[最終更新日]2023年9月29日  [記事公開日]2021年4月6日

新卒1年目で転職はできるのか?1年目の転職の厳しさと成功の秘訣

新卒で入社したものの、わずか1年足らずで転職に挑もうとしているあなた。次のステージに胸を躍らせる反面、「1年目で転職なんてできるのか」と不安を抱いているのではないでしょうか。

新卒1年目での転職ということで社会人経験の少なさから武器がないことへの不安、また「入社後すぐに辞めた人」というレッテルから転職ができるのかと不安を抱く人は多くいます。

では実際、新卒入社1年目での転職は厳しいのでしょうか?新卒1年目でも採用してくれる企業がある場合の探し方や特徴は?

今回このコラムではそんなそんな新卒1年目での転職事情についてご紹介していきます。新卒1年目で転職を目指す厳しさや、新卒1年目を受け入れる企業の特徴と探し方について解説しているので、入社後早々に退職し、転職を目指す人はぜひ最後までご覧ください!

新卒入社1年目で転職は厳しい?

新卒入社1年目で転職は厳しい?

新卒入社1年目での転職は、結論から言ってしまえば「厳しい」です。転職希望先の企業に「飽きっぽいのではないか」「うちで採用してもまたすぐに辞めてしまうのではないか」という第一印象を持たれやすいことが大きな原因です。転職活動を行ったとしても芳しくない結果に終わるケースも多く、新卒入社1年目の転職はそれなりの事情がない限り、あまり勧めないという先輩諸氏も多いでしょう。

しかし、新卒入社1年目で離職・転職する人がいることも確かです。厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(平成28年3月卒業者の状況)」を見ると、平成30年における高卒の新卒入社1年目での離職率は16.8%、大卒では11.6%に及んでいます。離職の後には再就職を目指す人も多いはずですので、新卒入社1年目での転職は「厳しいけれど有り得る」と言えるでしょう。

また、近年では新卒入社1年目での転職に理解を示す企業も増え、採用に至るケースも見受けられるようになっています。特に以下のような環境にある場合、離職・転職やむなしと考えられます。

1つ目は劣悪な労働環境です。給料や休日の条件、福利厚生があまりにも悪かったり、残業が多すぎたりするのであれば、新卒入社1年目の転職活動に理解を示す企業も多い時代です。現代は企業が労働者の労働環境に注意を払い、健康的な環境を維持する義務があるため、理解が広まったと言えます。

2つ目は、社風が合わなかったという理由です。これは評価が分かれるところでもありますが、社風が合わないことに早めに気付き、転職活動を開始する判断力をポジティブに捉える企業もあります。ただ、次の転職先の社風が合うとは限らない可能性もあるため、転職活動で慎重なチェックが必要になるでしょう。「同じことにはならない」と面接などでアピールできる機会があれば理想的です。

他にも、人事異動では解決できないほど深刻な人間関係の悪化やセクハラ・パワハラなど、現代社会では許されない行為による被害も、転職活動の理由としては無理のないものです。他にも、人事異動では解決できないほど深刻な人間関係の悪化やセクハラ・パワハラなど、現代社会では許されない行為による被害も、転職活動の理由としては無理のないものです。

  • 職務経験がないと思っている
  • 転職を希望する理由によっては自分に落ち度があると考えてしまう

このような勘違いがあると、なかなか転職活動に踏み切れないものです。職務経験がなく、職務経歴書に何も書けない…と思って、つい「あと数年我慢しよう」と考えてしまうと、自分にとってベストなタイミングでの転職活動が難しくなります。

新卒入社1年目の人が職務経歴書に書けることがないのは当然です。書けても1~2行が精々でしょう。転職の書類選考で不利になってしまうかというと、そうでもないものなのです。職務経歴書を見る企業側も、転職希望者が新卒入社1年目だと知っています。「書くことがない、少ないのは当然」ときちんと理解しているのです。この点はあまり心配しなくても良いでしょう。

転職の理由が自分の落ち度だと考えているのなら、改めてその内容を思い起こしてみるべきです。たとえば、思い当たる失敗は本当は上司や先輩の指導をもっと受けたほうが良かった失敗だったのかもしれませんし、仕事に邁進できなかったのは社内環境が劣悪だった可能性があるなど、実は自分が原因ではないケースもあります。

