[最終更新日]2023年9月29日  [記事公開日]2021年6月23日

第二新卒と中途採用との違いとは?

“自分って第二新卒?それとも中途採用?”

新卒入社した企業を早々に退職し、転職活動をする上でこのような疑問が生まれることでしょう。

どちらも聞いたことのあるものだと思いますが、明確な違いを知っている人って意外と少ないですよね。では具体的に第二新卒と中途採用とはどのような違いがあるのでしょうか。

今回のコラムではそんな「第二新卒」「中途採用」の違いについて解説していきます。

「第二新卒」「中途採用」の違いとは?

「第二新卒」「中途採用」の違いとは?

就職活動をしているときに「第二新卒」という言葉を耳にしたことはありませんか?「漠然としたイメージは伝わるけれど、具体的にどういう意味なのかは知らない」「新卒との違いがよくわからない」という方も多いようです。求人募集広告に“第二新卒歓迎”と記載する会社もあります。しかし、第二新卒の定義を理解していないと、自分がそれに当てはまるのかそうでないのかが判断できず、チャンスを逃してしまう可能性もあるでしょう。ここで一度、就職における人材の種類について押さえておきましょう。

企業が採用する人材は、新卒と中途採用の2つに分かれています。新卒とは「新規卒業」あるいは「新規卒業者」の略語です。その年に学校を卒業する見込みの学生が在学中に就職活動をし、卒業後に就職することを言います。

中途採用は「中途採用」あるいは「中途採用者」の略語です。学校を卒業後、企業で働いた経験がある社会人のことを言います。したがって、「新卒」以外の人材は総て「中途採用」なのです。では、「第二新卒」はどの範疇に属するのでしょうか?

第二新卒は、中途採用の一種です。新卒としてどこかの企業に入社し、2~3年程度の経験がある20代の若者が1回目の転職をすることを言います。中途採用と第二新卒が区別されているのは、社会人としての経験年数が1~3年程度の短期であることが大きな理由となっています。

第二新卒の年齢は、25歳前後ということになります。ただし、最終学歴や卒業した年齢によって上下しますから、厳密に25歳までと決まっているわけではありません。25歳以上でも、第二新卒として扱う企業もあります。

これに対して、新卒として入社後4年以上のキャリアがある人のことを「中途採用」と言います。主に、従業員が退職するなどして欠員が生じたときや、新規事業の立ち上げなどで新たな人材が必要なときなどに募集されます。しかし、このときに募集する人材は「頭数をそろえるためなら、誰でもいい」というわけではありません。

現場ですぐに通用する経験と知識がある人材が求められます。優れたキャリアがある人や専門的な知識を持つ人など、優秀な人材を求めてヘッドハンティングが行われることもあります。企業は中途採用に対して、入社後すぐに第一線でバリバリ活躍してくれる人材を求めているのです。

第二新卒は学校を企業で働いた経験が3年以内と短期間にとどまっています。このため、即戦力として通用するだけのスキルや知識がまだ充分に育っていないのが現状です。中途採用として望まれる「即戦力」に乏しい人材と言えるでしょう。その反面、経験年数は少ないものの社会人としての経験がありますから、ビジネスマナーなどの基本的なスキルは身についているものと期待されています。第二新卒でありながら敬語が使えない、適切な挨拶ができない…といった人は、採用されにくいと考えましょう。

では、卒業後一度も就職せずに就職活動をしている若者は、どのような範疇にカテゴライズされるのでしょうか。卒業後、一度も就職した経験がないまま1年から3年程度経っている場合は、「既卒」という扱いになります。第二新卒と年齢は変わりませんが、社会人経験がないという点が第二新卒とは異なります。

ただし、第二新卒や既卒に関してははっきりとした定義づけがされていないため、会社によっては既卒であっても第二新卒と同じ扱いをするところもあります。社会人としての経験がないことがマイナスとも言えますが、第二新卒と同レベルと認められる程度のビジネスマナーやコミュニケーション能力があれば、それほど不利にはならないでしょう。

