[最終更新日]2023年9月26日  [記事公開日]2021年3月4日

転職の軸とは?就活軸との違いやこだわり・条件の定め方

転職を目指すうえでまず初めにするのが「転職の軸」を定めることです。新卒就活時にも「就活の軸」を定めたと思いますが、転職においても「転職の軸」を改めて定める必要があるのです。

転職するということは当時定めた軸に当てはまる企業では満足できず、退職したということですから、新卒就活時とは企業に求める条件も異なっているはずです。ですから、その違いなどをすり合わせることを目的に、転職の軸を定めていきます。

では具体的にどのようにして転職の軸を定めていけばいいのでしょうか?

このコラムではそんな「転職の軸」についてご紹介していきます。就活軸との違いや転職の軸の重要性、軸を定めるうえで基準にすべきことなどをご紹介しています。

次こそ満足のいく企業へ入社するためにも、このコラムを読んで企業選びの基準となる「転職の軸」を定めていきましょう!

転職の軸とは?就活軸との違いと合わせて解説

転職の軸とは?就活軸との違いと合わせて解説

転職活動をスタートさせ成功させるためには、前もって自分なりの希望や転職先の条件などを決めておくことが重要です。そこで決めておきたいのが「転職の軸」と言われるものです。この転職の軸の定義とは、転職先の企業に求める条件や次に手がけたい仕事、給料などの勤務条件のことです。もちろん、たくさんの希望を持っている人も多いですが、その中でも特に重視したいポイントを転職の軸ということが多いです。

似たような意味で使われる言葉としては、「就活軸」というものがあります。これも確かに会社を決める際に求める条件や希望などを指す言葉です。しかし、就活軸という場合、新卒者を始めとして初めて企業に就職する人が重視するポイントという考えが強くなります。

そのため、多くの場合就活軸としては、仕事を通してどんなことを成し遂げたいのか、どんな業界で働きたいのか、学歴を生かせる企業や業務としてどんなものがあるのかという点が多くなります。全体的に大枠で求める企業や業務を検討することになり、抽象的なイメージで終わることが多い傾向にあります。

一方で転職の軸を定める時には、さらに詳細な条件付けをすることになります。たとえば、企業規模やブランド力、単に働きたい業界だけでなく具体的な職種などを考えます。さらに、給料や福利厚生の充実度、業務で使える資格やスキルの内容などです。

やはり、一度社会人としての仕事を実際に体験しているので、その上でより自分に合った会社や働き方を求めるという意識が高くなるからです。さらに将来設計が具体化しているので、それを実現させるためのプランを明確にできているというのが大きな点です。

このように、就活軸を定める時には、あいまいで抽象的だった絞り込みを、社会人としての経験を通じてより具体的かつ詳細なものとしたのを、転職の軸ということができます。ここに二つの軸の違いがあるわけです。こうすることで、初めて就職する時とは違う、より自分のスキルや経験を生かした、将来につながる転職ができるようになるのです。

この二つの違いを理解しておくことで、転職の方向性がよりはっきりとしてきます。初めての就活の時に決めた就活軸を一度思い返して、それと今考えている転職の軸と比較してみると良いでしょう。全く違う分野にチャレンジしようしている自分がいるのか、同じ業界でより高度なことをしたいと思っているのかを見定める助けとなります。

また、面接の際に、初めの就活をしていた時の軸がどんなものだったかを聞かれることもありますので、ある程度思い出しておくと助けになります。

転職活動における「転職の軸」の重要性

転職活動における「転職の軸」の重要性

転職時の軸は、転職活動をスタートする時にはすでに決めておくべきです。そうしないと、転職先となる企業の絞り込みが難しくなります。特に20代の転職となると、かなりたくさんの選択肢がありますので、どの企業が良いのか選ぶのにかなり悩んでしまいます。

ダラダラと求人情報チェックだけで時間が過ぎてしまいますし、本当に自分に合った企業を絞り込めなくなってしまう恐れもあります。その点、はっきりと転職の軸を定めていれば、効率よく求人情報の取捨選択ができるようになります。より短期間で転職を果たすのに助けとなりますし、マッチングしやすいというメリットもあります。

