[最終更新日]2023年9月25日 [記事公開日]2021年10月28日
転職理由「やりがい」を上手に答えるコツをプロが伝授します
やりがいを求めて転職する人は多くいますが、それらを上手に面接で転職理由として答えられる人はそう多くいません。転職における面接では必ず転職理由を聞かれますし、答え方次第で合否に大きな影響を及ぼしてしまいますのでしっかりと対策していかないといけません。
ではそんな転職理由が「やりがい」の人はどのように答えていけばいいのでしょうか。このコラムより正解をチェックしましょう。
「やりがいを求めている」が転職理由な人の答え方
面接で採用担当者はいろいろな質問をしますが、ほぼ全てのケースで、その会社を選んだ理由や転職を決めた理由を尋ねます。なぜなら、その会社と応募者が合っているかどうかや、熱意といったものを読み取ることができるからです。それだけに、この質問にどのように答えるのはというのは、採用を分ける重要なポイントとなってくるわけです。
人によってその答えは違いますが、「やりがいを求めている」ということが転職理由となっている人は多くいます。実際に採用担当者は多くの人を面接して、こうした回答を聞いているわけです。そのため、単に「やりがいを求めている」というだけではインパクトがなく、気持ちが伝わりづらくなってしまう恐れもあります。できるだけ自分の気持ちを伝え、良い印象を与えるためにも、その具体的な内容や話し方に注意しないといけません。
まず、大前提として積極的な内容にすることを意識します。特に転職理由や、前の会社から移りたい理由を聞かれた場合、前職についての不満や問題点を取り上げるというのは賢明なやり方ではありません。もちろん、転職をするということは、何らかの問題点があったというのは事実でしょうが、それを面接の場で言っても採用担当者の印象を良くすることにはなりません。それどころか、人間関係や上司との衝突、仕事自体への不満などを強調すると、自分たちの会社に入っても同じことが起こってしまうのではないかと思うわけです。そのため、今まであまりやりがいを感じられなかったという点ではなく、これからどのようにやりがいを求めていきたいかということを強調して話すようにしましょう。
また、気持ちを込めて話すことは大事ですが、感情的にならないように注意します。あれが嫌だったとか、これが好きという個人的な感情を述べるのは評価にはつながりません。というのも、自分の感情だけで会社を辞めるという重要な判断をする人だと思われてしまうからです。やりがいということについては、人によって見方が違うもので、それが真剣な気持ちで出てきたものなのか、単なる感情的なものなのかを採用担当者も見たいと思っています。そのため、感情的な答え方をすると、やりがいという理由が軽いものと思われてしまう危険性があるということです。
具体的な内容を話すということも大事なポイントです。やりがいというのは抽象的であいまいな表現なので、それを明確に理解してもらえるように工夫することが求められます。自分にとって、どんな時にやりがいを感じられるのかを伝えるようにします。たとえば、お客様のためにサービスを提供して喜んでもらえたことや、質の高い製品を作ることができたといった点を話せば、分かりやすい説明となります。自分がどんな時に実際にやりがいを感じたか、ということについて経験を語ることもできます。
そして、やりがいを求めてこれからどんなことをしたいと考えているかも伝えると効果的です。できるなら、面接を受けている会社をイメージして、こんな点で努力をしたいと思っていると具体的な点を説明することで理解が深まります。もし、そのために資格取得を目指していたり、勉強をしていたりするのであれば、それも一緒に話すと真実性が高くなります。といっても、あまりたくさんのことを一気に話すと長くなりますし、まとまりづらいです。そのため、長くても2つくらいのポイントに絞って説明することで、分かりやすく伝わりやすい話となります。
このように、面接で仕事のやりがいを伝えることについてはじっくりと考えることが必要です。同時に、履歴書やエントリーシートなどの提出書類でも、そのことについて可能な範囲で記載しておくようにします。こうすることで、書類と面接の整合性が取れて説得力が高まるからです。採用担当者は、面接の際に提出された履歴書などを見ながら質問を進めることが多いです。
そのため、書類の中のことと実際に話していることとが合っているかを確認するのです。書類に書かれている主な要点を基にしながら、そこから面接で具体的な話に膨らませていくという流れが最も分かりやすく、良い印象を与えやすいものとなります。こうしたことから、履歴書の書き方にも注意して、その後の面接をイメージしながら作成するようにしましょう。
【例文】転職理由「やりがい」の上手な答え方
やりがいについて、もしスキルを伸ばしていきたいとか、より広い範囲で活躍したいという内容であれば、前職においてやりたかったものの叶わなかったこと、そして新しい職場でやりたいことをまとめるのが分かりやすいです。たとえば、マーケティング関連の職種にいると仮定した場合、次のような答え方ができます。
「前職においては、BtoBに特化した形でマーケティングの業務に携わっていました。それまでに蓄積してきたノウハウを活用すれば、BtoCの分野にも手を伸ばし成功できるはずだということから、範囲拡大の提案をしました。より多くのお客様に喜んでもらえることで、大きなやりがいを感じられるからです。しかし、コストと人員配置の問題から現状維持をするしかないということでした。そこで、幅広いジャンルにおいてマーケティングを行っている職場に移りたいと、強く感じるようになりました。特に御社はBtoBもBtoCのどちらも、豊富な実績を持っていますので強い魅力を感じました。」
といった感じで、自分がやりがいを感じられる点について明確にすると共に、前職でできなかったことについても、ポジティブな見方から答えることができます。その上で、転職と希望企業での業務によってどのようにそれを実現できるかを説明しています。こうすることで、採用担当者が抱えがちな、転職理由についての心配な点を払拭すると同時に、これからの仕事への熱意を感じ取ることができます。
