[最終更新日]2023年9月19日 [記事公開日]2021年12月28日
新卒が早々に仕事を辞めたいと思うのは甘えなのか?対処法と転職との向き合い方
新卒で入社した企業を早々に辞めたいと思っていませんか?
辞めたいけど、すぐに辞めるのは甘えなのかと、なかなか一歩踏み出せずにいることでしょう。では実際、新卒で入社した企業を早々に辞めたいと思うのは甘えなのか。その真相を見ていきましょう。
新卒が仕事を辞めたいと考える人は多い
企業に就職したばかりの新卒者でも、仕事を辞めたいと考えている人は多くいます。ある会社の転職サイトで、平成31年に新卒者を対象に新卒1年目の仕事の意識調査が行われました。調査結果によると、77.7%の人が仕事を辞めたいと考えたことがあると答えています。
なかには、実査に仕事を辞める人も少なくありません。厚生労働省が毎年行っている「新規学卒就職者の離職状況」では、就職後1年以内に離職した割合がまとめられています。平成28年度の調査では、大学卒で11.6%、短大卒で17.8%という結果になりました。過去10年間は、同じような割合で推移しています。このデータに基づくと、およそ10人に1人の新卒者が、就職後1年以内に辞めている現状です。
ちなみに日本では、「仕事は3年以上勤めて一人前」などの意見もよく見受けられます。しかし、3年以内に退職する人も多い状況です。令和2年に行われた厚生労働省の調査によると、高卒者の約36%および大卒者であれば約31%の方が、入社後3年以内に退職していることが分かりました。つまり、新卒者のおよそ3人に1人は、入社して3年以内に退職しているということです。これらのデータからも分かるように、近年では早期退職、または入社後すぐに転職を考える新卒者は珍しくないといえます。
日本では、「仕事を辞めたいと思うことは甘えである」という意見が、少なからずあります。しかし、早期退職のすべてを甘えとして捉えることはできません。価値観は、人によって違います。例えば、高いところが大丈夫な人から見れば絶景となる場所でも、高所恐怖症の人からすれば良い景色とは思えません。仕事を辞めたい理由についても同じです。
仮に、仕事を辞めたい理由が他人から見れば大した問題でなくても、本人にすれば重大な問題なのかもしれません。その苦しみは、本人にしか分からないものです。特に、近年ではリモートワークの導入をはじめとする環境の変化に伴い、生活スタイルや働き方も変わってきています。そのため、価値観もより多様化しています。そのような状況では、自分の価値観のみで判断するのではなく、相手の価値観を受け入れることも必要となるでしょう。
新卒が仕事を辞めたいと感じる理由
新卒者が仕事を辞めたいと感じる理由は様々です。なかでも、辞めたいと感じる代表的な理由が10個あります。1つ目は、社内での人間関係が良くないという理由です。ある転職・求人サイトが令和3年にまとめた「入社後すぐに転職した理由のランキング」によると、回答した人の約34%が人間関係を理由に退職していることが分かりました。特に新入社員である新卒者の場合、直属の上司もしくは、指導員との関係に悩むケースが多いようです。「聞けと言われたから聞いたのに、こんなことも分からないのかと怒られた」のように、上司とのやり取りに関する悩みが見受けられます。何をしても怒られるため委縮してしまい、最終的に辞めたいと感じる人が多いようです。なお、反対に放置され過ぎることが辛いと感じる人も少なからずいます。
理由の2つ目は、働く環境に対する不満も、辞めたいと感じる理由でよく見られます。新卒者は、「残業が多い」や「休みがない」などのような、働く条件に不満を感じていることがあります。体も疲弊していき、何のために働いているのか分からなくなり、辞めたいと感じてしまうようです。
希望した部署に配属されなかったことも、3つ目の理由です。「希望する部署に配属されず、早くも辞めたくなった」と思うのは、新卒者ではよくあります。配属などの人事に関して、納得できないという気持ちが強い新卒者もいます。不満を抑えきれず、最終的に辞めたいと感じる人もいるようです。
仕事をしたくないと感じる4つ目の理由は、仕事内容のミスマッチも挙げられます。「自分が思っていた仕事と違ったので、やる気がなくなった」のように、理想とする業務と現実のギャップに、不満を持つ人もいます。最初は我慢できていても、次第に不満が強くなっていき、結果的に辞めたいと感じてしまうようです。
そして、給与などの待遇に納得いかなかったという理由が5つ目の理由です。働いている内容の割に、給与が低いと感じる新卒者も少なくありません。また、昇給制度について不満を持つ人もいます。昇給の精度が充実していない企業に勤めている場合、どれだけ働いても給与が増えないため、モチベーション維持が難しいようです。最後には、辞めたいという気持ちになってしまいます。
6つ目は、会社の社風が合わないと感じることも理由のひとつといえます。企業には、就業規則や社内ルールがあります。就業規則は致し方ありませんが、社風や社内ルールに苦戦する新卒者は多いようです。年功序列や飲み会時に上司への接待など、独自の社風に対して、「社風が受け入れられない」と感じている人も多くいます。監視されているような気分になる人もいて、息苦しさから辞めたいと思ってしまうのでしょう。
7つ目の理由は、勤務先の企業に将来性を感じられないときです。新卒のときは、やる気に満ち溢れ明るい将来を描きたいものです。しかし、勤務先に将来性を感じなければ、明るい将来を想像できません。身近な友人勤務先が将来性のある企業だと、焦りを感じることもあるでしょう。そういった状況では、自分も将来性のある会社に勤めたいと思い、現職を退職するのも致し方ないといえます。
理由となる8つ目は、明るい将来を考えるうえで、この会社にいても成長できないと思った場合です。新卒のときは自身の能力開発にも熱心な時期です。友人はどんどん成長しており、知識やスキルが身に付いているにもかかわらず、自身の成長が全く感じられないと焦りがでます。すると、将来性を感じないケースと同じく、転職を考える人も少なくないでしょう。
