[最終更新日]2023年9月27日 [記事公開日]2021年7月29日
【既卒1年目の就職事情】厳しさや就活の流れ・対策法教えます
新卒時に入社先を決められず、既卒として就職活動に挑もうとしていますよね。大学側からのサポートはなくなり、共に就活を行った仲間もいなくなったということで不安は大きいでしょう。
とくに”既卒1年目”ともなれば、余計にその不安は大きなものとなると思います。それに既卒1年目は社会人経験も武器となるスキルもありませんから、厳しいものになることも予想されるでしょう。
では実際、既卒1年目の就職事情はどのようになっているのでしょうか。
今回のコラムではそんな既卒1年目の就職事情や厳しさについて解説していきます。
既卒とは?
既卒とは、高校や大学、そして専門学校などの教育機関を卒業後、何らかの理由により一度も正社員として就職したことがない方のことを指す言葉です。既卒として扱われる期間については特にこれと言った定義はなく、曖昧になっていますが、一般的な考え方では、上記のような教育機関を卒業後1年から3年以内の方を示すことが多いようです。
既卒とよく混同される言葉に、第二新卒というものがあります。第二新卒とは、教育機関を卒業後に正社員として就職し、社会人経験1年から3年の間に転職活動を行う方を示す言葉です。卒業後1年から3年という期間は共通していますが、既卒と第二新卒の大きな違いは、正社員としての社会人経験があるのかないのかということになります。卒業後、正社員としては働いていないが、派遣社員やアルバイトをしている方の扱いについて悩んでしまう方もいますが、派遣社員もアルバイトも正社員ではないため、卒業後1年から3年の間であれば、既卒として扱われます。
既卒になってしまう理由の多くは、就職活動が上手く行かなかった場合や就職活動事態に意欲的でなかった場合が多く、稀に留学などで通常の卒業時期とは異なる時期に卒業し、新卒の称号を逃したという方もいます。
既卒1年目の就職事情と厳しさ
現在、生産年齢人口の低下に伴い、多くの企業が若手の人材確保について頭を悩ませています。そういった時代背景もあり、既卒の内定率にも変化が現れてきました。現代社会において、多くの企業は既卒を新卒と同様に扱う取り組みをしており、既卒は新卒枠と中途採用枠の両方で応募できるようになっています。そのため、既卒の就職活動は、システム的には昔に比べて難易度が下がったと言えるでしょう。しかし、いくら制度が時代に追いついたとしても、採用を決めるのは人間である採用担当者です。採用担当の既卒に対する認識によっては、既卒の就職活動の難度は一気に跳ね上がると言っても過言ではありません。
なぜ既卒の就職活動が厳しいと言われるのかというと、それは社会が抱く既卒に対する認識やイメージの影響が大きく関わっているからです。そのため、既卒の就職活動の実情を把握するためには、社会が既卒に抱く認識やイメージを把握するのが一番の近道となります。
社会が抱く既卒に対する一般的なイメージに、新卒時の就職活動に関する問題があります。前述の通り、既卒になってしまう多くの理由は、新卒時の就活が上手く行かなかった場合が大多数を占めます。そのため、多くの企業が既卒は新卒時の就職活動に何らかの問題があったのではないかと疑いの視線を向けてしまうのです。たとえ、就職活動の失敗以外の理由があったとしても、それをきちんと説明する機会(履歴書の経歴や面接など)がない限りは、そういった認識で自身が見られていると思ってよいでしょう。
また、就職に対する意欲も問われます。既卒になってしまう人の中には様々な事情が存在しますから、全員が全員、就活に意欲的じゃなかったから既卒になったわけではないことも理解はされています。しかし、多くの企業は既卒者に対して、仕事への意欲が低いのではないかという懸念を抱えているのが現状です。
なぜならば、それは新卒=フレッシュでやる気に満ち溢れている、という認識が未だに払拭されていないからです。即戦力として活躍している中途採用が多数いる中で、このような考え方はまさに時代錯誤と言えます。しかし、「新卒」というワードの持つブランド力は未だ衰えておらず、その有効な肩書を無駄にしてしまった人たちに対する認識は、かなり冷たいものになってしまっているのが実情です。
