[最終更新日]2023年10月2日  [記事公開日]2021年6月3日

既卒就活は本当に厳しいのか?その実態と乗り越え方を解説します

既卒就活は厳しい。

既卒として就活を行う人はこの噂の真相が気になるところだと思います。すでに新卒としての就活に苦戦した人は余計に不安な気持ちでいっぱいでしょう。

では実際、既卒で行う就活はどれほど厳しいものなのでしょうか?

今回のコラムではそんな、「既卒就活は厳しい」という噂の真相について解説していきます。既卒で行う就活は本当に厳しいのか、またもし厳しい場合には具体的にどれほど厳しいのかなどを解説。

そしてそこから既卒として覚悟すべきことや乗り越え方などについても合わせて解説していますので、不安な既卒就活を乗り越えたい人は最後までご覧ください。

既卒の就活は本当に厳しいのか?

既卒の就活は本当に厳しいのか?

既卒とは、高校、大学、専門学校などの学校を卒業した後、一度も正社員経験がない人のことをいいます。一般的には卒業後3年程度までの人を指すことが多く、フリーターや無職の人も含みます。

既卒と似ている言葉に、第二新卒という言葉があります。学校を卒業して3年程度までの人を指しキャリアが浅いという点では共通ですが、一度は就職し正社員として働いたことがあるという点で異なります。既卒での就活は新卒と比較して不利だといわれています。「新卒で就職できなかった人」という風に見られてしまうからです。

また、既卒では中途採用の求人に応募することもできますが、スキルを重視した採用活動を行うため、正社員経験がない既卒ではやはり不利になります。

厚生労働省の定めた青少年雇用機会確保指針という指針では、2010年9月の改正によって、既卒者は卒業後3年以内であれば新卒扱いをするということが明記されました。ただし、この指針には法的な強制力はありません。

そのため、既卒者を新卒と同様の扱いで採用するかどうかは企業個々の判断に任せられています。また、新卒市場では人手不足もあって就活生の売り手市場が続いています。こうした事情を背景として、既卒の採用を積極的に行う企業は増えているのです。

既卒者が応募できる求人は、基本的には新卒者向けや第二新卒向けの求人と同じだと考えてください。「既卒応募可」「第二新卒応募可」などといったワードや、「既卒歓迎」と書かれた求人を探すと良いでしょう。中途採用の求人も応募することは可能ですが、高いスキルを求められることが多いので避けた方が無難でしょう。

既卒就活で覚悟すべきこと

既卒就活で覚悟すべきこと

既卒の採用活動では、新卒と同様にポテンシャルが重視されます。しかし、同じポテンシャル重視の採用活動をするのであれば、経歴に傷のない新卒を採用したいというのが企業側の本音です。そのため、既卒というだけで書類選考すら通らないということもあります。

既卒でも採用されやすいのは、やむにやまれぬ事情により既卒になってしまったという人が多いです。たとえば、留学をしていて就活時期がズレてしまった人や、入社直前に会社都合により内定を取り消されてしまった人などが当てはまります。誰の目から見ても本人に問題がない原因で既卒になってしまった人ということです。

逆に言うと、単位を取得するために就職活動をする余裕がなかったという人や、何となく働く想像ができず就職活動に身が入らなかったという人は採用されにくいです。社会性がない人という印象を与えやすく、問題のある人物なのではないかという不安を抱かせやすいので、非常に厳しい就職活動になる可能性があります。

書類選考を通過したとしても、「なぜ新卒で就職活動をしなかったのか?」「なぜ就職活動に失敗したのか?」といった厳しい質問をされることも多いです。新卒での就活よりも精神的につらいものになるということは覚悟しておかなければなりません。鋭い質問をされたときに動揺せず、好印象を与えられるような受け答えができるよう入念に準備しておきましょう。

また、既卒向けの求人は数が少ないこともあり、内定をもらえるまでに時間がかかりやすいこともあります。そもそも既卒向けの求人を見つけるのに苦労することも多く、新卒時にちゃんと就活をしておけば……と後悔する人も少なくないようです。

