[最終更新日]2023年9月29日 [記事公開日]2021年6月30日
【例文あり】正社員転職希望者が面接で「なぜ正社員になりたいのか」の答え方
「なぜ正社員になりたいのか?」
フリーターや無職にとって答えにくい質問の1つですよね。正直なところ「正社員になりたいから」という理由が最も大きいでしょうが、それを素直に伝えるわけにはいかないです。
ではどのように答えることが転職面接において正解なのでしょうか。
今回このコラムではそんな転職面接における「なぜ正社員になりたいのか」を上手に答える方法についてご紹介していきます。答えにくい質問をしっかりと答え、内定獲得を狙いましょう!
目次
転職面接で「なぜ正社員になりたいのか」を聞く意図
業種を問わずに聞かれるであろうクリティカルな質問が「なぜ正社員になりたいのか」というものです。これからの時代、椅子取りゲームになるであろう正社員の座を巡って多くの人たちが応募する中、面接官の意図をくみ、この質問に的確に答える必要があるでしょう。雇用の立場が不安定で、何か問題が起これば真っ先に解雇されるであろう契約社員や派遣社員の地位から脱却し、より安定したポジションで働きたいという応募者の気持ちは、会社側も重々承知しています。
それでも、あえてこの質問を面接で確認する意図とはなんでしょうか。その答えは、面接官が最も重視する採用基準の一つが志望動機であるということです。当たり前のことですが、会社は応募者の生活を安定的に保障するために存在しているわけではありません。広義の意味で言えば、あながち間違ってもいないのですが、本音と現実の部分では、会社が利益を上げられ、未来永劫存続する可能性を高めてくれるであろう人材を採用するのです。
面接官は、この「なぜ正社員になりたいのか」という質問に対して、自らの事情や心情を理由に回答する応募者よりも、会社のために自分はこのように貢献できますと、前向きの志望動機を語ってくれるかどうかを試していると言っても過言ではないでしょう。
転職面接で「なぜ正社員になりたいのか」を上手に答えるコツ
では実際に「なぜ正社員になりたいのか」と聞かれた場合に、どのように答えればよいのでしょう。基本的には、面接官の意図に沿った面接をクリアできる可能性の高い回答と、やってはいけない回答の両方を知ることから始めるべきでしょう。その両方を理解することは、面接の準備を行う際のコツのようなものです。
では、まず求められている回答については、一言で表すならば面接官から「ぜひ当社で働いてほしい」と思わせるポジティブな回答です。つまり、「採用した場合に、会社にとってどのようなメリットがあるか」という、面接官が持っている唯一の興味に合致し、それを具体的にイメージさせられる回答であるということです。正社員として採用する会社側は、それなりの待遇を持って迎える代わりに、会社の抱いている期待以上に成果をあげる責任を持ってほしいと考えています。
期待値で言えば、契約社員や派遣社員を採用する時と比較して、数倍は大きく見積もっているわけです。前職が正社員であれば、正社員から正社員への転職ですので比較的受け入れられやすい面はあるでしょう。しかし、契約社員や派遣社員、またはフリーターから正社員のポジションへ転職を希望する場合は、より大きな志望動機を伝える必要があるでしょう。
やる気や熱意を感じさせられるか、資格や経歴などから具体的にどのように会社の利益に貢献できるかをイメージさせられるか、また自分自身の伸びしろを明示しながら、将来性を感じてもらえるよう、しっかりと回答できることが望ましいでしょう。つまり、自分の能力と経験をもって会社に最大限に貢献するために、長期的な視野とともに主体的に働きたいという志望動機こそが、良い回答となり得るのです。
では、反対に面接で話してはならない志望動機はどのようなものでしょう。それは、自分の都合ばかりを強く主張し、会社がその応募者を採用するメリットを一切抱けないどころか、会社の重荷になるのではないかと危惧を抱かせる回答に尽きます。避けるべきキーワードは「安定した暮らしがしたいから」です。応募者の中には、配偶者も子供もいる人も多いでしょう。
