[最終更新日]2023年9月12日  [記事公開日]2022年9月22日

新卒の確保が難しいと悩む採用担当者必見!効率的に優秀な人材を確保する方法教えます

新卒人材の確保は今後も難しい状況が続く見込みで、採用担当者は学生に対して積極的にアプローチしていく必要があります。

本記事では、就活生に選ばれる会社になるために不可欠な社内環境整備やイメージ戦略、優秀な人材を効率的に確保する方法を紹介します。新卒の優秀な人材の確保に向けて、参考にしてください。

新卒採用における人材確保の難しさとは

新卒採用における人材確保の難しさとは

2022年卒の大卒の求人倍率は1.50倍でした。前年度の1.53倍と比較すると少しだけ減少しましたが、それでもかなり高い水準となっています。日本経済が絶好調だったバブル期におけるピークが1.48倍だったと書けば、その水準の高さが推測できるのではないでしょうか。

現在の新卒の就職事情はは、経済状況は決してよくないにもかかわらず求人倍率が高いという、これまでになかった状況となっています。そこには現代社会ならではのさまざまな事情が関わっており、その事情がさまざまな形で人材不足をもたらしてしまっています。

まず根本的な部分として人口の減少、とりわけ生産人口の減少に歯止めがかかっていない現状があります。少子高齢化が長く続いているうえに、団塊世代をはじめとした人口の多い世代がどんどん現役から退く年齢に達していることで、「働く人材」そのものが減少しているのです。だからといって、職場の人手も自然に減っていくというわけにはいきませんから、多くの企業において人手不足が問題になってくるのです。

そんな人手不足を解消する手段として、新卒採用、中途採用、キャリア採用をうまく組み合わせて行っている企業も増えていますが、そのメインとなるのはやはり新卒採用です。そうなると当然、新卒の中でも優秀な人材は、多くの企業間で争奪戦となります。まさに、現代は就活生にとって、これまでにない売り手市場の状況になっているのです。

その一方、職場とのマッチングがうまくいかないケースが増えています。せっかく新卒を採用したのにあっという間に退職してしまうのです。厚生労働省の発表によれば、新規学卒就職者(平成30年3月卒業者)のうち就職後3年以内の離職率は、高卒で36.9%、短大卒で41.4%、大卒で31.2%にも達していました(新規学卒就職者の離職状況)。採用がゴールではなく、その人材を職場に定着させて初めて、新卒採用に成功したと言えます。採用した人材が辞めてしまえば、採用活動にかけた時間もコストも無駄になり、その穴を埋める代わりの人材を、新たに雇用しなければならないからです。退職者の穴を埋める人材の確保も難しい昨今、この職場のマッチングの問題は、単に「若者が我慢できなくなった」では済まされない段階にきていると言えるでしょう。

もうひとつ、新卒採用を巡る問題点として、新卒が働きたいと思えるような賃金や待遇を用意できない企業が増えている点が挙げられます。業績が良くなって人手を増やすわけではなく、人材が不足して募集することが多いわけですから、あまり高い給与で新卒を募集するわけにはいかないのです。ところが売り手市場ですから、就活生は条件の良い会社を選んで応募します。加えて先行き不透明な経済状況、物価上昇、さらに社会保障をはじめとした負担増など、生活環境が厳しい見通しになっているため、雇用や収入の心配をせずに働ける職場を求める「安定志向」が強まっています。

人手不足が慢性化している職場だと、どうしても厳しい勤務環境になってしまうこともあります。ライフワークバランスを重視する現代の若い世代に、こうした「仕事に生活のすべてを捧げる」ような環境は歓迎されないでしょう。十分な賃金・労働環境を用意しないで「最近の若者は我慢を知らない」と責任を転嫁しているような企業は、いつまで経っても新卒採用を獲得できない、厳しい状況に置かれていると言えます。

かたや、新卒の採用に格差が生じている状況も見られます。良い待遇、給料を用意している会社に学生の応募が殺到する一方で、そうではない会社には一向に応募が来ないのです。また、知名度やブランドイメージで選ばれている面もあります。いわゆる「ブラック企業」への不安もあるため、有名な会社、実績や業績がしっかりしている会社のほうが安心して働けるイメージがあるのでしょう。その結果、大企業、有名企業、ベンチャー企業系ばかりに応募が集まり、中小企業には人材が集まらない格差が生じているのです。

