[最終更新日]2023年9月27日 [記事公開日]2021年9月2日
「既卒で職歴なし」でも就職できる?実情と就職するための秘訣
既卒で職歴なし。そんな人はやはり「就職できるのか?」という不安でいっぱいだと思います。実際のところ、既卒で職歴ない人の就職の難しさとはどれほどなのでしょうか。
今回このコラムではそんな既卒の就職事情についてご紹介していきます。「既卒で職歴なし」でも就職できるのか?実情から紐解く答えと、既卒で職歴なしの人が就職するための秘訣を解説しています。
就職できるか不安でいっぱいな人ぜひ最後までご覧ください。
「既卒で職歴なし」でも就職できる?
既卒で職歴がないと、就職では不利というイメージがありませんか?結論から言ってしまうと、既卒で職歴なしの方でも、探し方を工夫し、入念な準備をすれば、就職できる可能性は十分あります。しかも、いわゆる優良企業でも就職できる可能性があります。
既卒で職歴なしの方の就職活動の体験談や口コミも、ネットではいろいろと紹介されています。その中のコメントをピックアップしてみると、「世界的にトップシェアのメーカーに就職できた」とか、「医療システムで定評のあるIT企業」「業界で注目を集めているベンチャー企業」などの就職体験談が紹介されていました。また、人材業界でも大手のマイナビが既卒者の就職活動について調査したところによると、2019年度の既卒者の就職率は約45%前後でした。ですから、半数近くの人が採用されているわけです。既卒で職歴がないとかなりのハンデに思えるかもしれませんが、決して壁は高くないことがわかるでしょう。
なぜ既卒で職歴なしの人でも積極的に採用している企業が少なくないのか、これは近年の経済動向が関係しています。リーマンショックで世界的な大不況に陥ったときに、企業は新卒の採用をかなり絞り込みました。その結果、現在では若手の人材が不足している会社も少なくないわけです。では、新卒の人材を採用すればいいのではないかと思うでしょう。ところが近年、新卒は売り手市場が続いています。大企業や有名企業でないと、なかなか新卒の人材を確保できないケースも出てきています。そこで、既卒の若手を採用しようという動向が見られます。
企業の採用スタイルの中に「ポテンシャル採用」があります。ポテンシャル採用では、過去の実務経験は一切問いません。この場合、やる気や熱意をアピールできれば、既卒で職歴のない人でも採用される可能性は大いにあります。
大手企業でも、既卒で職歴なしの人を採用しているところも少なくありません。こちらも人材業界では大手のリクルートキャリアの2021年の採用見通しのデータなのですが、従業員1000人以上5000人未満の48.3%、5000人以上の53.7%が、大学や大学院を卒業してから3年以内の既卒者を採用する予定があると答えています。中小企業だけでなく、大企業でも積極的に、既卒で職歴なしの人材を採用していることがわかります。
この傾向ですが、しばらくはこのまま続くのではないかと見られています。その背景には少子高齢化があります。若い人材の絶対数が今後少なくなっていくので、各企業人材確保が大きな課題になってくるでしょう。新卒だけにこだわっていると、十分な若手を確保できないかもしれません。そこで、既卒や第二新卒まで採用の範囲を広げて、若手を確保しようという動きが顕著になってくると見られています。
職歴なしでも受け入れてくれる企業の特徴
既卒で職歴なしの人材を採用している企業は、大企業から中小まで幅広く見られます。どのような企業が採用してくれるのか、見分ける方法がいくつかあります。
まずは、求人情報を確認することです。求人情報の中に「既卒歓迎」と書かれている案件は、既卒者で職歴のない人でも積極的に採用している企業と言えます。このような募集を出している企業の場合、既卒でも若手人材の採用意欲が高いです。このため、しっかり事前準備しておけば内定ももらえるでしょう。この手の企業は、ポテンシャルを重視しています。職歴や実務経験を重視せず、これからのことを考えて採用します。
採用試験を受けるにあたって、企業情報を収集するでしょう。会社のホームページの「会社概要」部分をチェックしましょう。会社概要の中で、経営活動におけるポリシーや方針を記載しているからです。もし、その中で「人材を育成する」「若手を採用して当社でじっくり育てていく」といった方針が掲げられていれば、既卒で職歴なしの人でも採用してもらえる可能性が高いです。即戦力を採るのではなく、若手を育てていきたいという意向があるからです。むしろ職歴がなく、何の色にも染まっていないほうが、会社としても育成しやすいと考えるかもしれません。
このように、既卒で職歴なしでも採用してくれる企業を見つけるにはどうすればいいでしょうか?既卒に強い就職サイトを積極的に活用することです。既卒に特化したサイトを見てみると、就職率が非常に高いです。公式サイトの情報を基にすると、就職率80%を超える数値を出しているところもいくつもあります。
自分で求人情報を探すとなると、なかなか大変です。そこでおすすめなのが、既卒に強みのある転職サイトに登録することです。転職サイトに登録すると、専任のキャリアコンサルタントが就活をサポートしてくれます。どんな職場が希望かなどをヒアリングしたうえで、マッチングすると思われる求人を紹介してもらえます。自分で求人情報を探す必要がなくなるので、就職まで効率的に進められます。既卒の採用に積極的な企業と太いパイプを持っているので、職歴のない人でも採用してくれるような会社を紹介してくれるでしょう。
既卒が就職するためにすべきことと対策法
ここまで見てきたように、既卒で職歴なしの方でも採用してくれる企業は少なくありません。ただし、何の努力もしないで採用してくれるほど生易しいものでもないです。既卒で職歴なしの方が就職するためには、下準備などの対策を講じる必要があります。
できるだけ早く行動を起こすことが大事です。新卒の採用と違って、既卒の場合、通年採用です。つまり、年間通じて募集が出ているので、できるだけ早く、目ぼしい案件が見つかったら応募することです。そうすれば、より早く就職先を確保できるわけです。
