[最終更新日]2023年9月25日  [記事公開日]2021年9月21日

転職で年収が下がり後悔している人は結構いる!その理由と挽回方法

「転職したことで年収が下がった」「転職しなきゃよかった」と後悔する人は多くいます。現状の給料額に不満を抱えていた人にとってはより大きな後悔を抱えていることだと思います。

では転職によって年収が下がってしまい、後悔を抱いている人はどう対処していけばいいのでしょうか。このコラムから正しい対処法について確認していきましょう。

転職で年収が下がり後悔する人は多い

転職で年収が下がり後悔する人は多い

スキルアップのため、自分の価値を高めたいなど、理由はさまざまあるとしても、転職をする理由として、もっとお金が欲しいという人は少なくないはずです。これまでの収入に不満で、こんなにも一生懸命働いているのに、どうして自分の給料は上がらないのだろうと考えているうちに、魅力的な報酬の募集を見つけて転職にチャレンジした、そのような人はたくさんいます。

ところで、転職をしたからといって、必ずしも年収が上がるとは限りません。転職をしたものの、元の職場よりも年収が下がることは起こり得ます。中には、年収がアップすると思っていたのに、こんなはずではなかった…と後悔する人もいます。実際問題として、年収アップを期待して転職活動をしたものの、実際はそうならなかったというケースが増えています。

例えば、証券会社に勤務していたAさんは、これまで年収1200万円ほどの収入を得ていました。一般的な水準からすれば1200万円の収入は魅力的に映るかもしれませんが、Aさんにとって1200万円は自分のスキルに見合った金額とは到底思えませんでした。自分の実力はこれほどの金額では少なすぎる、そう感じて転職を決意したのです。

Aさんはかねてから声をかけられていた外資系の企業に見事転職したのですが、転職して待っていたのは、これまでよりも年収が年間で200万円以上ダウンしてしまうという現実でした。転職で年収が上がることを期待していたのに、実際には下がる結果になってしまったのです。Aさんはこんなはずではと後悔したのですが、後悔先に立たず、残念ながらこれまでのような報酬には至りませんでした。

大手企業に勤務してきたBさんは、やはり年収のアップを目指して転職を決意しました。これまでの年収は年間900万円、希望する報酬額は100万円アップの1000万円でした。これまでの会社で勤務してきたスキルを活かし、他の同種企業へ転職をすることになり、日本でも指折りの企業への転職を成功させました。

Bさんが抱いていた希望は叶ったのでしょうか。結果はそうなりませんでした。新たな職場ではすでに外資によるM&A工作が続いていて、結果的に外資の傘下に入ることになりました。新たに転職した企業は社名が変わり、実力成果主義になり、Bさんは取り残される結果になりました。

これらの事例からわかるのは、転職をしたとしても必ずしも年収がアップするとは限らず、場合によっては年収が下がることさえあるということです。このような状況になると、多くの人は必ずと言っていいほど後悔します。

もし自分が同じような状況になってしまったら、どうしたら良いのでしょうか。後悔するしか方法はないのでしょうか。

転職で年収が下がる理由とは?

転職で年収が下がる理由とは?

日本の厚生労働省が発表した白書によれば、転職して実際に賃金が上がったという人よりも、転職して賃金が下がったという人のほうが多いことを示しています。具体的には、報酬がこれまでよりも10%増加したという転職経験者は転職数全体の2割程度しかいません。対照的に、10%以上減ったと答えた人は3割近くに達しました。ほとんど変わらないと答えた人は全体の約50%を占める結果になったのです。

なぜ転職で年収が下がるのでしょうか。どのような理由があるのか、分析する必要は十分にあります。年収が下がる理由として、代表的なケースには何があるのでしょうか。

1つ目は、これまでの役職が下がってしまうというケースです。今まで勤めていた企業では次長クラスだった人が、転職後は課長代理クラスにまで格下げになってしまい、年収が一気に下がったというケースは少なくありません。いわゆる役職手当は企業によって金額が異なりますし、企業のポジションによって、役職手当は大きく変わってきます。次長と課長代理とでは役職手当に大きな開きがありますから、年収が下がるのは当然と言えます。

2つ目の理由は、これまでの実績を評価してくれる人がいないことです。今まで勤務してきた職場では、これまでの仕事の実績を評価してくれる人がいたかもしれません。それが上司や経営者であればなおのこと、報酬に反映されます。ところが、新たな職場では自分を正当に評価してくれる人は、これまでのようにいるわけではありません。中には、その程度のことはできて当たり前だ、と評価するどころか、評価に値しないと考える人さえいます。このような状況では収入アップは期待できません。

3つ目の理由は、異業種への転職です。未経験の分野は新たに知識を蓄えたり、ノウハウを学んだりしなければいけないため、そのための時間がかかります。未経験の分野だと、すでにスキルのある人と比べて、その差は歴然になってしまいます。中には辛辣に「その程度のこともできないのか」と言われてしまうこともあり、なかなか新たなスキルを身につけることができなくなってしまうことさえあります。結果的に上司の評価が下がり、報酬ダウンに繋がってしまうのです。

4つ目の理由は、転職時に報酬の交渉をしていないことです。海外では面接の際にいくら報酬を受け取るかを必ず交渉します。日本ではまだそこまでできないという風潮があるのかもしれませんが、報酬の交渉は面接の時に行うべきものです。面接でとにかく採用されることばかりに照準を合わせてしまうと、報酬の交渉が相手のペースで進んでしまうことがあります。これが結果的に、希望する報酬が得られない理由になっているのです。もちろん、転職後に報酬が上がることがあるかもしれませんが、肝心なのは、転職が決まる前に交渉をしておくことなのです。

