[最終更新日]2023年9月27日  [記事公開日]2021年7月30日

第二新卒の年収はどれぐらい?有意義な転職のために事情を把握しよう

厚生労働省が公表した新規学卒就職者の離職状況(卒業後3年以内離職率)の統計結果を見ますと、平成29年度3月(2017年)に高校・大学の卒業した人新規学卒就職者のうち、3年以内で離職した人の割合は次の通りです。

  • 新規高卒就職者は39.5%
  • 新規大卒就職者は32.8%

この結果からしますと、第二新卒になる人の割合は3人に1人以上だと言うことができます。ちなみに、第二新卒者になる確率は、ここ数年やや増加傾向にあります。同じ統計データを参照しますと、平成25年度(2013年)に卒業した大学生は31.9%の離職率でした。ここ数年間は決って離職率が30%を超える状況です。つまり、新規就職をリセットする人が社会全体で増えつつあることが分かります。

この状況は、長期に継続するデフレスパイラルで国内経済は不景気であったこと、年功序列の出世構造が崩壊してきていること、ネットの普及により個人が独立して経済活動を行なうフリーランスのような働き方ができるようになったことが原因かもしれません。昭和の時代のように、卒業後に大手企業などの好条件の職場に就いて、将来の出世を確保するという人生設計が実現しにくくなったことが大きいでしょう。

まだ社会経験のない学生の方にとって、一発勝負で人生の仕事を決定するのはやや無理があるのも仕方のないことでしょう。もし選択が不適切であれば、早い段階で軌道修正しようというのが第二新卒の方々の意見です。社会もその考え方後押しする形で、第二新卒に関しては従来のように評価を下げるなどの対応を控えています。

そういった社会状況ですから、新卒後の3年以内で離職し、新たな就職先を模索することは人生において大きなデメリットとはなりません。ただし、やはり気になるのが第二新卒者の給与待遇・年収ではないでしょうか。この点について、現状を確認しておくのは大事なことです。

第二新卒の平均年収は?前職より下がるのか?

><noscript><img decoding=あくまでも統計上の話ですが、第二新卒の平均年収が300万円前後と言われています。とくに専門性の高い有資格者や、潜在的な能力を評価される場合でない限りは、一般的な高卒・大卒の初任給レベルでの採用がほとんどとなります。月収にしますと、ボーナスや諸手当を差し引いた基本給で20万円前後ということです。

仮に大手企業に入社して3年目で離職したとしましょう。初任給が20万円で年収300万円の新入社員が3年目で2回の昇給を減た場合、年収は330万円~350万円へアップするケースは珍しくありません。しかし第二新卒で転職した先の年収が、再び300万円になってしまう可能性は十分にあります。第二新卒で転職した人の体験談では、年収レベルで20万円や30万円下がったという話が多いのはこのためです。

第二新卒者の転職で年収が下がってしまう利用は大きく2つあります。理由のひとつは、前職とは別の業種・職種に転職することがあります。転職先の職務において、ほぼ未経験者として就職する場合、高卒や大卒の新卒の初任給があてがわれる傾向があります。それまで2年間前後の会社経験があるとはいっても、その部分が評価されるのは期待できません。もちろん、その間に培うスキルは必ずあるはずですが、雇用する会社にしてみれば、また一から社員教育をしなければならないことには変わりません。そのコストも考えて、未経験の転職者の給与は初任給レベルに給与設定される可能性が高いのです。

あるいは、自分が専門として学んできた職種でも、新卒1年目で離職した人は転職先で初任給扱いになるケースが多いでしょう。それは、前職と同じ内容の仕事を担当するとしてもまだ実績1年に満たないのであれば、やはり新人教育の必要があるとする会社は多いことでしょう。そのため、一般の求人では第二新卒の募集水準を、あえて新卒の初任給に合わせているケースが目立ちます。

また、いわゆる年功序列型の給与体系を維持している会社であれば、基本的に会社に勤めた年数で給与レベルを決めるといった方法をとっています。ですから、新卒者でも第二新卒者でも勤務1年目ということで初任給の待遇となるのです。これは中途採用でもあり得ることで、30代の人が転職しても、前職と同じかそれ以上の給与を得るにはプラスα―のスキル・資格が要求されます。スキルや社会実績の点で評価対象に乏しい第二新卒の人は、得てして初任給待遇になることを理解しておきましょう。

第二新卒が転職して年収が上がるケース

第二新卒が転職して年収が上がるケース

第二新卒の転職時の年収がほぼ下がってしまうか、それとも同額程度になると述べましたが、中には年収がアップするケースもあります。では反対に、第二新卒で年収が上がるケースとはどんな場合でしょうか。実際に、第二新卒の転職で年収アップしたケースを確認して見ますと、およそ次の5つの要因が確認できます。

一つ目は、もともと給与レベルの高い業種・職種へ転職するケースです。たとえばベンチャーキャピタルや外資系銀行、保険といった業種ですと、もともとの給与ベースが高いことがありますし、入社数年間で実績に応じた給与アップも望めます。

