[最終更新日]2023年9月11日  [記事公開日]2022年9月22日

人材紹介会社が高い?相場と手数料が高い企業・安い企業との違い

採用活動を行うにあたって、人材紹介会社を利用する企業も増えています。これは、こちらの希望する人物像を人材紹介会社のキャリアコンサルタントに伝えると、人材紹介会社に登録している求職者の中から、その条件にマッチすると思われる人を紹介してくれるシステムです。もし紹介された人物を採用すれば、手数料を人材紹介会社に支払うことになります。人材紹介会社のデメリットとして、この手数料が高いという話がしばしば聞かれますが、実際のところはどうなのでしょうか?

人材紹介会社の手数料の相場

人材紹介会社の手数料の相場

人材紹介会社の手数料は、各社で独自に設定しています。一般的な手数料の相場と言われているのが、求職者の理論年収の30~35%です。人材紹介会社の手数料の話では、「理論年収」という言葉がしばしば用いられます。理論年収とは、毎月の給料の1年分の他、諸手当やボーナスなどの報奨金を加えたものです。ちなみに、諸手当の中に交通費は含めません。理論年収といわれると難しそうと思うかもしれませんが、それほど身構える必要はありません。求人票に給与を記載する場合、想定年収と想定ボーナスの総額にすると思います。この額面上の年収が目安になると考えてください。

例えば、求職者に支払う年収が500万円だった場合、紹介手数料は30~35%の150~175万円が相場となります。ただし、手数料は人材紹介会社によってかなり違いがあるため、確認したうえで、十分検討すべきでしょう。

高い企業と安い企業との違い

高い企業と安い企業との違い

人材紹介会社の手数料を見ると、その単価にばらつきがあります。人材紹介会社の中には、相場の30%を下回る手数料で紹介するサービスもあります。また、届出制手数料は50%が上限と定められています。この上限ギリギリの手数料を取るような人材紹介会社も見られます。なぜ、このように手数料に差が生まれるのか、それは紹介できる人材の質によるものです。どのような人材が登録しているか、どこに運用コストをかけているかなどによって、違いが出てくるのです。

安い手数料でサービスを提供している人材紹介会社を見ると、その人材は業界未経験者など、ポテンシャル採用の人材が多いです。もしくは、外国人人材を紹介するサービスも手数料は安価になりがちです。特に、もともと人件費が安いアジア系の人材紹介を手掛ける人材紹介会社は、手数料が安めと言われています。このような会社は、手数料のコストは圧縮できますが、質のいい人材を紹介してもらえない可能性が高いです。ただし質が高くないといっても、現時点での話です。入社後の教育次第では、優秀な人材に育つ原石のような人材も含まれているかもしれません。人材育成システムの整備されている会社であれば、あえて手数料の低い人材紹介会社を使い、採用コストを圧縮して、自分たちで育てるのも選択肢の一つです。

運営コストをかけず、その分をクライアントの手数料に還元している場合もあります。例えば、広告費を抑制することや、小規模の人材紹介会社で人件費がかからない場合は、手数料を抑えることができます。近年では、オンライン専業やシェアオフィスを使って活動している人材紹介会社もあります。この場合も、貸しオフィスを利用する企業と比較して、事務所の経費を抑えることができます。

手数料の安い人材紹介会社の中には、注意しなければならないサービスもあります。それは、返還金の規定を厳しく設定している場合です。

多くの人材紹介会社では、返還金規定があります。これは、紹介を受けて採用した人材が、早期離職する場合に適用されます。入社後にすぐ離職されると、企業としては支払った手数料が無駄になってしまいます。そのため、一定期間内に離職された場合、紹介手数料の一部を返金する規定が設けられているのです。

手数料が安い人材紹介会社は、早期離職の条件を厳しく規定していて、なかなか手数料が返金されない可能性があります。そのため、返還金の規定がどうなっているかを確認したほうがいいでしょう。特に、フリーターや第二新卒を採用する場合には、面接では見つけられなかったミスマッチに気づくこともあり得ます。その分、早期離職リスクも高くなりますので、返還金のチェックは怠らないようにしてください。

一方、紹介手数料の高い人材紹介会社の場合、優れた人材が多数登録していることが多いです。ヘッドハンティングされるような経営幹部クラスの人材を、多数取り扱っている会社も少なくありません。専門知識やスキルを持った人材が多数登録しているのも、手数料の高い人材紹介会社の特徴の一つです。具体的には、エンジニアや医療関係の資格を持っている人材などです。優秀な人材はそう簡単には見つけられません。希少価値があるので、手数料もそれなりに高くなるわけです。

手数料の高い人材紹介会社の場合、サービスも手厚い傾向が見られます。例えば、早期離職した際の返還金を多く設定するなど、手厚い保証を設けている会社が多いです。また、人事に関するトータルソリューションサービスを提供しているところや、人材紹介だけでなく採用コンサルティングなどのサービスが含まれているところもあります。「なかなか思うような人材を採用できない」などの課題を抱えているのであれば、多少コストをかけてでも、総合的なサービスを行っている人材紹介会社にお願いするのも一考です。

手数料の高い人材紹介会社は、サーチ型が多くあります。サーチ型とは、クライアントの依頼を受けて、その条件に合致する人材をスカウトしてくるサービスです。ハイレベルな人材の場合、ヘッドハンティングしてくるところもあります。

通常の人材紹介会社の場合は求職者に登録してもらい、その中からクライアントの希望する人材にマッチングする人を見つけてきます。その点で、サーチ型とは人材紹介の仕組みが異なります。

