[最終更新日]2023年9月29日  [記事公開日]2021年6月29日

【異業種への転職を成功させる秘訣】難しい転職の乗り越え方教えます

かつての日本では終身雇用が当たりまえでした。勤続年数が長くなればなるほど給料が上がり、退職金も増えていたために、1回就職したら退職まで勤める方が有利だったからです。

ところが、終身雇用制度は世界において非常に珍しいこと。海外では、良い条件の企業や、やりたい職業が見つかったら転職するのが常識です。異業種への転職も決して珍しいことではありません。

日本でも海外にならって、転職する人が増えつつありますが、まだ転職に対してマイナスのイメージを持っている人も少なくありません。どうすれば、日本の企業の中で異業種への転職を成功させられるのでしょうか。

異業種への転職は難しい?

異業種への転職は難しい?

年齢が高くなるほど、異業種への転職はハードルが高くなっていきます。実際、30~40代の人で異業種への転職に成功する割合は60%以下で、40%以上の人が転職に失敗しています。異業種へ転職する場合、スキルや経験などがないため、ほとんどの場合は即戦力にならないと判断されてしまうからです。

異業種でもさまざまなタイプがありますが、たとえば、酒造メーカーの営業職からシステムエンジニア、保育士から不動産会社の一般事務へ…のように、業種、業界すべてが全く異なる場合は、前職でのスキルや経験があまり役に立たないわけですから、転職には不利かもしれません。

しかし、たとえば化粧品の美容部員から美容クリニックのカウンセラー、住宅メーカーの営業からWeb事業の営業のように、業界は違っても職種が同じあるいは共通点があるケースならばそれほど転職は難しくないかもしれませんので、ミドル世代であっても一概に転職は困難とは言い切れません。

20代、それも20代前半になると企業側はスキルや経験よりも、ポテンシャルを重視する傾向があるため、年齢が上の方よりは断然、異業種への転職がしやすくなります。未経験でも、将来性に企業は期待しています。実際、20代前半の異業種への転職成功率は70%を超えていることから、転職成功の可能性が大きいことが分かります。20代後半でも63%の人が異業種へ転職できています。そのため、異業種へ転職を考えているならば、20代のうちがベターです。

20代であれば未経験でも、企業側は「入社してから仕事や技術を覚えればよい」と考えてくれます。そのため、面接では向上心の高さや伸びしろがあるという、ポテンシャルをアピールすると転職が成功する可能性が高くなるでしょう。

異業種への転職を狙ううえで覚悟すべきこと

異業種への転職を狙ううえで覚悟すべきこと

転職において企業が一番の判断材料とするのは、これまでの実績、スキルです。異業種、異業界からの転職者を採用した場合、企業はその人を育成するために時間と労力を使います。それは新卒者を育てるのとあまり変わりません。同じ労力や時間を使うならば、長く働ける新卒者を取りたいというのが企業側の偽らざる気持ちです。とはいえ、全く不可能というわけではありません。先述したように20代の7割近くは異業種への転職を成功させています。

転職の中でも最も難しいのが、異業種、異業界への転職です。前職での知識やスキルが活かせないため、0からのスタートになりますから、かなり厳しいと覚悟を持って転職に臨みましょう。しかし、企業によっては、知識や経験がない分、かえって使いやすいと判断することもあるため、アピールの方法次第で転職は可能です。異業種への転職は、ハードルが高いため新卒以上に入念な準備が必要です。

もし、準備不足のまま転職活動をしていると、転職が成功する確率は低くなるでしょう。20代で転職する場合、採用する側の企業としては、転職に至った理由を知りたいと思います。採用しても、また数年で辞めてしまったら、仕事を教えた数年間が無駄になるからです。そこで、今の仕事を辞めたい理由を明確にしておきましょう。キャリアアップのために転職したいという人ばかりではありません。

単に「今の仕事(会社)が嫌になったから辞めたい」という人も少なくないはずです。でも、不満の理由がどこにあるか明確に理解していないまま転職活動をするのはおすすめしません。転職したい理由は、休みが少ないことでしょうか、それとも職場の人間関係に問題があるのでしょうか。このような自己分析が必要な理由、それは転職先を選ぶうえで重要だからです。自分の中で優先順位は何かを知ると、企業とのミスマッチを防ぐことができます。先に自己分析をしておくと、面接でスムーズに答えることができます。

採用=ゴールというわけではありません。採用された後が本当の問題です。全く知識も経験もない業種へ飛び込むわけですが、新入社員ではないので、勤務中に教えてもらう時間はそれほど多くはないかもしれません。見て覚えて実践するスタンスの会社もあります。

何度も同じことを先輩に聞くのははばかられます。たとえば、20代前半でアパレル会社から歯科助手へと異業種への転職を成功させた女性は「未経験でしたが、勤務時間や勤務地の条件が良かったので、あまり興味はない分野だったけど条件だけ見て転職しました。未経験で飛び込んだので、専門用語や器具など覚えなければならないことが多く苦労しました。

一度教えてもらったら、あとは先輩の作業を見て実践するスタンスで、患者さんの前で、何度も同じことを質問するのははばかられました。何度もパニックになって、患者さんにも申し訳なくて、かえって物覚えが悪くなったり悪循環でした。事前に転職を希望する職種を調べておくことが大切だったと思います」と、転職した当時のことを振り返っています。

もちろん、勤めてみないと分からないことも多いですが、備えあれば憂いなしということわざもありますから、事前に下調べをしておくと仕事を始めてから苦労するというリスクを減らせるでしょう。