また、自分の本当にやりたいことやすでに磨いてきたスキル、経験を最大限発揮できる会社を見つけやすくなる、という点でも重要です。就活軸を決めた時のように、漠然とした希望ではなく、明確に将来のために役立つ業務をチョイスできるからです。

また、持っているスキルを活かすことで、キャリアップが容易になりますし、年収アップなどの待遇を向上させるのにも役立ちます。逆に転職の軸を決めていないと、技術や資格、経験をフルに生かせる職場という観点をないがしろにしてしまうこともありますので、上手にキャリア形成ができなくなっています可能性が生じます。

転職の軸を定める時には、たくさんある条件や希望の中でも、特にこだわりたいポイントに優先順位を付けていきます。こうすることで、複数の企業が候補として挙がっているとしても、より自分が大事にしたいと思っている条件を満たしてくれる会社を迷いなく選べるようになります。

すると、最終決定を下した時に、別の会社にすれば良かったのではないかという迷いや後悔の気持ちが生じなくて済むのです。多くの人にとって、100パーセント理想的な転職先を見つけるというのはかなり難しいことですので、よりこだわりたい条件をクリアしている会社を選ぶことで、より良い決定ができるというわけです。

転職の軸は就活軸と同じじゃダメなのか?

転職の軸は就活軸と同じじゃダメなのか?

前述の通り、転職の軸というのは就活軸とは違うものです。より、具体的で詳しい条件付けをすることになります。初めて社会に出る時の軸と、転職をする時の軸が一緒ではダメなのです。というのも、数年であっても社会人として仕事を経験していますので、そこで得たものを活用していくことで、より良い転職ができるからです。

たとえば、新たな資格を取得していたり、学生の時に取得した資格を実地で使ったりしているかもしれません。また、特定の仕事の実務経験を積んでノウハウを得ているはずです。さらには、今までしてきた業務における実績というものもあります。こうしたスキルや実績を基に、ワンランク上の会社もしくは業務ができるように、就活軸をさらに煮詰めて転職の軸とすべきなのです。

また、就活軸ではあまり具体化していない条件もあります。たとえば、年収条件を挙げることができます。実際に企業に所属してみて、どのレベルの企業や業務で、どのくらいの年収を稼げるかを理解するようになっているはずです。また、客観的に見て、自分のスキルと経験ならどのくらいの年収を得られそうかも予測できます

特に、営業などの業種では、固定給に加えてインセンティブによる収入も大きいです。歩合でどのくらい割り増しできるかは、やはり実際に業務をしてみないと分からないことも多いので、就活軸では決めるのが難しい内容となります。それを、すでにある程度の経験によって確認できているわけですから、転職の軸ではより明確にしておかないとせっかくの社会人経験を無駄にしてしまうことになります。

さらに、ワークスタイルについての条件にも就活軸よりもこだわりが出ているはずです。たとえば、自分が携わる業務であれば毎日オフィスに出勤しなくても、リモートワークで十分という人もいることでしょう。そうであれば、より柔軟な仕事の仕方を推進している企業というのを軸に含めることができます。

さらに、結婚などの変化を経験している、もしくは近いうちに予定しているのであれば、それを考慮に入れた条件付けも増えていることでしょう。時短勤務ができる企業であるとか、フレックスタイム制を導入している会社が良いといった軸の作り方ができるようになります。さらには、自分の趣味を副業として行ったり、本業とは別にちょっとしたお小遣い稼ぎができたりする仕事が良いと考える人もいます。こうした条件は、就活軸を定める時にはなかなか考えつかないことです。

実際に社会人としての経験をしてみて、プライベートや家族の時間の両立についても課題や希望が出ているはずです。これからの仕事の進め方を考える上で、こうした点を含めて転職の軸や、就活軸を見直して作る必要があるのです。

そうすることで、より人生設計を明確に行うことができますし、仕事以外の大事なものとのバランスを取るのにも役立ちます。特に結婚などの大きなライフイベントを控えているのであれば、その変化をしっかりと考えた上で、就活軸とは異なる条件を考えることが重要になってきます。