第二新卒と中途採用の活動事情

第二新卒と中途採用の活動事情

第二新卒と中途採用、どちらが就職に有利かは、一概には決められません。採用側が、経験が少なくてもフレッシュな人材を求めているのなら、第二新卒が有利になります。逆に、即戦力となるベテランを求めているなら、第二新卒は不利になります。例として、異業種への転職を希望している第二新卒と、中途採用の転職活動を比較してみましょう。

第二新卒は、新卒とほぼ同じレベルで扱われることが多く、入社後は新卒社員と同様にじっくりと育てていくケースが多くなります。このため、即戦力として成果を上げる必要はありません。その反面、短期間で昇進したり、昇格したりするのは難しいと言えるでしょう。

これに対して、中途採用の場合は、未経験の業種への転職であっても、これまでのキャリアから自社の仕事に生かせる能力があると判断されての採用となります。したがって、企業側は、異業種からの転職であっても以前の会社での経験を生かして働くことを期待しているわけです。

第二新卒に比べて、短期間で知識や技術を身につけ、少しでも早く現場で能力を発揮しなければいけません。これが大きなプレッシャーとなるでしょう。その反面、実力さえ発揮できれば能力が認められやすく、比較的短期間で昇給や昇格が見込めるのがメリットです。

このように、第二新卒と中途採用に対して、企業側が求めるニーズが異なります。それぞれのニーズをきちんと把握して、企業側が求める人材であることをしっかりとアピールすることが大切です。まずは自分は第二新卒に該当するのか、それとも中途採用に該当するのかを見極めてください。入社後3年以内であれば、第二新卒として転職活動をすることになります。

入社後3年~4年以内の場合は、自分が第二新卒なのか、中途採用なのかの見極めが難しいかもしれません。転職先で役立つ資格を持っている、3年程度しか経験はないがその間にみっちりとスキルを磨いたなど、自分のキャリアに自信があるならば、中途採用として転職活動をするのもよいでしょう。

しかし、以前の会社の実績を振り返って、これといったアピールポイントが見つからないのであれば、第二新卒として転職活動をした方が有利と言えます。この辺りの線引きは、会社側が第二新卒についてどのように定義しているかによっても異なります。自分だけの判断では難しい場合もありますから、転職エージェントに相談してみるのも一つの方法です。

転職エージェントは転職のプロですから、会社事の第二新卒の扱いについてもよく理解しています。また、これまでの職歴や経験から、第二新卒として就活をするべきか、中途採用として就活すべきかもアドバイスをくれます。入社後3年を少し過ぎてしまった…という方は、転職エージェントのアドバイスを受けてみてもよいでしょう。

第二新卒・中途採用それぞれの就活対策法

第二新卒・中途採用それぞれの就活対策法

現在、若手の人材を求める会社が増えており、第二新卒の求人は数多くあります。第二新卒の強みは、年齢が若く、体力も気力も充実していること、前の会社の色に染まっていないこと、これからの伸びしろが期待できることです。

しかし、第二新卒には弱みもあります。それは「なぜ、わずか1~3年で辞めてしまったのか?」という点です。石の上にも3年という諺がありますが、短期間で以前の会社を辞めてしまったことに対する評価は厳しいものがあります。

なぜなら、企業側は「採用しても、前職と同じように短期間で辞めてしまうのではないか?」と不安を覚えるからです。人材を採用し、一人前に育てるためにはかなりの費用がかかります。せっかく費用をかけて育てたのにすぐに辞められたのでは、企業側は丸損です。転職活動では「自分はこの会社で長く働く意欲がある」ことをしっかりとアピールすることが大切です。

しかし、口で「この会社に骨を埋めるつもりで頑張ります!」と主張するだけでは信憑性がありません。信憑性を高めるために大切なのが「なぜ前の会社を辞めたのか」と「なぜこの会社に就職したいのか」の2点です。退職理由と志望動機を採用側に納得してもらえないと、「また短期間で辞めるのではないか?」という疑惑を晴らせないことを肝に銘じておきましょう。

