[最終更新日]2023年9月27日 [記事公開日]2021年9月2日
転職の目的を明確にしよう!転職をする意味と目的を明確にする理由を解説
思い切って退職し、転職をするわけですが、転職をする目的ってちゃんと明確ですか?
なんとなく転職をするという人はいないでしょうが、目的はハッキリしていないという人は意外に多くいます。ではそんな転職をする目的とはなんなのでしょうか。今回このコラムではそんな転職の目的と転職をする意味について解説していきます。
目的がハッキリすれば転職の成功率も上がりますので、しっかりチェックしていきましょう。
転職で目的を明確にする理由と重要性
転職を考える時、どうしても今まで仕事をしていた場所のネガティブな理由を並べがちです。例えば、収入が低い、きちんと自分は評価されていない、人間関係が悪い、仕事にやりがいを感じない、などです。確かに、これらのネガティブな理由は転職を考え始めた「きっかけ」かもしれませんが、これらをそのまま転職の目的にしてしまっても、自分が思い描いたような良い就職先にはたどり着かないでしょう。どこかに就職できたとしても、前職とあまり変わらないような職場になるかもしれませんし、最悪な場合はどこにも就職できないということもありうるのです。
ネガティブな理由で転職活動を始めてしまう人は、実は「転職する」という行為を目的にしてしまっているので、転職がうまく行かないのです。転職したいと思った理由と転職の目的は同じではありません。しかし、これら二つを同じに考えてしまったまま、転職活動をしてしまうので、思ったような結果を出せない人が多いのです。
転職の目的とは、自分が仕事において達成したい将来の展望、ビジョンを指します。IT業界で世の中の人が安心して暮らせるシステムを作るとか、都市計画の分野でみんなが楽しく過ごせる街を作るというのがビジョンであり、それを達成するための前段階に当たるのが転職の目的となります。つまり、新しい会社で自分はこのような仕事をしたい、それを達成するために転職をするのだ、というスタンスが必要なのです。
一方、今仕事をしている会社について「ここで働いていてもやりがいを感じない。だから転職しよう。そのために、多くの人から賞賛されている会社に入りたい。」という考えは、自分の将来のビジョンではないので、転職の目的にはなりません。乱暴な言い方ですが、どんなに仕事にやりがいを感じなくても、どんなにルーティンが面白くない仕事であっても、自分が将来の展望を持っていれば、どんな場所にいてもビジョンを達成できるはずなのです。
とはいえ、ビジョンを達成するのに自分の将来思い浮かべている仕事に近いことをしている企業があれば、やはりそこへ移りたいのが人間というものです。ですから、ネガティブな理由を並べたてて、より良い会社に入って自分を磨きたいと思うのではなく、自分が本当にやりたいと思っている仕事をは何か、そしてそれを達成するには、どのような会社に入るべきかをしっかり検討して、転職先を決めるべきです。どのような会社を選ぶべきか検討する、つまり自分の心を洗い出すのに必要なのが、真の転職の目的であると言えます。だからこそ、転職活動を始める前に、きちんと転職する目的を明確にしなければならないのです。
目的を明確にするうえで意識すべきこと
転職活動を始める前に転職の目的を明確にするためには、自分が仕事において将来、何をしたいかを考えてみましょう。仕事においてどんな自分になりたいか、どんな仕事にやりがいを感じていたいかを頭に思い浮かべてください。そして、それを言語化して、自分が将来仕事でやりたいことを明確にすることを意識してください。
「今の職場では自分のやりたい仕事ができないから転職しよう」とか「今よりも希望に近い職場を見つけて転職したい」という考えでは、転職活動はうまくいかないでしょう。これらの考え方にないのは、前述した「自分は将来こうなりたい」というビジョンです。漠然と「やりたい仕事」とか「希望に近い職場」を追い求めているだけでは、自分が満足できる職場に出会うことはできないのです。
