[最終更新日]2024年6月5日 [記事公開日]2022年9月1日
忙しい体育会学生の就活の乗り越え方を就活のプロが徹底解説!
体育会学生の就活が忙しい理由
体育会学生は、一般的に3年生の冬頃まで、強豪校や強豪選手になれば4年生になっても現役として活動します。週6日、ピークになれば週7日の練習に、チームミーティング、そして大会と、息をつく間もないほど過密なスケジュールをこなすのが普通です。加えて大学の授業もあり、人によってはアルバイトもしているでしょう。就活をどの日、どの時間でするのかが大きな悩みの種になるのも無理はありません。
多くの学生が就活をスタートさせるのは、企業がサマーインターンシップの参加者募集を開始する3年生の6月。10月から翌年2月頃まではオータム&ウインターインターンシップが行われ、就活生はそれと並行してOB・OG訪問、自己分析や業界・企業分析、試験や面接がある本選考への対策など、自身でできることを進めて準備を整えていきます。そしていよいよ採用情報が解禁される3月、就活は内定へ向けた本格的な段階に入ります。プレエントリー、会社説明会への応募・参加希望する企業へエントリーを提出し、6月頃から始まる本選考(試験、面接など)を通過すれば、内々定、そして10月頃までに内定となります。
このスケジュールと体育系学生の現役時期を照らし合わせると、3年生の3月で引退しても、長い就活期間の半分以上を部活中心とした忙しい生活の中で行わなければならないことになります。4年生まで現役を続ける学生であれば、それ以上に時期がかぶってしまうことは言うまでもありません。一般学生の就活と比べると、どうしてもインターンシップやOB・OG訪問、企業説明会などの参加回数が少なくなってしまうのは仕方がありません。
しかし、忙しいから、部活と就活期間がかぶるから、絶対的不利か? といえば、そんなことはありません。乗り越えるための条件をクリアすれば、忙しい体育系学生でも就活を有利に進めることは十分に可能です。
忙しい体育会学生の就活を乗り越えるための条件
体育会学生が就活に臨むに当たって一番の悩みどころとなるのが、やはり一般学生と比較して使える時間が圧倒的に少ない点となります。それを乗り越えるための条件の第一は、3年生の3月、企業が就活情報を公開し、就活が本格的に始動する時期までにより多くの準備を積めるかです。インターンシップや説明会など、応募し、現地に出向くような活動には、確かに忙しい体育会学生は一般学生のように数多く、幅広く、というわけには行かないかもしれません。しかし、就活の準備にあたる自己分析、業界・企業分析、本選考の試験対策、面接対策などなら、競技を現役で続けながらでも進められるでしょう。
通学電車に乗っている時間、大学の授業のない空いた時間、または寝る前の少しの時間、あなたは何をしていますか? 忙しい就活期間は、是非これを有効に使ってください。上手に時間を使えて、例えば自己分析が3年の3月までにしっかりできていれば、エントリーシートの作成や本選考の面接の際に、自分の良さをうまく相手に伝えることができますし、業界・企業分析が万全なら、インターンシップやOB・OG訪問、企業説明会への参加回数や、4年生の6月から始まる就活本番でエントリー数を絞って、部活と両立しながらの就活が可能になるでしょう。
自己分析は、自分の長所や、これまでに積んだ経験、大学生活で力を入れてきたこと(ガクチカ)など、アピールできるものを思い起こし、書き出していきましょう。部活動の中で意識改革が起きたり、就活中、インターンシップなどに参加して新しい経験をしたら、それを盛り込むなど、日々アップデートすることを心掛けて内容を充実させてください。また、自分の長所は一人で思い起こすだけでは堂々巡りに陥ってしまいがちです。部活やゼミの仲間、家族や親戚などに広く意見を聞いてみましょう。それほど距離の近くない、話したことがあるという程度の人に聞くのも、近い人にはない新しい目線で語ってくれる場合があり、お勧めです。それから、体育会学生の中には、競技で好成績を挙げていないからという理由で自己分析でネガティブな評価を入れる人が少なくないそうです。しかし、強豪選手もそうでない選手も、競技に真剣に向き合ったという点では同じですから、好成績を挙げられなかったとしても、練習への取り組み方や仲間と助け合った経験などから、アピールできる点はたくさん見つけられるはずです。
業界・企業分析は、将来自分が携わりたい業界についての理解を深めるために重要です。最初は、業界の狭い一部分を掘り下げていくのではなく、全体を広く見渡すように調べてみましょう。自分の持っているイメージと照らし合わせて、本当にこの業界で働きたいと思えたら、今度はより深く調べていきましょう。そして具体的に、その業界に関わる企業数社について研究し、志望したいと感じた企業については、さらに深く研究していくと良いでしょう。すきま時間を使って根気よく調査を続けてください。
「時間を有効に使う」に次ぐ、忙しい体育会学生が就活を乗り越える第二の条件は、いかに体育会の強みを活かした就活ができるか、です。体育会学生を積極的に採用したいと考える企業は少なくありません。いえ、競技を通して、忍耐力、持続力、礼儀正しさ、そして体力など、さまざまな能力を自然に養ってきた体育系学生を招き入れたいと考えるのは、むしろ当然と言えるでしょう。それに頼り過ぎ、研究などの就活に全力を注がないというのは感心できませんが、好印象を持たれ、必要とされる人材と思われていることを忘れず、競技によって培われた能力や経験のアピールは、積極的に行いましょう。
