[最終更新日]2023年9月12日  [記事公開日]2022年9月21日

【新卒採用】アスリート採用をしたい人事必見!優秀な人材を確保する方法教えます

企業にとって新卒のアスリート採用はメリットではありますが、パフォーマンスのみを基準として採用してしまうと、職務を遂行できない人物を採用する恐れがあります。アスリートとして優れているだけでなく、企業人としても優秀な人材を採用したいところですよね。

本記事では、新卒アスリートの採用事情と、優秀なアスリートを採用する方法を解説します。アスリート採用の参考にしてください。

新卒におけるアスリート採用事情

新卒におけるアスリート採用事情

アスリート採用とは、企業の社員として籍を置きながら特定の競技に力を入れる「デュアルキャリア」のアスリートを採用・支援することです。近年は大企業を中心に、たくさんの企業が新卒のアスリート採用を行っています。

新卒のアスリート採用では、入社はほかの新卒社員と同じ4月入社となるのが一般的です。ただし競技種目によっては、シーズンが新卒入社の時期と重なってしまうことがあるため、企業側はそうした点を考慮しながら慎重に学生アスリートを採用することになります。

新卒のアスリート採用では、とかく競技での成績やパフォーマンスなど、スポーツの実績が選考基準となってしまいやすい傾向があります。確かに、アスリートは企業に入社してからも、社会人とアスリートという二足のわらじを履くデュアルキャリアという働き方が求められます。しかし基本的には企業の社員なので、入社すれば本人の特性や部署からのニーズに合わせて配属し、通常業務をこなさなければいけません。企業に籍を置きながらも、朝から晩までアスリートとしての練習ばかりに打ち込める実業団アスリートとは違うのです。この点はアスリート側が理解しておかなければいけませんが、企業側も通常業務を遂行することを前提とした人選を行う必要があります。

新卒のアスリート採用に関しては、多くの場合、アスリートに特化した求人サイトや就職サイトを活用するのが一般的です。社外の機関を利用することによって、採用コストは割高となってしまいますが、アスリートと企業とのマッチングをしてくれるため、アスリートにとってだけでなく企業にとっても効率的かつ効果的な採用活動が可能となります。

アスリート向けの求人サイトでは、さまざまなアスリートのライフステージに合わせて、適切な人材をマッチングしてくれます。新卒の場合には、体育会学生を対象としたデュアルキャリア向けの人材を見つけることになるでしょう。新卒採用における基準と照らし合わせた選考を行うだけでなく、競技種目の監督からのニーズもあるため、そのあたりのバランスを考えた採用活動を行いたいものです。

新卒のアスリートを採用する際には、デュアルキャリアを前提とした「アスリート採用」なのか、それとも現役引退後のセカンドキャリアとしての採用なのかという点を事前に検討したうえで、体育会学生に対しても正しく理解を求める必要があります。デュアルキャリアという選択肢を学生に提示して採用することは、企業にとっては広告宣伝の効果や、そのアスリートを通じて地域社会の活性化やスポーツ振興に貢献し、企業イメージを向上させるといった効果が期待できます。しかしそれだけでなく、アスリートが持っている資質が仕事に役立ち、業務上の活躍を期待できる業界・職種も多いです。そのため近年では、多くの企業がアスリート採用に前向きに取り組んでいます。

新卒採用でアスリートを採用するうえでの心得と準備

新卒採用でアスリートを採用するうえでの心得と準備

新卒でアスリート採用を行う場合には、意識したい心得がいくつかあります。

1つ目は、現役アスリートゆえのメリットがなくなる引退後のキャリアも含めて、どんなアスリートを採用すべきか見極めるという点です。先ほども述べたように、アスリートを採用する企業には、そのアスリートが社名を背負って活躍することで宣伝効果を期待できたり、企業のイメージアップが期待できたりといったメリットがあります。しかし引退してしまえば、そうしたメリットはほとんどなくなってしまうわけです。

