[最終更新日]2023年9月12日 [記事公開日]2022年9月1日
競技引退後すぐに就活をした際の成功法をご紹介します
学生時代からずっとスポーツのみに打ち込んできたという人は、たくさんいます。その中でも、才能とスキルが開花して、社会人になってからも実業団やプロとしてスポーツ一色の生活をする人も、少なからずいます。しかし、スポーツは定年するまで続けられるわけではありません。競技の種目によって引退する平均年齢は異なりますが、一般的な会社員が定年する年齢よりもずっと早くに引退することが多いものです。
こうしたスポーツ選手の競技引退後は、収入を得るためにすぐ就活が必要となります。選手の中には、競技引退後に企業の方から声をかけてくれるケースがありますが、ごく稀です。競技を引退する前にどのぐらいの蓄えがあるかによって、すぐ就活しなければ死活問題になるのか、それとも数か月程度は余裕があるのかという点が変わります。
競技引退後における就活事情
競技引退後のセカンドキャリアは、さまざまな分野や業界、業種が対象となります。スポーツ選手として活躍しながらも、引退後のセカンドキャリアを見越し平行して何かに取り組んでいた人なら、その方向で就活をするという選択肢があるでしょう。しかし多くの場合には、プロとしてスポーツ一筋の生活をしており、競技引退後にすぐ就活と言っても、自身が何をしたいのか、また何ができるのかが分からないのです。
例えば、日本で活躍したプロ野球選手を考えてみましょう。プロ野球選手は毎年新しく若い選手が入団してきます。その一方で、戦力外通告を受けたりして、若くても余儀なく現役引退する選手も数多くいます。戦力外通告から引退した選手を見ると、なんと20%程度はセカンドキャリアが見つからないまま就職先探しに苦戦するという統計もあるほどです。
プロ野球選手の場合、引退したら監督になったり、野球の解説者として活躍するなど、野球に何かしらの形でかかわり続けたいと希望する人が多いでしょう。しかし現実には、そうした希望通りの就職ができるのはほんの一握りです。子供のころから野球一筋で生きてきた人にとっては、すぐ就職しなければいけない状況でも、何が良いか分からないと路頭に迷ってしまう人は少なくありません。
すぐ就活をしても、野球以外に経験もスキルもないと、採用してくれる企業を探すことは簡単ではありません。就活しているけれど就職先が決まらないと悩みを抱える人もたくさんいます。
それでは、企業に所属して実業団チームの選手として活動してきた人の場合には、どうなのでしょうか?実業団チームの選手は企業に所属している社員なので、現役引退後に収入が途絶える心配はありません。そのまま同じ職場で働けるなら、就活する必要もないでしょう。
実業団の選手は、現役時代にも職場で仕事をします。しかし、仕事と競技の二足の草鞋を履いています。そのため、通常の業務においては精神的に負担が少ない業務のみを任されることが多く、職場よりも競技の練習に多くの時間を費やせるような配慮がされています。もちろんそうしたサポートは、職場内の他の社員がしています。
選手が現役を引退すると、そうした優遇措置は一切なくなります。ほかの社員と同じように職務をこなさなければいけませんし、現役時代のように簡単にこなせる仕事だけを任せてもらえるわけではないでしょう。そうした点から、競技引退後に仕事がつらくなったり、仕事の内容がやりたいことではないという理由で就職や転職を考える人も少なからずいます。
収入面が途絶えるか継続するかという点においては、実業団チームの一員として企業へ所属している人の方が、競技引退後すぐ就活する必要がなく、高い安定感があります。しかし、優遇措置がなくなることによって精神的な負担が大きくなる他、これまでは対象外となっていた異動を命じられる可能性もあります。さらに、ほかの社員と同様の成果を期待されても、スキルや経験が伴わないためになかなか期待に応えられないというジレンマを抱えるケースも少なくありません。つまり、就活する必要がなくても、引退後の精神的なストレスレベルは高くなってしまうことが多いのです。
元アスリートのセカンドキャリアの中では、一般企業へ就職する人が大半を占めます。これは、安定した収入を期待する人にオススメの就活方法と言えるでしょう。中には、企業への就職はせずに、自身で飲食店を開業するという人もいます。潤沢な資金があり、人脈やネットワークを持つ人なら、この方法もアリかもしれません。しかし、飲食店の経営においては、ただ資金と人脈があれば成功するというわけではありません。経営に関するノウハウや知識も必要です。もしも引退後に飲食店の経営を考えているのなら、引退前から準備として経営に関する知識を身に着ける準備をするのが良いでしょう。
競技引退後すぐに就活をする上で覚悟すべきこと
競技引退後すぐに就活をする上では、知っておきたいことがいくつかあります。
1つ目は、スポーツ選手としての実績や成績では、就職につながらないという点です。スポーツ一筋だった人でも、競技引退後に就活をする際には、ほかの就活者と同じ土俵で戦わなければいけません。自分にとっては、スポーツ以外にどんな資質があるのかという点を考え、できるだけ強みのある分野や業界、業種で仕事探しをした方が、成功するチャンスが高くなるでしょう。
もしも競技引退後の就活が心配な人は、スポーツと並行して資格を取得するなど、セカンドキャリアに向けての準備をコツコツ始めることをおすすめします。就職に有利となる資格には多種多様なものがあり、自宅でオンライン学習しながら資格取得にむけて勉強できるものもあります。
2つ目に覚悟すべきポイントは、スポーツ選手としての優遇措置がなくなるという点です。これは、就活する人だけでなく、すでに企業に所属している実業団選手も該当することです。これまでの生活を振り返り、競技に費やす時間が無くなることでプライベートな時間が増えるなと思いきや、仕事の負担が増えて精神的なストレスが大きくなってしまうことは、決して珍しいことではないでしょう。
