[最終更新日]2023年9月12日 [記事公開日]2022年9月21日
オンライン採用した応募者の内定辞退が多い理由とは?対策法と合わせて解説
オンライン採用を始めてから、やたらに内定辞退が増えたとお悩みではありませんか?オンライン採用で内定辞退が多い理由には、コミュニケーション不足が大きいので、内定辞退を防ぐには内定後のフォローが重要です。
本記事では、オンライン採用した応募者の内定辞退が多い理由、内定辞退が多い時の対処法を解説します。辞退理由と対処法を把握して、オンライン採用を実りあるものにしましょう。
オンライン採用した応募者の内定辞退が多い理由
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、多くの企業が感染予防の一環として、オンライン採用を行うようになりました。オンライン採用とは、企業説明会や面接などの全て、もしくは一部をオンライン上で完結させるという採用方法です。オンライン採用なら、家から出ることなく企業説明会や面接を受けられるため、新型コロナウイルス感染症の予防対策として有効であることは間違いありません。加えて交通費や会場を用意するコストを削減できる、遠隔地の校舎を集めやすいといったメリットもあります。
しかしオンライン採用には、応募者を見極めにくい、応募者に入社後のイメージを伝えにくいといったデメリットもあり、内定辞退者が続出してしまう問題に多くの企業が直面しています。企業側はこれらの事実を真摯に受け止め、内定辞退者を減らすために何らかの対策を行うことが求められているのです。
オンライン採用による内定辞退を事前に防ぐためには、なぜオンライン採用で内定辞退をする人が多いのか、という問題の原因を知ることが大切となります。オンライン採用が内定辞退者を出しやすい理由は、大きく分けると3つあります。
1つ目は、面接などの選考がオンライン化したことによるコミュニケーション不足です。これは、オンライン採用による内定辞退者が増加している最大の要因と考えてよいでしょう。確かに、オンライン面接は自宅で受けることができるため、とても手軽で、双方に負担のかからない面接の方法であると言えます。しかし、対面でのコミュニケーションが失われてしまったことで、企業側と応募者側で意思疎通を図りにくくなってしまうという弊害を生み出しています。
オンライン面接には、対面面接で感じることのできる、企業の雰囲気や人間本来の持っている魅力が伝わりにくいというデメリットがあります。同じ場所にいるからこそ感じることができる、人間の感情の機微がオンラインではうまく伝わりません。そのため、企業側が応募者に悪印象や不安感を与えていても、表情などからそれを読み取ることができず、挽回の余地もないまま面接が終了し、内定を出してから辞退されるケースが多いのです。
2つ目は、1人あたりの応募数の増加と内定獲得数の増加です。コロナ禍の不安定な経済状況などへの懸念から、求職者には自分の将来に少しでも多くの保険を掛けるべく、より多くの企業を併願する傾向が強まっています。それに加え、オンライン面接により1社あたりの就職活動にかかる負担が減少したことも後押しした結果、求職者が獲得する内定数が増加し、内定通知の価値が下がってしまいました。景気が悪いと言っても、多くの企業は人材確保の問題を抱えているため、優秀な人材がいれば躊躇なく内定を出します。このような双方の都合が合わさった結果、内定通知の価値は希薄化してしまったのです。
そして3つ目は、就職活動が長期化してしまったことです。多くの企業がオンライン採用を採用したことで、前述の通り、応募者の就職活動にかかる負担は大幅に軽減されました。半面、オンラインだけでは企業の魅力や働くイメージを伝えにくいため、求職者の入社意欲を掻き立てにくい現状があります。そのため、これといって強く入社したいと思える企業を見つけられず、単純に条件面だけで比較し、より良い条件で雇用してくれる企業の内定を求めて、就職活動を長く継続する人が増えています。多くの内定をもらっても、当然入社できるのは1社だけなので、その分内定辞退をされる企業が増加してしまったのです。
内定辞退が多い時の対処法
