[最終更新日]2023年9月12日 [記事公開日]2022年9月15日
新卒採用サービスとは?効率的な活用方法をプロが徹底解説
人材不足が顕在化している日本では、採用は売り手市場となっていて、企業を悩ませる問題の一つです。特に新卒採用は難しい状況が見られ、そもそもエントリーが予想より少ないことが課題となっているところもあります。
応募はそれなりにあるものの、内定辞退者の割合が高く、最終的な入社人数の予想が立てづらいという大変さを味わっているケースも多いです。
そこで、こうした課題を解決するのに役立つ、新卒採用サービスの利用を検討する企業が増えています。どんな内容のサービスを受けられるのか、効率的な活用方法とはどんなものかを把握して検討材料としましょう。
新卒採用サービスとは?
名称からも分かるように、新卒採用サービスとは、新卒学生を企業に人材紹介するサービスです。まずは大まかな仕組みと特徴について説明していきます。
新卒採用サービスの仕組みとメリット
- 1. 新卒採用サービス会社が学生たちを集め、サービスに登録してもらう
- 2. 学生は登録時に学歴や専攻内容などのスキル、希望する業界・職種・勤務条件などを伝える
- 3. 新卒者の採用を望む企業は、どんな人材が欲しいかをサービスに伝える
- 4. サービス会社は、両者のデータを照合してマッチングを行い、条件に適った人材を紹介する
このサービスの特徴かつメリットは、就職サイトのように単に求人情報を公開するだけでなく、就職意欲があり条件に適合する人材を紹介してくれるところにあります。その際には、サービス会社側で学生と面談を行い、人物像を確認してから紹介されるので、マッチング精度が高いのもメリットです。
面談においては、学生のスキルレベルの確認の他、志望動機や本人の資質や仕事への意欲、性格といったものもプロのキャリアカウンセラーが判定します。単なるデータ上の照合をするだけでなく、プロの目による直接的な選定がなされることによって、マッチング精度が高まるのです。
こうした過程を経ていますので、学生がせっかく面接に来たのに条件に合っていないということがなく、選定率が向上して採用活動の効率が上がります。また、意欲のある学生のみが応募してくるので、内定辞退率が下がるのもメリットです。
そして新卒採用サービスでは、単に新卒の学生を企業に紹介をするだけでなく、面接の日程調整や、内定通知、入社までのコミュニケーションや細かな手続きなどをサポートしてもらうこともできます。煩雑な作業が多くなりがちな採用活動をスマートに行えるようになるのも、新卒採用サービスを利用するメリットです。
料金は成果報酬型
新卒採用サービスの報酬体系は、サービスの種類によって多少の違いはありますが、基本的には完全成果報酬制度が採用されています。
これは、内定承諾もしくは入社決定となった場合に、1名ごとの報酬が発生するという仕組みです。そのため、初期費用はかかりませんし、実際に紹介がなされても内定に至らなければ報酬は発生しません。
コストパフォーマンスに優れ、採用枠をあらかじめ決めておけば自動的に新卒採用サービスの予算も決まるという便利さもあります。ちなみに、紹介料の相場は1名当たり50万円から100万円といったところです。
この金額の幅は、新卒者に求めるスキルの専門性や採用人数の多さなどによって変わってきます。実際にどのくらいの予算が必要となるのかは、事前にサービス側と話し合い、見積もりを出してもらった方が良いでしょう。
最低限のビジネスマナーを身に付けた学生を紹介
新卒採用サービスの特徴の別の面は、事前に学生への指導をしてから紹介するという点です。
新卒採用サービスは、単にいわゆる人材バンクに登録されている学生を紹介して終わりということではなく、社会に通用する人材を紹介することを目的としています。
具体的な指導内容は、面接を受ける前のビジネスマナーの研修や、一般的に理解しておくべきコンプライアンスの指導などです。また、会社組織の中で必要となるコミュニケーションの取り方や、自己PRの仕方なども教えます。
こうして、少なくとも社会人としての立ち居振る舞いの仕方を学んでから面接に来てくれますので、安心感を持って採用選考に進めるのです。
企業側のニーズに合わせた柔軟な対応が可能