正当な評価が得られないときも、辞めたくなる理由の9つ目に挙げられます。頑張って働いても、見合うだけの評価が得られないときは辛いものです。これは、新卒者だけに限ったことではありません。さらには、ゴマすりが上手な同僚が出世した場合には、辛さも増すことでしょう。このような、正当に評価されない環境、および同僚と比較されることに嫌悪感を抱く人が多いようです。当然、辛さや嫌悪感が増していくと、これ以上続けられないと思うのは自然でしょう。
10個目となる理由には、理不尽な扱いを受けたときがあります。特にパワハラやセクハラのような、ハラスメントに関する内容がよくあります。「女性だけをひいきする上司」、または「理不尽な業務指示」などに、新卒者の方は強い不満を感じています。近年、ハラスメントに対しては、ストイックに取り組む企業も多いです。現職でのハラスメントに不満を持つ場合には、真摯に取り組む企業への転職を考え、退職するのは当然だといえます。
新卒が仕事を辞めたい時の対処法と転職という選択肢
新卒者の人が仕事を辞めたくなったときには、おすすめの対処法があります。現職を続けるにしても、転職する場合でも何も考えずに行動すると、良い結果にはつながるとはいえません。仕事を辞めたいと思ったときは、以下にある3つの方法を試してみてください。
まずは、辞めたい理由を自分なりに整理することからはじめましょう。仕事では上手くいくときと、上手くいかないときがあります。上手くいかないときは、辛く辞めたいと思うこともあるでしょう。しかし、一時的な感情に流されて行動するのはおすすめしません。感情で行動すると、「辞めなければ良かった」など後で後悔することもよくあります。後悔しないためには、この決断が根本的な原因を解決できるかを考えることが必要です。正しい決断をするためにも、まずは理由を整理して冷静に考えてみてください。
次に仕事の継続と退職について、それぞれのメリットとデメリットを比較しましょう。継続も退職もメリットとデメリットがあるため、どちらが良いとはいえません。例えば仕事を継続する場合、より深い経験を積むことができる、および安定した収入の面からローンなども通り安くなります。対して転職をする場合だと、違った経験を積むことができるため、キャリアアップにつながります。一方で、デメリットも知っておくことが必要です。仕事を継続する場合、我慢の限界に達すると肉体や精神に不調をきたす恐れがあります。対して転職では、面接の担当者の目線だと「長く続かない人物」という印象になりかねません。このように、今後に与える影響も大きいです。これからのキャリアプランを長い目で考えて、じっくりと検討してください。
退職を考える場合は、その後何をしたいのかを考えましょう。何も考えずに辞めると、その後に大きな影響を与えます。例えば、次の仕事の面接を受ける際、退職理由や志望動機などは聞かれる確率が高いです。明確に答えられなければ、審査にもマイナスな影響を与える恐れがあります。退職したものの、次の転職先が決まらないといった事態になりかねません。また、収入が見込めないと生活への不安から、精神的にも良くないでしょう。どうしても出勤したくない場合には、有給休暇なども活用して考える時間の確保がおすすめです。有給を消化する間に、何をするか考えるとよいでしょう。
どうしても、現在の職場で仕事を続けたくなければ、転職も選択肢のひとつです。人間には、向き不向きがあります。向いていない分野では、上手くいかないことが多いでしょう。現状がどうしても苦しいようであれば、甘えなどではなく、ただ単に自分には向いていないだけかもしれません。苦手な分野では上手くいかなくても、得意な分野では、素晴らしいパフォーマンスを発揮できる可能性があります。自分に適した環境を見つけるという点でも、どうしても辞めたいときにはおすすめの選択肢といえるでしょう。
転職は、基本的に4つのステップで進めていきます。1つ目のステップは、転職先探しです。ネット求人または求人誌などを活用して、自分が興味のある求人を見つけましょう。転職先の選定時は、自身の理想とする目的や活動スタイルにマッチしそうな企業を選ぶと良いです。
続いて、書類作成と応募が2つ目のステップです。応募したい企業が見つかったら、求人に記載されている内容に沿って、履歴書などの書類を作成しましょう。なお、企業によっては書類選考を行うことがあるため、書類は丁寧に意欲が伝わるような内容で作成しましょう。書類が完成したら応募します。応募するときは、「応募方法」をしっかりと確認してください。
ステップ3は面接です。書類選考に通過し面接開催の知らせが届いたら、面接に進みます。面接は、就職活動のメインともいえるものです。受かる確率を上げるためには、事前準備はしっかりと行ってください。面接マナーの確認や質疑応答の練習など、自信を持って挑めるようにしましょう。なお、面接マナーなどの情報は書籍やネットから収集できます。
4つ目のステップは、採用後の入社準備です。面接に合格し入社が決まったからといって、油断してはなりません。次こそは良好な職場環境を築けるように、入念に入社準備を行いましょう。前職を振り返り、反省点や改善点を探してみてください。転職先での職場環境づくりの際に役立ちます。また、人間は第一印象がとても重要です。入社に向けて髪や服装などの身だしなみを整えたり、入社日の挨拶を想定して練習したりするとよいでしょう。
まとめ
新卒者の人は社会に出てからの日も浅く、仕事中に戸惑うこともよくあるはずです。仕事を続けていると、辛くなり辞めたくなるときもあるでしょう。我慢して仕事を続けることも大切ですが、無理して頑張り続けると体調を崩す恐れもあります。限界を感じたときは、転職もひとつの選択肢です。我慢ができそうにないときは、転職して職場環境を変えてみるのもよいでしょう。
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