異業種への転職を成功させるための準備と秘訣

異業種への転職を成功させるための準備と秘訣

税理士からファイナンシャルプランナーへ、あるいは電気量販店から電気機器メーカーの営業など異業種でも関連している業種への転職は、前職でのスキルや経験を活かすことができるので比較的容易かもしれません。共通点があるためアピールポイントが多く、異種業への転職もそれほど苦労しないでしょうし、転職後に仕事を覚えるのも、それほど難しくないはずです。問題は、全く違う業種、業界への転職です。異業種への転職を成功させるため、書類選考と面接では次の4つのポイントに気をつけましょう。

ポイント(1)前職との共通点を見出してアピールする

どんなに違う業界、業種であっても何かしらの共通点はあるはずです。さまざまな観点から共通点を考えてみましょう。たとえば営業方法、あるいは組織作り、販売の仕組みなどの観点から客観的に考えてみましょう。

例をあげてアピール方法を説明します。一例として、異業種、異業界の生命保険会社からOA機器を販売している企業へ転職したい場合、このようにアピールできるかもしれません。「全く違う業界ではありますが、有形、無形の商品という違いはあれど、自らの営業力でお客様に商品を提案するという基本は同じであると考えています。前職で培った粘り強さで…」。あるいは医療機器の営業から不動産会社への転職を考えている場合、このように言うことができるかもしれません。

「現在の業界と御社とでは販売しているものは違いますが、提供する商品を通してお客様の生活をより良いものにするという点では似ていると感じています」…などのように、具体的に共通点をアピールするとよいでしょう。共通点は具体的に示すという点に気をつけてアピールしましょう。ただ漠然とした接点では、説得力を持ちません。

ポイント(2)前職での経験を活かす具体的な方法を示す

(1)と似ていますが、自分の過去の実績やスキルが活かせると、より踏み込みんでアピールしましょう。共通点を示すだけで終わっては、採用担当者からは「だからどうした?」と一蹴されてしまう恐れがあるからです。①の共通点をアピールした後、具体的な方法で自分のスキルや経験を役立てられることをアピールしてください。

20代での転職であれば、目立った実績や経験は少ないかもしれませんが、少なくとも数年間、働いた実績はあるわけです。仕事上の経験、スキル、実績などを分かりやすくアピールしましょう。「アピールできるほどの実績はない」「自分は言われたことをしていただけだ」と消極的に考える必要はありません。これまでの職歴や実績に伴ったエピソードを具体的に言葉にして準備してください。実績がなければ、自分の性格や人生経験、あるいはコミュニケーション能力など、持っているスキルをアピールしましょう。

ポイント(3)不足しているスキルを補強する

アピールできるスキルが何もない、と悩んでいるなら、転職活動までにスキルを身に着けてしまえばよいのです。転職することは決めたけど、どんな業種を目指すか決まっていないなら、業種に関係なく役に立つ資格を身に着けましょう。

MOS Specialist(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)にはいろいろな種類がありますが、Excel、Word、PowerPointなどマイクロソフトの製品のスキルを証明する資格です。仕事でExcelやWordを利用する機会は多いので、資格を取っておくと転職に役立つでしょう。パソコンを使ったことがある人なら、テキストを使って独学で学習するだけでも資格取得を十分ねらえます。

グローバル化が進んでいるため英語力が必要な仕事が増えています。TOEICは英語でのコミュニケーション力を評価するための民間資格です。一般的に企業が求めているのは600点以上、外資系企業などは800点以上は求められるはずです。

ビジネスキャリア検定は、知識と実務能力を評価するための資格です。人事、経理、営業など8分野あり、難易度の低い順にBASIC級、3級、2級、1級があります。事務系の仕事なら他にも日商簿記検定、中小企業診断士、社会保険労務士など。医療や福祉関係に転職希望なら医療事務、薬剤師、介護福祉士など。

不動産や建築関係に転職したいなら土地家屋調査士、電気主任技術者、不動産鑑定士など。IT関連の企業に勤めたいならMOSの他、未経験者ならITパスポートなど。エンジニアとしてのスキルを身につけたいならITエンジニアの基礎となる資格のFE(基本情報技術者)やCCNA(シスコ技術者認定資格)など。

その他にも食品衛生責任者やファイナンシャルプランナー、パーソナルスタイリストなどなど、転職に役立つ資格はたくさんあります。資格を取得すると、転職の選択肢が広くなるのでおすすめです。資格には国家資格、公的資格、民間資格の3種類あり、国家資格や公的資格は取得が難しいですが、その分社会的な信用度が高いです。

ポイント(4)転職エージェントを活用する

転職エージェントに登録すれば、非公開求人も閲覧できます。その結果、より多くの企業の中から選べるので選択肢が増えます。また、初めて転職活動を行う20代は、どのように転職活動をすれば良いか分からないと、ためらったり、迷ったりすることが多いので、サポートしてくれる存在があれば心強いはず。

未経験、第二新卒の転職にも対応しており、専門スタッフは情報量が豊富です。履歴書や職務経歴書の書き方、面接対策などもサポートしてくれるので、二人三脚で転職活動に臨めます。

まとめ

異業種への転職は難しいというイメージがありますが、20代ならばそれほど困難ではありません。成功のためには、前職との共通点と経験やスキルを活かせる具体的な点をアピールすること、スキルが不足していることで自信が持てないならば資格を取得するなどスキルを身につける努力をすること、そして、転職エージェントを活用すること、という4つのポイントが欠かせません。よく準備して転職活動に臨めば、異業種、異業界への転職でもきっと成功するはずです。

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