[最終更新日]2023年9月25日  [記事公開日]2021年10月27日

転職による年収アップの相場はどれぐらい?年収が上がる転職方法

20代での転職理由としても多いのが「年収アップを目指したい」という理由です。仕事のやりがいに繋がり、生活をしていく上でも重要になってくるのが収入面の問題ですから、せっかく転職するのであれば、今よりも年収が高い所が良いと思うのは当然のことです。転職によって年収をアップさせる方法、そして転職の際の注意点にはどのようなものがあるでしょうか。

転職による年収アップの相場はどれぐらい?

転職による年収アップの相場はどれぐらい?

新社会人として入社したてで、仕事に慣れることに精一杯だった時期をしばらく過ぎると、将来のために年収について考え、もっと良い条件の会社への転職を検討し始めたという方もいるのではないでしょうか。特に、20代は転職活動もしやすく、十分キャリアチェンジが狙える年代です。とはいえ、年収の高さだけにこだわって、あまりにも高望みの転職活動をすることは難しいので、年収アップを考えるにあたって、平均年収や相場を知っておくことも重要です。

国税庁が行っている民間給与実態統計調査によれば、20代前半では267万円、20代後半では370万円が平均年収のようです。もちろん、20代でも業種や学歴によっては当然差がありますし、転職サイトなどで独自の調査で統計をとっていることもあり、数値はあくまでも一例となります。

基本的には本人のスキルや経験年数が年収に影響してくるため、年齢と共に、携わる業務が増えたり役職に就いたりすることで、年収が上がることが殆どです。しかし、給与の評価は企業によっても大きく異なってくるので、今の会社で将来的に年収が上がる見込みがないと悩んでいるのであれば、より待遇の良い企業への転職を考えるのは自然なことでしょう。

転職での年収アップにも職種やスキルが影響してきますが、一般的には現在の年収に対して5%~10%のプラスが見込めると言われており、50万円前後であれば十分目指せる相場です。中でも専門的な資格や知識が必要な金融・医療・技術職は、転職によるキャリアアップで、より高い年収の企業に就職することもできるでしょう。しかし、転職した初年度の年収がいきなり上がるよりは、ある程度長期的に見て、年収が上がっていく見込みのある企業へ転職するという考えの方が確実です。求人を探す段階での金額だけで判断すると、長く勤めても結果的に生涯年収は下がってしまうといった失敗も起こりかねません。継続的に昇給の機会がある企業を見つけるほうが、将来的にも有利と言えます。

転職によって年収をアップさせる方法

職によって年収をアップさせる方法

では、転職で今よりも年収を良くしたいと考えているのであれば、どのような点に注目したら良いのでしょうか。主な方法は、「給与水準の高い業界・企業への転職」「自分のスキルや資格を売りこみ、即戦力となれる企業への転職」です。

まず、元から給料の高い企業への転職です。個々の企業によって差はあるため、一概には言えませんが、平均年収が高い業界と低い業界というものは存在します。いくら仕事を頑張っても、平均年収が低い業界であれば、伸び悩んでしまうでしょう。そこで、業績の良い企業や大手への転職を狙うのがこの方法になります。特に、大手企業は人材育成にも資金を割いてくれる場合が多く、その業界に必要なスキルを磨いていくことで、将来的にも継続して年収がアップする可能性が高いでしょう。ただし、条件が良いということは、その分競争率が高くなることを理解しておかなければいけません。

もうひとつは、自分が持っているスキルや資格を活かせる同業界・同職種の企業への転職です。一般的には社歴が長くなるにつれて年収も上がっていくものですが、それではすぐに給料を上げることはなかなか難しいでしょう。もしも転職先の企業で有利になる資格などを持っているのであれば、より好条件が狙える同業種で、即戦力となり得ることをアピールする方法があります。

多くの企業では、業界に対する知識や資格、経験年数、実績によって年収が決まってくることが殆どです。基本的に未経験の業種への転職の場合、しばらくは今よりも給料が下がると考えておいたほうが良いでしょう。そのため、年収を上げたいという目的があるのであれば、未経験よりも、今持っているスキルを活かした同じ業界の仕事が確実です。

また、年齢よりも結果を重要視してくれる会社であれば、頑張った分だけ年収が上がる見込みもあるので、人によっては早い段階で年収アップを実感できます。もちろん、給料が上がる分、企業から求められるハードルも高くなる可能性があることは知っておきましょう。より高いスキルが求められる同業界への転職は、それに見合った成果を要求されることも多いので、継続して知識をつけていく努力も必要となってきます。

「年収アップ」を目的に転職する際の成功法

「年収アップ」を目的に転職する際の成功法

先に挙げた、年収の高い企業への転職、自身のスキルを買ってくれる企業への転職で年収アップを目指すのであれば、どちらも初年度からの大きな期待はせずに、これから長く勤めていける環境なのか、その中で今よりも昇給が見込めるのかなど、転職先となる企業を見極める必要があります。20代の場合、若手扱いですから、最初の金額だけに注目して転職活動を行うのではなく、社員育成に力を入れている会社や、若手でも活躍できる場がある企業を選ぶと良いでしょう。

例えば、20代でも役職に登用している実績がある企業なら、年齢関係なく昇給の機会があるということです。逆に、転職した時には20代の平均より給料が高くても、勤め続けていても役職に就けず、その後はそれほど年収が上がらないといった環境では、本当の意味で年収がアップしたとは言えません。長期的な人材育成を計画している企業では、初年度から大幅に給料が上がることはなくとも、継続的にスキルアップと昇給が目指せる場合もあります。

