[最終更新日]2023年10月2日 [記事公開日]2021年4月28日
フリーターから正社員を目指す人のための面接攻略法|質問例と合わせて解説
自分のやりたいことに向かってアルバイトや派遣社員をしながら努力をしてはいるものの、なかなか芽が出てこない。そんな中、周りの友人たちが正社員として働いているのを見て自分もそろそろ正社員としての就職活動を始めてみようと思っている人。
一度就職してみたものの、家庭の事情や社内の雰囲気に合わないなどの理由で退職して、今は無職の状態で正社員としての再就職を考えているような人。正社員として就職したいと思っている人のバックグラウンドは人それぞれですが、今のままではいけないという気持ちから。
ここではそんな若手の皆さんに、フリーターから正社員を目指すためのいくつかのアドバイスをご紹介します。若さは将来への可能性を表す非常にわかりやすい指標ですので、若いということだけで就職市場においては有利な条件となる場合が多くあります。そのことをまずは知っておいてください。
フリーターから正社員を目指す人にする質問の特徴と意図
若手の正社員を採用しようとしている企業は即戦力を期待しているわけではありません。社内でしっかりと教育することによって、将来的に会社に貢献できるような可能性のある人財を求めています。
得意不得意などの適性は働いているうちにしかわかってきませんので、仕事のローテーションを経験させることによって適性をみつけていきます。経験がないということは白地のキャンバスのようなものですので、若いうちは下手に経験がないほうが素直に仕事内容を吸収する能力が高いとみなされます。
ただし、その白地のキャンバスも破れていたり水濡れをしてしまっていたりするとキャンバスとして使い物になりません。人事担当者はこのようなキャンバスとしての条件を満たしているかどうかという点をまずはみています。その際の最低限の条件は、挨拶がきちんとできる、守るべき時間を守る、チームプレイができるなど、社会生活を過ごすうえで常識とされるものですので、その点を意識されているみなさんはご安心ください。そのうえで企業独自の質問がされてきます。
フリーターが面接で絶対に聞かれる質問と回答例
基本的な自己紹介や志望動機以外にフリーターや現在無職の人に人事担当者が質問したいことはいくつかあります。フリーターから正社員になるための面接ではそのいずれかを必ず聞かれることになりますので、以下にその質問例と回答のポイントをご紹介します。
「今まで頑張ってきたことは何かありますか。」
<質問例>
「今まで頑張ってきたことは何かありますか。」
この質問の意図は集中して何かを成し遂げようとした経験があり、どのような成果があったかどうかということです。会社内の業務には明確な達成目標が決まっていますので、そのような時にどのような成果を得ることができたのかをみています。
<回答のポイント・回答例>
仕事の経験がなくても、何かに向かって集中して時間を過ごしたことがあると思います。例えばバンド活動や学生時代の部活など、楽しみながら続けていくことができたことを具体的に説明して、その結果として何を学んだかをお話ししましょう。
「今までアルバイトをしながらバンド活動をしていました。5年間の活動を通じて熱狂的なファンの方もできて、定期的にライブを開催しています。ファンの皆さんとの交流を通じて人の絆の大切さを実感しました。また、ライブ会場や機材の手配、集客などの準備から、当日のスケジュール管理とスタッフの配置から最後の精算まで、イベント開催に関するノウハウを学びました。」
「今までに一番失敗したと思うことを教えてください。」
<質問例>
「今までに一番失敗したと思うことを教えてください。」
この質問の意図は失敗したことに対してどのように対応、解決してきたのかということです。社会人の基本である「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」がきちんとできるかどうかも大きなポイントです。
<回答のポイント・回答例>
失敗することは誰にでもあることですので、失敗したことは恥ずかしがらずに正直に話しましょう。その際にどのように解決したのか、また解決できなかった場合でもどのように折り合いをつけてきたのかという点を具体的に話してください。
「居酒屋のアルバイトで団体のお客様の予約日時を間違えて受付けてしてしまいました。その日はあいにく他のお客様の予約でいっぱいでかなり焦ってしまいましたが、深呼吸をして気を取り直し、間違えた内容を即座に店長に報告しました。店長が近所で付き合いのある居酒屋に片っ端から連絡してくれて、どうにか同じような条件のお店を見つけ、お客様にも納得していただきました。店長のように人脈があって柔軟な対応ができるような人になりたいと思いました。」
「長所と短所を教えてください。」
<質問例>
「長所と短所を教えてください。」
この質問の意図は自分自身の特長をどれだけ理解しているかということです。誰でも人とは違う個性を持っていますので、それを客観的に表現することができるかどうかをみています。
<回答のポイント・回答例>
自分自身で自覚していることや周りの人からよく言われていることを思い出してみましょう。長所と短所は表と裏の関係ですので、例えばおせっかいであれば面倒見が良い、ずぼらであればおおらかなど、短所は長所として言い換えることができます。長所の部分をうしろにお話すればより印象に残ります。
「友人や家族からはおっちょこちょいだと言われています。弁当を家に忘れてしまって取りに帰ったり、間違った電車に乗ってしまうことなどもありました。大事に至ることはありませんでしたが、どうやら深く考えるより先に体が動いてしまうようです。その分、行動力は人一倍ありますので、言葉の通じない海外で初めて会う人と仲良くなるなど、周りが躊躇してしまうようなことでも積極的に挑戦することができ、実体験から学んだことが多くありました。」
「仕事とはどんなことだと思いますか。」
<質問例>
「仕事とはどんなことだと思いますか。」
この質問の意図は自分自身の価値観に基づいて、働くことに対する意識をしっかりと持っているかどうかをみることです。
<回答のポイント・回答例>
