[最終更新日]2023年9月12日  [記事公開日]2022年9月20日

【人事向け】新卒学生の採用スケジュールと効率的に採用活動を行う方法教えます

企業としては優秀な学生を出来るだけ多く確保したいものです。しかも、現代の日本では労働人口が減り続けている状況ですから、企業の新卒争奪戦が激しいのも無理からぬ話だと言えるでしょう。

最近ではコロナウィルスが蔓延したことで、採用スケジュールが遅れてしまったり、採用そのものを取りやめたりした企業も出てはいますが、それでも新卒採用に意欲的な企業は多く、2022年卒の新卒求人倍率は1.5倍もありました。

良い人材は企業にとって、喉から手が出るほど欲しい存在ですから、企業としてはとにかく新卒採用の準備を抜かりなく行って、新卒採用の広報活動解禁日にはきちんとスタートしたいところです。

新卒採用スケジュール

新卒採用スケジュール

基本の採用スケジュール

新卒の具体的な採用スケジュールとしては、広報活動の解禁が大学3年次の3月1日、選考活動の解禁が大学4年次の6月1日、内定の解禁が10月1日です。そのため一般的な企業では、大学3年生の3月1日から会社説明会を行い、年度明けの6月1日から面接を開始します。

広報活動の解禁日を3月1日に設定しているのは、一時期、企業による大学生の青田買いが激化して問題になったからです。こうした新卒の採用スケジュールは、企業が青田買いを加速させることで学生の就職活動が長期化し、学業に支障をきたすのを防ぐために、日本経済団体連合会(経団連)の中で取り決められるようになりました。

この取り決めは、俗に「就活ルール」と呼ばれているもので、法的拘束力のない紳士協定です。しかし、もともと経団連に属さない企業には適用されない独自ルールですし、近年はそうした企業に対抗して経団連内にもこの採用スケジュールを守らない企業が多くなってきたことから、経団連は2020年卒の新卒採用から就活ルールを廃止しました。

とはいえ、新卒の採用スケジュールについて何の目安もないと、企業側も学生側も混乱する恐れがあります。そのため2020年卒の新卒採用からは、新卒の採用スケジュール策定を政府が主導することとなりました。政府主導となったことで将来的には様々なルール変更もありえますが、当面はこれまで経団連が定めていた上記の採用スケジュールをそのまま引き継ぐ形です。

ただし新卒の採用スケジュールの旗振り役が政府主導になったといっても、企業側のフライングに対して特に罰則などはありません。あくまでも強制ではなく、「学生や大学側に配慮して採用スケジュールを守りましょう」という呼びかけに過ぎないなので、基本的にはフライングしても構わないはずです。

ただし、企業による青田買いが世間に公表されてしまうと、企業イメージを大きく損なうため、やはりここは紳士的な態度で新卒採用をしていく必要があります。しかし一方で、もともと経団連に属さない外資系企業などは、政府主導となってもこれまで通り解禁日を待たずに動いており、紳士的に採用スケジュールを守っていると採用活動に出遅れてしまうのも事実です。

そこで、解禁日前はあからさまな新卒採用に動くのではなく、インターンシップなどを使ってソフトに学生に接触する企業が増えてきています。インターンシップは、新卒の学生を見極めて早めに確保するのに有効な手段として、今とても人気があります。

インターンシップを活用した採用スケジュール

最も多くの企業が採用活動に取り入れているのは、サマーインターンシップです。サマーインターンシップは、大学3年生の6月ごろから応募受付を行い、選考を経て、大学が夏休みに入る7月末~8月・9月の間に実施します。

その次に採用活動に取り入れている企業が多いのは、ウィンターインターンシップです。ウィンターインターンシップは、10月ごろから応募受付を行い、選考を経て、大学が冬休みに入る年末年始や春休みの2月・3月あたりに実施します。

コロナウィルスが蔓延したことにより、多くの企業ではオンラインでの会社説明会実施を余儀なくされました。インターンシップの選考においても、オンラインで行う企業が増えており、コロナウィルスの蔓延が収束しない限り、この傾向は続くと予想されています。

企業にとってはオンラインだと会社の雰囲気を学生に知ってもらいにくくなるという危惧がありますが、学生にとっては、不用意に多くの人が集まる場所に参加してコロナウィルスに感染するリスクを下げることができるだけでなく、交通費がかからないというメリットもあるので、オンライン開催に概ね良い印象を持っているようです。