新卒人材を確保する上で心がけること

新卒人材を確保する上で心がけること

こうした難しい状況を踏まえた上で、新卒の人材をうまく確保する工夫が必要です。そのためには、当然と言えば当然ですが、就活生に「働きたい」と思う環境を整えることが大前提となります。

新卒人材を確保する上で具体的に整えるべきことは、給与、待遇、そして職場の労働環境(のイメージ)の改善です。それぞれを劇的に改善するというより、バランスが重要になってきます「給与は高くても激務」「働きやすい環境だけど給与が安い」というのは、新卒の人材を確保する上で不利になるからです。それぞれのバランスがうまく取れた環境を用意しましょう。

中小企業の場合、給与面で大手企業と競うのはなかなか難しいと思います。その分待遇面を良くし、直接競合する他社に負けないようにすることが大事です。多くの就活生はまず大手企業や有名企業を希望または実際に応募し、それで無理そうだと判断したところで、中小企業への就職を検討するものです。その段階で、就活生はある程度求める条件を下げて求人を探すことになりますから、直接人材を奪い合う競争相手は大手企業ではなく、自社と同じくらいの規模の競合他社となります。大手に敵うわけがないと初めから諦めるのではなく、直接の競合相手となる同規模の会社の募集状況をチェックして、それに負けない待遇を用意しましょう。

待遇面では、入社した新卒にいきなり多大な負担を強いるような環境を避けることが重要です。この点がうまく行かずに、早期退職されてしまう企業も非常に多く見られます。ポイントは2つ、人手不足をできるだけ解消すること、教育環境を充実させることです。

人手が不足しているから新卒採用を積極的に行うわけですし、人手不足だから新卒社員にも積極的に働いてもらわなければならないという事情もあるので、難しい面もあります。しかし、そうした環境は単に会社が抱えている問題を新卒社員に押し付けてしまっていると言わざるを得ません。人手不足を解消するためには新卒社員だけでなく、中途採用、キャリア採用も積極的に行い、バランスよく人材を確保していく心構えも必要でしょう。

バランスよく人材を確保していくことで、社員の教育環境も充実させることができます。中途やキャリアの採用で多少なりとも現場の余裕ができれば、新卒社員を教育する時間と労力を確保することもできますし、多様なキャリアを持った人材を確保することで、新卒社員が実務を通して学ぶ機会を用意することもできるからです。

「中途採用はコストがかかるから新卒採用で人手を補充する」という考えの企業もあるかも知れませんが、現代の採用市場では、この考え方は決して適切なものではありません。これは新卒採用の難しさとも関わってきますが、近年は新卒採用でも採用コストが大幅に上昇しているからです。求める人材の質によっては、中途採用と10万円程度しか変わらない場合もあります。ですから、コストを気にして新卒採用の比重を高くしている企業は、中途採用も併用して総合的に人材を補充する方向へと切り替えることも検討してみましょう。

そして、もうひとつ重要なのがイメージ戦略です。「働きやすい職場」「ブラックではないホワイトな企業」「働きがいややりがいを感じさせる職場」そして「将来性がある企業」。こうしたイメージを就活生にアピールし、植えつける工夫が必要になります。なぜなら就活生は中小企業に対し、「大手企業に比べて将来性が低い」「職場の満足度が低い」「人手不足で激務」といったネガティブなイメージを抱いているからです。そうした悪いイメージを、いかにして払拭するかが課題となります。公式サイトやSNSなどのオウンドメディアを積極的に活用した採用活動、マーケティングとうまく組み合わせたブランディングなども視野に入れながら、企業イメージの改善を図りましょう。

価値観の多様化を受け入れることも、新卒の人材を確保する上で非常に重要です。中小規模の企業や歴史がある企業ほど古い体質・風土を維持していることが多く、それをそのまま新卒社員に押し付ける傾向も見られます。テレワークやフレックスタイムの導入に消極的な会社、デジタル技術の導入に消極的で紙媒体やFAXに依存している業務環境など、生産性や効率を重視する現代の若い世代にとって、こうした環境はそれだけで応募を避けたくなる理由になります。もちろん、歴史や実績に裏付けられた風土には良い点もたくさんありますが、それが時代の流れに適応できているか、本当に現代のビジネスシーンでもメリットをもたらすものなのか、改めて見直した上で、より多様性を受け入れ、柔軟に対応することも必要です。