もちろん、「どんな理由でも私は悪くない!」という主張をおすすめしているわけではなく、誤った認識で自分を責めているのではないか?という視点が必要だということです。自分を正当化するために曲解するのは論外ですが、必要以上に悪く捉え、自分の可能性を閉ざしてしまうのは人生の大きな損失に繋がります。正しく自分を振り返ると良いでしょう。

新卒1年目でも採用する企業の特徴と探し方

新卒1年目でも採用する企業の特徴と探し方

確かに、新卒入社1年目での転職に対してマイナスイメージを持つ企業もまだ多いと言えますが、理解を示す企業への転職であれば、転職活動次第で実現する可能性がある時代です。選択の幅も広がっています。特に、ベンチャー企業では会社の勢いに人手や若い感性を求めることが多いため、新卒入社1年目での転職先として有望株だと言えるでしょう。

また、ベンチャー企業以外でも、1年目からの転職者を前向きに捉える企業なら、「若ければ若いほど自社の社風や必要なスキルを吸収しやすい」という理由で採用に至ることもあります。転職サイト、転職エージェントに登録してみると、かなり多くの求人がくる状況に驚くことでしょう。

新卒入社1年目の転職でも採用する企業の特徴は、「未経験者でも歓迎している業種」が挙げられます。有名な業種としては営業です。もともと営業は年齢を問わず業界未経験者を募集・採用していることも多く、新卒1年目でも抵抗なく飛び込みやすい業界です。

特に、人材会社やIT会社、広告やメディアを取り扱う会社、インターネット業界の営業は狙い目です。いずれも成長を続ける業界であり、営業の人がいくらいても足りない状況です。積極的に採用を行っているので、新卒入社1年目からの転職者にも広い門戸が期待できます。

かと言って誰でも良いというわけではなく、やはりその人のポテンシャルやスキルをチェックされることは当然です。また、いくら年齢不問とは言え、前の会社を短期間で辞めてしまった、あるいは辞めたいと考えている人が、自社で同様のことをするのではないか?と少し厳しい目を向けられることも覚悟しておかなければいけないでしょう。

「未経験者を歓迎する業種」であれば、新卒入社1年目の転職にも希望が持てます。他に、美容関係、販売、技能工など、思った以上に未経験歓迎の業種を見つけられます。また、そのような業種では「自社の社風を理解できる人」「(接客が関係するなら)お客様とスムーズな関係が築けること」といった、まずは能力・スキルよりも、人物像やポテンシャルを重要視するケースが多いようです。

ポテンシャル重視での採用をした企業は、社内でしっかりと研修する体制を整えています。未経験で知識がなくても、研修が終わる頃には心配することなく業務をこなすことができているでしょう。ただ、このとき適当な研修しかしない企業はあまり良い企業ではなさそうです。かと言って、またすぐ辞めるのも…ということになりかねませんので、転職先を探すときには事前に社風や社内のシステムをしっかりとチェックする必要があるでしょう。

こういった失敗をしないためには、1人だけの力で転職活動をするのはやめておくことです。転職先の企業を探すなら、転職サイトや転職エージェントに登録すると良いでしょう。転職サイトや転職エージェントに登録すると、多くの求人が提供されます。また、1人1人に担当のコンサルタントがつき、次の就職先の希望を細かくヒアリングしてくれます。ヒアリング結果をもとに適した業種や求人を紹介するシステムのため、自分1人で探すよりも効率よく転職活動が行えます。

また、登録するサイトやエージェントによっては、転職先が決まってから就職するまでの間も相談に乗ってもらえ、就職後も何かと気に掛けてくれるところもあります。新卒入社1年目での転職では不安を感じていることも多いでしょう。そんな人にも手厚いサポートをしてくれる転職サイトや転職エージェントを見つけると、満足のいく転職活動ができそうです。

1年目で転職する際に意識すべきこと

1年目で転職する際に意識すべきこと

新卒入社1年目での転職は確かに増えつつあり、そして悪い印象を受けるばかりではない時代です。しかし、業種によっては、やはり最初に厳しい目で見られる覚悟が必要でしょう。他に意識しておきたい点としては収入面です。経験を積んだ世代の転職には、ステップアップ転職のように、社会的地位や収入のアップを目指したものがあります。しかし、新卒入社1年目での転職はまったく違うものです。