内定辞退が多い時の対処法としては、来年度以降の採用で内定辞退者を出さないようにする取り組みが最も大切です。内定辞退者が出ている時点で、その年度はもう間に合いません。来年度の採用に向けて、少しでも有効な対策を練るためにも、情報収集を行う必要があります。
そこでポイントになってくるのが、内定辞退の連絡を受けた時の対応です。せっかく長い時間をかけて選考を行い、内定者が決まったと思ったのに、辞退という結果になってしまったら、感情的になってしまったり、事務的にさらっと受け流してしまったりすることもあるでしょう。しかし、この内定辞退の連絡は残念なことである反面、次回の採用戦略に活かせるヒントを得るチャンスでもあります。1つでも多くのヒントを手に入れるためにも、以下の対応方法を試してみてください。
内定辞退の連絡が来た際は、内定辞退を決意した後の連絡なのか、内定辞退を検討して悩んでいる段階での連絡なのかを最初に確認する必要があります。なぜならば、一見内定辞退を決断した電話であっても、中には最後まで悩みながら辞退の連絡をしてくる人もいるからです。このように、まだ完全に辞退を決断できていない場合は、上手くすれば引き留めることもできますので、さり気なく決意の程度を確認しましょう。
それでは、内定辞退の決意が固い場合の具体的な電話対応の方法を見ていきましょう。内定辞退の意思が固い場合はまず、これまで自社の選考を受けてくれたことへの感謝を伝えます。辞退する人間に対して謝意を伝える必要があるのかと感じるかもしれませんが、あえて謝意を伝えることで、相手の緊張を解し、これからする質問に答えてもらいやすくなります。内定を辞退する側もとても緊張しながら電話をしていますので、内定辞退を受理したこと、自社に関心を持ってくれたことに対する感謝の気持ちを伝え、緊張感から解き放ってあげることが大切です。
うまく緊張感を緩めることができたら、今後の採用に活かすために、いくつか質問に答えてほしいと伝えます。多くの場合は快諾してくれると思いますが、拒否された場合は無理に引き留めず、そのまま丁寧に電話を終了してください。
1つ目の質問は、どの会社に入社を決めたのかです。多くの採用担当者は最初に辞退理由を聞きがちですが、そうすると具体的な話にもっていきにくくなってしまう可能性があります。まずはストレートに、一番気になることを聞くのがポイントです。もし社名を答えるのに躊躇していた場合は、同業種なのかそうでないのかを答えてもらいましょう。
2つ目の質問は、どうして他社を選んだのかについてです。先に就職を決めた会社を聞いておくことで、自然な流れで辞退理由を聞き出すことができます。ポイントは「なぜ、その会社に魅力を感じたのか」といった、具体的な内容を答えやすい質問をすることです。「なぜその会社にしたのか」という質問では、当たり障りのない、曖昧な返答がきてしまい、知りたい情報が得られない可能性があるので注意しましょう。
3つ目の質問は、自社の採用活動での改善点についてです。これまでの採用プロセスの中で、「合わないと感じた」部分を聞いてみましょう。内定辞退者がどの点で辞退を決意してしまったのか、より深く理解するためのヒントを得ることができます。ポイントは、「選考中に自分に合わないと感じたことはありましたか?」と聞くことです。改善点や不満を直接聞いてしまうと相手が答えづらくなってしまう可能性があるので、すこしぼかした表現にする必要があります。こうした不満点は個人の主観に左右されるものなので、重く受け止めず、来年度以降の内定辞退対策のヒント程度に考えてください。
質問が終わったら、最後に改めて、質問への回答に対する感謝の気持ちを伝え、丁寧に電話を終了します。今回は縁がなかった内定辞退者ですが、いずれは顧客や転職者として縁がつながる可能性も否定できません。また感情的な反発を招けば、SNSなどを通じて悪評を広められる恐れもあります。内定辞退後も好印象を持ち続けてもらうために、優しく丁寧な対応を心がけましょう。