労働について、体を動かして働くことという意味で考えた場合には、誰でも何かしらの経験があります。例えば小学生の時に飼育係で動物の世話をしていた時に、自分自身が何を大切にしながら係としての役割を果たしていたのか、エサだけを考えてもその成分を重視する人もいれば与えるタイミングを重視する人もいるでしょう。価値観は人それぞれですので、経験をもとに働くことに対する前向きなお話をしましょう。
「仕事とはチームワークであると思っています。お互いの得意分野でお互いを補いあいながらひとつずつ結果を出していくことで全体に貢献していくことです。学生時代に野球部に所属していましたが、怪我のために選手として続けることができなくなったことがあります。その時には選手のサポートに徹しました。タオルや水分の準備はもちろんですが、私はPCの操作が好きでしたので、今までの試合内容や対戦相手を数値的に分析することによってチーム全体のパフォーマンスを上げることができ、その後の勝率を3割ほど上げることができました。」
「現在フリーター(または無職)となっている理由を聞かせてください。」
<質問例>
「現在フリーター(または無職)となっている理由を聞かせてください。」
この質問はフリーターから正社員を目指す人にまず間違いなく聞かれるものです。最終的な意図は正社員として続けていくことができるか、すぐに辞めてしまわないかということです。
<回答のポイント・回答例>
理由は人それぞれですのでまずはそれを具体的に説明して、正社員として長く働いていきたいという明確な意思を伝えましょう。その際に自分自身の個性がどのように活かせるのかを盛り込むと良いでしょう。
「学生時代から力を入れていた演劇に専念するためにアルバイトをしながら活動を続けていましたが、結婚を考えるにあたって、パートナーとの生活基盤を安定化させることが第一だと思っています。正社員として働くことができれば、生活を安定させることはもちろん、アルバイトとは違った様々な責任のある仕事が経験できると思いますし、その積み重ねが私のキャリアにもなります。また、営業活動や対人関係などにおいて、演劇を通して培ってきた私の経験が活かされる場面も多いかと思います。」
フリーターから正社員を目指す人がすべき面接対策
挨拶や身だしなみについては基本中の基本です。普段からの生活態度が自然と出てくるものですので、これに関してはある程度の訓練が必要です。あなたは普段からご近所の人に挨拶をしていますか。よっぽどのことがない限り、挨拶をされて気分が悪くなる人はいませんから、今までそういうことをしてこなかった人はこの機会にそういう習慣を身につけましょう。
また、スーツの着こなしは自然とにじみ出てくるものですので、普段からスーツ姿で過ごしてみる時間を作るようにしてみましょう。外出した時などに気になったスーツ姿の人の着こなしを参考にしたりして、スーツのコーディネートを考えてみればおしゃれの一環として楽しむことができます。
また、募集内容によっては最初からターゲットが決まっているような場合もあります。例えば採用したい性別が決まっているような場合、企業側としてそのようなことを募集要項で明言することはなかなかありませんが、募集要項の中に「女性が多く活躍している職場です」というような表現がされていた場合など、ある程度のターゲットがわかる場合があります。
また、採用情報サイトで先輩の体験談が紹介されているような場合は、その中にヒントが見え隠れすることがありますし、もし知り合いが実際に勤めていたり、取引先で勤めているような場合は事前に情報収集をしておくと求めている人材のイメージがよくわかるかと思います。
面接はお見合いのようなものなので、タイミングによってはご縁に結びつかないことがあります。確率論で考えれば、同じ確率であれば分母が増えるほど分子の実数が増えますので、気になった募集案件があれば積極的にチャレンジしてみましょう。会社は一つだけではありませんし、面接は大義名分をもって会社とコンタクトが取れるチャンスのひとつでもあります。
面接は非日常的な場面ですので、多くの体験をすることによって面接に対しての自分なりのスタンスを試行錯誤することができます。面接を通じていろいろな会社をより深く知ることによって、社会勉強をしているくらいの気持ちでいれば結果に一喜一憂することもなくなります。なお、面接を通じて違和感を感じた時には、だいたいの場合直感で正しい判断をしていますので、断る勇気も必要です。
まとめ
自己PRや志望動機などをはじめとして、それぞれの受け答えには筋が通っているかどうかという点が一番大事です。自分自身の特性を客観的に把握できればまずはその部分をコアとして、自分自身を見つめなおしてみましょう。自分自身がどんな時に楽しいと感じるのか、うれしいと感じるのか、周りの人からどんなことで感謝されたことがあるのか、具体的な経験を実際に紙に書き出してみてください。
100くらいの具体例が出てくればそこに個性を見出すことができるはずです。エゴグラムやエニアグラムなどの性格分析診断ツールがWEBや書籍でも紹介されていますし、これらは企業の人事で利用していることも多いので、活用してみることもオススメです。
自分自身を客観的に理解することができれば、そこから現在の自分の状況をもとに志望する会社の事業内容や希望職種について、自分なりのストーリーを作ることができます。例えば、自分自身で目立ちたがり屋であると思っているような場合は、それをリーダーシップとして前向きに転換して自分自身の特性としてとらえて、具体的に人から感謝されたことなどをサイドストーリーとして準備できれば、自分自身の経験ですから受け答えに躊躇することなく、すべての受け答えに筋が通るようになります。
冒頭にお話したように、よっぽど専門性の高い教育や経験をしてきていない限り、企業は若い人たちに実務での即戦力を期待しているわけではありません。若いということは将来性に期待されているということですので、一番大切なのは自分の将来性を信じて熱意をもって面接に臨むことです。昔とは違って今は企業も多様性を求めています。面接でみなさんの個性が十分に発揮され、納得のいく結果となることを心よりお祈りしています。
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