[最終更新日]2023年9月25日  [記事公開日]2021年11月26日

転職の面接回数は何回?新卒との違いや面接に受けるための秘訣を解説

今の職場よりもより良い環境での仕事に就こうと転職を考える時、そこには千差万別な動機があるでしょう。上司のパワハラに耐えられなくなったからとか、会社の未来が描けなくなったからなど、どちらかと言えばネガティブな理由で転職活動を開始する人もいれば、計画的にキャリアアップを図っていく一環として戦略的に転職しようと試みる人もいるでしょう。

しかし実際に行動を起こせば、その理由を問わずに必ず避けては通れないのが面接です。もちろん、履歴書をはじめとした必要な書類を作って準備することも同じくらい大切ですが、転職先の人事担当者と直接顔を合わせてさまざまことを聞かれる面接は、緊張する部分も含めて非常に気になるところでしょう。

「あなたの強みや弱みは何ですか?」、または「どうして弊社に入社したいと思ったかという志望動機をお聞かせください」などの、面接で聞かれるであろう基本的な質問以外にも、転職ならではの質問もされる可能性は高く、予想外のところから質問されたら上手にこたえられるだろうかという懸念を完全に払拭することは、もはや不可能と言えるでしょう。しかし、転職における面接について、できうる限りの情報を知識と仕入れて準備ができていれば、全くのぶっつけ本番と比べれば、心の余裕も大幅に異なってくるはずです。

転職の面接平均回数

転職の面接平均回数

転職の面接について知っておくべき一般的な知識として何を挙げられるかと言えば、やはり何回面接を受けるのかという面接の平均回数や、どういう質問が多いのかという内容についてでしょう。まず、面接の平均回数についてですが、これは一つ一つを確実に突破していくためにも、その傾向と対策は知っておく必要があるところです。業界や業種によって、その平均回数に特徴があるなら、自分が志望している業界に合わせた対策が必要です。

しかし、転職市場全体で俯瞰した場合に、転職活動における平均面接回数は2回が最も多く、次いで3回が続くという結論から平均すれば、2.2回や2.3回といった2回強と言えます。よって、それより多いか少ないかを事前に予想して対策を練ることができそうです。面接が少ない職種は、履歴書に書かれた内容、特に資格の欄が重要な職種、例えば医師や薬剤師などの募集です。これは、人柄なども重要であることに変わりはありませんが、そもそも資格がないとなれない職種であり、どのような専門的な経験をどれくらいの長さで経験してきたかという職歴が物を言うタイプだからです。その資格によって専門性が担保され、さらにその経歴によって腕は確かだろうかという推測も可能ですので、採用基準に関わる情報は履歴書から多く得られます。その上でさらに人間性やモチベーションなどを審査するために、最低一回は面接でチェックしましょうという流れであると予想されます。

逆に面接回数が3回以上、4回とか多ければ5回という場合については、まずは大企業に多く見られる傾向であると言えます。関連部署の役職者が縦割りと横割りのそれぞれの面から段階的に面接を行う傾向が高く、各層からの評価を集約して行われる総合的な判断に基づいての合否になるため、必然的に回数が多くなるはずです。また、職種においても面接回数が多くなる傾向があります。転職業界では周知の事実ですが、投資銀行業務や金融資産運用業務、金融商品の企画開発業務などの金融系職種への転職活動において、面接回数が特に多いと言われています。世間からの信頼が重要な企業価値である金融系の職種では、高い専門性を持ち合わせているかという個人としての能力の高さと金融業務への資質、また極端な例であれば横領などの不正を働かないかなど、応募者の人間性を慎重に見極めるためにも、必然的に面接回数が多くならざるを得ないのでしょう。

そこで、こうした面接回数の違いによって、気をつけるべきポイントが変わってくる事実にも注意を払いましょう。例えば、転職を希望する会社の採用活動において、面接が一回であると分かった場合はどのように考えるべきでしょうか。最も大切な要点は、それが最終面接であるということです。担当するのも、社長や役員などの上役と各部署で人事権を有している責任者が面接官に連なることが多いでしょう。そして面接回数が一回という傾向は、医師や薬剤師などの資格の有無やこれまでの職歴が履歴書などの書類から明確に判断できる職種に多く、面接にいくまでの書類選考で基本的な選りわけが既になされています。

よって、この最終面接で確認したいことは、自社の社風に合っているか、または自社の価値観を共有できるか、自社でのどのようなキャリアプランを考えているかなどの、より人間性を重視する内容になるでしょう。面接に臨む応募者はこの点をしっかりと踏まえた上で、想定される質問によどみなく答えられる準備をすれば、より高い確率で内定を得られると言えます。面接回数が一回だけという企業は、総じていわゆるブラック企業であるといううわさがありますが、ほとんどのケースにおいてうわさに過ぎないはずです。特に転職エージェントが紹介している案件であったり、転職のプロであるエージェントのコンサルティングを受けている状態であれば、心配する必要はないでしょう。

しかし、自分自身で募集情報にアクセスし、その企業の直接的な募集活動に反応した場合は、リスクが高くなるかもしれません。ハローワークで見つけた案件だからと言っても、ハローワークの求人は誰でも募集をかけられる仕組みですので、ブラック企業を見分けるためのスクリーニングは全くかかっていないと考えるべきです。

もし面接回数が二回だったら、一次面接と最終面接というそれぞれが異なるステップであることをしっかりと意識しましょう。一次面接では主にスキルや経験、これまでに成し遂げた仕事の成果などについてヒアリングされることでしょう。いわゆる現場の責任者や人事部が面接官になるケースが多いと予想できますので、いかに自分の知識とスキル、経験がその企業にフィットするかを現場の責任者に想像させられるような、簡潔で明確な説明ができるように準備しておきましょう。