意識すべきは将来の自分であり、それを達成させるために必要なのが目的です。自分が立っている場所から数km先に、自分が将来なりたい姿、ビジョンがあります。現在地から将来なりたい自分までの道筋こそが自分の仕事人生であり、そこを通っていくことで、将来のなりたい自分になるわけです。
多くの人はその道筋をいっぺんに走っていけるわけではなく、間に小刻みなゴールを作って歩いていきます。その小刻みなゴールこそが目的であり、この目的を一つずつクリアしていくことで、将来なりたい自分に近づいていくのです。言い換えれば、この小刻みなゴールは道標のようなもので、この道標がないと、途端に仕事人生において迷いが生じてしまうのです。
みなさんは「うさぎと亀」というイソップ童話をご存知でしょう。うさぎと亀が「向こうの山の麓」まで競争をします。足の速いうさぎと足の遅い亀の勝負ですから、普通に競争をすれば、楽勝でうさぎが勝つはずです。しかし、結果は油断して眠ってしまったうさぎが敗れて、亀が勝利します。
この童話は「油断大敵」という題名で明治時代の国語の教科書に載せられていたこともあり、私たちは「何事も油断せずに一生懸命してはならない」という教訓として捉えていることが多いです。確かにその教訓は正しいのですが、もう一つ違った見方をすることもできます。
それは、うさぎと亀の視点の違いです。うさぎは常に亀を見ていた、つまり亀ばかり意識していて、ゴールを見てなかったのです。しかし、亀はどんなに自分の歩みが遅くても、ゴールを見据えて着実に歩いていたから、うさぎに勝利できたのです。
これは私たちの人生において大きな教訓になるお話なのではないでしょうか。つまり、人生において何のゴールも見据えることなく、周囲ばかり気にして生きていると、結局、何も会得することなく、年老いていきます。一方、自分の人生のゴールを見つけて、それに向かってひたひたと歩んでいけば、たとえ途中でどんな困難に遭おうとも、前に進んでいくことができ、最終的にはゴールにたどり着くことができます。
転職活動でも同じことで、やれ給料が良いとか、人間関係が良いというような些細なことばかり気にして転職活動をしても、自分が思い描いたような良い会社に就職することはできないでしょう。一方で、「自分はこういう仕事をしていきたい」という将来のビジョンを持っていれば、それがゴールとなりますから、それに向かってより適した会社に出会うことができます。
1回で適した会社に出会うことができないかもしれず、2回、3回と転職をすることになるかもしれませんが、ゴールさえきちんと定めて、それに向かってひたすら歩んでいく姿勢を止めなければ、いずれはゴールにたどり着くことができます。ひょっとしたら、そのゴールとなる会社は自分が起業した会社になるかもしれません。いずれにせよ、転職の目的、将来のビジョンを持って転職活動をしていけば、実りの多い仕事人生が始まるでしょう。
転職の目的をしっかりと持っていなかった人の転職活動の例として、製造業で長年品質管理の仕事をしてきたAさんのお話があります。Aさんはコツコツと仕事をしてきて、礼儀正しく、真面目な人なのですが、会社の業績が悪化してきて会社の将来に不安を感じたために、転職エージェントを利用して転職活動を始めました。
エージェントはAさんの誠実で真面目な人柄に大変好感を持ち、Aさんにより良い会社に転職してもらうために、「次の会社でどのような仕事をしていきたいですか?」とか「どんなキャリアを積んでいきたいですか?」というような転職の目的、つまり将来のビジョンについて聞きました。しかし、Aさんからの回答は「今までの品質管理の経験が活かせて年収が維持できるところが良い」というものしか出てこなかったのです。
どれだけ質問をしてもこの回答しか出て来ず、これでは堂々巡りになると思い、質問を止めてAさんに求人を紹介していきました。Aさんは複数の会社に内定が出て、その中でも、前の会社よりも規模は小さいのですが、順調に売上を伸ばしている会社に就職することができました。
しばらくして、転職エージェントは新しい会社で仕事をしているAさんに仕事はどうか尋ねてみると、Aさんはどうも新しい職場を良いと思っていないようなのです。理由を尋ねてみると、Aさんの理由はオフィスが狭いとか、体制が整っていないという、とても些細な理由に不満を持っていたのでした。