サーチ型の場合、「リテーナーフィー」と呼ばれる、着手金の一種を前もって支払う会社もありますので、注意してください。着手金は、求人を依頼した段階で、紹介手数料の一部を前払いという形で支払う費用です。そして、紹介された人材が実際に入社することになったら、残りの手数料を支払います。着手金は、採用の可否関係なく支払わなければなりません。紹介された人材が何らかの理由で採用されなかった場合でも、返還されることはありません。その点が、一般的な人材紹介会社の完全成功報酬制とは異なりますので注意してください。

着手金がどのくらいの金額かは、採用難易度によって異なります。また、採用保証を付けている会社もあり、このような制度を利用すると、着手金は高めになります。

手数料の高い人材紹介会社かどうかは、40%が一つのラインになってくるでしょう。手数料を40%以上に設定している人材紹介会社は、経験豊富なヘッドハンターが直接人材をスカウトしているところが多いです。

採用事情に合った人材紹介サービスの選び方

採用事情に合った人材紹介サービスの選び方

人材紹介サービスは、一律に「ここがいい」というものではありません。どのような人材を何名程度採用したいのか、各企業の採用事情によって、おすすめの人材紹介サービスは変わってきます。

人材紹介会社の中には、総合型と特化型があります。総合型の場合、多種多様な職種の人材が登録しています。大手になると登録者数も多いので、自分たちが求める人材に出会える可能性は高まります。例えば、複数の職種の人材を同時に採用しようと思っているのであれば、総合型がおすすめです。一方で、特化型の場合は、浅く広くの総合型と違って、狭く深く人材を紹介してくれるのが特徴です。特定分野に強みを持った人材が多数登録しています。もし職種を絞って、良質な人材を少数、ピンポイントで採用したければ、特化型を利用するといいでしょう。

人材紹介会社には、分業型と一気通貫型があります。分業型は、企業担当と求職者担当が別の社員で、一気通貫型は同じ社員が担当となります。

分業型の場合、1つの案件を2人で取り組む形になり、作業効率に優れています。しかし、2人の間のコミュニケーションに齟齬をきたすと、認識にズレが生じるリスクもあります。大手の人材紹介会社で1人で何件も取り扱っている会社では、このような意見の齟齬が起こりやすいです。一方、一気通貫型では、同じ社員が企業と求職者それぞれの要望を把握しているので、マッチングの制度が増します。

もし多くの採用者を確保したいと思うのであれば効率性に優れた分業型、マッチング精度を重視するのであれば一気通貫型の人材紹介会社が、おすすめということになります。

人材紹介会社を選ぶにあたって、どの地域をカバーしているかもチェックしておきたいところです。大きく分けて、全国型と地域密着型の2種類に分類できます。

全国型の場合、日本各地から求職者が登録しますので、その登録者数は多くなります。求職者が多ければ、それだけ自社が要望する人材と出会いやすくなります。ただし、全国型の場合、どの地域もまんべんなく人材が登録しているとは限りません。一般的な傾向として、首都圏をはじめとした大都市圏の人材に偏りがちです。地方を基盤としている企業の場合、近場の人材を見つけられない恐れがあります。

地域密着型は、特定の地域に特化して人材登録しているのが強みです。全国型で思うように人材を確保できなかった場合、自社が所在する地方に強みを持った人材紹介会社に変更するのもいいでしょう。自社の環境に慣れている人材や、近隣で暮らしていて長期にわたって働いてくれるような人材が見つかりやすいかもしれません。ただし、全国型のように業種や職種を幅広く取り扱っていない可能性もあります。

人材紹介会社を利用する際に、こちらが思っているよりも少し手数料が高かったとします。この場合、値引きができるかどうかは気になる点でしょう。もちろん人材紹介会社によって対応は異なりますが、一般的な傾向として、数パーセント程度の割引なら交渉に応じてくれる業者は少なくありません。もし、求職者との相性がよさそう、でも紹介手数料を満額負担するのは厳しいというのであれば、値引きを持ち掛けてみましょう。値引き交渉が成立しないことも十分理解したうえで、話を持ち掛けてみてください。

人材紹介会社を選ぶ際には、どの分野に強みを持っているかをチェックしましょう。自社の業界や採用職種に精通している人材紹介会社がおすすめです。特定の業種や職種に強みを持っている場合、それぞれの業界や職種に精通したキャリアコンサルタントが担当し、業界や募集職種の実情に合わせた人材を紹介してくれます。逆に、得意分野と異なる業種や職種の人材については、思うような人材が紹介されない恐れも出てきます。人材紹介会社をチェックするときには、どのようなジャンルに強みを持っているか忘れずに確認しましょう。

グローバル化が進む現在、グローバルな人材を採用したいと考える企業もあるでしょう。その場合、グローバル規模のネットワークを持つ外資系の人材紹介会社がおすすめです。ただし、日系企業でグローバルに強い上位管理職ポジションの人材を探しているのであれば、日系の人材紹介会社のほうがよい場合もあります。なぜなら、独自ネットワークを使ってマッチする人材が見つかるかもしれないからです。

まとめ

人材紹介会社を利用するにあたって、紹介手数料はしっかり調べておきたいところです。採用する人材の年収によって変わってきますが、少なくとも数十万、場合によっては100万円を超える場合も出てきます。紹介手数料には高い会社と安い会社がありますが、安いからという理由だけで、むやみに利用するのはやめておきましょう。手数料の高いところも安いところも、それ相応の理由があるからです。ハイクラスの優れた人材を紹介してほしければ、それなりの手数料をかけないといけないことを考えておきましょう。もし、人材紹介会社を利用する場合は、弊社ジールコミュニケーションズをご検討ください。

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