人は、得てして次のような経験をしているかもしれません。
- 真剣に努力してできる限りのことをしたのに失敗してしまった
- 自分の手柄を上司や同僚に横取りされて悔しい思いをした
- 他人の失敗を自分のせいにされて責任を負わされた
- ダメ社員などと周囲から影口をたたかれた
こういった経験が、さらにやる気・モチベーションを低下させてしまうことがあります。それ程消極的な人間ではなかったのに、上記のような経験によって向上心も失ってしまい、やる気のない社員に甘んじてしまうことはよくあるのです。
やる気を失うきっかけや原因はこの他にもいろいろとありますが、そのまま放置しておくと自分の評価がますます低くなってしまいます。すると、将来的に会社でのポジションは上がりませんし、リストラや配置換えで今よりも悪い処遇を受けるリスクが出てくるかもしれません。
向上心がない時の対処法と上げ方
向上心が湧かない状態では、」その人の精神状態が『無気力や劣等感、自信の喪失、投げやりな気持ち』などになっている可能性があります。そこで、このような精神状態を変えるために、積極的な取り組みをすることが良いでしょう。向上心を高めたいという人は、次の3つの対処を試みてみるようにおすすめします。
【将来の人生においてはっきりとしたビジョンを描く】
まず、具体的な将来のビジョンを思い描くことが良い結果を生むかもしれません。現状の仕事を現状通りに無難にこなしていくとして、それで達成できる将来の生活がどんなものかを具体的に考えることができます。独身の方は、現在の収入から大して上がらない場合に、結婚生活が成り立つかどうかを考えてみましょう。結婚して、子供を育てていくのに十分な収入であるかどうかを判断します。共稼ぎで家計をやりくりするにしても、出産費用やマイホームの購入、教育費など家族生活にはいろいろと費用が必要です。どの家庭でも収入アップを望むほど、費用がかさんでしまうことを知っておきましょう。
将来独身でいると決めている人でも、老後の資金の確保は大事です。年金受給者でも2000万円の老後資金が必要とされています。その資金を確保するための仕事をどうするかは、やはり多くの労働者の悩みの種なのです。
今後数年間の生活環境や高齢時の生活の確保まで、どういったライフスタイルで人生を贈るのかを計画すること。そのためにはどの程度の収入が必要か、どんな職場でどういった働きをすれば有意義な人生が送れるのかを、じっくりと考えてみると励みになるでしょう。
【小さな成功体験をコツコツと積んでいく】
仕事に対してやる気が出ない人には、仕事での成功実績が少ないという傾向があります。自分の働きで会社が利益をアップしたとか、事業拡大に貢献したとか、そういった大きな成功体験があれば嫌でもモチベーションが上がることでしょう。
ですが、実際には目立った成功を成し遂げるチャンスは多くありません。そこで小さな成功体験をコツコツと積み上げるようにおすすめします。いつもはまる1日かかった仕事を半日で成し遂げるとか、同僚のピンチをそれとなくサポートして助けるとか、これまで上手くできなかった作業を習得するとか、小さなことで成功実績を上げて、自己肯定感・自尊心を保つのがコツです。
こういった成功例を積み上げることで、今まで以上に仕事での自信が付いてきます。同時にもっと上を目指そうという欲も湧いてくるので試してみてください。
【職場で憧れの人を見つける】
自分にとって尊敬できる人が居れば、その人のようになりたいとういう希望が持てるかもしれません。同じ職場で活躍する人で、自分の憧れの人物をひとり見つけてみると良いでしょう。その人の働きぶりや行動、発言、趣味や遊び方をそれとなくチェックして、そのうちのどれかひとつでも真似してみると良いかもしれません。
やがて、その人のようになると目標を定め、具体的に仕事に取り組むならば、今までの仕事に対する悩みが解消する可能性もあるでしょう。
「転職」という選択肢について
3つの対処法を挙げましたが、どうしても今の職場での仕事が辛いという人は、自分の心を守るために転職を考えてみるのも得策です。向上心がないということは、実際のところ、その職場での仕事に魅力を感じていないということもあります。張り切って仕事をするヤリガイを感じられない職場であれば、無理やり頑張ってみたところで良い結果が得られないリスクがあります。
つまり、今の仕事は自分に向いていないかもしれません。他に自分の能力や性格がプラスに発揮できる職場があるかもしれません。これは給与の面だけでなく、ヤリガイや仕事に対する満足感、仕事とプライベートとの両立など多面的に向き不向きを考えると良いでしょう。
嫌々仕事を続ける人生よりも、もっと自分が生き生きと働ける職場を見つけて転職するのは大いにメリットがあります。ただし、転職は十分な準備をしないと失敗してしまう危険があります。まず、どんな職場が自分に合っているかの判断が難しいでしょう。そして、自分が望む転職先を選ぶのも簡単ではありません。
そこで、もし転職を希望するのであれば、在職中に転職エージェントなどのプロのサポートを受けるようにおすすめします。自分に合った職業を探すことから、望むような転職先の情報収集、転職のノウハウと手続きのサポートも得られます。
こうして転職先が決まるまで仕事を辞めずに継続して、決まったら退職の手筈をしっかり整えます。今いる会社に迷惑にならないように、円満退社の形で転職するなら、次の仕事のスタートも快調に進むことでしょう。
まとめ
30年もの長い不景気にある日本経済では、多くの職場で労働者が望ましくない処遇で働いています。そういった閉塞感や将来性のなさから、多くの人が向上心がない状態に陥って、将来への悩みを抱えています。ですが、一度きりの人生ですから、仕事もプライベートもそれなりに楽しみたいですし、できるかぎり励みたいものです。やる気を回復させるための手段を講じることで、今ある悩みが解消されるかもしれません。あるいは新しい職場に転職して、心機一転やり直すなら、失っていた向上心を取り戻すことができるかもしれません。
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