[最終更新日]2023年10月2日  [記事公開日]2021年6月8日

「正社員になりたい」という転職理由を正直に伝えてもいいのか?

フリーターや無職の人は「正社員になりたい」という思いから転職を行うと思います。しかしだからといって正直に「正社員になりたい」と述べていいものなのでしょうか。

転職理由としては問題ないものの、いざ面接を通して伝えるとなると企業側からの印象が気になるところだと思います。では実際、「正社員になりたい」という転職理由は通用するのか。

今回のコラムではそんな「正社員になりたい」という転職理由が通用するのか、その新卒について解説していきます。

転職理由「正社員になりたい」は通用するのか?

転職理由「正社員になりたい」は通用するのか?

今までアルバイトや派遣社員、契約社員などで正社員の経験がない方もいらっしゃいますが、特に20代など若い世代であれば、そのような経歴の方は多いでしょう。高校や大学を出ると「とにかく就職しなければ」という考えが先行して、雇用形態を気にせず、給料の多さやボーナスの多さを一番に考えて就職する方もいらっしゃいます。

もちろん、休みが多いとか、融通が利くという点に重きを置く方もいます。人それぞれ、就職において重視するポイントは異なると思いますが、やはり正社員の方が待遇や補償が手厚い状況にある現状がありますので、「正社員になりたい」という理由で転職を考える方は多いです。

正社員になりたいというだけで転職理由と見なされるのかですが、実はそれだけでも転職理由と見なしてもらえることもあります。むしろ、それが「立派な転職理由である」と見なしてくれる企業も中にはあり、その理由だけで転職が上手く行ったという事例もあるのです。でも、もし正社員になりたいという理由だけでその企業に就職したいと考えている方がいれば、「なぜ正社員になりたいのか」という点を意識しておくと良いでしょう。

正社員になりたいと希望する理由でやはり一番大きいのは、冒頭でも紹介した待遇の手厚さだと言えます。正社員と、契約社員や派遣社員を比べると、待遇の差は歴然だと言えますし、福利厚生が整っているかどうかという点も大きく異なってきます。正社員のみ福利厚生があるというケースもありますので、こぞって正社員を希望する方が多いのはそのせいなのです。

もしその企業ではなく、他の企業でも正社員にさえなれれば良いと考えているのであれば、正社員になること以外にもプラスαで理由を見つけておくと良いかもしれません。例えば「休日が多いことで資格の勉強をしたい」とか、前向きな理由を答えると企業に響くでしょう。

面接や志望動機で正直に伝えてもいいのか?

面接や志望動機で正直に伝えてもいいのか?

正社員になりたいから転職をするという方は多くいらっしゃいますが、問題はそれを書類による志望動機や面接で正直に言っても良いのかという点です。問題は伝え方にあると言えます。

ただ「正社員になりたいから転職をしたい」と伝えるのではなく、正社員になることの意味を自分で説明できるかがポイントです。正社員になったから何をしたいのか、どうなりたいのかといったビジョンを明確化しておき、志望動機や面接でいかに上手に伝えられるかがポイントです。

ちなみに、正社員になりたいことを理由に転職活動をする人へのイメージとして挙げられるのが、第一印象としては「待遇面を気にしている人」ということです。確かに、派遣社員や契約社員よりも正社員の方が地位が確立している場合が多いですし、福利厚生、ボーナスをはじめ、毎月の給料面でも大きく異なるでしょう。正社員になりたい理由が「高い給料が欲しい」とか「クビにならないようにしたい」というものだけである場合は注意が必要です。

もしそれだけの理由で転職活動をしているのであれば、志望動機として不十分と見なされることも多いです。また、面接時に「その企業に就職したい」と熱い気持ちを持っている人材が現れれば、迷わずにそちらを採用するでしょう。その企業ではなくてはダメという熱い気持ちと正社員になりたいだけという気持ちを比べると、当然、後者の方が志望動機としてかなり弱いと言えます。

よって、正社員になりたいというだけの理由はマイナスに捉えられやすいと考えられますので、何かしらの対策を取っておく必要があるのです。一番重要なのはあなたが自己分析、企業研究をすることで、自分のことやその企業のことをしっかりと知っておくということです。インターネット上でもある程度その企業のことを知ることができますし、最近では転職サイトを利用すると、あなたにマッチした企業を紹介してくれる機能なども充実しています。

それらを通じて履歴書を送る、もしくは面接を受けようと思っている方にとっては、企業についてきちんと勉強をしておくことは必要不可欠だと言えるでしょう。自分で見つけて「この企業は良さそう」と思った場合と、マッチングサイトから一方的に送られてきた情報を見て応募する場合とでは、企業に対する熱量が少なくなってしまうのは当たり前の話です。

転職活動をする方の中には、自分のことがよく分かっていないとか、何をしたいのか定まっていない方も多くいらっしゃいます。自分のことがよく分かっていない場合は、その後の転職活動にも影響を及ぼしてしまう可能性があります。自分のことが分かっていない人ほど、「これをやってみたいと思っています」という風に面接で言うものの、結局その仕事が自分に合っていなくて苦痛に感じた結果、また転職活動を繰り返すことにもなりかねません。

転職回数が多ければ多いほど、企業からすると「何か理由があるのでは?」と思われて警戒されてしまう傾向にあります。忍耐力がないと見なされてしまえば、「正社員として採用してもすぐに辞めてしまうのではないか」と見られることもあるでしょう。転職回数を少なくするためにも、あなた自身が本当に「この会社で働きたい」と思う企業を探し出すところから始める必要があります。