そしてインターンシップを実施する多くの企業では、インターンシップに参加した学生たちを対象に、2月ごろ簡易的な採用選考を行います。こうして3月1日の広報活動解禁日を前に、優秀な学生を確保する企業がたくさん存在しているのです。

早めの動き出しが肝要

2月の採用選考まではいかなくても、大学3年生の6月くらいから学生に接触している企業は多数存在していますし、2月頃に実施するインターシップが事実上の会社説明会となっている企業も多いです。優秀な学生を確保したいのであれば、3月1日の広報解禁日まで待つことなく、早めに動くことをおすすめします。

一方の学生側は、やはり解禁日の3月1日よりも早く動いている学生が増えてきています。大学3年生の夏休みや冬休みの時期に、事実上の会社説明会となるインターンシップを導入している企業が増えてきている今、インターンシップに参加するように動いている学生が増えてきているのです。

インターンシップだけでなく、OBやOGに接触したり、リクルーターの面接を受けたという学生も相当数います。新卒スケジュールは一応大学3年生の3月からというルールはありますが、実際には大学3年生の10月よりも前から動いている学生は多いのが現状です。

早い段階から動いている学生が多いとはいえ、実際にどのように就職活動を進めて良いかわからないと悩んでいる学生が多いのも事実です。しかもコロナウィルス蔓延によって、動きにくくなっている現状もあります。企業の情報収集や自己分析などにいち早く取り組んだ学生ほど、早期内定を獲得しうる状況だといえるでしょう。

新卒採用を成功させるための準備とポイント

評価される長所・短所の答え方

企業側の新卒採用スケジュールには、大きくわけて6月〜8月の夏季、9月〜11月の冬季、12月〜2月の直前期、3月〜5月の解禁日以降の4つの段階があります。

6月~8月

6月~8月は、採用選考に向けた下準備の時期です。まずはサマーインターンシップの開催に向けて準備を進めましょう。その際に、前年度の採用活動を振り返り、今期ではどのようにすれば優秀な学生を効率よく確保できるかを検討していきます。

前年度で何かうまく行かなかったところがないか、歩留まりはどれくらいだったか等を過去の実績と比較することによって洗い出し、問題点を解決して効率的な採用活動を実現するように計画を立てていくのです。

また、企業にとって必要とする人物像は毎年違ってきます。そのため、今期ではどのような人材を採用していくか、求める新卒像を具体的に決めることも不可欠です。そしてどのようにしたら、希望する人材にアプローチしていけるか、そしてインターンシップに参加してもらえるか、早めに接触できるかなどをもすり合わせていきます。

ただし実際にインターンシップで学生を受け入れるのは現場ですから、現場との調整も必要です。そして、どのようにして学生を受け入れていくかも決定していきます。

インターンシップが終了したあとは、インターンシップでどのような成果を得ることができたか、問題点はあったか、学生の応募状況など必要とする人材に接触することができたかなどを細かく洗い出し、新卒採用に向けて準備してください。それと同時に、冬のインターンシップの準備も始めていきます。

9月~11月

9月~11月は、ウィンターインターンシップを実施する準備として、現場で学生を受け入れやすい環境を整えていきます。また、学生の中には夏と冬の両方のインターンシップに参加している人もいますから、そのような学生のために特別のコンテンツを用意しておくとよいです。

そうすれば、より学生が企業に興味を持ってくれやすくなるでしょう。ウィンターインターンシップが終了したあとは、3月の解禁に向けてさらなるリサーチと準備をしていくことになります。

それからこの時期になると、新卒の採用情報を掲載するための就職サイトの選定を行っていかなければなりません。リクナビやマイナビなど、新卒を対象とした就職サイトは多数ありますから、対応が丁寧で、かつ実績のある就職サイトを選定しましょう。

すでに就職サイトを選定しているのであれば、前年度の新卒採用の状況を確認して、サイトへ投稿するプランやオプションなども吟味していきます。就職サイトには必ず営業担当者が存在していますので、前年度の実績をもとに、より効率的に良い人材を発掘できるようにすれば良いかどうか相談してください。