転職したい企業の情報は、できるだけ集めておくこともおすすめします。どんなに多くの資格を持っていたとしても、転職先で役に立つものでなければ意味がないからです。企業が求めている人材や実務に必要な資格があるのであれば、事前に知っておくことで準備をすることができますし、転職でも有利に働きます。自分にはこの会社での業務に活かせる強みがある、ということを上手く伝えられれば、年収が上がる可能性もあります。

もしも今の業種が合っていないと感じて全く違う仕事への転職を目指しているのであれば、しばらくは現在よりも収入が下がってしまうかもしれません。しかし、より自分に適性のある仕事に就くことで、将来的に年収アップに繋がることもあります。専門の資格が必要な仕事でなくとも、基礎的なパソコン操作など様々な業界で役立ちそうなスキルを身につけておくと、選択肢の幅も広がります。

他に、面接及び入社前に、企業と直接年収の交渉をすることで、給料を上げることもできます。もちろん、あまりにも高望みしてはいけませんが、企業側の求める人材とマッチしていれば、希望年収の求めに応じてくれる場合もあるからです。とはいえ、金銭的なことを自分からは言い出しづらいという方も少なくはないでしょう。転職エージェントサービスなどを利用すれば、年収交渉を代わりに行ってもらうこともできます。自分の今の能力や経験に合った企業の紹介や、面接の調整などもサポートしてもらえるため、転職活動が初めての方の強い味方となってくれるはずです。

転職で年収アップを目指す際の注意点

転職で年収アップを目指す際の注意点

年収アップを目標に転職活動をすること自体は、全く問題ありません。仕事をする対価として、今より収入を良くしたいと考えているのであれば、年収だけで転職先を決定すると見落としがちなポイントとリスクについて、併せて確認しておきましょう。

まずは、その会社の福利厚生です。求人情報で、年収と併せて特に重要視される項目ではありますが、自分が今勤めている会社と比べてみることも大切です。もし今よりも年収が良いと感じる企業であっても、福利厚生の恩恵が少ないのであれば、実際に自由に使える金額が減ってしまう可能性があるからです。仮に年収の情報だけ見ると今より下の企業だったとしても、家賃補助などの手当てを受けることが可能であれば、その分を実質的な年収アップと捉えることもできます。

次に、支給額に、基本給以外の固定残業代などが含まれているかどうかという点です。企業の中にはあらかじめ予想される残業時間に対して、残業代を給料として先に支払っているところもあります。その際、基本給〇円(内固定残業代〇円)などと記載されるのですが、何時間分の残業に対しての支払いか、記載を確認しましょう。既定の残業時間をオーバーしていた場合、企業側はその分を上乗せして支払う義務がありますが、金額のみ提示されていて固定残業の時間が分からない場合、金額に対して長時間であったり、最悪、超過分が支払われなかったりするケースもあるため、注意が必要です。

また、歩合給が含まれている場合、合計の金額ばかり注目していると見落としがちですが、年齢に対して基本給が上がっている企業であれば、将来的にも昇給が見込めるでしょう。しかし、高額な歩合給に対して、社歴が長くても基本給がさほど変わっていないような企業なのであれば、もしその歩合給がなかった場合に本当に年収が上がるのか、よく考えてみなければいけません。

高い給料を提示しなければ人が集まらない会社、というケースも存在します。年収だけにつられてしまうと、業務内容や労働時間に問題がある、人間関係などの職場環境が悪い、といった理由から離職率が高く、新しい人材を集めるために年収を高くしている会社に当たってしまう可能性もあります。

他にも、景気に左右されやすい企業は、突然仕事が減ってしまったり、総合的に見ると年収が下がってしまったりすることもあります。基本給の割にボーナスが異様に高い企業や残業代が多い企業などは、慎重に選ぶ必要があります。

金額だけを見て焦って転職活動をしてしまうと、結局は給料が下がったり仕事がつらくて辞めたりすることになりかねません。そうなると、仕事の長く続かない人間だという判断をされて、その後の転職活動に悪影響を及ぼすことにもなりますし、就職できでも重要なポジションを任せてもらえないなどのリスクが発生しかねないのです。求人情報だけでは判断が難しいことでもあるので、企業の口コミを調べる他、転職サービスによっては実際の職場環境を詳しく教えてくれる所もあるので、活用すると良いでしょう。このように、年収だけを意識した転職活動では失敗を招くおそれもあるため、しっかりと内実を理解する必要があります。

まとめ

これから先、まだまだ長く社会人として生活をしていく20代だからこそ、年収アップを目指した転職を考えているのであれば、金額だけにこだわらず、長期的な計画を立てることをおすすめします。すぐに結果が出るような転職は難しいかもしれませんが、ポイントを押さえた転職活動ができれば、20代でも十分に転職で年収を上げることは可能です。

希望する環境で長く勤めることができるように、自分が企業に求める条件、今の経験やスキルを総合的に判断しましょう。給与の水準が高い業界へ転職すること、持っている資格を活かして同業種でさらなるキャリアアップを目指すこと、方法は様々です。未経験でも自分の適正と合っている職種であれば、将来的な年収アップを狙うこともできます。

不安な方は、専門の知識が豊富なアドバイザーがサポートしてくれる転職エージェントサービスを利用することもひとつの手段です。自分だけでは難しいことも、第三者からの目線で、全体を冷静に分析することができるでしょう。大切なのは、無理なく自分に合った環境で仕事をすることです。転職先を選ぶ際は年収だけを追いかけず、労働条件や福利厚生を必ず確認し、リスクを回避して、年収アップに繋がる企業選びを心がけてください。

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