アピールポイントは先に挙げたものにとどまりません。競技中も練習中もチームで連携を深め勝利に向かう協調性や、競技中は常に途切らせることのない集中力、相手を研究することにより養った分析力、スポーツマンシップなど、体育系学生には一般学生が手にしていない、社会に出てすぐに発揮できる能力がたくさんあります。自身が練習、ミーティング、試合で、勝つためやチームメイトのために何を考え、どう行動したかを深く思い起こせば、エントリーシートや面接で、体育会ならではの長所をうまくアピールできるようになるでしょう。
部活を通してさまざまな年代や肩書きの人と接していることも、体育会学生の特長です。企業に入社すれば、社長や役員クラスから、上司、先輩、同期まで、さまざまな年代や肩書の人がいます。あなたは、監督やコーチ、卒業生、先輩、同期、後輩と、すべて同じような態度や言葉遣いで接しているでしょうか。そんなことはないはずです。体育会学生はどんな人とも上手にコミュニケーションを取り、連携する能力を、普段の部活動によって身につけているのです。この能力は一般学生にもありますが、体育会学生のほうがより強く、体に刷り込まれるといって間違いないでしょう。企業もその能力に期待してあなたを見ていますが、自身も言葉遣いに気をつけたり、積極的にアピールすることで、体育会の強みを活かしましょう。
忙しさと上手に付き合いながら就活をする方法
部活のために一般学生より就活に時間を使えない体育会学生が、忙しさと上手に付き合いながら就活するに心掛けたいのは、ひとつにはなるべく早く、思い立った時から就活を始めることです。自身のみで進めることのできる自己分析や業界・企業分析などは、この記事を読んだ今日から、少しずつでも始めてみてください。そしてもうひとつ心掛けたいのは、参加型の就活への取り組み方です。インターンシップやOB・OG訪問、企業説明会などへの参加は、忙しい体育会学生にとっては頭の痛い問題ですが、数を絞ったり、効率的に参加する方法を考えて乗り切りましょう。
3年生の6月から始まり、就活生の50%以上が参加するインターンシップの個々の期間は、1カ月以上の長期のものから、1週間、1日から3日の短期まで、さまざまです。体育系学生は長期のインターンシップに参加することは難しいでしょう。短期のものにできるだけ参加することをお勧めします。人気企業のインターンシップは先着順で募集を締め切ったり、選考があるものもありますので、是非参加したいという企業があればすきま時間でチェックし、逃さないようにしてください。
インターンシップに参加するメリットは計り知れません。実際に業務を体験し、職場の雰囲気を味わえるので、自分に向いているかがサイトなどで調べるより格段に深く理解できますし、体験したことを自己分析に盛り込んでさらに充実させ、その後の就活に活かすこともできます。インターンシップを開催した企業の方や、一緒に参加した他大学の生徒とのつながりが得られることも大きなメリットです。
最後に、大切なことをひとつ。終了したら、企業の方にお礼のメールや手紙を送るようにしましょう。体育会学生は礼儀正しいというイメージを、裏切ってはいけません。それに、メールの文面で礼儀正しさをアピールできれば印象アップにつながる可能性もあります。
参考:ココシロ!インターン
就活生の25%程が行うとされているOB・OG訪問も、情報解禁となる4年生の3月までに、なるべく体験しましょう。忙しい体育系学生は、訪問自体も部活の合間を縫って行わなければなりませんが、一番のネックは訪問先を探すことかもしれません。志望する業種に直接の先輩がいるなら一番の近道です。訪問が可能かどうか、連絡を取ってみましょう。いない場合は、家族や親戚に聞く、部活やゼミの仲間と情報交換するなどで、先輩を探してください。どうしてもいない、という場合は、企業の人事担当に直接メールなどでうかがって、先輩と取り付けてもらうという方法もあります。
先輩は、志望する業界・企業の魅力ややりがいだけでなく、企業の真の姿、業務の大変な点、職場のつらい点なども語ってくれるかもしれません。自身が本当にその業界・企業に興味があり、志望したいかどうかの大きな判断基準となりますので、是非なるべくたくさんの先輩の声を聞いてください。そして終了後には、インターンシップの時と同様、先輩へのお礼のメールを送りましょう。
情報解禁となる4年生の3月以降に行われる企業説明会にも参加しましょう。エントリーしたい企業が固まっているのであれば、その企業の説明会には何としてでも時間を作って参加するべきですが、忙しい体育会学生には、効率よく多くの企業の情報が得られる合同説明会や、企業の方が大学のほうに出向いて行う学内企業説明会への参加もお勧めです。合同説明会は、大きな会場に数社から数十社の企業が一堂に会し説明をしてくださいます。学内企業説明会も複数の企業が集まり、しかも通っている大学で行うので、タイミング良く終了後に部活など他の活動ができれば、時間短縮につながります。よく計画を立てて、自分に合った情報収集をしてください。
エントリーする企業も、よく考え、数を絞って決めたいところです。エントリーした数だけ、エントリーシートの作成・提出が必要になりますし、上位の選考に進めば試験、面接も受けることになります。エントリー数の平均は20社前後のようですが、忙しい体育会系の就活生は、できるだけ多くとはいかない場合もあるでしょう。自身の忙しさと相談して、くれぐれも、多く出しすぎて大本命の企業の選考がおろそかになった、などということにならないように気を付けましょう。
まとめ
忙しい体育会学生が就活を乗り越えるためには「時間の有効利用」「体育会の強みを活かす」「参加型の就活は効率よく」「エントリー数に注意」。時間が足りず大変な時期もあるでしょう。でもあなたなら、部活で鍛えたハートと体力で、必ず乗り越えることができます。是非とも志望企業の内定を勝ち取って下さい
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