[最終更新日]2023年9月19日  [記事公開日]2021年11月26日

仕事選びを間違えたと感じた時の対処法と転職という選択肢

仕事をしていても楽しくない、この会社に違和感を抱いている、会社に居場所がないと感じる地「仕事選びを間違えた」って思ってしまいますよね。そんな時頭の中で「転職」の二文字がよぎると思いますが、そんな理由で転職をしてもよいのでしょうか。

仕事選びを間違えたと感じる瞬間

仕事選びを間違えたと感じる瞬間

仕事選びを間違えたと感じる理由の1つは仕事の内容や職場環境・雰囲気が考えていたものと違っていたということです。たとえば、事務職として雇われたのに営業の仕事をするように言われたり、企画に携わると思っていたのに管理業務だったなどという場合です。また、求人では週休2日とあったので土日が休みだと思っていたらそうではなかった、残業が少ないと聞いていたのに残業が多かったといった場合です。

また、職場の環境・雰囲気に関しては、明るい職場だと思っていたのに暗い雰囲気の部署だった、ゆくゆくは昇進をと考えていたが、昇進が望めないような部署に配属された、会社に対して良いイメージを持っていたが入ってみたら派閥があったなどということもあります。また、残業して稼ぎたくても思うように残業できない、上司と合わない、上司や先輩のパワハラといったことによっても仕事選びを間違えたと感じるかもしれません。

また、仕事場で自分の仕事が正当に評価されないと感じることもあります。人事評価の基準が曖昧であること、上司の一声で評価が決まってしまう、職種的に評価が数値化されにくいということによって正当な評価が得られないと感じるのです。

評価が数値化されにくいのはバックオフィスや管理部門とも称される「間接部門」の仕事です。これには人事や品質管理、経理や総務などが含まれます。直接部門の業務がスムーズにいくように陰で支える重要な仕事ではありますが、直接部門と比べると評価を数値化しにくくなっています。

理由が何であれ、正当に評価されていないとずっと感じていて、頑張っても評価が上がらないことがわかると、何のために仕事をしているのだろうと、仕事選びを間違えたと思うこともあるでしょう。

仕事選びを間違えたと感じた時の対処法

仕事選びを間違えたと感じた時の対処法

聞いていた内容と違う仕事を任せられたということがあるかもしれません。ただ、求人票に示されている条件はあくまでも「見込み」にすぎないので、実際に提示された内容と異なっていても違法ではありません。面接の説明で気づいたときにはその場で会社側に確認することができます。会社側の単純なミスということもあり得るからです。聞きにくい場合は、紹介を受けたハローワークや転職エージェントにすぐに相談しましょう。

求人票の記載は「見込み」にすぎませんが、雇用誓約書あるいは労働条件通知書に明記されている条件と実際の仕事の内容が違っていれば問題です。仕事内容が事前に知らされていた内容と違っていると感じる場合は、雇用契約書あるいは労働条件通知書の就業の場所と業務内容の部分を再確認しましょう。

雇用契約書あるいは労働条件通知書の内容と相違があることに気づいたのが内定後である場合は、会社側に連絡してその旨を伝えます。改善がなければ内定辞退も可能です。実際に会社に入ってから気づいた場合も会社側に確認します。労働基準法第15条によれば、求人票の内容が雇用契約書や労働条件通知書と異なる場合は、条件を変更するように会社に求めることができます。会社側が要求に応じない場合は、労働者はすぐに雇用契約を解除できます。この場合の契約解除は法律で認められている権利なので、会社が辞めさせないようにすることはできません。また、万が一、賠償請求すると言われても応じる義務はありません。

ただ、すぐにはやめたくない、あるいはやめられない状況にあるのであれば、まずは会社に対して改善してくれるよう繰り返し頼んでみましょう。同時に、不本意な仕事内容ではあるものの真摯に仕事に取り組むことも大切です。それによって、会社もこちらの意向を受け入れてくれるかもしれません。努力を続けても解決しない場合は、都道府県の総合労働相談コーナーに相談することもできます。

職場の雰囲気に対応するには、周りの変化を求めてもなかなか変わりませんから、自分の見方を変えるように努力してみます。職場が暗いと感じるのは、真面目な人が多いだけなのかもしれません。雰囲気が良くないと決めつけるのではなく、同僚や上司の良い点に目を向けるようになれば、受け入れやすくなるでしょう。

どうしても我慢できないので、社内で異動したいと思う場合は、会社の異動制度について調べてみましょう。企業には自己申告制度、公募制度、FA制度などの制度があります。自己申告制度では、社員が自分で異動を申請して、認められれば移動できるというものです。公募制度は社内の各部署が必要な人材を募集し、異動のメリットがあると判断されれば承認されます。FA制度は一定条件を満たして異動の権利を与えられた社員が活用できる制度です。FA権を行使した後に、社内の部署から声がかかるのを待ちます。社内にそうした制度があればそれを利用して異動の希望を出すことができます。

ただし、当然のことながら部署の雰囲気になじめないといった理由では異動は認められません。また、現在の部署での在籍期間が短い場合も異動は困難です。そのため、まずは現在の仕事で結果を出す、異動先で求められるスキルを身につけるといった努力が必要です。人事の人とのつながりを持つのも異動をしやすくするポイントです。

上司と合わなくて、仕事選びを間違えたと思う場合でも、上司に対して敵対するような態度をとると、関係はますます悪化してしまいます。上司という立場に敬意を払って礼儀正しく接するようにしましょう。コミュニケーションを図るようにするのも大切です。上司がそれなりの考えがあってやっていることでも、説明が不足しているために部下からすると理不尽に見えるかもしれません。また、上司が部下について誤解しているということもあり得ます。日ごろからコミュニケーションが取れていると、何か問題が起きたときでも、話し合いがしやすくなります。