営業担当者は企業の採用活動をサポートするプロですから、必要なプランの変更やオプションの追加などを勧めてくれるはずです。

ただし、いくら魅力的な提案をされても、新卒採用にかけられる予算は決まっています。できるだけ予算内に納めるのが重要ですが、良い人材を確保するためにオプションの追加などが必要と判断したのであれば、追加で予算を出してもらえるように動くべきです。

就職サイトの選定やプランなどが決まったら、次は原稿を用意していきます。就職サイトは、学生が企業の情報を収集するのに有効な手段となっていますから、絶対に気を抜いてはいけません。自社の雰囲気や仕事内容を、うまく伝えることができるような原稿を作ることに注力してください。

原稿作成にあたって取材を受けると思いますが、この取材は数年ごとにしかしない企業が結構あります。確かに毎年作成しなおすのは手間ですが、必要とする人材は毎年違っているはずですし、企業の雰囲気も毎年違っているはずです。できれば毎年変更していくようにしましょう。

最近ではインターンシップを行っている企業が増えてきていますから、いち早く優秀な学生を確保したいのであれば、自社のインターンシップを広く知ってもらう必要があります。そのため、「この企業のインターンシップに参加したい」と学生に思わせる原稿を準備してください。

なぜなら、インターンシップに参加した学生の約4割が、その企業に内定をしているからです。もちろん、インターンシップに参加した学生がそのまま自社にとどまってくれるよう、興味深いコンテンツを用意することも大切です。

インターンシップだけでなく、会社説明会のためのツールの準備もこの時期から始めておく必要があります。例えば学生に配る会社のパンフレットや採用サイト、採用動画などは発注から2か月くらいかかりますから、早めに動いておきましょう。

内定者が辞退しないようにするために、内定者フォロー用のパンフレットというものも準備している企業が増えてきています。内定者フォロー用パンフレットでは、会社の雰囲気や働いている従業員の様子などを紹介していることが多いです。パンフレットだけでなく、動画で作成しているところもあります。企業に愛着を持ってもらえるような内容になるように工夫してください。

12月~2月

12月~2月は解禁日直前ですから、スムーズに新卒採用スケジュールが進むように採用ツールや採用サイトなどを最終確認しておきます。採用をアウトソーシングするか、会場はどこにするか、面接担当者は誰にするかなど、細かな点まで決定しておきましょう。

3月~5月

3月~5月はいよいよ広報活動が解禁となり、実際に会社説明会や選考を行っていく時期です。どちらも、事前に立てた採用スケジュールを滞りなくこなしていくようにします。しかし、どんなに完璧に準備をしたと思っても予想外のトラブルは発生するものですから、その際は落ち着いて対処するようにしましょう。

効率的に採用活動を行う方法

効率的に採用活動を行う方法

効率的に採用活動を行うには、まず自動化できるものを自動化することが先決です。採用管理システムやオンライン面接ツールなどを使って、メールの返信や選考結果などは自動で行うようにすれば、かなりの時短になります。

インターンシップは学生を受け入れる現場があってこそ実現できるものですから、常に現場とのコミュニケーションを取るようにし、不測の事態などでも慌てずに対処できるようにしてください。

また、採用活動は毎年行うものなので、これまでのノウハウなどは蓄積されているはずです。それらのノウハウを標準化し、型にはめることで誰でもすぐに対応できるプラットフォームを作っておきましょう。

通常の業務が忙しすぎて、あまり採用活動に力を入れることができないようであれば、採用の一部をプロにお任せするのもおすすめです。採用代行サービスや人材紹介サービスなど、新卒採用に利用できるサービスは色々あります。

いずれも採用のプロですから、必要とする人材を伝えることで、希望に沿った学生を確保するように動いてくれるはずです。ただし、費用が高額になるケースもあるので、どこまで採用活動を頼むかどうか吟味してから依頼するようにしてください。

弊社ジールコミュニケーションズでも、人材紹介や合同説明会やマッチングイベントなど、新卒採用を支援する法人向けサービスを展開しています。お気軽にご相談ください。

まとめ

新卒の採用スケジュールは長丁場であり、インターンシップや採用ツールの手配など、常に確認や準備、そして課題の解決が必要です。パターンに落とし込めることは落とし込んで、便利なツールは利用して、できるだけ効率的に採用活動ができるようにしてください。

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