しかし、「家族を養うために正社員として働きたいです」という回答は、会社側には何のメリットもないどころか、本人プラスその家族の扶養という、給料を支払う立場の重荷ばかりが浮き上がります。会社の業績に関心を持ち、主体的に問題や課題を洗い出し、短期的または長期的に問題を解決するといった、会社への貢献について何も語っていないのですから当然の結果でしょう。
全く同じ理由で、「コロナ禍の中で、将来に不安を抱いているので、正社員という安定した立場で働きたいです」や「派遣社員ではもらえないボーナスをもらいたいので、正社員のポジションに応募しました」、さらには「社会的な地位が高まるので、正社員として働きたいです」などの理由は、全て応募者の勝手な都合であり、正直な心情とは言え、会社には全く関係ないことです。
さらには、契約社員や派遣社員、フリーターの独身男性から「今のままでは結婚相手が探せないため、正社員になりたいです」などと面接の場で言われた面接官がいたとしたら、その費やした時間と労力に同情するしかありません。安定のために正社員になりたいことなど、面接官でなくとも分かります。この面接の場で正式に確認したい志望動機は、そうした個人の希望や心情ではなく、あくまでも正社員としての地位を使って、どのように主体的に会社に貢献してくれるのかというビジョンについてなのです。
【例文】「なぜ正社員になりたいのか」の回答例
実際に「なぜ正社員になりたいのか」と聞かれた時の模範解答例を紹介しましょう。
「前職は希望していた正社員としてではなく、不本意ではありましたが契約社員として働いておりました。正社員として働く機会を得られなかった自分自身の努力の足りなさを反省しつつ、可能な限りの最大限の努力とやる気で会社に貢献したい気持ちが強かったのですが、残念ながら前職における立場では責任のある仕事は任せられず、単純な作業ばかりの毎日の中、給与面を含むキャリアの将来性に希望を持つこともかないませんでした。
そこで、このままくすぶっているくらいであれば、より責任のある正社員というポジションに再度挑戦し、自分のこれまでの経験とスキルを長期的な視野で、より主体的に会社の利益に貢献したいと思うようになりました。契約社員という立場だったとはいえ、毎日誰よりも真剣に業務に取り組んでいたため、この分野でのスキルと経験は正社員以上に培ってきた自負がありました。この度、御社の求人を拝見し、この私が培ってきた経験を生かせる「その時」がようやく訪れたと感じた次第です。」
このように、自分のこれまでの経歴に反省も加え、前職の経験を通してどのようなスキルを身に付け、それをどのように応募した企業への貢献として生かしていきたいのかを盛り込む必要があります。この例では職種を限定していませんので抽象的な表現ですが、実際にはより具体的な業務の内容や経験をアピールしながら回答すべきでしょう。
「なぜ正社員になりたいのか」を答える際の注意点
ここまで考察してきたように、面接にて「なぜ正社員になりたいのか」を回答する場合に注意すべき点をまとめると、大きく3つの観点に分けられるでしょう。
一つ目は、独りよがりにならないことです。会社はあなたの人生を安定させるために正社員のポジションを与えるわけではないという事実を忘れないことです。面接中に一瞬でも気を抜いてしまうと、この最も重要なポイントを逸脱して、自分の心情に走った回答をしかねません。安定を得たいという気持ちが強すぎるため、間違った方向でアピールしがちになるということです。
また、企業にとって最も得難い人材はチームプレイヤーであり、最も避けたい人物は、チームの輪を乱す雰囲気を醸し出す人です。独りよがりに自分のことばかりを話す人は、チームのために献身的に貢献できないと判断されます。さらには、同僚に対する態度に元気がなければ、チームの士気を低下させるデメリットも持ち合わせますので、声の大きさはどうか、ハキハキと明るく話せるかという、コミュニケーションの基本の部分も、面接官は意外と重要なポイントとして観察しているものです。自分がいかにチームに溶け込めるコミュニケーション能力を有しているかをしっかりとアピールしましょう。
