[最終更新日]2023年9月29日 [記事公開日]2021年3月5日
無職からの転職活動の実態と成功させるための対策法をプロが教えます
一度は入社したものの退職した人、新卒時に入社先を決められなかった人など様々な理由から現在「無職」の人が転職活動を行おうとしていませんか?
転職といえば在職中に行うイメージがあると思いますが、無職の状態から転職活動をする人って案外たくさんいるんです。しかしやはり無職からの転職活動ということで「厳しい」というイメージもあると思います。
実際のところ無職から転職活動が厳しいものになる場合が多いです。ではそんな無職からの転職活動、具体的にどれほど厳しいのでしょうか?
今回のコラムではそんな無職から転職活動を行う難しさについてご紹介していきます。実際にどれほど厳しいのか、また無職から転職活動をするうえで覚悟すべきなどを解説していますので、ぜひ最後までご覧ください!
無職から転職活動をする人は多い
転職活動する人の中には、働きながら次の会社を探し、見つかってから退職届を提出する人がいる一方で、最初に退職した上で仕事探しに集中する人も少なくありません。仕事を退職してから転職活動をする際には、働いていない無職の期間が長くなってしまうと、仕事探しにおいては不利になることを知っておかなければいけません。
例えば、積極的に転職活動を進めているけれど、1年以上どこからも内定をゲットできていない求職者がいたとしましょう。面接する会社にとっては「これまで何十社も面接をしてきたのに、どこも採用したがらない人物」というマイナスの印象を持つことは容易に想像できます。求職者はその人だけではないわけですから、会社にとっては、なんとなく敬遠したくなってしまうかもしれません。
無職の人が採用されにくい理由は、他にもあります。それは、ブランク期間が長くなることによって、仕事に対する勘が鈍ってしまうと懸念されたり、持っているスキルが古くなっているのではないかという懸念があるからです。また、働いていない期間が長くなることで、仕事に対するやる気やモチベーションが下がっているのではないか、と思われてしまうリスクもあります。
他社から内定をいくつかもらったけれど、条件に合わないので断ったという人も注意が必要です。この場合には、プライドが高すぎて環境に妥協できない人だと思われるかもしれません。仕事では、理想やプライドは大切ですが、高すぎると周囲にもマイナスの影響を与えたり、仕事の成果にも影響が出てしまう可能性も考えられます。
そうした理由があるため、転職活動において無職の期間が長くなればなるほど、仕事探しては不利だと考えられています。口コミでも、無職期間に対するジレンマの声は多く見受けられます。
「転職先がすぐに決まると思って退職しましたが、予想外に苦戦して、結局1年以上決まりませんでした。半年ぐらいを過ぎたころから、面接の時に、これまで何社を受けたかとか、内定をもらえない理由は何だと思うか、といった質問をされるようになり、精神的にかなり焦りました。」
「仕事のストレスから精神疾患を発症し、2年ほど自宅療養していました。そろそろ仕事探しをしようと思って転職活動を始めましたが、どこからも敬遠されてしまい、なかなか決まりませんでした。結局、スキルや経験を生かせない飲食店で働くという選択肢しかなく、現在ではキャリアの方向転換をして頑張っています。」
無職期間を経て転職に成功する人はたくさんいます。その中には、無職の期間がそれほどマイナスの影響を与えることなく、スンナリと次の仕事を決めている人も多いです。しかし口コミからも分かるように、その多くはブランク期間が短いという共通点があります。
「僕が転職した理由は、働いていた会社が倒産したからです。営業のスキルがあったので、すぐに出されていた求人に応募し、1ヶ月ぐらいで別の職場で働き始めることができました。貯金が少なかったので、転職先がすぐに決まって良かったです。」
「職場の人間関係が悪く、無職になることに抵抗がありましたが、退職をしてから転職活動をしました。これまでと同じ条件の仕事を探すには経歴やスキルの面で自信がなかったので、会社の規模やお給料、職種を妥協して決めました。無職期間を短くするなら、妥協は大切だと思います。」
無職でも転職はできるの?それとも厳しい?
