[最終更新日]2023年9月29日  [記事公開日]2021年7月27日

20代で転職回数が多いけど企業からの印象はどうなの?平均値から見る転職事情

20代だけど転職活動が多い人は、20代という若さから「長続きしない人」「飽きっぽい人」などというイメージを抱かれているんじゃないかと不安を感じていることだと思います。

実際、理由はどうであれ回数の多さに良い印象を抱かない面接官もいるでしょうし、その結果厳しい転職となる場合もあります。

しかしだからといって転職が絶対にうまくいかないというわけではありません!やり方さえ間違えなければ回数の多さなど障害にならないのです。

今回のコラムではそんな20代で転職回数が多い人のための転職対策についてご紹介していきます。回数の多さによる転職への障害や企業側からの印象などについて解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

20代の転職回数の平均値は?

20代の転職回数の平均値は?

転職回数は何回だったら少なくて、何回からが多いと言えるのでしょうか。転職回数が多い人の特徴として挙げられるのは、毎回自己分析や企業分析をほとんどしないまま就職してしまい、結局社内環境に馴染めなかったり仕事が嫌になってしまって転職を繰り返すということです。そんな人に向けて、年代別の転職回数の平均値をまとめました。

まず、20代・30代の転職回数の平均値は、1~2回です。そして、40代では2~3回、50代では4~5回となっています。20代・30代では比較的転職回数は少ないですが、年齢が上がるにつれて社会人経験が長くなるので、徐々に転職回数が多くなっていることが分かります。

つまり、20代では転職回数の平均値である1~2回の転職経験であれば、転職活動中にそこまで問題視されることはないでしょう。しかし、3回を超えると転職経験が多いとみなされる可能性が高くなります。極端な例では、履歴書の職歴欄を見ただけで敬遠されてしまうことも考えられます。また、書類選考は通ったとしても面接での発言には十分に気を付けなければいけません。

20代で転職回数が多い人に企業はどんな印象を抱く?

20代で転職回数が多い人に企業はどんな印象を抱く?

20代で転職回数が平均値よりも多い3回以上の人は、大卒で22歳の時に初めての会社に就職したと考えると、その後1~2年で転職を繰り返している計算となります。ひとつの会社で3年以上勤務している場合、短期離職者にはカウントされません。しかし、1~2年で転職している人は短期離職者とみなされます。この短期離職を繰り返す人のことを、「ジョブホッパー」と呼びます。転職活動時に恐れないといけないのは、会社の人事担当者に「この人はジョブホッパーではないか」と疑われることです。

仕事をする上で大切なのは、「何のために」頑張るのかということです。仕事は「自分のため」「会社のため」「世の中のため」の3つを目的に行います。そのバランスは人それぞれ異なりますが、どれも仕事をする上で欠かせない信念となっているのではないでしょうか。まず、「自分のため」は「生活のため」や「家族のため」とも言い換えられます。まっとうな評価をもとに給与を得て日々の生活をしていくことは、仕事の根本的な部分だと言えるでしょう。

次に、「会社のため」は「チームに貢献したい」「部署の存在価値を高めたい」「お世話になっている上司のために一肌脱ぎたい」とも言い換えられます。自分のためよりも会社のためのほうが頑張る力が湧いてくるという方は多いのではないでしょうか。最後に、「世の中のため」は「仕事を通じて社会貢献できるか」ということです。どんな仕事でもお客様の喜ぶ顔を見たくて行っているはずです。

ジョブホッパーの特徴は、これらの何のために働くのかという意識が薄いことです。とくに2番目の「会社のために」という気持ちはほとんどなく、「仕事でミスして上司と気まずい」というようなちょっとした気持ちの変化ですぐに辞めてしまいます。そのため、知識やスキルを身に着けようとさまざまな経験をする前に辞めることとなり、結果的には何も身に着いていない状況になるのです。

転職回数が1~2回であれば、会社の人事担当者の印象はそこまで悪くありません。問題なく書類選考が進み、面接ではどのような経緯で転職したのかを質問されるでしょう。ただ、平均回数だからと言って転職した理由を以前勤めていた会社のせいにするなど不誠実な発言をすると、採用には程遠くなってしまいます。