上司と合わないというレベルではなく、極端なパワハラが関係していて、自分の努力だけでは解決できないと思う場合は、信頼できる先輩や社内の相談窓口で相談することができます。もし、社内で相談しにくい場合は、厚生労働省が設置しているハラスメント悩み相談室などを利用することもできるでしょう。電話でもメールでも匿名で相談することができます。

職場に派閥がある場合には、それに巻き込まれると、ストレスが大きくなってしまうので、巻き込まれないように注意しましょう。その中心となっている人物とは距離を置くことです。また、同僚とも仲良くなりすぎないことが必要です。派閥争いに関しては自分はかかわらない、あくまでも中立であるという姿勢を保ち業務に集中するようにしましょう。

昇進が叶いそうにない部署に配属された場合ですが、昇進ができそうにないケースの1つは上が詰まっているということです。部長や課長のポストは異動がない限り空きませんし、空いたとしても先輩がたくさんいればそちらが優先的に選ばれることが多いでしょう。また、昇格の要件が不明確で、どうすれば昇進できるのかがわからないということもあります。役職に求められているスキルがないとか、身につけなければならないスキルのハードルが高いということもあるでしょう。

昇進までにかなりかかるとわかった場合は、まず自分のスキルを磨くようにして、将来の転職に備えるということもできます。スキルアップしていれば、転職にも有利になりそこで自分の目標を達成できるかもしれません。もう1つの方法は、なぜ昇進したいのかを考えて、別の方法でそれを達成することです。たとえば、収入を増やしたいから昇進を望んでいる場合は、副業によってその目標を達成できるかもしれません。

自分が考えていた以上に昇進までに時間がかかるとしたら、昇進をあきらめて別の目標を設定するということもできます。管理職にならなくてもプレーヤーやサポーターとして活躍することで達成感を得ることもできます。

自分の仕事に対して正当な評価がされていないと感じる場合は、まず、自分の態度について考えてみましょう。仕事はできるのに「ありがとう」や「すみません」「おはようございます」などの基本的なことができていないということはないでしょうか。また、時間にルーズ、自分の好きな仕事しかしないということはないか振り返ってみましょう。もし、あるのであれば、こうした面での改善に努めてみます。また、仕事には優先順位というものがあるので、今求められている仕事を見極めてしっかりやることも必要です。優先順位の低い仕事を完璧に行ったとしてもあまり評価されません。

さらに、自分の仕事内容を上司に報告していないとか、ある仕事で重要な役割を果たしたものの少しの期間しか携わっていないという場合、自分のしたことが正しく評価されないということもあります。それで、自分がどう関わっているのか上司に伝わるようにアピールすることも大切です。

「転職」という選択肢への決断

「転職」という選択肢への決断

仕事選びを間違えたと思っても性急に転職を考えるべきではありません。転職したとしても、また同じような状況にぶつかることもあり、今克服しなければ、また同じことを繰り返すことになる可能性が高いです。そのため、今の職場で辛抱して、うまくやっていく術を身につけるほうが良いと言えます。

ただ、転職を決断すべき状況というのもあります。自分自身で努力したもののこちらの正当な要求が通る可能性がない、人間関係が改善される見込みがほとんどない、ブラック企業だと感じるなどです。ブラック企業には定義はありませんが、特徴としては長時間の労働や極端なノルマを設定している、賃金不払い残業やパワハラが横行しているなどの状況がみられる場合です。

また、自分の仕事が正しく評価されていないと感じていて、それが会社の評価制度の問題である場合は、転職という選択になるかもしれません。たとえば、部下に自分の地位を脅かされないために、上司が正当な評価をしない、評価が不定期で人事評価制度も確立されていない、会社が経営危機に直面していて社員を評価して昇進・昇給をさせる余裕がないということもあります。こうした状況が存在するのであれば、正当な評価を得たいと思ってもかなり難しいでしょう。

ただ、明らかにブラック企業だと判断できる場合は別として、転職に踏み切るにはやはり冷静な判断が必要です。そのためにまず、自分の生活や人生にとって大切なものは何かという点を考えてみます。また、職場や仕事内容に関して自分が望むものは何かという点も考えます。それらをすべて書き出して優先順位を決めていきます。リストの上の方にあるのは、どうしても譲れない条件、下に行くにしたがって譲れるものとなっています。どうしても妥協できないという条件について今の職場で実現できる可能性がほとんどないのであれば、転職を考えることができるでしょう。

自分の精神的体力的な限界についても考慮する必要があります。職場での問題は自分の見方をコントロールすることで改善できることもありますが、組織の体質など自分ではコントロールできない問題もあります。自分でコントロールできない問題と闘い続けていると、健康を損なって入院したり、うつ病になってしまったりすることもあります。そのようなところまで来ているなら、転職も選択肢になります。

まとめ

仕事選びを間違えたと思う瞬間は誰にでもあるものです。自分の理想に100%あった職場というのは存在しないからです。転職しても、また同じような問題、あるいはまた別の新たな問題に直面するかもしれません。そのため、明らかにブラック企業だと判断できる場合を除いて、転職を急がずにまずは、その中で仕事を続けていくために、自分の見方をポジティブに持っていくようにしましょう。それでも、解決できない、あるいは自分が達成したいことをここでは達成できない、精神的にも体力的にも限界だと感じた場合は転職を考えることができます。

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