そして最終面接では、社長や役員も面接官として同席し、応募者に質問するでしょう。ポイントは、こうした上役が即戦力に何を求めているかを把握することです。将来のリーダー候補を探しているようなら、眼鏡にかなうように過不足がないようにアピールする必要がありますし、社風に合った人間性であるかどうかを証明しなくてはなりません。なぜ自社に入りたいのかという志望動機の強さを強調し、自社の将来にどのように貢献できると考えているか、または自分が自社でどのようなキャリアアップの道筋を描いていて、どのようなリーダーになっていきたいかを具体的に伝えられるかどうかも重要です。

面接が三回以上になると、また別の難しさが出てきます。それぞれの企業によって、傾向がバラバラになって特徴がつかみづらくもなるからです。ある企業では最終面接が最も重要なステップであるかと思えば、別の企業では最終面接はただの社長との顔合わせの場になる場合もあるので、正しいマナーで入社意欲をアピールできさえすれば良いというケースもあります。また個人の能力を複数回に渡って徹底的に審査するのもこのパターンです。できるだけ多くの情報収集が成功のカギを握るでしょう。

新卒との面接の違い

新卒との面接の違い

また、転職ならではの面接という側面にも理解がなければ、確実に内定を勝ち取れません。転職しようとしている社会人は、既に新卒での就職活動を経験しています。その経験を基に同じように転職の面接に臨もうとすると、多くの場合で成功しないはずです。それは、採用する企業側において、採用の目的や動機が新卒時とは異なるからです。新卒採用の一般的な目的は、まず第一に安定的に新入社員を組織に加えていくことで、組織全体の年齢構成バランスを良好に保つことです。エントリーレベルの仕事からマネージメントまで、組織の中ではそれぞれの役割をこなす人材が必要です。

まだ入社後間もなく右も左も分からない新入社員が、数年間の業務経験を経て徐々に戦力になっていき、さまざまな部署やプロジェクトに携わることで仕事の幅を広げ、マネージメントの仕事に昇格していけるリーダー候補を確保することでもあります。そのためにも、各企業の社風に合うかどうかという人間性も含めて、自社で手間と時間をかけて育てていこうというのが基本方針であることが多いと言えます。実績はないけれども、その可能性を買って、ポテンシャル採用という概念もあります。

一方の転職活動をしている求職者に企業が求めるものは即戦力の確保であり、自社が必要としている知識やノウハウの導入、組織の欠けたポジションの外部からの補完、そして競合他社に比しての戦力増強です。よって、面接で最も重視されるのは、これまでのキャリアにおける経験や、実際に成し遂げた仕事の成果であり、ポテンシャルではない実践力です。中途採用者にはもう一つ、既に前職の他社において、ひととおりの社会人としての基本的なスキルやマナーが備わっているため、一から教育しなくてもよいというメリットがあります。ですので、面接での礼儀作法やマナー、コミュニケーション能力についての評価はハードルが高めであると考えられます。再教育をしなくて済むので時間と経費の削減につながるという、採用側のメリットが薄れてしまうため当然と言えば当然です。

転職における面接を受けるための対策法

転職における面接を受けるための対策法

転職活動における面接では、必ず聞かれる質問があります。それが「なぜ前職を辞めたかったのか?」です。なぜなら、転職は一度で終わりという人の方がむしろ少ないくらいですので、前職を辞めたように、自社もすぐに去ってしまうのではないかという懸念がつきまといます。これを払拭するための入社意欲の高さと、思い描く自社でのリーダー像を人事部担当者と社長・役員に響かせなくてはなりません。正直さと戦略のバランスが問われる場面ですが、前職を辞すことになった直接の理由を正直に話しても逆効果になるケースが多いことは肝に銘じておきましょう。

例えば、前の職場の上司のパワハラに悩み、精神的にも体調面でも支障をきたし始めたので、一刻も早くその環境から抜け出したかったという理由が本質だったとしても、同情して良く取ってくれれば幸いですが、精神的に弱い人間なのではないかと疑われては本末転倒です。また、特定の上司というわけではなく、職場における全体的な人間関係とコミュニケーションに不満を感じていたからという大きな理由を正直に話しても、受け取る側に人間関係の構築がへたな人なのではないかという疑念を抱かせることにつながっても不思議ではありません。

ウソも方便とは言いますが、バレた時に被るダメージは大きく、一気に信頼を失うというリスクを抱えることになります。よほど話術に自信がある場合を除いては、ウソの理由を捏造するよりは、言い方を変えてポジティブに表現し直す方がより良い結果を得られるはずです。何かの不満を転職の動機の理由にせず、新しいことに挑戦したかったからや、社風や将来性に魅かれたから、自分のキャリアアップを明確に描けたからなどの前向きな理由への変換が必要でしょう。

まとめ

転職における面接が、新卒の就職活動のそれとは異なるという認識を持てるかどうかで、面接に臨む準備は根底から変わってきます。面接官がなぜこの面接回数で行っているのかを、その理由を推測しながら的確に準備することも非常に大切なことです。ここを見誤れば、面接官が何を期待しているか、どういう要素を重要視しているかに気付くことができません。

また、新卒時には聞かれない「なぜ前職を辞めたのか?」という定番の質問にも繊細にかつ効果的に対応しなければなりません。常に転職活動であるという自覚を持ち、臨まれているのは即戦力としての貢献であり、将来の自社を担うリーダーの候補として適任かどうかです。この点を忘れずに面接への準備を行うことで、より良い結果を得られることでしょう。

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