[最終更新日]2023年9月19日  [記事公開日]2021年11月29日

営業職の転職理由とは?よくある理由から好印象を狙える理由の伝え方

現在営業職だけど転職を希望している方、あるいは以前営業職であったが現在は正社員を辞めており、再就職を希望されている方の多くが心配されているのは、やはり面接官に退職理由を納得してもらえるかどうか、ということではないでしょうか。営業職に多い転職理由と、どうすれば退職の理由を面接官に好意的に受け取ってもらえるか、学習しておくことが重要です。

営業職に多い転職理由

営業職に多い転職理由

営業職で転職した経験のある人にそれぞれの転職理由を聞いてみると「会社の労働条件が悪い」「ノルマが厳しく生活に疲れた」「社内環境や雰囲気になじめない」「もともと営業職が合わない」なと、いくつかの傾向があることが分かります。

働いている会社の労働条件が厳しい、あるいは悪いといった理由から転職するケースは少なくありません。ある飛び込み営業を行っている会社では就業規則では9時始業で終業は18時までとされているのに、営業部署では6時に出社して当日の営業の準備をして、終業時間に帰社してその後に営業会議や当日の営業活動のまとめなどをサービス残業としてさせられた、というケースもあります。企業の体制・体質に問題があるケースですが、なかなか大っぴらにいう事ができないのも事実です。

営業職は営業担当先への訪問や飛び込み営業によって、商品の販売や契約を結ぶなど、その成果が問われる職であり、実際多くの企業で営業職に対してノルマを課しているのが実情です。しかし、中には実現不可能と思えるノルマを課す場合もあり、そのことが営業職を担当する社員に転職を検討させる理由となることも少なくありません。「1か月で20件以上の契約」「電話セールスを1日100件以上」など、客観的に見ても実現が困難なノルマを社員に課している実例もあります。このような企業の場合、ノルマ制のない会社や、今よりも緩いノルマで済むような会社への転職を希望する人が少なくありません。

営業職の特徴として常に職場内にライバルが存在しており、同じ社内の社員と対立関係が生じる職場であるという点が挙げられます。また、前述のノルマを厳しく課してくる上司など、職場内での人間関係が強いストレスの原因となることが多いのも否めません。実際にノルマを達成できなかった営業社員が他の社員の目の前で罵倒される、特定の営業社員が持ってくる契約に関する書類を受理しないなどの嫌がらせを行い、その社員を退職に追い込むといった実例が存在することも事実です。

営業部門に配属される社員がすべて元から営業職を志願していたわけではなく、中には別の部門を希望したにも関わらず営業に配属されるというケースも少なくありません。技術職志望で入社したにも関わらず苦手な対人関係を要求される営業部門に配属され、ストレスが原因でうつ病を発症して退職に追い込まれた、といったケースも存在します。

好印象を狙える転職理由の伝え方

好印象を狙える転職理由の伝え方

転職するには基本的に面接試験を受ける必要があります。そこで当然必要となるのは、いかに自分の転職理由を納得してもらうかということでしょう。面接試験に際しては、まず押さえておきたいポイントが5つあります。

まずは「転職を考えた理由」を考えておくことです。なぜ現在勤めている、あるいは勤めていた会社の営業部門を辞めて転職しようと考えたのか、そのきっかけを振り返り考えてみましょう。ここで気を付けたいのは、実際の面接試験に際しては、どうしても最初からプラスイメージになりそうなことから話してしまいがちになるということです。転職を検討するきっかけというものは、誰であってもまず、今現在の職場、あるいは辞めてしまった職場にはなかったこと=自分がその職場に最も求めていることにあるはずです。そのことに留意し、ネガティブな表現になってもかまいませんので、実際に転職を考えた理由(きっかけ)を考えてみて、それを文章に起こして整理してみるとよいでしょう。転職を希望する理由が複数ある場合は、思い出せる限り書き出してみてください。

次は自分が転職に何を求めているのか、それを整理することです。転職を希望する理由の書き出しが終わったら、次に自分が転職をすることに何を求めているか、優先度順位リストアップして整理してみましょう。例えば、現在の賃金が安くて生活が苦しい状況をまず打開したいと思っているのであれば、報酬アップが転職で実現したいこと、ということになります。転職に求めるものを整理する意味は、転職を希望する理由が複数あると、面接試験に際して自分が何を求めているのか、そのことを上手く伝えられない可能性があるからです。

「転職を考えた理由」と「転職に何を求めているか」が整理出来たら、次に転職する理由をポジティブな表現に言い換えてみましょう。多くの場合、転職を希望する理由は勤めている会社に対する不満が原因となる場合が多く、それをそのまま伝えてしまうとどうしてもその内容がネガティブであったり不満だらけということになりかねません。採用側の企業から見れば、勤めている会社に不満ばかり抱く社員という印象に捉えてしまうでしょう。会社や上司に対する不満があるのであれば、ネガティブな表現を避けてポジティブに伝えられるよう、適時言い換えを考えておくことが大切です。

以上の工程を済ませたら、実際の面接試験に際して企業の採用担当者に自分の希望を伝える際の文章構成を考えておきましょう。ポイントはまず結論を先に伝え、ロジカルに話を組み立てることです。理由を箇条書きにして連ねるだけではいけません。特に現職、あるいは以前勤務していた営業職と同じ営業部門への転職を希望するのであれば、この伝え方は採用担当者にとって相手の営業職への適性を測る重要な基準にもなっていることに注意しましょう。営業職は、客先に商品やサービスをセールスするに際して、その商品やサービスのメリットやデメリットを分かりやすく簡潔に伝える能力が求められます。