こうして見ると分かるように、転職の軸は就活軸からさらに発展させた条件付けであることが分かります。とはいえ、場合によっては就活軸とは全く違う方向に向くこともあります。当初抱いていた理想や希望が、実際に仕事を経験してみて変わることもあるからです。やりたいと思っていた仕事が実は違うものであったり、体験してみてそれほど魅力を感じることがなかったりすることもあります。

実際に、20代で転職をする人の中には、今までの仕事とは違う新しい業種や職種にチャレンジしたいという動機を持っている人が少なくありません。そのため、以前に定めた就活軸にこだわることなく、新しく転職のための軸を検討し直す必要が出てくることもあります。

転職の軸の定め方と見直す際の基準

転職の軸の定め方と見直す際の基準

このように、転職の軸はこれからの働き方や人生の歩み方を明確に指し示す、大事なものであることが分かります。そのため、転職をある程度決意したら、まず転職軸を定めるようにしましょう。

その定め方としては、論理的な手順に従っていくのがベストです。なんとなく、自分として望む勤務条件や企業の希望を列挙するだけだと、リストに漏れが出てきたリ、優先順位の付け方を誤ってしまうことがあるからです。

まず、いくつかの要素ごとに、考えられる条件を挙げていきます。具体的には、まず業務内容についての要素です。ここには、業種や職種といった大まかなものから、すでに持っている資格や経験を生かせるかどうか、キャリア形成に役立つ実務経験が積めるかといった細かな条件が含まれます。人によっては、これから専門資格を取りたいので、資格取得支援制度を持っているかという点も考慮したいと思うでしょう。

もう一つの要素は収入という点です。月収もしくは年収の額に加えて、ボーナスの支給額をある程度軸として決めておきましょう。その上で、通勤手当や住居手当などの各種手当の充実度、職種によってはインセンティブがあるか、あるならその割合や付与システムについて考えます。収入は転職の軸の中でもこだわりが強いところとなることが多いので、現状を把握しながら明確にしておくと良いでしょう。

さらに、ワークスタイルに関わる条件を考えていきます。転勤の有無や勤務地、通勤の手段として何を選ぶかといった点です。さらに、在宅ワークを推進していたり、フレックス勤務を許可していたりするかなどのこだわり条件を入れる人もいます。また、家庭との両立を考えて時短勤務や、週に数日だけの勤務で良いかという条件付けをする人も増えています。

労務や福利厚生についての条件も軸として含めます。そもそも固定の休日なのか、育休などの長期休暇が取りやすいか、さらには残業が多いかどうかという点が条件となります。他にも、社内に託児所や子育て支援制度を設けていることや、社宅・寮といった住宅についての支援があるということもこだわりポイントとなります。中には、社員持ち株制度を重視することもありますし、健康保険制度や介護支援を大事にしたいという人もいます。

そして、会社そのものの中身については転職の軸として大事なポイントとなります。上場企業かといった企業規模やブランド力、そして外資かどうか海外進出しているかという点を考慮します。さらに、社員の年齢層や女性社員の割合といった条件を重視することもあります。社風や職場の雰囲気、社員同士のコミュニケーションは働きやすさに直接関わるポイントとなります。

このように、それぞれの要素の中で気になる条件をリスト化します。その上で、より自分が重視する、もしくはこだわりたい条件に優先順位を付けていきます。特に、家庭を持っている人であればワークスタイルがこだわり条件となることが多いです。また、環境にこだわる人であれば、会社そのものの条件を重視することになるでしょう。こうして転職の軸を優先度を付けて決め、企業選びの基準とすることができます。

まとめ

転職活動をスムーズに進めるため、間違いのない企業選びをするためには、転職の軸を明確に定めることが非常に重要です。初めての就職の時に決めた就活軸とは異なるもので、より詳細で現実的なものとなります。それぞれの要素の中から、重視したい条件をピックアップして、さらにそこからこだわりたい点に優先順位を付けていきます。

こうした論理的な形で転職の軸をはっきりと持つことによって、迷いのない転職活動ができるようになります。自己分析をしつつ、より自分に合った転職先を見つけるようにしましょう。

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