[最終更新日]2023年9月29日 [記事公開日]2021年3月5日
コロナ禍による20代の転職活動状況とその影響は?
収まる気配のない新型コロナウイルスに繰り返される緊急事態宣言。「転職したくても不安」と感じてしまうのも仕方ないことでしょう。
20代という若さで挑む転職活動。ましてこのコロナ禍における転職ということでより一層大きな不安を抱えていることだと思います。
実際にコロナによって転職事情がこれまでとは異なってきた部分も多くありますので、それらを把握しておかないと転職活動はうまくいきません。
では実際、コロナ禍における20代の転職事情とはどのようなものなのでしょうか?
今回のコラムではそんなコロナ禍における20代の転職事情についてご紹介していきます。コロナの影響から人事の本音、20代が転職を行ううえで覚悟すべきことなどをご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください!
コロナ禍による20代の転職状況は?
2020年の新型コロナウィルス感染拡大のリスクは、私達の生活に大きな変化と影響を与えました。ロックダウンやソーシャルディスタンス確保のため、会社へ出勤して働くという形態ではなく、自宅からリモートワークをするという形態に切り替えた会社はたくさんあります。それに、コロナによる影響やあおりを受け、事業を縮小したり、倒産してしまった企業も少なくありません。
そんなコロナ禍においては、学生の新卒就職や転職状況も、これまでの方法とは大きく変化しています。先行きが不透明な中でも、転職したいという人は多いわけですが、コロナ禍という特殊な状況においても転職することは可能なのでしょうか?
事業の縮小や社員の一時解雇など、コロナ禍においては会社も生き残るために必死です。そのため、新卒の就職活動はもちろんのこと、中途採用の転職者に対しても、受け入れられる状況ではないという会社は多いです。本来なら中途採用で募集していた枠でも、現在は一時的に採用計画を凍結したり見直すという判断をする事により、求人募集の数そのものが少なくなっています。
そうした中、20代を中心に転職希望者が増えていることはご存知でしょうか。コロナ対策として、社員の給料をカットする企業は増えています。もともとお給料がそれほど多くないことが多い20代にとっては、お給料をカットされてしまうと生活ができないという人が増えているのです。生活できなければ、もう少しお給料が良い会社への転職を考えざるをえません。それが、20代の転職希望者が増えている理由の一つと考えられます。
また経営不振による解雇も、20代の転職希望者が増えている理由です。企業が人件費のコスト削減をする場合、高いスキルや経験値がある高額な人材を解雇して若い人材を残すという方法を選択することもあれば、人材を絞り込んでスキルや経験値が低い人材をカットして少数精鋭で経営を立て直すという選択もあります。
コロナ禍においては、人件費をできるだけカットしながらも売上を高く維持するため、ノウハウやスキルが低い20代を解雇するという選択をする会社が多いです。20代の転職希望者が増えている背景には、自身では転職を希望していたわけではないけれど、解雇されたために転職活動を余儀なくされたというケースは少なくありません。
その他にも、リモートワークを希望していたけれど、会社が対応してくれなかったという理由で転職活動をする人もいます。コロナ禍においては、感染拡大を防ぐためという目的で、政府がリモートワークを推奨しています。しかし、すべての会社がすべての社員に対してリモートワークを実践できるわけではありません。本人はリモートワークを希望していたのに会社からNGが出ると、コロナ感染への不安も手伝って、転職しようかなと考える人は多くなるのかもしれません。
ちなみに、リモートワークの是非が理由で転職活動をするのは、若い年代が圧倒的に多いです。20代では、基本的に社会人としての知識やスキルがそれほど高くなく、未経験者の求人に応募して働きはじめても、長期的にはお給料などの待遇面で周囲とそれほど大きな違いはありません。また、未経験者可の求人は20代を対象にしたものが圧倒的に多く、他の年代と比べると転職しやすいという点もまた、20代転職希望者が多い理由と考えられます。
コロナ禍の転職活動に対する人事の本音