以上のように、内定辞退の連絡をうまく利用することで、来年度の採用に活かせるヒントを得ることができます。特に、オンライン採用を行うようになってから内定辞退が多くなってしまったという企業は、慣れないオンライン採用のプロセスの中で、何かしら応募者に不満や不安を与えている可能性も考えられます。一刻も早く原因を解明するためにも、積極的に情報を集め、自社の採用プロセスに改善点はないのか見直してみましょう。
内定辞退を防ぐための事前対策
オンライン採用において、内定辞退を防ぐためには、事前に対策を行うことが大切です。オンライン採用の内定辞退を防止する事前対策として、有効な手段は3つあります。
1つ目は、オフラインでの接点を増やし、コミュニケーションを充実させることです。新型コロナウイルスの感染予防のために、応募者とオフラインでコミュニケーションを取るのが難しい状況ですが、限られた時間の中でもそうした時間を捻出する努力が企業には必要となってきます。
やはり、実際に会社に足を運んでもらい、社内や先輩社員の雰囲気を肌で感ることは、応募者の自社への入社意欲を高めるためには必要なことです。そのため、インターンや企業説明会などの機会を利用して、一度は自社の雰囲気を直に感じてもらうことをおすすめします。新型コロナウイルス感染症の防止のための施策も大事ですが、そうした限られた機会を全てオンラインで行ってしまうのは避けたほうが良いです。
2つ目は、オンラインコンテンツの充実化です。感染対策の都合上、どうしても自社では対面の接触ができない企業も多いと思います。そんな時は、オンラインで行うインターンや企業説明会、そして面接などの内容を充実させて、他社との差別化を図ることがポイントです。
現在、どの企業も手探り状態でオンライン化を進めており、インターンにしろ企業説明会にしろ、どれもが似通った内容になってしまっています。そのため、応募者側も退屈してしまい、入社意欲が低下してしまうという悪循環に陥っています。つまり、あまたの競合を抑え、自社への内定受諾を勝ち取るためには、自社にしかできないオリジナリティあふれる内容を考え、会社の魅力を伝えることが重要なのです。
具体的な例を挙げるならば、直接触れ合えない分、会社内の様子や実際に働いている社員たちの様子などの情報を補完するような内容がベストです。オンラインだからこそ実現可能なコンテンツもあると思いますので、ぜひ工夫してみてください。オンラインコンテンツの良いところは、一度良い出来栄えのものを作ってしまえば、同じクオリティのものを何度も繰り返し使用できる点にあります。今後、このオンライン採用という採用方法がますます当たり前のものとして扱われる時代が来ることが予想されますので、今のうちからしっかりと準備をしておくべきです。
そして3つ目は、内定を出した後も放置せず、しっかり内定者をフォローして、積極的に会社と関わりを持てる機会を用意しておくことです。
具体的な取り組みの例としては、社員とのコミュニケーションを取ることのできる面談や懇親会、内定者同士の顔合わせ会などが挙げられます。こうした機会を多数設けて、会社とのつながりを深めていくことで、自社に対する入社意欲の低下を防ぎ、内定辞退を防止することができるのです。内定フォローは通常の対面採用でも内定辞退防止策として重要視されていますが、コミュニケーション不足が懸念されるオンライン採用ではより一層、重要度が上がっていると考えましょう。
まとめ
オンライン採用は就職活動者の負担を減らし、多くの選択肢を得る機会を与えましたが、その分企業の実態がよくわからず、就職決意を鈍らせる大きな要因となってしまいました。今後はこうした応募者側の懸念をいかに払拭し、自社の魅力を伝えることができるかが、企業側にとって大きな課題となります。さまざまなもののIT化が進んでいることもあり、今後はオンライン採用が主流になってくる可能性も否定できません。今のうちからしっかりと対策を行い、オンライン採用でも内定辞退者が出ないような採用計画を立てましょう。
弊社「ジールコミュニケーションズ」では、企業様と協調して内定後もしっかりフォローを行い、内定辞退の起こりにくい人材紹介サービスを提供しています。ぜひお役立てください。
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