Aさんの例から分かるように、Aさんは転職の目的、つまり仕事における将来のビジョンを持っていなかったために、条件に合致した会社に内定が出ても満足することができないのです。オフィスが狭いとか体制が整っていないという些細な理由で不満を並べて転職したことを後悔してしまっては、転職をする意味がありません。転職をして後悔をしないために、「うさぎと亀」の亀のように、ゴールを見据えて動くことが必要なのです。
自分の中で目的を明確にする方法
自分の中で転職する目的を明確にしていくためには、何でも良いので、自分は仕事において今後どうしていきたいかを書き出してみましょう。どんな些細なことでも良いのでまずは紙に書き出していくことで、今までぼんやりと想像することしかできなかった自分の将来のビジョンを言語化していくことができます。
書き出した自分が将来のビジョンに、今度は優先順位をつけていきましょう。転職活動において、全ての希望をクリアしていくのはかなり難しいです。優先順位をつけていって、自分がどのようなことに対して必ず実現していきたいという闘志を持っているか、探っていきましょう。転職活動が無事終わって就職したとしても、その会社で将来のビジョンを全て叶えることは難しいです。しかし、優先順位をつけておけば、順位の高い方から叶えるように努力することができるでしょう。
全て叶わなかった場合は、さらに次の転職先を見つけることになるかもしれませんし、起業するかもしれません。あるいは、優先順位をつけておいたビジョンが仕事をしていくうちに変更されていくかもしれません。ですから。全てを叶えることに集中するのではなくて、優先順位の高いものを叶えることができそうな会社を選べば良く、次の会社でも目標を立てて前へ進み、さらにビジョンを達成しようとすべきなのです。
転職の目的を明確にすべきことで大切なのは、仕事人生においてはもちろん、自分の人生における「真の目的」を明確にすることです。つまり、「自分は何のために生きているのか」ということ、言い換えれば「人生のミッション」を明確にすることが重要です。
自分が何のために生きているのか分からなければ、生きていくことがただの時間の浪費になってしまうでしょう。自分のミッションが分かれば、自ずと仕事で何をすべきか分かるはずで、そのような状態になれば自分の適職が分かりますし、何より転職すべきかどうかさえも問題にならなくなるでしょう。
人生のミッションが分かり、それでも転職を決意したのであれば、もはや人間関係の問題や収入が多いか少ないか、福利厚生が充実しているかなどは二の次になるはずです。逆に言えば、人生のミッションが分かっていないから、人生に迷い、転職に迷ってしまうのです。多くの人が自分のミッションを見つけることができない状態にあります。もし転職をしようと思うのであれば、人生のミッションを見定めて、より良い仕事人生を送るようにしてください。
まとめ
転職をしようと決意したなら、転職する目的を考えましょう。目的をしっかり持たなければ、糸の切れた凧のようにフラフラと転職活動を続ける羽目に陥ります。転職の目的を明確にするには、収入が良いとか、人間関係が良いなどといった条件を考えるのではなく、自分が将来どのような仕事をしていきたいかというビジョンを持つことが大切です。
将来のビジョンは紙に書き出してみると、明確にすることができるのでおすすめです。将来のビジョンは、自分の人生におけるミッションとつながっています。自分の人生におけるミッションが分かれば、どんな状況でもブレなく行動できます。転職の真の目的を明確にしたいなら、自分の人生のミッションも考えてみましょう。
ジールコミュニケーションズでは、新卒・既卒での就職活動、第二新卒、中途で転職活動をはじめ、企業向けの採用支援や学校・キャリアセンター向けのサポート支援を行っております。豊富な実績や手厚いサポートによってお客様に向き合った支援サービスをご提供いたします。
お問い合わせよりお気軽にお悩みや希望をご相談ください。
問い合わせから相談する