コロナ禍においては、大企業から中小企業まで、企業の規模に関係なく大半の企業は大きな影響を受けています。社員をリモートワークにすることによって、業務形態や評価制度そのものを見直さなければいけない会社は多いですし、業界によっては店舗営業ができないために、社員の解雇や売り上げの大幅低下を余儀なくされている所も少なくありません。
コロナ禍においては、質が良い社員を維持することも大変です。業界によってはリモートワークが難しく、ソーシャルディスタンスに気を付けながら営業を続けなければいけない会社は少なくありません。
また、リモートワークへの移行に経営者が不安を抱えている場合や、リモートワークに対応出来る設備が完備されていない会社などもまた、政府からのリモートワーク推奨の理由は背景を理解していても、実現することは難しいという判断するかもしれません。リモートワークを希望する社員によっては、そうした会社の対応に不満を持ち、退職してしまうケースも増えています。
会社としては、経営や事業計画そのものを見直さなければいけない状況にあります。そのため、外部から新しい人材を取り込んで人材育成や教育しようということは、企業にとってはどうしても優先順位は低くなってしまうでしょう。多くの会社は、採用する余裕がないというのが本音ではないでしょうか。人材不足が深刻な会社でなければ、一段落するまでは新卒採用を控えたり、中途採用も雇い控えするという判断をする事が多いです。
コロナリスクが低くなれば、再び企業も採用を再開するかもしれません。しかし、コロナの終息のめどが立たない現在では、それがいつになるかは誰にも分りません。働く社員だけでなく、会社にとってもコロナの影響を大きく受けています。
そうした中でも、中途採用枠での求人募集を出す企業は、ゼロではありません。大半の会社が雇用控えをしている中、どのような目的であえて採用を行うのか、気になるという人は多いでしょう。
現在は、多くの会社が採用を控えているため、求人募集の絶対数が激減しています。そのため、同じ条件の求人募集に対しても、以前よりもハイスペックな人材を確保できるチャンスがあります。この状況を逆手にとって、経験値やスキルが高い人材を確保しようという企業は少なからず存在しています。
こうした企業への転職は、その業界や職種で働きたいと考えていた転職希望者にとっては、大きな魅力と言えるでしょう。コロナの影響があるため、充実した人材育成や研修、教育を入社直後に受けることは難しいかもしれません。しかし以前なら採用されなかったであろう会社で働けるという点では、大きなチャンスだと考えることができます。
コロナ禍で転職活動を行う20代が覚悟すべきこと
コロナ禍によって求人の絶対数は減少していますが、逆に20代の転職希望者は増えています。少ない求人枠に対してこれまでよりも多くの人が応募するわけですから、競争率が高くなるのは必然です。そのため、コロナ禍の転職は、20代にとっては厳しい戦いになることは、あらかじめ理解しておかなければいけません。
コロナ禍という特殊な状況においては、20代の転職者は特に注意しなければいけない点がいくつかあります。1つ目は、焦って転職すると失敗する可能性が高いという点です。コロナの影響によって求人の倍率が高くなっているため、コロナ前よりも転職成功率は低くなります。
通常なら2,3社受ければ採用にたどり着いていたような人材でも、コロナ禍においてはもっと多く受けてもなかなか採用にたどり着かないケースも少なくありません。なかなか採用されないと、焦る気持ちや不安が大きくなり、希望しない業界や職種へ転職する人が多くなるでしょう。転職者にとっては、背に腹は代えられない苦渋の決断ですが、自身に妥協して転職することは、長期的にみて後悔する原因となってしまいます。
もしも、事情があって条件や待遇面で妥協しても今すぐに転職しなければいけない場合には、そこで自分自身がどんなスキルを身につけられるのかという点を考えましょう。コロナが収束して数年後には、もしかしたら自分自身は再び転職したくなるかもしれません。その時に転職に役立つスキルを身につけていられるかどうかという点が、どこまで妥協するべきかを判断する材料となるのではないでしょうか。
