[最終更新日]2023年9月12日  [記事公開日]2022年9月20日

【企業向け】既卒採用の全てと優秀な人材の採用方法を徹底解説します

既卒者の中には魅力的な人材が多いことが分かっています。既卒採用で成果を出すには、どのような人材が欲しいかを掘り下げておくことが大切です。

本記事では既卒採用の基本と人材の特徴と、優秀な既卒者を採用するための具体的な流れを企業向けに解説します。

既卒採用の基本と人材の特徴

既卒採用の基本と人材の特徴

広がる既卒採用

既卒者の定義は曖昧で、明確ではありませんが、「大学を卒業しても定職に就かずに就職活動をしている人のうち、大学卒業後3年以内の人」というのが一般的となっています。これを見ると、「25歳までの人」と考えるのが普通です。厚生労働省ではもう少し年齢を高く設定して「35歳まで」としていますが、これだとかなり年齢に開きがあり、実情とかけ離れていると言われています。そのため、「25歳まで」と考える方が、世の中の状況と合致していると考えられています。

「大学を卒業した後、就職活動をしている25歳までの人」と聞くと、第二新卒を思い浮かべると思います。第二新卒は、新卒の時に就職を成功させていて、一旦会社で就業した後、3年以内に退職した人を指します。つまり、25歳まで正社員として働いた経験がある人が第二新卒、そうでない人が既卒者となります。

大学卒業後に就職活動をしていると聞くと、新卒の時にきちんと就職できなかったのだから、既卒者はレベルが低いと思われがちです。事実、そういう動きは未だに存在しているので、厚生労働省では、既卒者を新卒枠で採用するように、企業向けに指針を定めています。

若者の数が減ってきている今、多くの企業が既卒採用に力を入れるようになってきました。「既卒者=ダメな人材」ではなく、周りと違って、人生を切り開こうという姿勢がある前向きな人材である可能性が高くなってきているからです。

既卒者となる理由は人それぞれです。もちろん、新卒の時に就職活動をしたけれども、どの企業でも相手にされなかったという人もいるでしょう。しかし、最近では自分がやりたいことにチャレンジしたために、新卒の時に就職しなかった、あるいはできなかったという人が増えています。

企業としては若者が減ってきている今、企業の若返りを図るために、どうしても20代前半の人を採用したいと考えています。新卒採用でうまく人員を確保できなかった場合は当然、既卒採用を試みるわけです。最近では既卒者の中でも魅力的な人材が増えているので、既卒採用は企業にとって、未開拓の魅力的な市場として映るようになってきました。

既卒人材の特徴

既卒者が新卒時に就職できなかった具体的な理由を挙げると、例えば資格試験にチャレンジしていたとか、スポーツや芸能などの分野でプロを目指していたというものがあります。公務員試験や司法試験などにチャレンジしたけど結果が出なかった、プロアスリートや俳優としてうまくいかなかった、という理由であれば、それは企業にとってマイナスイメージにはなりません。むしろ、自分がやりたいことに精一杯努力できる人物として好感が持てます。

あるいは、大学時代にアルバイトをしていて、あまりに働きぶりがよく、お店に懇願されてそのままアルバイトを続けたという場合もあります。もしかしたら当初は社員登用をほのめかされていたのに、このコロナ禍で条件が厳しくなり、普通に就職した方が早いと見切りをつけたのかもしれません。いずれにせよ、アルバイト先から引き止められるということは仕事ぶりを評価されているわけですから、低レベルな人材とは言えないでしょう。

海外留学をしていたという理由も、語学力が高いというだけでなく、見聞を広めたという意味で、企業にとっては魅力的です。一昔前だと、特に女性の場合は「若くなくてはダメだ」という偏見があり、留学をしていた期間の分だけ年齢が上がってしまうので敬遠されていました。男性であっても、卒業後ストレートに就職しようとせずあえて留学することを選ぶ人は、独自の考えが強く、企業にとって「扱いにくい人」というレッテルを貼られることが多々ありました。しかし今では海外で学んだという経験を持っていることは、企業にとって大変魅力的な人材に映るのではないでしょうか。