このように、既卒に関する認識やイメージはなかなか厳しいものが多く、既卒者の就活の難度が高いと言われるのもうなずけるかと思います。このような厳しい状況の中、既卒者がスムーズに就活を行うためにはスピード感が大切です。ここでいうスピードとは、既卒になってから就活を始めるまでの期間のことを指します。まずは以下の体験談を見ていきましょう。
既卒1年目にして就職活動をした人の体験談では、何故新卒の時に就職しなかったのかなどの質問は必ず聞かれるようですが、空白期間が半年以上あったとしても、特にそこに触れられることはないという話がほとんどです。これらのことからわかるように既卒の中でも、既卒1年目は空白の時間が少ないため、そういった追求への受け答えのハードルが下がることがわかります。ただし、重要なことは「何故新卒で就職しなかったのか」という質問にきちんと答えられるかどうかです。
この質問にきちんと答えられるのは、新卒時の就活を真面目にやってきた人だけです。実際、面倒くさくて就活をさぼってしまった人が上記の質問がネックとなり中々上手く就活が進まなかったということも少なくありません。
既卒1年目の就職のやり方と流れ
前の項目で説明した通り、既卒の就活はスピードが生命です。それは既卒1年目においても言えることで、早く始めれば始めるほど、同じ既卒1年目の中でも有利に就活を進めることができます。できるだけ早い時期にまとまった時間を作り、就活に専念できるように準備しましょう。個人差はありますが、最短でも2ヶ月から3ヶ月は見込んでおくと安心です。
時間の確保ができたら、次は求人探しです。各企業が出している求人には、一般的に2つの採用枠があります。1つ目は新卒採用枠で、文字通り、新卒の人のための採用枠となります。2つ目は中途採用枠です。こちらは第二新卒やその他の年代の一般的な転職を考えている方の採用枠となります。既卒の方は新卒ではないため、中途採用枠のみでの応募になると思われがちですが、既卒も新卒として扱うという動きが多くの企業で見られるため、既卒も新卒採用枠で応募することができるケースも近年では増えてきています。
つまり、既卒1年目で就活を始めた場合、新卒採用枠で1年年下の新卒と戦うか、中途採用枠で社会人経験のある第二新卒やその他の転職希望の人材と戦うかを選ぶ必要があるということです。どちらで応募しても基本的な流れは同じですが、選択肢が多いと、逆にどちらを選んでよいのか迷ってしまう方はたくさんいます。そんな時は、まずは既卒の強みについて考えてみましょう。
既卒の強みは「どの会社にも所属したことのないフレッシュさ」です。特に、既卒1年目はその強みを最も利用しやすいタイミングです。しかし、既卒のイメージから考えると、真のフレッシュさでは、新卒に対して圧倒的に負けてしまいます。そのため、数少ない強みをしっかりと活かすためには、中途採用枠での応募のほうが、既卒1年目という、まだまだ擦れていないフレッシュさをアピールすることができるのではないでしょうか。もちろん新卒採用枠にも、求人の種類や数が豊富というメリットがあります。しかし、新卒の就活開始時期まで待たなければならないため、就活を始めた時期や自分がやりたい仕事なども考慮して、臨機応変に選択するのが良いでしょう。
気になる求人を見つけたら、エントリーを行います。選考の方法は各企業によって異なるため、しっかりと確認を行うことがポイントです。基本的には、履歴書などのエントリーシートを提出した後、面接や試験・テストなどが行われるのが一般的です。エントリーした時点で必ず行わなければならないのが、企業研究です。
多くの方は労働時間や福利厚生などには注目しますが、自身が応募した企業がどんな会社であるのか、理念や方針はどのようなものかに関しては、あまり意識していないというのが現状です。しかし、就活を成功させるためには、きちんと自身が応募した企業のあり方を把握することが必要不可欠です。なぜならば、履歴書や面接の際に必ず聞かれる「志望動機」という質問に対して、より具体的な応答ができるようになるからです。