転職回数が3~4回になると、会社の人事担当者に「もしかするとジョブホッパーではないか」と疑われます。つまり、「もし採用したとしても、またすぐに辞めてしまうのではないか」ということを懸念されるのです。しかし、面接まで漕ぎつけられたなら、そこでの発言次第では採用してもらえる可能性があります。

転職回数が5回以上になると、人事担当者に「ジョブホッパーに違いない」と確信されます。職歴を見た時点で、積極的に採用したくない人物だと認定されてしまうでしょう。「それなら履歴書の職歴をごまかせばいい」と考える人がいるかもしれません。しかし、経歴詐称は転職活動において絶対にやってはいけないことです。

下手にごまかして辻褄が合わなかったり、採用された後に発覚すると人間性まで疑われてしまいます。嘘を付いたらいつかはバレる日がくるので、職歴は最初から正直に書いておきましょう。転職回数が5回以上の人は、転職活動で苦労すると思います。しかし、これまでのことを振り返って「今度こそは!」と気持ちを新たにして粘り強く取り組みましょう。

20代で転職回数が多い人が転職を成功させるコツ

20代で転職回数が多い人が転職を成功させるコツ

20代で転職回数が多い人は、書類選考の時点で不利になってしまいます。しかし、不利な転職であっても成功できる人がいます。成功した人は何をしたのでしょうか。そのコツは、「事前の対策をいかに立てていたか」に集約されます。事前の対策で何をするかというと、「自己分析を行う」「企業分析を行う」「これからのキャリアプランを立てる」の3つです。

「今さらそれをやるの?」と思われた人もいるかもしれません。しかし、転職回数が多い人は自己分析や企業分析がおろそかになっていたからこそ、自分に合う会社を見つけられずに転職を繰り返していたのではないでしょうか。「今度こそは長く勤めたい」と気持ちを新たにするなら、再度自己分析や企業分析を徹底的に行い、これからのキャリアプランを立ててみましょう。

自己分析をする際には、まず「転職して何を実現したいのか」を考えます。たとえば、「収入を増やしたい」と考えるなら、その理由や具体的な目標金額、転職後いつまでに実現したいのかを具体的に書き出しましょう。「営業の仕事をしたい」と考えるなら、なぜ営業がしたいのか、どんな商品の営業をしたいのか、営業の仕事に自分の何を活かせると思うのかを詳しく書き出しましょう。

次に、自分の性格について分析します。長所や短所だけでなく物事の捉え方の傾向を把握します。自分自身の物事の捉え方というのは、なかなかつかみにくいものです。そこで、主観的なのか客観的なのか、論理的なのか感覚的なのか、チャレンジ派なのか慎重派なのかなど、二者択一にすることで自分自身のことをより知ることができます。

ここで、自己分析で得られた自分の願望や傾向を活かせるような業種や会社を探しましょう。20代で転職を繰り返してきた人は、それまでの職歴を活かすというよりは自分自身によりふさわしい業種や会社を見つけることが優先されます。なぜなら、これまで自己分析や企業分析をおろそかにした結果が複数の転職経験に繋がっていると考えられるからです。

よく考えずに少し職務経験があるからと言って前回と似たような業種の会社に再び転職したところで、また転職したいと考える可能性が高くなってしまいます。まだ20代なのですから、今までとはまったく違う業種にチャレンジすることも可能です。「この仕事で世の中をよくしたい」「この仕事と関わりながら自分自身を磨いていきたい」と思えるような仕事を見つけましょう。

それができたら、自分がしたいと思える仕事をピックアップした後に会社について調べて企業分析を行います。内情をよく知るには、その会社に勤めている人の話を聞くのが一番ですが、なかなかツテがないこともあるでしょう。そんな時は転職サイトや転職エージェントに登録すると、担当者が教えてくれます。一人で転職活動していても得られる情報には限りがあります。転職サイトや転職エージェントなら、こちらの希望に合わせて思いがけない情報を提供してくれることも多いので、利用しながら進めることをおすすめします。

