[最終更新日]2023年10月2日 [記事公開日]2021年6月23日
第二新卒は転職活動で有利?有利に進める秘訣と内定獲得方法
新卒で入社し、3年未満の求職者である“第二新卒”。そんな第二新卒ですが、「転職活動で有利」という噂を聞いたことありませんか?
退職後3年未満ということで、社会人歴の短さや武器となるスキルがないことから、一見転職活動は厳しいものになるようにも感じますが、実際のところどうなのでしょうか。
今回のコラムではそんな「第二新卒は転職活動で有利」という噂の真相について解説していきます。
まずは「第二新卒」の定義を知ろう
転職市場において第二新卒という言葉をよく目にします。しかし、第二新卒とは一体いつまでなのかなどの詳しい定義がわからず疑問に感じている人も多いようです。一般的に第二新卒と呼ばれるのは、学校を卒業した後すぐに就職し、かつ就職して3年未満のうちに転職活動を行う人たちです。
この場合の学校とは高校、専門学校、短大、大学、大学院のことを指します。第二新卒を年齢で考えると、例えば高校卒業後すぐに就職した場合では19歳〜21歳くらい、4年生大学を卒業してすぐに就職した場合では23〜25歳くらいと、卒業した学校によって第二新卒の年齢は少々異なってきます。
大学院を卒業した人で卒業時の年齢が20代後半であった場合は、就職して3年以内でも第二新卒として扱ってもらえないケースもありますので注意が必要です。ただし、就職して3年未満というものはあくまでも目安であり、企業によっては第二新卒の年齢の定義を20代にしているところもあります。
この第二新卒の定義として大事なポイントは、学校卒業後に就職して少しでも社会人として働いた経験があるという点です。実は学校を卒業し就職してから3年以内に離職する人の割合は約30%にものぼります。離職の理由として最も多いのは、仕事の内容が合わなかったことや思っていた内容と違う部分があったというものです。
また、職場の人間関係が悪いことや残業・休日出勤が多く労働条件が悪いなども離職の理由となる場合が多くあります。これらの理由により離職を決断した人は、入社して1年未満にその決断を下す傾向にあります。中には入社して何日も経たないうちに離職を決める人もいます。
このように若い世代の人が離職していることや、少子化によりそもそも若者の人口か減少していることなどが影響し、企業側は若い世代の人材不足に陥る可能性があります。そこで若い世代を育成したい企業側は第二新卒の採用を行い、人材不足を解消させようとするのです。転職サイトなどを見てみると、第二新卒を積極的に採用している企業が多いことがわかります。
第二新卒の転職活動は有利なのか?
転職市場において最も需要があると言われているのが中途採用です。中途採用とは、企業などで働いた経験を持つ人材を企業が募集し、採用することです。欠員を補充するために募集・採用を行う場合に企業が欲しい力は中途採用の即戦力であり、同業種の経験がある人材を募集し採用するケースが大半を占めています。特に技術職などの専門職ではこの傾向が強くあります。また、事業の拡大や新規事業立ち上げ計画がある場合などは、自社にはない新しい知識や経験を持つ人材を求めるケースも珍しくはありません。
第二新卒採用も中途採用のうちの一つということもできますが、勤務年数が3年未満と短いことから新卒採用と中途採用の間として位置付けられることが多いようです。そこで浮かんでくる疑問が、転職市場において第二新卒採用と中途採用ではどちらが有利なのかということについてです。結論から言うと、これは採用する企業がどのような人材を求めているかが大きく関係してきます。
まず第二新卒を採用する企業側の大きなメリットとしては、主に3つを挙げることができます。まず1つ目に、社会人として必要な最低限のビジネスマナーを身に付けているという点です。第二新卒は以前働いていた職場で入社時にビジネスマナー研修などを受けている場合が多く、また実務でも電話応対や名刺交換の方法、敬語の使い方などをすでに習得していることがほとんどです。そのため、転職先の企業ではビジネスマナーを一から教える必要はありませんので、すぐに担当する業務に取り掛かることができます。
2つ目のメリットとしては、転職先での不一致が少ない傾向にあるということが挙げられます。第二新卒として転職活動を行う人は、前職での経験を踏まえた上で転職先の業務内容や労働条件を選ぶようになるため、自分が思っていた業務内容や労働条件と違うというような不一致が少なくなります。慎重に業務内容や労働条件について検討した上で応募しているので、採用されて実際に働き出してからもこれらを理由に離職してしまうケースは少なくなると言うことができます。また、比較的若いうちに転職しているので時間をかけて育て上げることができ、将来的に管理職候補となる可能性も十分に秘めています。
そして最大のメリットは、仕事環境への適応力の高さです。前の職場で働いていた期間が3年未満ということで、まだ前職の企業の社風に染まっていない場合が多いのです。これにより、転職先の企業の社風を受け入れやすく、新しい環境でもすぐに適応することが可能となります。反対に中途採用の場合だと、長年勤めてきた企業の社風に染まっている場合が多く、転職先の企業の社風を受け入れて適応できるようになるまでに時間を要することも考えられます。
次に中途採用を行う企業側のメリットについてですが、これについてはやはり即戦力が期待できるという点です。企業内で突然欠員が出た場合は、すぐにその業務に対応できる人材が求められやすい傾向にあり、そうなると前職で同じような業務内容を経験してきた人が有利となります。採用する企業としては、その人が前職で培ってきた長年の経験と知識を活かしてもらえることは企業全体にとってもプラスとなると考えています。
また、採用する企業が事業の強化を図りたい場合や、これから新規事業を行いたいと考えている場合にも、これまでの経験と知識が重要視されることが多いようです。前職で同じような業務を行なっていた人はもちろんのこと、新たな技術を確立させる目的で前職が他業種の人を敢えて採用する場合もあります。