二つ目の注意点は、一人で思い悩まずに、転職活動のプロである転職エージェントの協力を仰ぎましょう。自分一人で作業をすると、どうしても全てが主観的になり、企業のニーズというものに沿わない受け答えしかできなくなってしまいます。転職エージェントは安定を渇望する応募者の心情も熟知していますので、面接でどのような回答を行うべきかについても、真摯にアドバイスをしてくれるはずです。自分一人では自信を持って回答できる想定問答を作れないのであれば、迷わずに転職エージェントと契約して、模擬面接などによる対策を練るべきでしょう。
転職エージェントが転職先の候補を探してくれるだけだと勘違いしているのであれば、一度しっかりと話しを聞きに行くことをお勧めします。その結果、他にも応募者の面接を総合的にサポートしてくれるサービスが数多くあることに気が付くはずです。例えば、履歴書の書き方一つ取っても、プロの意見を反映させることによって、他の応募者との差別化を図ることが可能になります。
またエージェントは、クライアントである企業からどういうスキルと経験を持った人材を紹介してほしいかについて、徹底的にヒアリングしています。その情報を元に、履歴書で強調すべきスキルや経歴の書き方をアドバイスしてくれます。自分一人でその作業を何回繰り返しても、ただ不必要な情報を修正するだけの不毛な作業になりがちなので、やはり企業情報に精通した第三者の意見を取り入れることをお勧めします。
そして三つ目の注意点として、企業側が求めている確固たる志望動機を作り上げましょう。たとえ、志望動機が安定した収入のためだけだったとしたら、そこで開き直らずに、もう一度自分自身の深層心理にアクセスして、誰の言葉でもない、自分の内側から湧き出てくる正社員として就職したい動機を明確にする必要があります。
ここの主張があいまいであったり、どこかから拾ってきたような例文をそのまま書いて覚えたような棒読みだったりすると、人事のプロである面接官にはあっさりと見破られてしまい、面接という面接にことごとく不合格になる結果しかあり得ません。しっかりと自分の言葉で自信を持って語れるよう、何度も練習することも大切なことですが、ここをおざなりにしてしまう応募者が多いのではないでしょうか。
下書きした用紙を一度や二度黙読するだけで準備をした気になっているとしたら、それは甘いと言わざるを得ません。さまざまなスキルや経験を従えた競合の応募者が数多くいる中で、誰よりも響く志望動機を作れるかどうかは大きなカギとなるでしょう。
まとめ
「なぜ正社員になりたいのか」という質問は、転職活動の面接においては必須の質問と言ってもよいでしょう。そして、「自分の生活の安定のため」という回答をした瞬間に、その応募者が面接を通る可能性はほぼゼロに近くなるでしょう。残念ながら企業が求めている回答ではないからです。
そうした一発で不採用が決定してしまうような答えをしてしまうリスクを減らすため、模範解答と絶対にしてはいけない回答の両方を考えるクセをつけましょう。このギャップを理解することによって、回答のあいまいさが薄れ、企業に対してポジティブで必要な回答を的確に行える可能性が高まるはずです。確信に満ちた模範解答を面接で話せれば、説得力が大幅に変わってくるものです。
「なぜ正社員になりたいのか」という回答には、その企業で自分が成し遂げたい、またはチャレンジしてみたいことを主体的に行いたいから正社員になりたいという気持ちを伝えきりましょう。正社員になれば契約社員や派遣社員、フリーターと比較すれば格段に生活が安定することは間違いありません。それだけ待遇面では恵まれているわけですが、企業はその代償として、具体的な会社への貢献も求めてきます。成果へのハードルがより高まることは間違いありません。そのハードルを超えられる回答こそが、その質問への上手な答え方と呼べるでしょう。
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