新卒の人材を確保するには、採用オペレーションの迅速化も欠かせません。応募から内定出し(内々定)までの期間が長くなればなるほど、選考の途中で脱落してしまう人を増やすリスクを抱えます。現代ではネットで気軽に情報を入手し、応募できる環境ですから、反応が遅い会社はさっとと見切りをつけられて、別の会社に乗り換えられてしまうのです。繰り返しになりますが、現代の採用市場は就活生の売り手市場なので、企業が選ぶのではなく、就活生から選ばれる構図となっています。採用活動のスピードが遅いと、就活生から選んでもらえません。採用環境そのものの見直しも検討してください。

新卒採用において優秀な人材を確保する方法

新卒採用において優秀な人材を確保する方法

こうした準備を整えた上で、優秀な新卒の人材を確保するには具体的にどうすればいいのでしょうか?まず、多彩なチャンネルを活用して情報発信することが必要です。求人サイトやその他求人媒体に求人情報を掲載して応募が来るのを待つだけでなく、会社の側から積極的に情報を発信し、必要に応じて学生に直接アプローチするような環境を用意したいところです。

先述したように、公式サイトやSNSといった採用オウンドメディアを積極的に活用する、あるいはソーシャルリクルーティングやダイレクトリクルーティングを積極的に行う、説明会や学生との交流会を実施、または参加して、良さそうな人材を見つけたらアプローチするなど、自分たちから動かないと優秀な人材を確保できない時代です。「求人を出したのになかなか応募が来ない」などと待ちの姿勢に終始せず、攻めの姿勢で人材確保を行っていきましょう。

リファラル採用を活用するのも良い方法です。リファラル採用というと、中途採用・キャリア採用の手段として知られていますが、従業員の学生の後輩などのツテを利用して、新卒人材を確保する方法としても役立ちます。学生時代のタテ・ヨコのつながりは社会人になってもかなり強固に維持されることも多く、うまく活用することでかなり効果が期待できるでしょう。若い従業員にこうしたツテを持っている者がいないかどうか、確認してみましょう。

同様に中途・キャリア採用の手段として知られる就職エージェントも、新卒の人材確保に活用できます。大手のような新卒の大量募集には不向きですが、中小企業のように小規模な募集であれば、向いていると言えるでしょう。登録している多数の就活生の中から、あらかじめ自社が求める人物像に合った人物を厳選して紹介してくれるので、マッチング率が高く、採用に至らない無駄な面接を減らせると同時に、内定辞退・選考辞退・早期退職といったリスクも減らせるのがメリットです。弊社「ジールコミュニケーションズ」でも、文系・理系・体育会系・専門学生など様々な新卒学生を紹介できますので、ぜひご検討ください。

採用活動のオンライン化も、できる範囲内で推進していきましょう。先程挙げた採用オペレーションの迅速化にも役立ちますし、応募者のデータの一元管理などで採用担当者の負担を軽減することができます。オンライン説明会やWeb面接を行うことで、より広い範囲で人材の獲得を目指していくことができます。オンラインなら遠隔地の学生にもアプローチできますし、説明会や面接に出向く時間的余裕がない学生も参加が期待できます。人材の奪い合いになりやすいからこそ、より広い範囲から人材を集めると同時に、応募のハードルをできるだけ下げることが求められます。採用活動のオンライン化は不可欠といっても良い選択肢と言えるでしょう。

まとめ

少子高齢化に歯止めがかかる気配が見られない以上、今後も新卒の人材確保の難しさは続くことでしょう。就活生に「選ばれる」会社になるための環境づくりを整えていくこと、ライバルの他社に人材を奪われてしまうような後手に回った採用活動を避けること、そして積極的に人材にアプローチできる環境を用意することです。コンスタントに優秀な新卒の人材を確保するためには、こうした企業側の努力が求められる時代になっています。

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