採用担当者向け！優秀な人材を確保するために必要な面接準備を解説します

採用担当者としての心得と役割

新規採用に向けて、担当者が必ずといっていいほど行わなければいけないのが面接です。まだ経験の浅い採用担当者であれ、経験を積んだ担当者であれ、面接準備はどうしても必要になります。採用担当者として面接を行うために、心得ておきたいことや、面接官としてどのような役割を果たす必要があるのか、といったことを理解しておくのはとても大切です。

採用担当者の心得の1つ目は、採用希望者がどのような人となりかを知ろうとすることです。大抵の採用希望者は、果たして自分が選ばれるかということを考えて面接に臨んでいます。もしかしたら採用担当者側も、単に採用希望者の中から人を選ぶという見方をするかもしれません。もちろん採用担当者が希望者の中から自社に相応しい人材を選ぶのは確かですが、そのような考え方で面接に臨むのは理想的とは言えません。

面接を成功させるポイントは、希望者をよく知ることです。相手がどのような人なのかを知りたいという気持ちで面接に臨むことで、粗探しの消去法ではなく、相手の長所に目を向けた採用が可能になります。同時に、面接の雰囲気もリラックスしたものになって、採用希望者が話しをしやすくなり、より相応しい人材を選ぶためのさまざまな判断材料が手に入るようになるのです。

このような雰囲気は面接官が作るのが望ましいです。なぜなら採用希望者側は非常に緊張していますし、自分から積極的に雰囲気づくりをしようと考えるほど心の余裕がないからです。採用担当者側から働きかけることで、相手はより多くのことを話したいと思うようになるかもしれません。面接官の度量の大きさを見せる良いチャンスにもなります。

採用担当者の心得2つ目は、面接が自社をアピールする機会になるということです。面接は、採用希望者に自社の印象をしっかり植え付けるための良い機会になります。もちろん採用するかどうか面接の時点で決まるわけではありませんが、仮に採用しないと決めた場合でも、希望者には自社がどのような企業なのかポジティブであれ、ネガティブであれ一定の印象が残ります。

もし希望者に対してポジティブな印象を与えることができれば、口コミなどで自社の良い評判が伝わります。最近ではSNSなどで情報が拡散されることが多いです。もちろん面接の内容などは全て秘密を保持する必要が双方にあるわけですが、企業名などを出さないにしても、何らかの印象をつぶやいたり、共有したりする可能性は十分にあります。

また、その人物の採用を決定した場合でも、希望者が必ずしも自社の内定を承諾するとは限りません。面接時の印象が悪ければ、希望者は辞退してしまうかもしれず、優秀な人材の確保を逃してしまう可能性さえあります。

面接官はこうした事情を踏まえ、会社を代表しているという意識をもって面接に臨む必要があります。採用希望者と良いコミュニケーションをとり、相手の心をつかみ、ポジティブな印象を持ってもらえるような面接を目指しましょう。ちょっとした言い回し、声の調子などで印象が変わってしまう可能性が大いにあるので、注意したいものです。

面接官の心得3つ目は、企業のディスクロージャーを積極的にすることです。企業の情報開示を積極的にすることで、希望者が自社について知りたい情報をさらに得られるようにサポートできます。もちろん、自社のホームページや採用情報が記載されたパンフレットなどで企業情報を発信しているとは思いますが、それ以外にも採用希望者が知りたいと感じる情報があるかもしれません。

希望者は文面だけでなく、面接時に採用担当者から直接話を聞きたがるものです。事業内容に関する具体的な情報や、企業風土などを知ることで、より期待を膨らませることができるようになります。相手に自社についてより深く知ってもらい、志望度を高めてもらうためにも、ディスクロージャーを積極的に実施していきましょう。

採用担当者は実際の面接でどのような役割を果たすのかも理解しておきたいものです。

採用担当者の1つ目の役割は、コミュニケーションギャップを埋めることです。面接では希望者についてより深く知ることが必要です。面接官と希望者の年齢的なギャップだけでなく、文化的背景、職歴などにより、ギャップの幅はさらに広がってしまう可能性があります。相手をよく理解するためにも、理解の相違が大きくならないように配慮しなければいけません。

面接の時に双方が理解していたように感じても、採用が決まり、入社してから面接時に言われたことと、実際の業務が違っていた、といったミスマッチが生じることがあります。これらの問題は、コミュニケーションギャップから来る場合が少なくありません。相手が理解していなさそうだと感じる場合はもちろんのこと、相手が理解しているように思えても、本当に理解できているかを把握するため、コミュニケーションギャップを生じさせないような努力を払うようにしてください。

続いての採用担当者の2つ目の役割は、採用希望者のスキルや長所を引き出すことです。採用希望者は履歴書や職務経歴書でこれまでの職歴やスキルなどを既に提出していますので、採用担当者もある程度希望者の背景を理解できます。それでも、希望者が持っているものの、提出書類に含めていない隠れたスキルなどがあるかもしれません。例えば外国語のスキルがあるといっても、公的な判断材料だけでは把握しきれない部分があります。具体的に言えば、TOEICの点数が高い場合、血縁者にネイティブスピーカーがいたり、帰国子女などで海外の滞在歴があったりなどで、ネイティブスピーカーレベルのスキルを有している可能性もあります。このような情報は、面接時に聞き出さないと判断がつかない部分です。