海外留学でなくても、何かを学ぶために就職を遅らせたり、自分で起業してみたりといった、自分の人生をしっかり考えて行動している既卒者が増えています。そうした既卒者は、周りに流され憧れだけで企業を選びがちな新卒とは違った魅力を秘めていると言えるでしょう。

そうした既卒者には人生を前向きに考えて自ら切り開いていくバイタリティがあり、「成長したい」「スキルを身につけたい」という願望を持っていて、それを実現していく能力があることが特徴と言えます。

既卒採用の具体的な流れと採用のための準備

既卒採用の具体的な流れと採用のための準備

実は、既卒者採用は新卒よりも競争率が低く、優秀な人材を獲得できる確率が高いです。優秀な人材の確保に苦戦している企業にとっては、まさに人材発掘の狙い目だと言えるでしょう。

優秀な既卒者を確保するには、既卒者にとって魅力的な企業であることをアピールしていくことが必要となります。前述したように、既卒者は自分の人生を真摯にとらえて、切り開いていくことに情熱を捧げる人が多いです。仕事においても、どのように働きたいか、どんな仕事をしていきたいか、キャリアプランをどうするかなど、新卒とは違ってより具体的に考える傾向が強いです。

そのような既卒者に興味を持ってもらうのに、新卒採用でアピールした募集広告やホームページの使い回しでは的外れになります。新卒の時はまだ学生気分が抜けないものですが、既卒者となると社会に半分足を踏み入れ、社会人の意識が芽生え始めている状態です。そのため既卒採用に向けては、福利厚生やキャリアプラン、待遇、評価制度など、細かく明示した募集広告やホームページの作成をおすすめします。25歳くらいをターゲットにして、twitterやFacebookなどのSNSで発信していきましょう。

既卒採用は通年できますから、新卒の時のように4月入社と決まっているわけではありません。1~3月であれば採用活動が増えるので、既卒者も動く人が多く、優秀な既卒者に出会える可能性が高くなるかもしれません。特に、厚生労働省が新卒枠で既卒者を受け入れるように通達しているので、新卒枠を狙って既卒者が応募してくることも考えられます。

実際に既卒で就職できた人に尋ねてみると、募集広告を見て、既卒者も応募して良いのかどうかを迷った人が相当数います。それほど、企業の新卒採用の広告は、既卒者向けになっていないということです。既卒者採用を新卒枠で行いたいのであれば、この機会に20代を対象とした求人広告を見直して、既卒者も応募できる旨を明示してください。そして、福利厚生や給与などの具体的な条件も提示しましょう。

7~9月は、既卒の採用活動が活発になる時期です。多くの企業が10月から下半期に入るので、それに併せて採用活動をする企業が多数あります。また、何かにチャレンジしていて結果が出ず、就職活動をしようと思っている既卒者の場合、新卒が入ってくる1~3月の前までには就職活動を終わらせたいと考えるケースが多いです。企業の採用が増え、かつ、新卒という強力なライバルが少ない夏の時期に動く既卒者が多いので、この時期は既卒採用に力を入れるのもおすすめです。例えば求人広告を20代がよく使うtwitterやInstagramなどに繰り返し出してみるのも良いですし、会社説明会を開いたり、複数の会社が行う合同説明会に参加したりして、既卒者にアプローチすると良いでしょう。

とはいえ自社の規模がそれほど大きくない場合は、短期間で応募者を集められることは少なく、通年で採用活動をしているはずです。しかも決算期が6月とか12月などで、大手企業に多い3月が決算でない場合は、周りの採用のタイミングとずれてしまうこともあります。既卒者は冬や夏に動く可能性が高い傾向にありますが、原則、通年で就職活動をしている人が多いです。就職活動をしているタイミングは人それぞれ違っていますから、既卒者採用をしたいと考えている中小企業は通年で、あるいは自社の決算に合わせて動くことをおすすめします。

まずは既卒者が普段利用している可能性が高いSNSを使って、自社のアピールや募集要項などを積極的にアップしてください。また、求人サイトやエージェントを使って既卒採用を行うのであれば、25歳くらいまでの若者の採用に強い求人サイトやエージェントを選ぶようにすると良いです。