また、できるだけ行動を起こせば、職歴なしの期間を短くできます。既卒・職歴なしで採用される可能性があるといっても、職歴なしの期間が長く、年齢が上がると、就職できる確率も下がってしまいます。ですから、「就職したい」と思った時に行動を起こすことが重要です。
就活の基本は、履歴書や職務経歴書の書類作成です。既卒で職歴がないと、履歴書や職務経歴書の職歴部分に何も書けないという人も出てくるでしょう。しかし、これでは書類選考をクリアするのが難しくなります。履歴書や職務経歴書に空白部分が多いと、採用担当者は「仕事をする熱意が感じられない」と判断してしまうからです。
職歴がない場合、何を記入すればいいのでしょうか?簡単に言えば、卒業してから今までみなさんが何をしてきたかを書くのです。
例えば、正社員として就職していなくても、アルバイトで何かしらの仕事をしてきた人はいるでしょう。その場合、アルバイトの職歴を記入しましょう。職歴が全くない場合は、資格取得のために何か勉強をしたのであれば、その点について記載しましょう。職歴なしでも資格があれば、その能力を生かせるとアピールできます。資格取得のために勉強を頑張ったことのPRもできます。職歴がない場合、「この会社で働きたい」という熱意や意欲が重要です。それをアピールするためには、どんなことを書けばいいかを考えていきましょう。
バイト含め、職務経験がない、資格も持っていないというのであれば、他のことでアピールしてみるといいでしょう。大学時代、何か打ち込んだことはありませんか?勉強でもいいでしょうし、サークル活動でもかまいません。パートやアルバイトをしたのならその経験をPRすればいいでしょうし、ボランティアに参加したことがあれば、そのことについて履歴書や職務経歴書に盛り込んでみましょう。職歴なしでもいろいろな他の経験をしているはずで、それがアピールにつながる可能性はあります。
たいていの企業からは、市販の履歴書で応募するように言われるでしょう。職歴欄のスペースが大きな書類だと、職歴なしではと空白の部分が目立ってしまうかもしれません。履歴書の中には、自己PR欄の大きめのレイアウトになっているものもあります。職歴なしの方はこちらの履歴書を使って作成すると、より良い印象を与えられるでしょう。
書類選考でクリアしたら、次は面接試験というところが多いでしょう。既卒で職歴なしの場合、ほぼ確実に聞かれるのは「なぜ新卒で就職しなかったのですか?」と「卒業してから今まで何をされていましたか?」という質問です。
やはり、面接官からしてみると「どうして今まで就職しなかったのか」は知りたい部分です。おそらくどの会社でも聞かれるでしょうから、答えを前もって準備しておきましょう。もし準備していなくて答えに窮したり、しどろもどろの回答になったりすると、面接官が不信感を抱くかもしれません。「本気で就職する気があるのか?」とその意欲も疑われてしまいかねません。
では、どのような答えを準備すればいいのでしょうか?基本的には、ポジティブと受け取られるような回答を用意しておくことです。例えば「なぜ就職しなかったのか?」という質問に対して、「どうしてもやりたかった仕事があったのですが、新卒の段階では希望する会社に就職できなかったからです」と答えれば、前向きな印象を与えられます。「今まで何をしてきたのですか?」という質問については「希望する業界で仕事をするために、アルバイトで経験を積んでまいりました」という回答が好ましいでしょう。
「なぜ就職しなかったのか?」と質問されて、「なかなか希望する仕事で採用されなかった」と答えたとします。「新卒で就職活動に失敗した原因は何だとお考えですか?」と畳み込まれることもあるかもしれません。この場合、なぜ失敗したのかの原因を説明して、「その失敗を生かして今後はこうやりたい」という対処策まで説明するのが好ましいです。そうすれば、聞いている面接官も前向きな印象を受けるでしょう。既卒で職歴のない人への面接試験では、上で紹介したように、ネガティブな質問をされることもあるでしょう。その場合、いかにポジティブに返すかを考えて、答えを準備することです。
既卒でいわゆるニートのような何もしていない期間が長いと、就活では不利に働きやすいです。面接の質問にも前向きな回答を用意できないかもしれません。もしニート期間が1年以上あるのなら、マイナスを払しょくするための対策が必要です。そこでおすすめなのは、インターンをすることです。インターンは実際に職場に出て働く活動のことです。自分がその仕事にマッチしているか、周りの同僚とうまくできるかなどチェックできます。まったく何もしていないのと比較して、インターンを自発的に始めたほうが熱意を感じられます。
まとめ
少子高齢化で、若手の人材を確保するのが今後ますます厳しくなっていくと考えられています。既卒で職歴のない人でも採用される可能性は十分ありますから、悲観的に考えるべきではありません。ただし、職歴のない期間が長く、年齢が上がってくると、就職先を見つけるのはどんどん厳しくなっていきます。もし「仕事をしたい!」「このままでは行けない」と思っているのであれば、早めに行動を起こすことです。自分がどんな仕事をしたいのか、今までの経験や能力を生かせるのはどの業界か、自己分析を進めましょう。
既卒で職歴なしの方が就活をする際には、いかに「この会社で働きたい」という熱意をアピールできるかにかかっています。そのためには、履歴書や職務経歴書、面接でしっかりアピールできるかがポイントです。上で紹介したことを意識するといいのですが、自分一人だと「これでいいのか?」と不安になるでしょう。転職サイトに登録すれば、キャリアコンサルタントが書類の作成や面接対策などもサポートしてくれます。無料で登録できるので、キャリアコンサルタントのサポートを受けながら、希望する会社への就職を目指してみませんか?
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