報酬の交渉と関連がありますが、5つ目として、いわゆる賞与の金額を事前に確かめなかったことが原因で報酬が下がることがあります。毎月の報酬は交渉して相手の同意に至ったものの、賞与については話し合わなかったことで、年収が前よりも少なくなってしまった、といった失敗例は少なくありません。賞与の金額も、事前に確かめておいたほうが良いでしょう。

自分には交渉する自信がない、という人もいるかもしれません。そのような場合は、転職サービスで提供されている交渉サポートなどを活用すると良いかもしれません。スタッフが面接をサポートしてくれるので、交渉が苦手な人でも安心できます。

転職で年収が下がり、後悔している人の対処法

転職で年収が下がり、後悔している人の対処法

転職で年収が下がってしまうというのは、地味にダメージを受けます。こんなはずじゃなかったと落ち込んでしまうのは仕方ないですが、できるだけ早く気持ちを整えて、前向きに新たな仕事に取り組めるようにしたいものです。そうするためにできることはあるのでしょうか。転職をした人を観察してみると、転職後に年収が下がっても、ポジティブに生きている人は少なくありません。以前よりも報酬が下がって落ち込んでいるというよりは、かえって前向きに生きている人が多いです。落ち込んでしまう人とそうでない人の違いは、転職後の仕事に求めるものの違いです。

例えば、かつては商社マンとして働いていたCさんは、異業種に転職して、年収が以前より100万円も少なくなってしまいました。それでも転職したことは後悔していませんし、今までよりも生き生きと仕事に取り組むことができています。その理由は、職場でのストレスの有無です。

商社マンだった頃は、確かに年収は今よりも多く貰えていたものの、仕事上のストレスは半端ないものがありました。目標を設定し、目標が達成できないと上司からの圧力がかけられ、それが異常なストレスに感じました。Cさんが選んだのは、お金よりも、自分が生き生きと働ける職場環境でした。ですから、年収がかなり下がっても落ち込むどころか、かえって楽しく仕事に取り組むことができているのです。

転職に何を求めるかによって、転職後の報酬や環境で落ち込むかどうかが変わってきます。年収がこれまでよりも減ったとしても、新たな職場で楽しく仕事をすることで、もしかしたら、やがて手に入れることのできる報酬がかつての職場を上回るようになるかもしれません。一時的な年収の低下に左右されず、長期的なビジョンで仕事に取り組むことで、消極的にならずに済むのです。

転職後の収入が減少することでストレスを感じることがないようにするためには、転職後、年収がダウンするというのは起こり得るという前提で転職活動に取り組むことです。メンタルへのダメージを減らすために、目標値を設置するという方法もあります。

年収をアップさせる目標ではなく、年収がダウンした場合、いくらまでなら許せるのかをあらかじめ決めておくという意味です。これまでの生活レベルを維持するために、どれくらいの金額が必要なのかを計算します。その他に、貯金や保険、ローンなどについても計算し、その合計金額を書き出します。算定した金額と今の年収とを比較して、どれくらいの減少幅なら生活を維持できるのかを決めます。減少幅が10%~15%程度であれば、許容範囲と見なせるかもしれません。

転職によりスキルアップを目指す人にとっては、年収のダウンよりも、スキルを伸ばせるかどうかが重要になります。そのような場合は、転職後にスキルを向上させることで、年収もやがてアップするという確信を抱くことが大切です。転職当初は年収がこれまでの会社よりもかなりダウンしてしまうかもしれませんが、2年後、5年後と時が経過するにつれて、スキルは向上し、ある程度の役職につくことができるようになるかもしれません。そうなると、これまでの会社で得ていた賃金と同等、もしくはそれ以上の報酬が得られるようになる可能性もあります。

状況によっては、転職後の収入ダウンがどうしても受け入れられないケースもあります。どのような場合に再転職を考える必要が出てくるのでしょうか。

考えらえるケースのひとつは、年収の大幅なダウンです。先ほど許容できる範囲について話しましたが、許容範囲を大幅に下回ってしまうこともあり得ます。例えば、転職後の会社の業績が急に悪化して、年収が大幅ダウンしてしまうといった事例です。もし年収がこれまでよりも40%ないしは50%ダウンしてしまうとなると、生活を維持するのがかなり難しくなるかもしれません。お子さんがいる家庭だと、お子さんの養育費も捻出する必要があるからです。

他のケースとしては、転職後の職場でのストレスがこれまでの職場を上回る状況になった場合です。単に報酬アップを目指して転職した場合、転職先での人間関係が予想を上回る難しさで、夜も眠れなくなるほどのストレスを感じることがあるかもしれません。もしそうであれば、再転職を目指したほうが自分にとって良い場合が多いです。

転職後の職場環境や報酬など、明らかにこれまでの水準よりも悪くなっていると判断したら、早めに再転職を考えることで、自分自身や家族を守ることができます。

まとめ

転職は報酬アップしたり、スキルを高めたりというメリットはありますが、その反面、報酬が期待外れだったり、職場環境が最悪だったり、と予想していたような理想の環境とは程遠い状況に置かれる場合があります。ポイントは、転職後の報酬や待遇に満足できるかどうか、職場環境のストレスが耐えられる範囲かどうかを判断することです。

転職である程度の年収ダウンは仕方ないとしても、新たな仕事の報酬が少なく、かつストレスが大きいのであれば、我慢して仕事を続ける必要はないかもしれません。ストレスを抱え込むとメンタリティに影響が出ますし、再転職をしたいと思っても、その気力すら出てこなくなってしまう可能性さえあります。

投資の世界では損切りという用語があり、多少損失を出したとしても、下落している株やファンドを持ち続けるよりは損失のリスクが小さくなる場合があります。転職も同じで、新たな環境が自分にどうしても馴染まないのであれば、転職の損切りも時には必要だということを覚えておくと良いでしょう。

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