目先のメリットに惹かれ、アスリートとしての素質や成績、パフォーマンスのみを基準として採用してしまうと、ろくに職務を遂行できない人物を採用してしまう恐れがあります。現役中はそれでも会社にとってメリットがありますが、現役引退後は何のメリットも生まず、ただ足手まといなだけの存在となってしまうかもしれません。しかも大方のスポーツでは競技を続けられる期間が短いので、引退後の方がずっと長い年月になります。そのため新卒のアスリート採用の際には、アスリートとしての素質だけではなく、業務を遂行する上での資質を前提に、就活生という観点からも学生を見極めることが大切です。

アスリート採用を行う上で意識したい2つ目の心得は、採用したアスリートを特別扱いするのかどうか、どこまで特別扱いをするのかについて、事前に社内全体で意志統一するという点です。多くの企業では、アスリートが少しでも練習に集中できる環境づくりをサポートするため、精神的な負担が少ない仕事のみを任せたり、時間的に融通がつく部署に配属するなど、サポート体制を整えています。

しかしこの特別扱いは、アスリートの現役時代には大きなメリットとなるものの、現役を引退して一般社員になった時に、企業にとっては大きなデメリットとなってしまうかもしれません。現役を引退した元アスリートは、ほかの社員と比較すると仕事上の専門的な知識やスキルがどうしても劣ってしまうことになります。ほかの社員なら簡単にこなせる業務でも、経験値が低い元アスリートでは作業効率が悪くなるなど、本人にとっても精神的な負担が大きくなるケースは少なくありません。

新卒アスリート採用で特別扱いはしないというスタンスで臨むことは、企業にとっては中長期的に大きなメリットが期待できます。しかしその分、アスリートとしてのポテンシャルを最大に引き出せない恐れがあります。練習や試合のために必要な時間や環境に制限がついてしまうことは、雇用する前の段階でアスリートにも正しく理解してもらう必要があるでしょう。

またこの点に関しては、アスリートの採用競争において不利に働く可能性が高いです。粘り強さなど企業人としても活躍が期待できる強みを持っている体育会の学生は、採用市場において大変な人気があります。その学生がアスリートとしてだけでなく、就活生としても優秀であるほど、多くの企業から内定を提示されることでしょう。その学生がデュアルキャリアを希望しているなら、アスリートへのサポート体制を比較して、内定承諾先を決めるはずです。そのためアスリートへの支援が充実している企業に優秀な人材を押さえられ、獲得できる人材の質が下がってしまう恐れがあります。

3つ目の心構えは、新卒アスリートが社内にもたらしてくれるプラスの影響に注目するという点です。体育会学生は、礼儀やマナーなどがすでに身についているだけでなく、逆境でも心が折れることなく前に向かって前進するタフなメンタルを持っていることが少なくありません。また、常に人と関わるためコミュニケーション能力に優れた人材が多く、人と関わる職務を任せると大きな成果につながりやすいという傾向もあります。

こうした点から新卒採用で体育会学生は、アスリート採用以外でも非常に人気があります。特に新卒の場合にはスキルやキャリアの点で差別化が難しいため、とりあえずメンタル面が強い体育会学生を採用しようという企業もあるほどです。アスリート採用の選考においては、そうした体育会ならではの強みに注目し、業務との相性を考えると良いでしょう。現役中も引退後も含め、これらのポテンシャルをどの方向へ生かすのかを、本人だけでなく企業と二人三脚で考えることができれば、企業に大きな利益をもたらす社員として成長してくれることでしょう。

4つ目の心構えは、コスト面でも体制を整えるという点です。企業の中には、アスリート社員へ特別手当を支給するところがあります。しかし、そうした待遇面での特別扱いはなく、アスリート社員が受け取る給料はほかの社員と同じ月給のみ、という企業もあります。いずれの場合でも、アスリートは複数の企業を比較したうえで、どの企業へ就職しようかを見極めます。そのため、自社でのアスリート社員に対する待遇やサポートに関して、事前に決めておく必要があります。