また、新しいジャンルに挑戦することでやりがいを感じたいと考える人もいます。特に、前職と転職希望先の業界や業種が異なる時は、この傾向が強いです。面接の際に、どうして今までの仕事とは違う分野を選んだのかということは聞かれる可能性も高いので、事前に準備しておく必要があります。前職のことが嫌だったなどの消極的な理由ではなく、新しくチャレンジすることへの前向きな気持ちを伝えることが大事です。
「今までの業務は主に、○○について扱っていましたが、その一環で××の仕事について見る機会がありました。実際に担当の方の話を聞き、興味を持ちさらに理解を深めたいと思うようになりました。話しを聞くことでやりがいを感じられる仕事であると考えるようになりました。そこで、その思いを実現できるように、新たな業界に進んでいきたいと考えています。前職の○○の経験を活かしつつ、より良い人材となれる、スキルを積極的に学びつつ仕事に携わっていきたいと考えています。」
このように、どうして新しいジャンルに興味を持つようになったのかということについて、採用担当者は知りたいと思っていますので、そこを事前に考え、内容に含めておくことが大事です。同時に、新しいことを始める意欲や熱意、頑張って勉強をしたいという気持ちをストレートに伝えることも大事です。どうしても業務未経験だと、即戦力となる人材としては評価されません。そこで、謙虚な態度は示しつつも、スキルを意欲的に磨いていき有用な人材となれることをアピールすることも大事です。その上で、それが単なる興味ではなく、やりがいを感じられる分野であることや、努力を払う気持ちが強いことを強調することができます。
やりがいという考えそのものについて、面接官から突っ込まれることも多いです。やはり、やりがいというのは人によって考え方が違うからです。そこで、自分にとってやりがいとは何か、ということについてもあらかじめ答えられるようにしておくことが求められます。
「今までの職務を通じて、○○の業務をしてきましたが、お客様と接することができない内容であることや、同じ業務の繰り返しであることから、やりがいを感じるのが難しい点がありました。御社の業務では、直接お客様へサービスを提供できますし、様々な業務に携わることができます。特に、○○の分野で知識を身に着け、より優れたサービスを提供できるようになりたいと考えています。仕事の幅を広げるために理想的な職場と感じることができました。」
このように、どうして今までの職場でやりがいを十分に感じることができなかったのか、特にどの点でそう思ったのかに触れることもできます。もちろん、前の職場を批判するようなことは避けますが、ある程度イメージできるようにすることは大事です。また、新しい職場でどんな点をやりがいと感じられるのかということについても、具体的な内容を取り上げて説明します。こうすることで、何をするとやりがいを感じられるのか、ということがはっきりして納得してもらいやすいです。
転職理由「やりがい」を答える際の注意点
やりがいを転職理由として挙げる場合には、他の理由よりも注意すべき点が出てきます。というのも、やりがいというのは漠然としたもので、相手に理解してもらうのが難しいことも多いからです。特に、何に対してやりがいを感じるのかという点が分かりづらいものです。
そのため、面接でやりがいについて話すときには、必ず具体的な点を説明に加えるようにしましょう。今までやりがいを感じられなかった原因や、どんな時にやりがいを感じられるのかを伝えます。特に、転職希望先の業務や職場環境と関連させて、そこで働くことができればさらなるやりがいを感じられるようになるということを分かってもらえるようにするのです。
また、やりがいばかりを強調することにも注意が必要です。というのも、転職の理由がやりがいというと、自分の気持ち次第で職場を変えられるという誤解を生むことがあるからです。気に入らなくなったら離職するのでは、という不安感を採用担当者に与えるリスクもあります。そのため、自分の気持ちだけを基準にしているのではないということを強調しましょう。そのやりがいが、スキルの向上や仕事への熱意と結びついているということを分かってもらえるようにします。
そして、仕事内容や職場環境に不満が出たら、すぐに転職する人だと思われないように気を付けましょう。感情次第でコロコロと仕事場を変えているわけではないということを分かってもらうために、現在取り組んでいることや、これから習得したいスキルなど、仕事への熱意や頑張りたい点について話します。そして、希望先の企業にとって魅力的で有用な人材となれる努力をする、ということを理解してもらえるように努めます。
転職者について採用担当者が抱きがちな不安点としては、忍耐力がなくて辛いことがあるとすぐに辞めてしまうのではないかということが挙げられます。やりがいという転職理由は、どちらかというと心情としての要素が強いので、この不安感を与えやすいです。そのため、前職での経験年数や新しい職場での目標について伝えることで、こうした心配な気持ちを払拭できます。今まで何年間同じ職場に勤めてきたとか、新しい職場に入って、こんな業務が任されるようになりたいということを話しましょう。こうすることで、しっかりとしたビジョンを持って転職を決意したということが分かり、熱意を感じられるはずです。
まとめ
転職理由の一つとして、やりがいを感じられる仕事や職場に移りたいというケースは多く見られます。しかし、やりがいというのは、相手が理解しづらい漠然とした感じ方でもありますので、面接では具体的に説明する必要があります。ポイントとしては、単なる感情的なものではなく、仕事への熱意やさらなるステップアップのために欠かせないものであるということを、熱意を込めて伝えることが大事です。
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