2つ目は、コロナ禍の採用では、会社の駒にされてしまうリスクがあるという点です。会社のコロナ対策においては、人件費の削減を余儀なくされる会社が少なくありません。会社によっては、社員の給料をカットしたり、人員削減をすることで乗り切れるかもしれません。しかし業界によっては、人件費がかかり過ぎる部分をコストカットしたいけれど、人手がどうしても必要になってしまうこともあります。
その場合、できるだけ安く人材を確保したいという目的で、未経験者可の求人募集を出す企業が増えているのです。これは、頭数をそろえるための求人募集で、社員一人一人を長期的な戦略とみなしていない採用ともいえます。
会社にとっては、通常よりも安い人材を雇用することで、人件費を抑えながら頭数をそろえ、最低限の経営を維持できるというメリットがあります。しかし、こうした雇用はあくまでも会社にとっては短期の問題解決法のため、コロナが収束すれば、使い捨てにされてしまう可能性があることは、あらかじめ理解しておかなければいけません。
もちろん、すべての求人募集が後から後悔するようなものばかりではありません。そのため、コロナ禍において転職活動をするなら、現在の仕事は退職せずに、条件や希望に合った求人探しをするのが得策です。解雇などによってどうしても今すぐに転職しなければ生活に支障が出るという場合には、単長期的に自分自身にどんなスキルが身につくのかという点を考えながら、転職活動をすると良いでしょう。
コロナ禍でも20代が転職活動を成功させる方法
コロナ禍において20代が転職活動に成功するためには、いくつかのポイントを抑えることが必要です。1つ目は、もしも仕事を辞めずに済むのなら、あえて自己退職はしないという方法です。会社の経営不振など、会社都合での解雇なら、仕方ないでしょう。
しかし、リモートワークに対応してくれないことへの不満などを理由に転職活動をするのなら、あえて退職はせずに、条件や希望通りの仕事が見つかってから退職に踏み切るという順番がおすすめです。退職してから転職活動をすると、コロナ禍においては仕事探しが難航するケースが少なくありません。退職によって収入が途絶えてしまうと、焦りや不安から、妥協した転職先を見つけざるを得なくなるでしょう。
後から後悔するリスクを最小限に抑えるためには、仕事を続けられる人は退職せずに働きながら転職活動をするのがベストです。
2つ目のポイントは、スキル重視の転職をするという点があります。もしも自身に妥協して転職先を決める場合には、数年後に再び転職活動をするかもしれないことを念頭に置き、自分自身にどんなスキルが身につくのかという点を考えることが必要です。
転職しやすい年代は、コロナ前でもコロナ禍においても20代が高く、年齢を重ねることで転職成功率はどんどん下降します。次の転職は30代になってしまうかもしれないと考えた上で、スキルや経験値を生かせるような転職活動をするためには、今どんな働き方をするべきなのかという点を考えることは、コロナ禍という状況では多くの人に必要な長期ビジョンです。
3つ目のポイントは、失業保険の手続きを忘れずに行うという点です。会社都合の退職や解雇では、失業保険の手続きをすれば待期期間が発生することなく、速やかに手当てを受給できます。自己都合の退職では、待機期間は2か月間となり、すぐに受給することはできません。しかし、退職した場合には再就職までの期間は収入が途切れるわけですから、失業保険を受給することによって経済的な負担を少しでも軽くすると良いでしょう。
失業保険の手続きには、会社から発行された離職票などの書類がいくつか必要となります。なくしてしまうと、再発行してもらうまでに時間がかかったりすることがあるので、注意してください。また、失業保険の受給額は、残念ながら働いていた時に受け取っていたお給料の金額よりも少ないです。そのため、失業保険だけで十分な生活ができるというわけではないことは、あらかじめ理解しておきましょう。
まとめ
コロナ禍においては、中途採用の求人数が少なくなっています。しかし、20代の転職希望者は増えているという状況です。少ない求人数に多くの人が応募するため、競争率は高くなってしまう点は、あらかじめ理解しておきましょう。コロナ禍での転職を成功させるためには、スキルの点で長期的なビジョンを持ち、リスクも理解することが必要です。
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