優秀なアスリートを採用する方法と対策法

優秀なアスリートを採用する方法と対策法

それでは、企業が優秀なアスリートを採用するためには、具体的にどんな対策をすればよいのでしょうか。

1つ目には、アスリートの就活スケジュールを理解するという点があげられます。体育会学生は、ほかの学生が就活に励む時期でも、練習や試合などで忙しいため、どうしても就活の時期が一般学生とずれてしまうのです。競技によってシーズンは異なるものの、大抵の部活動では夏に大きな大会を控えています。そのため体育会では、オフシーズンとなる大学3年の秋冬に就活を行う学生と、大学4年の9月以降に就活を始める学生が半々くらいです。

もしもアスリート採用に積極的に取り組みたいと考えている企業なら、大学3年の秋冬からアプローチを始めるべきです。また早い段階で内定者をすべて決めてしまうのではなく、アスリート枠をいくらか設けておき、遅い時期でも内定を出せる状態を維持することをおすすめします。

2つ目には、Webを活用するという方法があげられます。体育会学生の多くは、学校の授業と体育会の練習などで一日の大半を過ごします。そのため、平日の昼間はもちろん夕方でも、面接のスケジュールを入れることはかなり難しい学生が多いです。

そこでオススメなのは、WEBを使った個人面接という方法です。アスリート採用を行っている企業の多くは、数年前からすでにWEB面接を実施しています。WEBなら、アスリートは自宅から面接を受けることができますし、移動する時間などもかかりません。これは、企業の採用担当者にとってもアスリート学生にとっても、大きなメリットが期待できる方法と言えるでしょう。

WEBを活用した採用活動は、面接をWEBで行うほかにもたくさんあります。たとえば、学生向けにオンラインセミナーを開催すれば、アスリートの参加率も高まる可能性があります。その他にも、学生との連絡手段はSNSをメインにしたり、書類のやり取りもWEBをメインにしたりといった工夫で、体育会学生の負担を軽減できるでしょう。それと同時に、学生が基本的なIT技術を持っているかどうかを見極める判断材料とすることもできます。

3つ目の方法は、新卒アスリートが多く利用する求人サイトや就職エージェントを利用して採用活動を行うという方法です。アスリート学生に特化した就職エージェントなら、企業にとっては大きな母集団の中から条件に合わせて体育会学生を選考できます。またアスリートにとっては、アスリートを理解してくれる企業とマッチングしやすく、デュアルキャリアを希望する人にとっても就職先を探しやすいというメリットがあるのです。

企業が新卒学生を直接応募する方法でも、優秀なアスリート学生を見つけることはもちろん可能です。しかしどうしても、知名度の高い大企業に人気が集中してしまうため、そうでない企業にとっては不利な状況になります。アスリート向けの求人サイトや就職エージェントのような第三機関のサービスを活用すれば、幅広い体育会学生に対し、アスリート採用を行っている自社の存在を知ってもらうことが可能です。弊社「ジールコミュニケーションズ」でも、新卒のアスリート採用を支援するサービスを展開していますので、せひご活用ください。

4つ目は、アスリートの就活における傾向を把握し、アスリートの就活市場へ直接接触する機会を模索するという方法があります。例えば多くのアスリート学生は、就活をスタートする最初のきっかけとして、すでに企業で働いているOBやOGを頼ったり、指導的立場にある人のツテを頼ったりする傾向があります。もしも企業内に体育会出身の社員がいたなら、採用過程においては窓口として機能させるとともに、学校訪問の際には人事に同伴するなどの、工夫をするとよいでしょう。

まとめ

新卒の体育会学生をアスリート採用する際には、アスリートとしての素質やパフォーマンスだけでなく、就活生として持っている価値観や考え方などの素質に関しても慎重に見極めることが、中長期の企業利益へとつながります。現役引退後のキャリア構築に関しても企業とアスリートとが二人三脚で取り組めれば、アスリートにとって魅力的な企業となることができるでしょう。

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