新卒採用サービスのもう一つの特徴は、企業のニーズに合った人材をマッチングできる柔軟性を持っていることです。
単純なところでは、採用時期と採用人数の要望に応えることができます。企業が自前で採用活動を行う場合、なかなか短期間でたくさんの応募と内定者を集めるのは難しいです。
しかし、新卒採用サービスでは即時対応を原則としていますので、入社までの期間がかなり短いとしても、すぐに条件に合う新卒者を見つけて、最短時間で面接まで進めるようにサポートします。また、たくさんのサービス登録者を確保していますので、一度に多くの採用をしたいと考えている企業にも対応できるのが強みです。
さらに新卒採用サービスは、人材の種類という面でも対応力が高いです。単に、こんな研究をしてきた学生というだけでなく、体育会系のフレッシュな人材とか、創造力のあるクリエイター系の学生といった、若干大まかな要望であってもマッチングができます。
今までにたくさんの学生に接してきて、様々な企業の要望に対応してきた実績と経験、ノウハウがありますので、企業側の希望をしっかりとくみ取って対応することが可能なのです。
新卒採用サービスの効率的な活用方法
こうした特徴を持つ新卒採用サービスは、単に契約して紹介を待つのではなく、より効率的に活用できるよう積極的に動くことが重要になります。
採用したい人材のターゲットを明確にする
第一段階は、自社として採用したい人材のターゲットを明確にするということです。新卒採用サービスでは、上記のように細かくスキルや人物像を評価して紹介していますので、企業側としても明確で多少細かい要望を出した方がマッチング精度が高くなります。
単に文系や理系という大枠ではなく、○○についての研究やスキル習得をした学生、特定の資格を持っている人といった指定をするわけです。また、人物像についても、成長意欲があるとか、自由な我が社の社風に合うといった形で要望を伝えると良いでしょう。
こうすることで紹介してもらった学生とのマッチング精度が高まり、内定者率が増えるとともに、内定辞退者を減らすことができます。
求める人材に合ったサービス会社を選ぶ
使用する新卒採用サービスの会社を慎重に選ぶことも、効率的な活用方法として欠かせません。その理由は、それぞれのサービスで紹介する人材の層が異なるからです。
幅広い職種に対応できる総合的な人材紹介をしているところもあれば、理系学生とか機電情報系限定といった特化型の紹介をしているところもあります。
いくつもの異なる部署における採用をするのであれば、総合系のサービスが適していますが、技術職のみを採用するということであればジャンル特化型のサービスの方が効率が良いです。特化型のサービスは、それだけスキルの高い学生が集まっていて、優秀な人材を見つけやすくなります。
特に専門性は求めていないものの、とにかく質の高い人材が欲しいという場合の活用方法としては、高学歴特化型のサービスを選ぶと良いでしょう。有名大学の新卒学生というのは大企業の採用率が高いので、中小企業はなかなか採用が難しいものです。
面接への紹介だけでなく、とりあえず会社説明会にたくさんの高学歴学生が来てほしいという要望にも対応可能です。高学歴人材の応募獲得に苦労している企業であれば、段階を追って学生にアプローチできるのは大きな助けとなります。
他のサービスと併用する
他のサービスと併用して、新卒採用サービスの大きな特徴である完全成果報酬制を上手に利用することも、このサービスの有効な活用方法です。
一般的な求人サイトはたくさんの学生にアピールできるという広報メリットがあります。しかし、採用実績がなくても、求人情報を1シーズン掲載するだけで手数料がかかるのが難点です。よほど待遇が良いとか、企業ブランドが強いといったメリットがなければ、中小クラスの企業だと他社との競争が厳しくなります。そのため求人サイトへの掲載は、コストを無駄にかけてしまう結果に終わるリスクがあるのです。
一方、新卒採用サービスであれば、確実に成果を出せます。サービス会社側としても、報酬を得るためには内定者を出さないといけないことを理解しているからです。それだけに、確実に就職意欲のある学生、スキルが合致する人材だけを選んで紹介してくれます。