3つ目に注意したい点は、燃え尽き症候群になってしまうリスクがあるという点です。スポーツ選手が引退するきっかけには、さまざまなものがあります。その中でも、ケガが続いて思うようにプレーできなかったり、結果や成績を伴わずに精神的なプレッシャーとなってしまうことは少なくありません。その結果、競技引退後に何事に対してもやる気が起こらない燃え尽き症候群になってしまう人は多いのです。
4つ目に注意したい点は、生活や注目度のギャップに苦しんだり、道を誤ってしまうリスクがあるという点です。現役引退はプロのアスリートとして活躍した人にとっては、華やかなスポットライトが当たる場所から退くだけでなく、収入が激減したり、ライフスタイルが大きく変化する節目にもなります。これまで多くのプロアスリートが引退しましたが、その中には万引きや暴行などで逮捕された人もいます。
こうした元競技選手の過ちや犯罪は、将来に対する大きな不安が影響していることが少なくありません。引退した選手が全員そうなるわけではないものの、そうしたリスクが存在するという点は、念頭に入れておきたいものです。
5つ目に知っておきたいポイントは、スポーツ選手としての強みを理解し、強みを最大限に生かせる仕事を狙うという点です。スポーツ選手の多くは、コミュニケーション能力や対人スキルに長けています。これは、選手生活の中で、コーチを含め多くの人と接する機会があったためです。コミュニケーションを通して、相手が言わんとしていることを理解して、自身のパフォーマンス向上へつなげる力に関しても、競技を通して長けている人が多いものです。こうしたスキルを活かして、人と関わりのある職種での就活をした方が、成功するチャンスは高くなるでしょう。
6つ目は、収入源を覚悟するという点があげられます。特に一般企業へ就職する場合には、プロのアスリートとして稼いでいた収入よりも、年収はほぼ確実に下がることが予想できます。生活レベルやライフスタイルが変化することを想定し、適切な生活設計をしなければいけません。
競技引退後すぐに就活の流れと内定獲得法
競技引退後すぐに就活をする場合には、できるだけ効率的かつ効果的な仕事探しをするのが得策です。フリーのスポーツ開設者になるとか、コーチとして活躍したいと考えている人でも、まずは仕事と収入を確保するために一般企業へ就職することを考えましょう。スポーツ選手として活躍した人は、ビジネスマンとして専門的な知識やスキル、経験はないかもしれません。しかし、ビジネスマンに求められる基本的な資質は、すでに身に着けています。例えば、打たれても凹まずに前進するストレス耐性や、自身で考えて行動する力、そして組織の一員として与えられた役割を果たすスキルに関しては、とても高いことが多いものです。就活では、こうした自身の強みを最大限にアピールすると良いでしょう。
就活の方法ですが、転職サイトや求人サイトを活用するのがおすすめです。全国にたくさんの転職サイトがあり、網羅しているエリアや取り扱っている求人数は異なります。一つだけに限定する必要はないので、ぜひ複数に登録して、できるだけ自分にぴったりの仕事と早く巡り合えるように試行錯誤すると良いでしょう。
求人サイトの中には、元アスリートに特化した仕事探しをサポートする所もあります。こうしたサイトでは、プロのアスリートに共通している強みを十分に理解しているエージェントが、元アスリートを積極的に雇用したいという企業とマッチングしてくれます。セカンドキャリアを模索している人はもちろん、すでに興味や関心のある分野や業種が決まっている人にとっても、効率的かつ効果的な仕事探しができます。
こうした求人サイトの多くは、WEBで簡単に登録できるシステムとなっています。競技引退後まで待つ必要はないので、そろそろ引退かなと考え始めたら、まずは登録してどんな求人が出ているのかをリサーチし始めても良いでしょう。
求人サイトへ登録すると、多くの場合には仕事探しをエージェントやコンサルタント、アドバイザーと呼ばれる人が専任でサポートしてくれます。彼らは転職や就職に関してはプロなので、求職者の希望や条件と転職市場からのニーズを見極め、プロの視点から的確なアドバイスをしてくれます。
求人サイトを活用した仕事探しのメリットは、それだけではありません。履歴書や職務経歴書の書き方や面接対策についても、指導を受けることができます。スポーツ一筋で生きてきた元アスリートにとっては、こうした書類を作成した経験がないという人は多いものです。内定獲得につながりやすい記入方法をアドバイスしてくれることは、大きな安心感にもつながるのではないでしょうか。
こうした就活において内定を獲得するためには、どんなチャンスでも与えられたものは掴むという前向きな姿勢で取り組むのが得策です。スキルや経験がない元アスリートという立場では、仕事を選り好みできる立場でないことを理解しましょう。そうすることで、どんなものでも自身にとってはチャンスだと考え、前向きに取り組もうというやる気とモチベーションが湧いてくるかもしれません。
まとめ
元アスリートが競技引退後すぐ就活することは、決して珍しいことではありません。収入が途絶えると生活に大きな支障が出てしまう場合には、できるだけ短期間で効率的かつ効果的な仕事探しをするために、求人サイトや転職サイトなどのサポートを受けながらの就活がおすすめです。コーチや解説者のようにスポーツと関わりを持てる仕事をセカンドキャリアにできる人はごく一部で、多くの場合には一般企業へ就職し、人と関わる仕事に従事しています。また収入が減ることも想定したうえで、適切な生活設計をすることもまた、競技引退後の生活をスムーズに遂行するための秘訣と言えます。
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