いくつか候補が残ると思います。そこで、キャリアプランを立ててみましょう。入社して何年後にはどんな仕事をしたいか、どのようなポジションまで上り詰めたいか、どれくらいの収入を目指すのかを具体的に考えます。その会社でどのようにステップアップしていけるのか分からない場合も多いと思います。転職サイトや転職エージェントから提供された情報をもとに考えるのもいいですし、面接の際に質問するとその会社で働くイメージを強く思い描いていることを伝えられます。

「転職理由」の答え方もマスターしよう

「転職理由」の答え方もマスターしよう

20代で転職回数が多い人が面接の場で必ず聞かれることは、「何度も転職しているのはどういった理由があるのですか?」という質問です。これについてどう答えたら、人事担当者に「この人材を採用しよう」と思ってもらえるのでしょうか。

良くない例は2つあります。まず、「今まで勤めた会社の人間関係が良くなかったから」という答えです。「上司とのソリが合わなかった」「周囲に口うるさい人がいて馴染めなかった」というのも同じです。これまで勤めた複数の会社すべてで良好な人間関係を築けなかったということはコミュニケーション能力が乏しく、新しい転職先においても同じ結果になるのではないかと人事担当者に思われてしまいます。

次に、「今まで勤めた会社は経営体質の古さを感じたから」という答えもよくありません。「体育会系のノリが合わなかった」「社長の一存で方針が決まっていくのが嫌だった」というのも同じです。転職した理由を会社のせいにしている時点で、人事担当者に協調性や行動力がないと見なされてしまいます。

そこで、おすすめしたいのは悪口めいたネガティブな答え方ではなく、ポジティブな答え方をすることです。これまでの経験を振り返って何が足りなかったのかを反省し、これからどうしていきたいのかを伝えましょう。また、「今度こそ長く勤めてその会社に貢献したい」という気持ちを伝えられると、人事担当者の印象は劇的に良くなります。

3回転職した人の受け答えの一例としては、次の通りです。

「私には3回の転職経験があります。まず、営業の仕事内容をよく理解しないまま初めての会社に入社し、成果を上げられず辞めました。2社目に転職する際には、会社が変われば営業できるのではないかと甘く考えていましたが、結果的にまた成果を上げられず辞めてしまいました。3社目も同様です。環境が変われば自分も変われるのではないかと期待する前に、自分に本当に合う仕事は何かということを考えるべきだったと反省しています。

今度就職する会社では長く勤めたいという思いをもとに自己分析と企業分析をしたところ、昔からコツコツ勉強することが得意だったことを思い出しました。また、パソコンでの作業が好きなのでSEが向いているのではないか考えました。採用していただけたら少しでも早く御社に貢献できるように、現在は転職活動のかたわらプログラミング言語の勉強をしているところです。」

このように正直にそれまでの転職理由を述べた上で、今回の転職における「本気度」を伝えることが大切です。本気度の根拠となる現在の取り組みや資格取得状況を伝えられたら、より人事担当者に好印象を与えることができます。

まとめ

20代の転職回数の平均値は1~2回です。そのため、3回を超えると短期離職を繰り返すジョブホッパーの可能性が疑われます。

転職回数が多い人は転職活動が不利ですが、事前に対策を立てれば成功を掴めます。転職して何を実現したいのかや自分自身の傾向を把握するための自己分析、したい仕事ができる会社のことを知るための企業分析、ピックアップした会社でどのようにステップアップできるのかキャリアプランを立ててみましょう。

転職の際の面接の場では、必ず転職理由を聞かれます。それまで勤めた会社の悪口めいたネガティブな答えは禁物で、これまでの反省を活かしてポジティブに答えましょう。その上で、今回の転職における本気度が伝わるようにその仕事に活かせる現在の取り組みや資格取得状況を伝えられると、人事担当者に「この人材を採用しよう」と思ってもらえる可能性が高くなります。あなたの転職が成功することを願っています。

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