同じように不動産系や機械メーカーのエンジニア、SEやWebプログラマーやマーケティング分析やコンサルタントなど、専門性の高い業種でも給与は高めになります。そして営業職は初任給の設定が高いケースが目立ちます。ハウスメーカーや自動車販売、金融商品や証券会社の営業は年収アップをメインにするなら狙い目かもしれません。特別に専門知識や営業スキルをもたなくても就職しやすい点もメリットです。ただし、入社後の実績が悪い状態であれば、その後の昇給や報酬アップは難しく、ノルマ達成に追われて苦しい日々を過ごす可能性もあることを知っておいてください。

給与ベースの高い大手企業へ転職して年収アップさせた例もあります。大手企業なら新卒の初任給で採用されたとしても、初任給が高額であるため、結果として年収アップになるのです。もちろん、大手企業への転職は難しいものですが、チャレンジしてみる価値は十分にあります。少子化の現在、人材確保は大手も中小も変わらないことを忘れないでください。

2つ目のケースとしては、転職前の給与がもともと低かった場合があります。新卒で入社した企業の給料が安いので転職を考える人の場合、もともと給料が低すぎるということがあります。それで離職して第二新卒者として転職をするなら、給料アップの可能性は十分にあるでしょう。先にも述べた通り、転職後の平均年収は300万円前後です。それよりも低収入だった人は、転職で給料アップを狙っていきましょう。

ただし、転職時の給料やボーナスの金額だけでは収入面での良し悪しは決められません。将来的な昇給の条件や福利厚生の内容、勤務シフトと副業の可能性、定年の年齢や退職金の有無など、将来を見据えて判断することも大事でしょう。これらの点も年収に併せてチェックするようにおすすめします。

3つ目は転職の面接時の給与交渉です。第二新卒者はスキルや実績の面で訴える部分が小さいことがあって、なかなか転職時で交渉をすることが難しいと考えている人が多いです。ですが、雇用側が求人応募者を査定するのと同じように、求人応募者が会社へ要望を述べることに何も問題がありません。自分の能力や会社への利益となる部分があれば、それを給料交渉の形でアピールすることもできます。もちろん、具体的な情報をもって交渉する必要がありますから、個々は専門の転職コンサルタントなどの力を借りなければなかなか成功しません。実績の高い転職サイトなどのサポートを求めることで成功する例が多々あります。

4つ目は経験者のみの求人に応募することです。第二新卒の方は、1年ないし2年の職務経験を持っています。前職で実際に担当していた仕事経験を活かし、経験者の身の求人を選んで応募することができます。実際にこのケースで高い給与条件を得たケースは珍しくありません。あくまでも一般的な話ですが、この経験者採用枠で転職する場合、前職の年収ベースが保証されることがあります。なお給与交渉が可能で、話し合いをもって決定することもよくあることです。

第二新卒の転職を成功させるための秘訣

第二新卒の転職を成功させるための秘訣

実際に年収アップに成功した例を4つ挙げましたが、実はこれらの成功例を実行することで第二新卒者の年収アップが可能となります。

まず、給与ベースの高い職種や業界へ転職する方法ですが、複数の求人に応募することを前提に、まず一社ぐらいは大手の求人を狙ってみましょう。自分の培ったスキルや自分が持っている能力に関してはなかなか個人での判断が難しい面もありますから、ぜひ実績のある転職エージェントのサポートを受けてください。プロのコンサルならば、本人の魅力やアピールポイントを客観的にピックアップしてくれますし、企業側へ効果的にアピールしてもくれます。そうすれば大企業への転職確率は上がるでしょう。

また、現段階で成長している企業、今成長を始めた企業を見つけて求人に応募する方法もあります。成長産業では、とにかく事業拡大のための人材確保に積極的です。当然ですが提示される給与条件は高めとなるでしょう。そういった求人を適切にとらえ、個人の能力をアピールすることが成功への近道になるでしょう。

それから、直接企業と給与交渉することが肝心です。雇用側は採用において、少しでも給与を押さえておきたいと提示金額が低めに設定しているものです。そこで、転職エージェントのコンサルから給与面などの交渉をしてもらうように依頼することもできます。

ただし、少しでも採用確率を上げて、担当コンサルが交渉しやすい状況を造るため、事前にすべきことがあります。それは離職をする前にできる限り現職での経験・スキルを積見上げておくことです。あるいは離職後でもセミナーや講習などを利用して専門知識やスキルアップを実行することです。できれば、転職で有利になる資格を取得することも交渉を成功させる要因となります。

このような事前準備があれば、もう一つの給与アップの要因である経験者採用枠での転職も成功確率が高まります。前職での経験と学んだスキルを磨き上げることができれば、たとえ1年2年と短期間の経験値でも十分にアピール可能です。また、そういった前向きな姿勢が採用試験でプラス評価になることも知っておいておいてください。

まとめ

そこで最後に、ここで上げた転職後の給与アップ方法を実践するために、繰り返しになりますが実績の高い転職エージェントのサポート受けるようにしましょう。個人のアピールポイントの客観的判断と更なる知識力・スキルアップのための学習サポート、そして転職先の候補探しに、売り込みまでトータルでのサポートが得られますので、その利用メリットはとても大きいと言えるでしょう。

今後の少子高齢化社会では、第二新卒者のニーズはより高まる可能性があります。近年ではAI・ロボット化が進んで職場数が減少する傾向にありますが、国内ではこの数十年間は圧倒的な人材不足の現状があります。とくに若い世代の働き手を確保するために、どの企業も積極的に動いていますから、給与面でも条件の良い転職を狙ってみるようにおすすめします。

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