いかに必要な部分だけを取り上げて最小限の情報で相手の理解を得られるかが要求されるわけです。これは営業職の転職に際しても同じことが言えます。自分の希望やセールスポイントをいかに簡潔に分かりやすくまとめ、伝えることができるか、採用担当者はそれを営業職への適性の判断材料していると考えましょう。だらだらと言いたいことを冗長に語ることは禁物です。結論から話すことは、話の内容をロジカルな構成としてまとめる営業スピーチの話術スキルにもつながってきます。

また、転職理由と自身のキャリアプランにブレがないことも重要となってきます。キャリアプランとは、その会社に入社した後、どのようなキャリアを積んでいきたいと思っているのか、自分自身の個人計画のことを意味します。たいてい、転職の面接試験では採用担当者から「あなた自身のキャリアプランを教えてください」といった質問をされることになります。

実際の面接でどのように回答すれば良いかも気になる点でしょう。転職理由が勤めている(あるいは勤めていた)会社の業務内容にある場合は、「営業職が嫌になった」というのではなく、自分のスキルを伸ばせる職場に転職したいと伝えるようにしましょう。希望する具体的な業務内容や、自分のキャリアプランをきちんとまとめて伝えることが重要になります。その会社に転職した場合、どのような貢献ができるかを伝えることも重要です。

人間関係が原因で転職を考えている場合、同様の理由で転職を繰り返すのではないかと採用担当者に思われてしまいがちになります。その場合は「新しい会社でより良い人間関係を築きたい」や「チームで協力して成果を挙げたい」など、ポジティブな言い回しを積極的に使って、仕事に対しての意欲が十分あるということをアピールしていきましょう。前の職場に対する悪口を言わないことも重要です。

勤務待遇を原因とする場合、「残業時間が多い」とだけ言うのは、単に不平を言っているように聞こえてしまうため、相手の採用担当者に責任感がなく自分勝手と思われてしまう可能性もあります。単に不満を訴えるのではなく、残業時間が減った場合、どうするかを伝えることが有効です。仕事の効率化を図る、スキル向上のための自己研鑽に当てるなど、会社への貢献がアピールできるようなことを伝えましょう。

現在の会社での勤務期間が短い状態での転職は、採用後もすぐに辞めるのではないかと採用担当者に疑われる要素となります。この条件をフォローするためには、前職での採用時と実際の勤務条件が違っていることや、転職することで問題点を解決できることを説明しましょう。また、転職後にどのような貢献が可能かを伝えることも重要です。

営業職の転職理由を伝える際の注意点

営業職の転職理由を伝える際の注意点

採用側の会社にとって、転職希望者の転職理由が重要になるのには、いくつかの理由があります。最も重要視されることは、会社の社風が転職希望者にどれだけあっているか、その度合いです。転職希望を把握することで希望者の価値観や、何を大事にしているかを把握することができ、それが自分たちの会社の社風とどれだけマッチしているか判断する材料になるわけです。例えば、現在勤めている会社の社風が保守的で新しいことにチャレンジできないというのが転職希望の理由だった場合、面接を受けている当の会社が同じく保守的な社風であれば、結果的にミスマッチでると判断されてしまうでしょう。

次に重要視されるのは定着性です。終身雇用制が崩壊したとされる昨今ですが、それでも日本の企業風土はまだまだ欧米のような「転職当たり前」という状況には至っていません。多くの場合、人材募集をする会社は原則的に長期就業を前提として採用判断しているのが実情です。そのような前提があるため。採用してもすぐに辞めてしまう可能性が高いと判断されてしまうと、どれほどスキルが高くてもまず不採用とされてしまいます。

上記を意識した上で、実際の面接で注意するべき点を押さえておきましょう。まず、転職する理由は転職希望先の会社とは無関係の内容にしましょう。転職理由がそのまま転職希望先の会社でも起こりうることである場合(「出張や移動が多い」等)、採用担当者から「採用してもすぐに辞めるかもしれない」と判断されてしまう可能性が高くなります。転職理由は応募先の会社とはなるべく関係のない理由とする方が良いでしょう。

退職理由を具体的に説明できることも重要となってきます。単に「キャリアアップしたい」というのでは抽象的過ぎて相手の担当者に熱意が伝わりません。具体的になぜキャリアアップをしたいのか、どのようなキャリアを目指すのか、具体性を持って説明することが重要です。

前述もしていますが、現在の勤務先または前職の悪口を言うのは絶対にNGですので注意しましょう。どのような内容であっても悪口をポジティブに受け取る採用担当者はいません。また、面接の場で前職への問題点を訴えたところで、そもそも面接試験の場は不平不満を聴くための場所ではありません。悪口はネガティブな印象しか与えないことを意識しておくことが大切です。また悪口を言う事は口が軽く機密保持や守秘義務に対する意識が低いと判断される原因になる場合もあることにも注意しましょう。

退職理由を聞かれた時は自信を持って話すようにしましょう。退職理由を自信なさそうに話すことは「辞めたことを後悔している」「転職理由がウソ」などと判断される危険性があります。はっきりとした口調でしっかりと受け答えして好印象を与えるようにしましょう。

まとめ

営業職とは言ってみればその会社の「顔」でもある部門です。つまり他人から好印象を持たれることがまず重要であり、これはそのまま面接試験での重要な採用基準にもなっているわけです。面接試験で大切なことは見た目の印象を良くすると同時に、きちんと転職理由を説明し、採用担当者を納得させることです。事前に説得力のある転職理由を考え、用意しておくことが大切になってきます。

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