それらの特徴を合わせて考えると、自社について広く知ってもらうために求人サイトを使い、確実に人材を獲得するために新卒採用サービスを使うといった、2方面での同時利用が効果的な活用法だと言えるでしょう。幅広い募集と広報は求人サイトで行い、普通に募集しただけでは集めにくい人材の確保や素早く確実に人材を確保したい場合に新卒採用サービスを利用するわけです。
新卒採用サービスを利用する際の注意点
優れた面をたくさん持つ新卒採用サービスですが、いくつかの注意点も覚えておいてください。事前にこうした注意点を把握しておくことで、より良い活用ができます。
採用コストに注意
注意点の一つは、採用人数が多くなると割高になる傾向が見られるということです。
新卒採用サービスは採用確定1名当たりの成果報酬ですので、コストが無駄になることはありません。しかし、成果1件当たり50万円から100万円かかりますので、たくさんの採用があると他のサービスを利用するよりも高くなることが多いです。
そのため、新卒採用サービスを利用する際は、求人サイトなど他のサービスと併用することをおすすめします。最低限確保しなければならない採用人数を新卒採用サービスを使って確実に採用し、その他の枠はコストの低い別の手法を使うといったやり方です。
新卒採用サービスには、短期間ですぐに人材を紹介してもらえるというメリットがあります。もし他のサービスで採用ができなければ、その時点で新卒採用サービスに追加依頼をすれば良いだけです。上手にメリハリの利いた依頼をすることも、新卒採用サービスの効率的な活用方法と言えるでしょう。
複数の部署で採用を考えているのであれば、応募社の母集団を形成しにくい専門性の高い理系学生のみを新卒採用サービスにし、他の一般職は別のサービスや自社の採用活動で確保するというやり方もできます。
とにかくすべてを新卒採用サービスに任せるという考えでいると、コストが割高になってしまう可能性があるので、こうした工夫で採用枠を分散することが重要です。
「丸投げ」にしない
新卒採用サービスを利用する際のもう一つの注意点は、すべてサービスにお任せとしていると、自社における採用活動ノウハウが向上しないという点です。新卒採用サービスを利用すると、自分たちで能動的に人材へのアプローチや広報活動をしなくても良いので、苦労も少ない反面、学べることも少なくなります。
特に、将来的には自社で採用活動をすべて行いたいと考えている企業であれば、真剣にこの注意点を検討すべきでしょう。就職市場が再び大きな変動を迎えることも考えられますので、自社に全く採用活動ノウハウがないというのは、企業にとって大きなマイナスとなる可能性もあるからです。
そういう場合は、新卒採用サービスのコンサルティングを利用するとよいです。多くのサービス会社では、単に人材紹介をするだけでなく、企業向けに採用活動についてのアドバイス提供をしています。企業の採用戦略の立案や修正、効率的な採用フローの構築、評価基準の策定といった点で、長年の実績に基づく提案をしてくれるのです。
実際に紹介をしてもらう過程を観察しながら、コンサルティングによって得た知識をリンクさせていけば、採用活動に関する大きな学びを得られることでしょう。こうした観点で新卒採用サービスを利用するのも、効率的な活用方法の一つと言えます。
そのためにも、新卒採用サービスを使って単に人材が確保できれば良いとするのではなく、採用活動に携わる自社の人員をきちんと任命するべきです。その担当者に一種の研修でもあるということを伝え、ノウハウを吸収できるように意識させることがポイントになります。
まとめ
売り手市場となっている新卒採用は、企業単体の努力では難しい状況です。ですから多くの登録学生を抱え、そこから条件や希望にマッチする人材を紹介してくれる新卒採用サービスを利用するのは理に適っています。
サービスの特徴をきちんと捉え、コスト面での無駄がないような活用方法を採りましょう。それにより、スムーズに新卒採用活動を終え、企業の人材力を効率よく強化できるはずです。
弊社ジールコミュニケーションズでも、新卒採用を支援する企業様向けのサービスを行っていますので、ぜひご活用ください。
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