自分がやりたいことがなかなか見つからないとか、得意な仕事内容がわからないといった場合は、今まで経験してきた体験やアルバイトなどの仕事をもう一度振り返ってみましょう。もしかすると、「楽しい」とか「得意」と感じたことがあるかもしれませんので、それを転職活動に盛り込むと良いです。学生時代に感じた楽しいという気持ちと、仕事における楽しいという気持ちは、ある意味で似通っています。

楽しいと感じて仕事をするのと、いやいや仕事をするのでは、効率や生産性に大きく差が出ると言っても過言ではありません。楽しいと思ってやる仕事はどんどんと成績が伸びますし、周りからの期待も大きくなると言っても過言ではありません。もちろん、社会人として働くということは学生やアルバイトの頃よりも責任が大きくなりますが、それこそが「頼られている」という感覚に結びつくと言えます。

もし、正社員になりたいという理由だけで転職活動を進めようと思っているのであれば、印象を良くするのはもちろんのこと、自分のためにも再度、志望動機を考えるべきです。志望動機といっても大そうなことを言うのではなく、今の自分の気持ちや思いを正直に話すことが大切です。上手に伝えられなくても、あなたの思いがしっかりとしていれば面接官は必ず聞いてくれますし、印象が良くなるに違いありません。

待遇の良い会社であればあるほど、他にも正社員を志望して面接に来る人は多いと思いますが、みんなが同じ理由であれば、当然、採用が難しくなります。「どの人を採っても同じ」と見なされてしまえば、あなたが選ばれる可能性も必然的に低くなってしまいます。

なので、正社員を志望するということにプラスして、自分が何をしたいのか、何が得意なのかなどを伝える努力をしましょう。そして、その会社の面接を受けた理由についても説明できるとなお好印象ですし、「この人は正社員になりたいだけで応募したのではない」と見なしてもらうことができれば、採用の可能性は一気に上がるかもしれません。

転職理由「正社員になりたい」人の面接対策

転職理由「正社員になりたい」人の面接対策

転職活動をして正社員になりたいと思っている方は、どのような点に注意して面接を受けるべきなのでしょうか。普通の就職活動とは異なり、転職活動に関してはやや神経を使って活動を進めていく必要があります。転職活動の場合、「なぜ応募したのか」ということが非常に重要になりますし、志望動機で採用か不採用かが決まると言っても過言ではありません。

もちろん正社員になりたいという理由だけでは志望動機として不十分であり、落とされてしまう可能性があります。正直にそのような転職理由を伝えた方が良いのではないかと思っている方も多いかもしれませんが、実はあまりにも正直すぎるとマイナスイメージを持たれてしまう可能性がありますので、答え方には注意してください。

現在、フリーターや無職である場合、「そのままでは良くないと思って正社員を志望しました」と伝える方が多いと思いますが、面接官からすると、その答え方はマイナスに感じられてしまいます。面接官が感じる疑問や懸念は2つあり、それは「そう思うならなぜ今まで就職活動や転職活動をしてこなかったのか」「正社員になってうちで何をしたいのか」という点です。特にフリーターや無職の時期が長ければ長いほど、「今まで何をしていたんだ」と見なされることが多いので、基本的にはそういった期間が短いうちに転職活動に乗り出した方が良いでしょう。

現在の状況が心地よく、なかなか転職活動に結びつかないといった方も少なくありません。特に、長年やっていたアルバイトで重要なポジションについていたり、リーダーなどになっていたりという場合は転職活動をするのもなかなか難しく感じられるかもしれません。しかし、もし正社員になりたいのであれば、早いうちから動いておくことが重要です。

転職活動を行っているという状況こそが大切なので、「どれだけ受けても受からない」といった結果はひとまず置いておきましょう。あなたがどのように行動してきたのかという点の方が、面接官からすれば重要だと感じられると言えます。よって、思い立ったが吉日という言葉通り、転職したいなと思い始めたら、すぐに情報収集をし、転職サイトに登録することをおすすめします。そうすることでフリーターや無職といった空白期間が短くなり、先方に「すぐに行動できる人」と見なしてもらうことができるのです。

あなたが正社員になりたいという理由を包み隠さず話したいのであれば、それだけではなく、何か別の志望動機も用意しておく必要があります。「正社員になりたい」と伝えたところで、面接官からすれば「だから?」と思われてしまう可能性がありますので、正社員になった先のことをきちんと伝えましょう。

正社員になって何がしたいのか、今までは正社員でなかったがために責任感のある仕事をさせてもらえなかったというような、前向きな理由を用意しましょう。間違っても「正社員になりたいのは給料が良くなるからです」というような、正直すぎる理由を伝えてはいけません。そんな理由を伝えてしまうと、「給料面だけでうちの会社を選んだと」いう風に見なされてしまうため、人材としてのイメージはかなり落ちてしまいます。

就職活動でも転職活動でも同じことが言えるのですが、とにかく「優秀な人材」とか「期待できる人材」と思ってもらうことが第一です。そのためには、あなたが持っているスキルや得意なことも全面に出していく必要があります。また、将来のビジョンとして、その会社で正社員になり、どうなるのが自分の理想なのか、何に挑戦させて欲しいのかもしっかりと伝えるようにしましょう。

まとめ

正社員になりたいという理由だけで転職活動をするのは、正直厳しいところがあります。転職活動をする理由は人それぞれだと思いますが、もちろん「正社員になりたいから」という理由の方も多くいらっしゃいます。正社員になると確かに待遇が良くなりますし、何かしら契約社員や派遣社員よりもメリットがあると言えるでしょう。

もし上記の理由で転職を考えているのであれば、その理由がマイナスに捉えられないようにカバーする必要があります。自分のやりたいことや企業で挑戦したいことを伝えると効果的ですし、前向きな人材と見なしてもらうことができ、採用率がアップするでしょう。もし自分のやりたいことが決まっていないのであれば、得意なことをアピールするのも一つの方法です。

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