弊社「ジールコミュニケーションズ」でも、既卒を含めた様々な人材を紹介していますので、ぜひご活用ください。

優秀な既卒者を採用するための具体的な流れ

優秀な既卒者を採用するための具体的な流れ

優秀な既卒者を採用するためには、どのような人材に来てほしいかを社内で明確にしておきましょう。既卒者には色々なタイプがいます。それは新卒でも同じですが、特に自分の人生にこだわりを持っている人が多い既卒者の場合、より個性的な人が多い傾向にあります。

例えば、公務員試験や司法試験などにチャレンジしていた人であれば、何かをコツコツと積み重ねていく作業が得意だったり、法律に強かったりします。海外に留学していた人、留学ではなくても外国でしばらく生活していた人であれば、語学力が高いだけでなく、あらゆる環境に飛び込むのが好きな人が多いでしょう。グローバルな環境に置くことで、のびのびと仕事ができるかもしれません。スポーツなどでプロを目指していた人であれば、毎日過酷なトレーニングを自分に課していた経験から、営業などで活躍してくれるでしょうし、バイタリティがあるので、ノルマを与えると結果にこだわり、果敢に挑戦してくれる可能性が高いです。

既卒者採用では、自社でどのような人材が必要かをきちんとすり合わせておくことが先決です。新卒や経験者採用より、より具体的な人物像を描いておくことをおすすめします。

採用活動には、新卒でも既卒でもコストがかかります。そのため、既卒採用をすると決めたら、必ず予算を確保しておきましょう。採用コストを出し惜しみすると、思ったような成果が挙げられない可能性が高いです。

既卒者は新卒の人よりも人生や仕事に対してしっかりと考えている人が多いので、採用後のミスマッチが少ない傾向があります。採用してもすぐに退職してしまう新卒と違い、長い間働いてくれる可能性が高いのが既卒者ですから、採用コストは投資だと考えて、ある程度の予算は確保しておくことが重要なのです。会社で存分に花開いてくれる可能性が高い人材を確保するためであれば、多少の投資は必要ですし、長年働いてくれて実績を出してくれるのであれば、採用コストは安いものだと考えるべきでしょう。

ただし既卒者は、実際の仕事においてはほとんどスキルや経験がありません。以下に優秀な既卒者も仕事においては新卒と同じですから、業務に慣れるように、研修などの体制はしっかりと整えておくべきです。

また、既卒者を受け入れる部署も、受け入れる体制を整えておく必要があります。いくら既卒者が優秀であっても、受け入れる部署が忙し過ぎたら、既卒者に対して十分な教育ができません。組織に早く馴染むことができなければ、どんなにハイレベルな人材を採用したとしても、その能力を発揮させることができず、宝の持ち腐れとなってしまう可能性が高いです。受け入れる側との打ち合わせや準備も怠らず、既卒者が入ってきても大丈夫な状態にしておきましょう。

既卒者を採用するにあたっては、雇用形態も見直しておくと良いです。例えば、正規雇用が絶対というわけではなく、業務委託や派遣という形の方が既卒者に喜ばれることもあり得ます。また、厚生労働省は企業向けにリモートワークを推奨していることから、リモートワークができる状態で受け入れることが好ましい場合もあります。既卒者を受け入れるのにどの雇用形態が良いかも、しっかり打ち合わせておいてください。

まとめ

既卒者は周りに流されることなく、卒業後は自分のやりたいことにチャレンジしていた人が多いので、実は魅力的な人材が多いことが分かってきています。そのため、既卒者に対して好意的なイメージを持つ企業が増えてきており、少子化の今、若い労働力を確保するために、既卒者をターゲットにした採用活動をしている企業が増えてきています。既卒採用で成果を出すには、どのような人材が欲しいかを掘り下げておくことが大切です。かつ、25歳くらいの人たちがよく利用するSNSなどを使って自社のアピールを行い、既卒者に興味を持ってもらうことが、優秀な既卒者を確保する鍵となります。

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