無職期間があっても、転職することは可能です。しかし、無職期間が長くなると、どうしても仕事探しでは不利になります。具体的にブランク期間がどのぐらいあると不利になるかという点ですが、目安としては1年を超えるぐらいから、不利になると考えると良いでしょう。
会社にとっては、無職の期間があることに対して懸念材料があるものです。しかし、無職の期間があるから不採用というわけではありません。働いていない期間があっても、その間に何をしていたかという理由次第で、不利になることもあれば有利になる事もあります。
不利になるケースは、積極的に仕事探しをしたけれど内定がゼロの場合や、家でのんびり無職をエンジョイしていたという場合などです。自分にとってプラスとなる要素がなく、生産性が低い過ごし方をしていると、仕事に対するモチベーションややる気を懸念されてしまい、不採用になる可能性が高くなってしまいます。
それでは、不利にならない無職になるためには、どんな時間の過ごし方をすれば良いのでしょうか?例えば、資格取得のために時間を使ったという場合には、勉強に集中していたということで、無職期間があってもそれほど不利にはなりにくいです。弁護士試験や税理士試験のように、難易度が高く合格率が低い国家試験では、無職になって勉強に集中する人はたくさんいます。
無職の期間があっても、勉強のために時間を使い、その結果、資格を取得できたという成果があれば、無職でもプラスの評価をされるでしょう。もしも勉強に集中したけれど合格できなかったという場合でも、時間の使い方という点では認めてもらえるため、マイナス評価にはなりづらいでしょう。
語学を学ぶために留学していたという理由も、不利になりづらい傾向にあります。留学にもいろいろなタイプがありますが、留学に行ったという理由なら、留学前と帰国後のTOEICのスコアのビフォーとアフターを提示することで、どれだけの成果があったのかを証明できるでしょう。大学などの教育機関へ留学して学位を取得した場合にも、その無職期間はプラスに評価されやすくなります。
無職でも、以上のように生産性が高い時間の過ごし方をしていれば、ブランク期間はマイナス評価となりづらい傾向があります。しかし、働きながら仕事探しをしている人と比べた場合、ケースバイケースではあるものの、やはり転職活動においてはマイナスになりやすいという点は、理解しておきたいものです。
例えば語学の勉強なら、働きながら勉強している人は多いですし、有給を利用して短期留学する人も少なくありません。数か月程度の留学期間なのに、無職の期間が1年以上というのでは、成果はあってもマイナス評価の材料となる可能性はあるでしょう。転職活動をする際に、現在の仕事を辞めるかどうかで悩んでいる人は、できれば辞めずに仕事探しをするという選択をするのがおすすめです。
無職で転職活動をする際に覚悟すべきこと
無職で転職活動をする際には、いくつかのリスクがあることをあらかじめ理解しておきましょう。できれば、職場を退職して無職になる前にリスクを理解し、納得した上で退職することをおすすめします。
無職になることの1つ目のリスクは、採用されにくいという点が挙げられます。理由は上記した通りで、働いていない期間の正当な理由がない限りは、ブランク期間が1年を越えるぐらいから中途採用のハードルが高くなります。転職活動にかかる平均的な期間は3ヶ月~6か月程度と言われていて、このぐらいの期間なら、無職期間があってもそれほど大きなマイナスにはなりにくいです。
もしも仕事探しが難航して6ヶ月以上かかっている場合には、自身の条件を妥協してでも早めに転職できるように意識したほうが良いでしょう。理想を貫いていても、ブランク期間が長くなることによって採用されづらくなり、結局は条件を妥協しなければいけません。
2つ目のリスクは、経済的なリスクです。無職の期間には収入は入らないため、貯金を崩して生活しなければいけません。退職してから2か月間の期間をおけば失業保険を受け取ることはできますが、失業保険の受給期間は決まっています。特に一人暮らしをしている人のように、収入が途絶えると生活できなくなってしまう人は、経済的なリスクを考えた上で、退職するかどうかを慎重に決めることが大切です。