リラックスした雰囲気で質問を投げかけることで、希望者のスキルや長所、隠れた才能などを引き出せるようにしておくと、より効果を上げられます。

採用担当者のもう一つの役割が、自社の情報伝達です。心得のところでディスクロージャーの必要性を強調しましたが、面接官の役割には、自社についての情報を正確に伝達することが含まれます。希望者が自社の情報を正しく理解できるように、面接時には情報提供を積極的に実施するようにしてください。

具体的には、募集する職種の業務内容に関連した情報が含まれます。正しい情報を知ってもらうことで、希望者が安心して面接を続けられるようになります。

優秀な人材を確保するために必要な面接準備

採用担当者の大きな責任とも言えるのが、優秀な人材の確保です。面接の準備にあたって、どのように準備を進めていけば良いのでしょうか。

面接準備の1つ目は、どのような人材を求めているかを考えることです。面接官が応募者と面接を行う場合、相手との会話を通じてその人のひととなりを把握し、自社にとって必要な人材かどうかを見極めなければいけません。この時に必要になるのが、自社はどのような人材を必要としているのかという、求める人材の人物像です。話した感じの印象で「何となくこの人なら良さそう」と漠然とした判断基準で選ぶのでは、適切な人材かどうかを決めるのに不十分です。ポイントとして、自社が求めている職種ではどのようなスキルを持つ人が必要なのか、どのような考え方を持っている人材を採用すべきなのか、といった方向性を書き出し、自社が本当に求めている人物像を明確にしておくようにしましょう。

面接準備としては次に、判断基準（項目）を決めます。採用の判断基準や判断項目を明文化しておくことで、自社が求めている人材かどうかを判断するのに役立ちます。また、具体的な判断基準を決めておけば、面接の際に投げかける質問の方向性などを定めやすいです。現場の適応力、論理的な思考力を持っているか、などの項目を決めていきましょう。これまでの採用基準と照らし合わせて考えると良いです。項目ごとに判断基準を決めたら次のステップへ進みます。

面接準備の3つ目として、採点方法の決定があります。判断基準に対して、応募者がどの程度基準を満たしているかを数値などで採点します。5段階で採点する方法やABCによる評価基準などを利用することもできます。採点方法が決まったら、社内で情報を共有する前に、判断基準に対する採点の付け方をわかりやすく説明できるよう準備をしてください。

面接準備の4番目は、判断基準の共有です。判断基準や採点方法が定まったら、採用担当者及び面接官と情報の共有します。採用担当者＝面接官とは必ずしもならないため、情報や理解の共有は必要不可欠です。このステップを逸してしまうと、採用する基準が曖昧になってしまい、本当に必要としている人材が確保できない可能性があります。面接官の疑問点などを明確にして、最終的な判断基準と採点方法を決定しましょう。

面接準備の次の段階は、研修の実施です。実際の面接に備えて、面接官に対する研修を実施します。面接官の判断が曇ってしまったり、誤ってしまったりしないように、シミュレーションを繰り返し実施して、問題点を浮き彫りにするようにしてください。投げかける質問の内容だけでなく、コミュニケーションスキルについてもしっかり把握して、適切なサポートを与えるようにしましょう。

実際に面接を実施したら、事後の対応も行います。この段階では面接官が面接終了後に結果をフィードバックします。面接官には記憶が曖昧にならないうちに、できるだけ速やかに報告を提出するようにサポートをしてください。時間が経てば経つほど記憶が曖昧になってしまうので、希望者の評価点の記録や、印象などは面接終了後に記録してもらうようにしておくと良いかもしれません。採用希望者が多く、面接する人の間隔が短い場合には、面接官に箇条書きにして面接ごとの記録を残してもらうようにすると効果的です。

質の高い面接にするための対策法

面接の際のコミュニケーションを円滑に行うことは大切です。面接の質をより良いものとするために、できることのいくつかを把握してきましょう。

ポイントはやはり質問のスキルです。質問もさまざまなスタイルで投げかけることにより、相手の個性や仕事に対する見方、人間関係の構築方法などを把握できます。例えば、希望者がどのような仕事観を持っているのかを把握するため、相手の気持ちを汲み取る質問を用意すると良いです。ワークライフバランスを取るために何をしたいと思っているか、仕事に対する取り組みとしては、スピードを重視したいか、それとも正確を期した仕事をしたいと考えているか、といった質問を準備しておくと良いでしょう。

将来の目標を聞くことも大切です。将来的にどのようなビジョンを抱いているか、例えば管理職として社員をまとめるのに適した人材かどうかをこの時点で把握できるかもしれません。いずれ転職をしたいと考えているのか、それとも採用が決まったら自社でずっと仕事をしたいと考えているか、なども率直に聞くことが大切です。

コミュニケーションスキルを磨くため、表情や言葉の使い方などにも注意してください。表情が堅苦しすぎると、相手を緊張させてしまう原因になります。やたらに笑顔を振りまく必要はありませんが、穏やかな表情かどうか、鏡でチェックしてみると良いです。質問を投げかけるシミュレーションをする際に、声を録音しておいて、自分の話す言葉がどのように聞こえているかもチェックしてみましょう。

まとめ

採用担当者にとって、より優秀な人材を確保するのは大変だと感じるかもしれません。しかし事前の準備をしっかり行い、面接に向けた質問の投げかけ方や話し方といった自分が本来持っている話術を向上させることで、採用希望者のひととなりをより詳しく把握できるようになります。もちろん必ず成功すると断言できるわけではありませんが、ここで取り上げたヒントや提案を当てはめれば、成功する確率を高め、より必要な人材を確保できる可能性が高まるはずです。

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