新卒入社1年目からの転職の場合、前職よりも年収が下がりやすいということは理解しておいたほうが良いでしょう。特に、前職が大企業や経営状況の良い会社で、一般の人よりも高めの給与をもらっていた人は、場合によってはかなり下がってしまうケースも考えられます。

次に意識しておきたいのは、「新卒入社1年目からの転職ではいきなり企業の中核セクションに配属されないこと」です。もちろん例外もあるかもしれませんが、ほとんどのケースで企業の核を成すセクションへの配属は期待しないほうが良いです。

前職で中核セクションだった人は、自分が配属されないことにショックを受けることもあるでしょう。同時に、給料も下がってしまうとがっかりしてしまいます。しかし、これは新卒入社1年目での転職のセオリーのようなものです。よほど才能がある優秀な人なら話は別ですが、ほとんどの人はポジションや待遇のランクが下がると考えておきましょう。

1年目での転職を成功させる秘訣

1年目での転職を成功させる秘訣

新卒入社1年目での転職を成功させるためには、前述の通り、転職サイトや転職エージェントを活用してみることです。登録しなくてもある程度の求人の閲覧が可能ですし、もし気になった求人があれば登録すると、無駄がないでしょう。ただ、登録しなければ見られない求人もあるため、つまびらかに探したい人は登録が必要です。

また、転職動機がネガティブなものだけにならないように注意しましょう。「前の会社が嫌で…やりがいがなくて…」など、ネガティブ理由はあって当然です。しかし、それだけでは企業側も困ってしまいます。「社会に出たら御社の社風と自分の方向性が一致した」「社会に出てつたないながらも働き、やってみたいことが御社にあると気が付いた」など、ポジティブな理由も伝えられると印象が良くなります。

同時に、すでに社会に出ているからこそ知っているビジネスマナーも、アピール材料になります。新卒ではまだおぼつかないビジネスマナーをすでに理解していることは、入社後の業務で大きな強みに繋がります。

短期間で前職を辞めたことについて、「もう同じような結果にはしたくない(御社では同じような真似をしない)」と強くアピールするのも大切です。新卒入社1年目での転職は、何度も触れている通り、企業側の目が厳しいことも確かなのです。また、短期間で辞めるのでは?という視線を「この人ならうちで長く活躍してくれるだろう」というものに換えられるように努力しましょう。

そして、もっとも大切なポイントは「自分を採用したら会社にメリットがある」と思われることです。嘘をつく必要はなく、正直に自分の能力をアピールしましょう。「こんなことをやりたい、その結果御社にはこんなメリットがある」など、具体的な例を出せればなお良いでしょう。

とは言え、新卒入社1年目の転職者にそこまで期待している企業はあまりないでしょう。自社の社風を理解すること、与えられた仕事を社会人としての責任を持ってこなせること、社内の人間関係を適切に結べることなど、まずはポテンシャルを見られることになります。そのポテンシャルを理解してもらえるように、面接のフリータイムや会社訪問を利用してアピールしていきたいものです。

まとめ

新卒入社1年目での転職は、まだ厳しい目で見る人も多いでしょう。しかし、転職理由や業種によっては決してその限りではなく、積極的な採用を行っている業界もあります。自分のキャリアプランに合わせた業種を改めて考えてみると、適した職が見つけられるでしょう。

自分1人では探しきれない、方法が分からないという場合には、転職サイトや転職エージェントの利用をおすすめします。転職のプロとも言えるコンサルタントに手伝ってもらえば、スムーズな転職活動を進めやすくなります。手厚いサイトやエージェントならば細かく連絡をくれて、多くの求人を紹介し、採用に繋がる面接テクニックをレクチャーしてくれることもあります。

短期間で離職したことを引け目に感じず、むしろ新しい始まりのきっかけとしてポジティブに転職活動を進めていくと、良い結果に繋がりやすくなります。前職で反省するべきところがあれば素直に反省し、かと言って必要以上に自分を責めず、次の職場へ活かしていきたいものです。

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