このような採用するメリットを踏まえて考えると、企業側がこれから新たな人材を育成したい場合や最低限のビジネスマナーを兼ね備えたフレッシュさを求める場合に採用されやすいのは第二新卒採用、これまでに経験してきた仕事の内容によって採用されやすいのは中途採用であるということがわかります。転職活動を行う際には、企業がどのような人材を欲しているのかについても見極めることが重要です。
第二新卒の転職を有利にするための秘訣
転職活動を行う際の一般的な選考方法は、履歴書や職務経歴書による書類選考と個人面接です。新卒採用の選考方法にもあったように、これに加えて筆記試験が行われる場合もあります。第二新卒として履歴書の自己PR欄を記入する際や面接を受ける際には、アピールすべきポイントと特に気をつけなければならないポイントがあります。
まずアピールすべきポイントは、企業側が第二新卒を採用するメリットでもある、必要最低限のビジネスマナーをしっかりと身に付けているという点についてです。前職でビジネスマナー研修などを受けたことや、職場で電話対応や来客対応、名刺交換などを日常的に行なっていたことは大切なアピールポイントとなります。新卒採用ではビジネスマナーについてアピールすることは難しいですし、中途採用の場合はビジネスマナーはできて当然のことと判断されるので、この点をアピールできるのは第二新卒ならではの特権なのです。
また、前職での経験や知識が乏しいために履歴書の自己PR欄を書くことができないと不安になる人もいるかもしれません。確かに、残念ながら前職の経験や知識については中途採用者には敵わないことが多いのが現実です。しかし、採用する企業側は第二新卒者の仕事に対する想いやポテンシャルの高さなどの人物面に特に注目し、採用の可否の判断材料とする傾向にあります。
つまり、前職の経験や知識が乏しいことについてはそこまで気にする必要はないのです。履歴書の志望動機や自己PR欄では、転職先の企業で入社後にやりたいことや将来的にどのような社会人になりたいかなどの明確な目標を掲げ、仕事に対する意欲を伝えることが重要なポイントとなるのです。また、第二新卒は前職の経験や知識についてはそこまで重要視されていないということは、言い換えれば前職とはまったく違う業種にも挑戦できるということにもなります。
中途採用としてある程度年齢を重ねた人が転職活動を行う場合、これまでに経験したことのない業種に飛び込もうと考える人はあまり多くはないですし、企業側もある程度年齢を重ねた中途採用の未経験者を採用するということは多くはありません。前職での経験や知識が乏しいということは、一見弱点のようにも見えますが、見方を変えれば強みともなるのです。
第二新卒ならではの強みをアピールできる一方、特に気をつけなければならないこともあります。それは前職を離職した理由の伝え方についてです。一度3年未満で離職した経験があるならば、また短期間で離職する可能性があるのではないかと思われてしまう可能性は十分にあります。採用する企業が短期間で離職してしまうような人材は避けたいと思うのは当然のことで、それを見極めるために面接の場で離職理由について突っ込んで質問することは容易に想像がつくことでしょう。
またすぐに離職しそうという印象を払拭するためにも、事前に受け答えをよく考えておくことが必要です。受け答えをする際には、ネガティブな表現は避けるように気を配ります。離職の理由として多いのが仕事の内容が合わなかった、思っていた仕事内容と違っていたというものですが、このまま正直に面接官に伝えてしまうとあまり良い印象は持たれません。仕事の内容が合わなかった、思っていたものと違っていたという事実は伝えながらも、その状況の中でも改善するためにどのような努力をしたのかについても織り交ぜながらアピールできるようにします。
状況に不平不満を述べるだけではなく、改善するための努力ができるかどうかは社会人にとって重要なことですし、職場の雰囲気が良いかどうかにも繋がってきます。そしてそれら踏まえた上で、具体的な今後のビジョンがあって離職したのだということを面接官に伝える方法がおすすめです。
この具体的な今後のビジョンについて伝えることは、企業側が求めているものと一致しているということをアピールできる絶好のタイミングでもあります。そのため、企業が求めているものについてもしっかり確認し把握しておくと安心です。例えば、仕事の内容が思っていたものと違うという理由で離職した場合の受け答えの文章を作ってみます。
「以前働いていた企業では、研修終了後すぐに希望する業務に取り組むことができると説明を受けておりました。しかし、研修が終了しても電話対応やコピー取り、備品補充などの雑務業務のみを行うことが続き、希望していた業務には一向に取り組むことができませんでした。それでも職場の方々のサポートを行う縁の下の力持ちになろうという気持ちで長年に渡って雑務業務を行なってはおりました。
しかし、やはり希望していた業務に取り組み経験を積みたいという想いがどんどん強くなり、この度転職を決意しました。御社に入社できましたら、できるだけ早く現場の第一線で活躍できるように努めて参ります」というように文章を組み立てると、面接官にネガティブなイメージよりもポジティブなイメージを持ってもらうことができます。
まとめ
すぐに離職してしまったという理由から転職には不利というイメージを持たれやすい第二新卒ではありますが、第二新卒だからこその強みを求めている企業はたくさんあります。その強みを最大限アピールすることが第二新卒の転職を有利にすることに繋がります。第二新卒を募集している企業が求めている人材についてや、新卒採用や中途採用にはない第二新卒の強みについて自身で改めて確認してみることが内定獲得には必要不可欠なことなのです。
ジールコミュニケーションズでは、新卒・既卒での就職活動、第二新卒、中途で転職活動をはじめ、企業向けの採用支援や学校・キャリアセンター向けのサポート支援を行っております。豊富な実績や手厚いサポートによってお客様に向き合った支援サービスをご提供いたします。
お問い合わせよりお気軽にお悩みや希望をご相談ください。
問い合わせから相談する