面接では、いかに自分の想いを具体的に相手に伝えることができるかがポイントとなります。志望動機はほぼ100%の確率で聞かれる質問であるため、きちんと対策をして自分をアピールするようにしましょう。他にも、企業について理解していなければ答えられない質問をされる場合もあります。それらの質問にもきちんと答えられるように、企業研究は入念に行うようにしましょう。
企業研究と並行して行わなければならないのが、自己分析です。こちらも履歴書の作成や面接の対策として役立ちます。自己分析とは、自身がどういった人間であるのかを、他者と比較することなく、自分を自分自身で見つめ直すことです。そうすることで、自身の強みや弱み、本当にやりたいことなどを把握することができます。きちんと自分で自分を理解していないと、面接時などできちんと受け答えをすることは難しいでしょう。特に予想していなかった質問への受け答えは、この自己分析をしているかしていないかによって、結果が大きく異なってきます。万全の態勢で望むためにも、自己分析も必ず行うようにしましょう。
既卒1年目の就職を成功させる方法
既卒1年目の方が就活を成功させるポイントは、既卒であることをいかにポジティブな印象にするかです。前述の通り、企業側は既卒の方に対してマイナスなイメージを持っている場合が多く、それをどう覆すことができるかによって、採用確率が左右されます。
既卒になった理由が留学の場合は、それを説明するだけで比較的簡単にプラスのイメージへ転換することができますが、難しいのは就活を失敗した結果、既卒になってしまった場合です。その場合、ただ「就活に失敗しました」と相手に伝えてしまうと、どの企業にも選ばれなかった要注意人物として認識されてしまうこともあります。
それを避けるためにも、なぜ失敗したのかをきちんと分析し、その反省点や改善点、そして失敗から学べたことなどを併せて話すと、プラスの印象に持っていきやすくなります。ここで重要なのは、嘘をついたり、見栄を張ったりしないことです。既卒1年目の売りは、素直なフレッシュさです。そういったアピールポイントを無駄にしないように、自身の未熟さを認めた上で、やる気をアピールするようにしましょう。
ギャップという言葉があるように、相手がマイナスイメージを持っていればいるほど、上手くそのマイナスを転換できれば、大きなプラスの印象を得ることができます。既卒1年目は特にそういったアピールがしやすいタイミングですので、既卒というマイナスイメージを払拭できるようなエピソードを必ず1つは用意しておくようにしましょう。
また、就活をスムーズに進めるためにも、各種就活支援サービスを利用するのもおすすめです。就活支援サービスには、求人数の多さ、面接対策の充実、ビジネスマナー研修の有無など、それぞれ特徴があるため、自身の弱点や性格に合わせて選択すると良いでしょう。もちろん1つのサービスだけでなく、複数のサービスを併用してみることも大切です。そうすることで、より多くの情報を集めることができ、自身の弱点を補いながら就活を進めることができるようになります。
まとめ
既卒の方の就職活動は、新卒や第二新卒の方に比べると厳しいと言うのが現実です。しかし、アピールの仕方によっては、その不利な立場から逆転することもできますので、前向きに対策を進めていくことが大切です。
既卒の就活はスピードが生命です。既卒1年目は一番チャンスを掴み取る確率が高い、いわば正念場です。時間は皆、平等に流れていくため、タイミングを逃すと、自分の人生に大きな影響を与えてしまいます。ここぞという時に踏ん張れる方が、困難な状況を切り抜けて明るい未来を掴み取ることができるのです。既卒1年目で就活をするかしないかで迷っている方はぜひ、今この時からから活動を始めてください。まずは一歩踏み出すということが何よりも大切なのです。
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