退職理由が「ノルマが厳しい」「サービス残業が多い」「希望していない部署に配属された」「給与が低い」「上司が気に食わない」などのネガティブな理由の場合、「不満を感じたら我慢せずにすぐに辞めるかもしれない」と企業側は不安に感じ、採用へとつながらないケースがあります。

ですから、ネガティブな「退職理由」はポジティブな理由に変えて伝えることが大切です。そして、その希望をかなえるためには、この会社への就職が最良であることを「転職理由」として伝えるべきです。

たとえば、ノルマが厳しくて退職したのであれば「顧客とその場だけの関係で終わりにするのではなく、長期間じっくりと信頼関係を築いていきたい」など、ノルマがきつくて辛いという気持ちを別な面にスポットを当てて、前向きな希望に変換して伝えてみましょう。 そして、志望動機では前の会社ではかなえられなかったことを、この会社なら実現できると確信して入社を希望したことを伝えてください。

「新卒で○○株式会社に入社し、2年にわたり営業職に邁進してまいりました。まずはお客様の声にしっかりと耳を傾ける、迅速な対応行うなど、お客様の信頼を得るための基本を徹底して行いました。その一方で、売上至上主義で、不要なオプションの売り込みをノルマとする社風に疑問を感じるようになりました。

会社説明会に出席した折に、営業担当者の方から『お客様第一主義に徹し、不要な提案を一切しない』という営業スタイルを貫いていることをお聞きし、感銘を受けました。今後は基本を忠実に守りながらも、よりお客様のニーズを深掘りし、長く信頼関係が築ける営業を目指したく、貴社を志望させていただきました。」

このように、退職理由と志望動機に齟齬がなく、一貫性があると、説得力が高まります。 では、ある程度キャリアを積んだ中途採用の転職は、どのような点をアピールすればいいのでしょうか。中途採用に求められるのは、即現場で通用する実践力です。

ですから、これまでの職務経歴が最重要ポイントとなります。履歴書や職務経歴書、面接では、自分の長所や能力・実績を客観的にアピールし、それらを会社のためにどのように役立てていくのかを具体的に伝えることが大切です。いくら能力が高くても、それを転職後に生かせないのなら意味はありません。「自己アピール」と「転職後の貢献内容」に齟齬が生じないよう、一貫性を持たせるよう心がけましょう。

また、第二新卒と同様に「転職後は定年退職までずっと働きたい」という意欲を示すことも重要です。さらに「以前の会社と比較して不満を言わない」ことを、さり気なくアピールするのも効果的です。特に、ベテランの人材は仕事の手法を自分なりに確立している人が多く、それらの基礎となっているのが前社で受けた教育です。以前の方法に固執して転職先のやり方を批判するような人材は周囲と強調しにくく、業務効率を落としてしまう危険があります。

前職で身につけた仕事のやり方や考え方などは、相当意識しないとなかなか変えることができません。これを嫌って、第二新卒を募集する企業も多いのです。郷に入れば郷に従えというように、転職後はその会社の社風に染まるという意欲を見せておくと、採用側は安心します。

第二新卒であれ中途採用であれ、大切なのは「前向きな気持ちで一生懸命に貴社のために頑張る、役に立つ人材」であることを伝えることです。これが全ての自己アピールのベースとなります。採用側が求める「会社の役に立つ人材」というニーズに合致しているかを考えながら、履歴書や職務経歴書に書く内容、面接での受け答えの内容を決めていくようにしましょう。

まとめ

フレッシュマンではあるものの、数年の社会経験によって基礎的なビジネスマナーを身につけている第二新卒、転職後すぐに活躍できる頼もしい人材としての中途採用、どちらにも長所と短所があります。長所と短所を把握しながら会社のニーズを的確に理解し、ニーズに合致する人材であることをアピールをすることが大切です。

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