新卒時に比べてつらい気持ちを共有できる仲間が少ないというのも、既卒での就職活動のつらさです。新卒では卒業見込みの人たちが一斉に就職活動をするので仲間が多く、情報を共有し合ったり、悩みを相談し合ったりしながら乗り越えられるものですが、既卒では孤独になりやすいのです。

さらに、近年では徐々に易化してきていた既卒就活ですが、新型コロナウイルスの影響もあり再び難化しているようです。新卒採用を取りやめる企業が増加する中、既卒採用をする余裕がなくなっているのです。先の見えない中、既卒就活はこれまでより厳しい状況下にあるといえるでしょう。

厳しい既卒就活を乗り越える方法

厳しい既卒就活を乗り越える方法

既卒での就活は、上記で述べたように卒業後3年以内であれば新卒扱いすることとした指針もあり、新卒者向けの求人よりは少なくなりますが既卒者を採用する企業も一定数あります。既卒採用を行う企業の中にはBtoB(企業間取引)のため知名度が低い会社や求人にかける費用を捻出するのが難しいベンチャー企業なども多くあります。

既卒就活ではライバルの多い大手企業よりも、規模は小さくても隠れた優良企業を探すのがおすすめです。大手企業にこだわる人も多いですが、特に既卒就活の場合は規模にこだわりすぎない方が良いでしょう。

新卒に比べ求人数がぐっと減る既卒就活では、数を打つよりも質を重視した就職活動をすることが大切です。新卒で就職した同期と差がつき焦る気持ちはどうしても持ってしまいますが、無理のないペースでスケジュールを組むことを心がけましょう。なかなか内定が出ず不安になることもあると思いますが、余裕のない状態では冷静な判断もできなくなってしまいます。

妥協して気が進まない状態で就職しても早期離職で経歴に傷がついてしまい、その後さらに就職しづらくなることもあり得るでしょう。既卒就活は仲間がいないことがネックですが、逆にいうと比較対象がないともいえます。周りを気にせず自分のペースでこなしていきましょう。とはいえダラダラと就職活動をしていると空白期間が延びて厳しさが増します。希望の企業を見つけたら確実に内定を取りに行くという気持ちで選考に臨みましょう。

既卒であっても求人数が増加するのは新卒と同じく主に1~4月と言われています。ボーナス時期を過ぎた9月頃も退職者が増えて求人が増える時期です。求人が増加する時期を頭に置きつつ、早めに行動にうつすことも大切です。新型コロナウイルスの影響がどこまで広がり続けるかは未知数ですが、今後さらに景気が悪化する可能性もあります。既卒を含め採用事情は厳しくなっていますが、これから先回復するかもわかりません。早めに内定獲得のため動き出した方が良いでしょう。

既卒になった事情は人それぞれだと思いますが、就職後のイメージがわかずあまり気がのらないまま既卒になってしまった人や就職活動をしていたにも関わらず内定が出ずに既卒となってしまった人は就職活動における軸の見直しが必要です。そもそも軸を決めずに就職活動をしていたという人はまずは軸を定めるところからがスタートです。

「したいこと」に軸を置くか「できること」に軸を置くかで選ぶ業種や職種も変わってくるかもしれません。また、軸を定めていたつもりでも就職活動に失敗してしまったという人は自己分析が甘かったということになります。もう一度自己分析をし直して、自分の適性に合った業界や業種は何なのか、強みを活かせるのはどのような企業かなど考え直しましょう。

「したいこと」を軸にしていても客観的に見て適性がなくなかなか内定が出ないこともあります。その場合は「できること」に軸を合わせ、方向転換をする潔さも必要かもしれません。

就職活動に失敗してしまったという人は、選考対策が不十分であることが原因の一つとして考えられます。まずは履歴書や職務経歴書の書き方を見直しましょう。「職務経歴書は職歴のない既卒の場合は必要ないのでは?」と思うかもしれませんが、空白期間をどのように過ごしていたかをアピールするためには非常に有効です。既卒採用を行う企業が最も気になるのは「なぜ既卒になってしまったのか」「空白期間をどう過ごしていたか」という2点です。