また、社員寮で生活している人は、退職と同時に退居しなければいけません。次の仕事が決まらず無職でも、住む場所が必要となるため、アパートの契約などが必要でしょう。その際には、敷金や礼金が発生するため、まとまった費用がかかることは理解しておきましょう。そして、転職して社員寮に入る場合には、入居して間もないアパートを退居することになりますし、仕事を見つけても通勤できない距離なら、再び転居が必要となります。
更なる費用がかかることになるという点も、理解しておかなければいけません。もしも社員寮で暮らしているのなら、次の職場の内定を受け取ってから退職願を出すという順番にするのが賢明です。
3つ目のリスクは、条件や希望を妥協しなければいけないリスクです。なかなか転職先が決まらないと、経済的にも困窮しますが、精神的にも焦ってしまうでしょう。そうすると、早く仕事を決めなければいけないという思いから、最初に希望していた条件に合わなくても、妥協する可能性が高くなります。場合によっては、退職した職場の条件や待遇よりも悪い条件で転職せざるを得ない状況にもなりかねません。
無職から転職活動を成功させる方法
転職活動の最中に無職になってしまう場合でも、対策次第ではブランク期間をそれほど大きなマイナス要素にすることなく、仕事探しに成功することは可能です。そのためには、何を準備したら良いのでしょうか。
まず1つ目に準備することは、失業保険の申請です。自己都合退職の場合には、失業保険を申請してから2か月の待期期間があります。申請したらすぐに受給できるというわけではありません。そのため、退職の際に職場から離職票を受け取ったら、速やかに失業保険の申請をしておくことをおすすめします。
2つ目に準備することは、市役所に行って国民健康保険証や住民税の手続きです。無職期間がゼロで、退職した翌日から次の職場に出勤する人なら、これらの手続きは必要ありません。しかし無職期間が発生する場合には、各自で手続きが必要となります。
3つ目に準備することは、転職活動を速やかに成功するためのサポートを受けるという点です。求人サイトや転職サイトに登録し、エージェントから仕事探しのサポートを受けましょう。こうしたエージェントは、仕事探しのプロなので、客観的に自分自身の市場価値を見極め、ピッタリの仕事を紹介してくれたり、仕事探しにおけるアドバイスをくれます。
一人で仕事探しをしているよりも、転職に精通したプロから意見やアドバイスを受けることによって、多方向から自分を見つめることができますし、より採用されやすい会社にターゲットを絞ることができるでしょう。
4つ目に準備することは、面接対策です。無職期間がある人のほとんどは、面接の際に「どうして働きながら転職活動をせずに、退職を選んだのか?」という質問をされます。答え方によっては、マイナス評価となって不採用になってしまうかもしれません。そのため、しっかりと答えを準備しておくことで、面接本番であわてず焦らず、面接官に適切なアピールができるでしょう。
無職期間がある場合、どうして無職なのかという質問だけでなく、前職で力を入れたこととか、前職を退職しようと思った理由など、すでに退職した仕事のことについて複数の質問をされることがあります。嘘をつく必要はありませんが、本音を正直に話す必要もありません。面接官にネガティブな印象を与えないように、プラス思考で面接対策をしてください。
5つ目に必要な準備は、毎日の生活でできるだけ支出を減らすように節約するという点です。仕事探しに集中しなければいけないのに、生活苦になってアルバイトをするというのでは、本末転倒です。収入が減っても、最低必要な支出を大幅に減らすことは簡単ではありません。しかし、できる部分を最大限に切り詰めて節約することで、転職までの限られた資金を長く持たせられます。
まとめ
転職活動では、無職期間が発生する人はたくさんいます。無職の期間があると必ずしも転職に不利になるというわけではありませんが、1年以上のブランク期間がある人は、不利になる可能性が高くなるので注意しましょう。ブランク期間でも、留学や資格取得など、生産性が高い時間の使い方をしていれば、マイナス評価される可能性を低く抑えられます。また、無職の期間には、支出を減らす努力をしたり失業保険をもらうなど経済的な面で工夫すると同時に、面接対策も行っておくのが得策です。
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