既卒の場合は職務経歴書にアルバイトやインターン、ボランティアなどの社会活動について記載することが推奨されています。空白期間中にアルバイトをしていた場合は、アルバイトをする中でどう成長したかや就職したときにアルバイト経験をどう活かせるかを職務経歴書に記載しましょう。職務経歴書は自己PR欄の大きい様式のものを選ぶのがおすすめです。アルバイトやインターンなどの実績を記載する場合は具体的な数字(「○○人中○○位」など)でアピールしましょう。

また、面接では前述したように厳しい質問が飛んでくることが多いです。既卒になってしまった理由を聞かれた場合は率直に述べ、他責せず反省していることを伝えましょう。既卒採用はポテンシャルや意欲があるかどうかが重要です。

ごまかさず素直に伝えた方が好印象です。企業側は「新卒時に就職できなかったということは社会性のない人なのでは?」「やる気がないのかな?」という不安を抱いています。その不安を払拭することが、内定獲得を狙う上で重要な課題となります。熱意や意欲があることを応募書類や面接でしっかりとアピールし、これまでの遅れを取り戻す意気込みを採用担当者に伝えるよう努めましょう。

応募書類の書き方や面接対策に不安がある場合は、就職エージェントに相談するのもおすすめです。応募書類の添削や模擬面接などの面接対策といったサービスを、基本的に無料で受けることができます。求人を探す際もネット上には載っていない求人を紹介してもらえるというメリットがあります。

孤独になりやすい既卒就活ですが、一人で抱え込まず相談できる場があることで気持ちの面でもプラスになることでしょう。特に、既卒就活専門のエージェントの場合は既卒就活のノウハウも豊富に持っています。就職エージェントのアドバイスを受けながら、就職活動を進めるのが内定までの近道です。また、自分では気付かなかった強みや適性を教えてもらえたり、これまで検討してこなかった業界をすすめてもらえたりと、一人で就職活動をするよりも視野が広がります。ぜひ登録して活用しましょう。

最近では大学の就職課でも、既卒者向けの支援を行うところも増えているようです。大学によって支援の有無やサービスの幅は違いますが、卒業した大学の就職課に相談するというのも一つの手段です。既卒者でも就職課の支援を受けられるかどうか問い合わせてみましょう。大学の就職課で扱う求人数は少なめですが、その大学の出身者を積極的に採用したい企業の求人が集められています。また、就職エージェントのように応募書類の添削や模擬面接などの支援もしていることが多いです。利用を検討してみましょう。

時にはリフレッシュする時間をもち、就職活動から離れることも大切です。つらいだけの日々が続くと、精神的にも肉体的にも限界が来てしまいます。そうなる前に、いったん就職活動のことは忘れて休むことも必要です。「〇曜日は就職活動に関することはしない」「土日は休む」というように、休みをあらかじめ決めておくのも良いでしょう。趣味や好きなことに没頭する時間を作ったり、何もせずダラダラする時間を作ったりすることで気持ちにメリハリが生まれ、就職活動にも身が入るようになります。

どうしても就職活動への意欲がわかないときは、1か月ほどまでであれば思いきって休んでしまうのも良いでしょう。就職活動から距離を置くことで、それまでの自分を客観視することができるかもしれません。しっかり休息をとった後は、気持ちを切り替えて就職活動を再開しましょう。

まとめ

既卒の就職活動は新卒での就活時以上に苦労することが多いです。公的サービス・民間サービスを問わず、就職支援を行っている機関は積極的に利用することが成功へより早く近付く秘訣です。民間の転職サイトで受けられる職業適性検査や、ハローワークや就職エージェントで受けられる履歴書などの添削サービスも自己分析をする上で非常に役に立つでしょう。

求人数の増加する1~4月、9月頃に的を絞りつつ、早めに対策を立て動き始めることが大切です。つらいときは休息を取りつつ、あまり悲観せずに希望をもって既卒就活を乗り越えましょう。

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