[最終更新日]2023年9月13日 [記事公開日]2022年7月14日
転職活動における「即戦力」の意味とは?重要性とアピール方法を合わせて解説
「転職においては即戦力が求められる」とよく聞きますが、比較的経験の浅い若手の転職希望者の中には「即戦力ってどういう意味?」「どの程度?」という風に、疑問を感じる人もいると思います。自分が持っている数年間の経験やスキルが、果たして企業の求めている「即戦力」に当たるのかわからず、いまいち自信が持てないわけです。
そこでこのコラムでは、転職活動で言われる「即戦力」の意味と、転職において即戦力が求められる理由、自分が即戦力に慣れることをアピールする方法などについて解説します。自分の力を上手にアピールし、転職活動を成功させましょう。
転職における「即戦力」の意味とは?
中途採用を行っている企業が求める人物像の項目に、「即戦力として当社の第一線で活躍できる人材」というフレーズが盛り込まれていることがあります。この「即戦力」とはどのような意味があるのでしょうか。
即戦力とは、入社してすぐに活躍できる人材であることです。第二新卒や転職による中途入社の人材は、前職で教育やキャリア構築についての指導を受けています。ビジネスマナーもある程度身についているので、簡単な研修を行うだけで、すぐに第一線で働けるわけです。
即戦力として求めるポイントとして、採用担当者は面接において以下のような項目を重視しています。
採用したい職種においてスキルを持ち合わせているか
業種や職掌に対して理解し、自分の立場を意識しながら行動できるか
一人称行動が可能だが、都度「報・連・相」ができるか
独自に築いた人脈などを持っており、企業へ貢献してくれるか
会社組織にいち早く慣れ、社会人としてコミュニティを構築できるか
このほかに、人柄やモチベーションなども判断材料として用いられるでしょう。
転職において即戦力が求められる理由とは
転職希望者を採用する企業にとって、即戦力となれる人材の確保が課題となっています。なぜ即戦力となって働ける人材確保が必要なのか、いくつか理由が挙げられます。
採用から育成にかける経費を削減できる
転職において即戦力が求められる理由の1つ目は、「採用から育成にかける経費を削減できる」点です。
新卒採用社員を独り立ちさせるまでには、経費が発生します。新卒採用募集時からの経費はもちろんのこと、初期研修やキャリア教育など、大きな経費をかける企業も少なくありません。採用選考に関しての費用を計上して、外部業者と委託契約をする企業も増えています。その点、転職希望者を中途採用すると、求人広告の入稿程度の経費程度で済み、そのほかの支出が抑えられるため、これらの経費を大きく削減できます。
育成のための人材起用や生産力の停滞を避けられる
また、転職において即戦力が求められる理由としては「育成のための人材起用や生産力の停滞を避けられる」ことも重視されています。
OJT(On Job Training)制度を設け、先輩社員が新卒社員とペアを組んで仕事のやり方を教える制度を起用している企業もあります。この場合、後輩とペアを組む先輩社員は100%のパフォーマンスができず、生産性に欠けてしまうことも見られます。生産力に貢献できる人材が実質マイナス1人、もしくは新卒社員も含めマイナス2人になってしまうでしょう。マイナスとなる期間が、新卒社員が仕事に慣れるまでの期間であったとしても、企業としては痛手につながります。独り立ちしてからも、生産力の向上が見られるまで、先輩のサポートが不可欠となるでしょう。
即戦力となる中途入社(転職採用)の人材ならば、新卒社員育成に対する半分以下の時間で、独り立ちさせられる可能性があります。効率の良い仕事ができる中途入社の社員が独り立ちすれば、1人でプラス2~3人分の生産力が得られるかもしれません。
企業間競争力の向上につながる
転職で入社する即戦力の社員は、企業間の競争に欠かせません。どんな業種の企業でも、競争が繰り広げられています。些細なアイディアから、ヒット商品を生み出すことや新規顧客を開拓すること、販売経路を拡大させることができなければ、企業が衰退していきます。
転職採用の社員は、その企業風土にはなかった客観的な視点を持っています。独自で切り開いた人脈なども持ち合わせているかもしれません。客観的な視点から、企業風土に対する指摘や生産性向上の改善提案なども可能なので、企業間の競争に打ち勝つための戦力となります。
もちろん、仕事を覚え、効率よく仕事ができれば、生産性も高まります。転職採用者ならすぐに仕事を覚えて一人称行動ができるようになるため、実のある仕事につながることでしょう。
社内の競争にもつながる
中途入社の社員は、社員同士の競争心も高めます。ゼロからの育成が必要な新卒社員の入社の場合、社員間で「みんなで育てよう」という意識が生まれます。しかし、企業が職務経歴を持った即戦力となる人材を中途採用すれば、既存の社員にとっては脅威になります。仕事ができる人材であれば、先輩社員が積み重ねてきた実績を抜かれる可能性も考えられるからです。また、異なる企業で職務経験がある人の入社で、会社の空気が大きく変わることもあるでしょう。
社員間で慣れ合いが生まれ、生産力競争が妥協的になっている場合、転職による中途採用は大きな起爆剤となります。社員間の競争力を高め、生産する力を向上させるきっかけにつながるのです。
すぐに現場に出せる
中途入社の社員なら、すぐに現場に出せる安心感もあります。その典型的な例は、「国家資格保有者」が必要となる現場です。学歴や実務経験年数など、資格取得に至るまでに時間や職務経験が求められるケースがあります。すでに国家資格を持った転職採用者であれば、行政への届け出などの手続きだけで、すぐに現場へ出せるわけです。
国家資格保有者の存在は、生産力を高めるだけではありません。戦力を1人増やすだけで、現場対応の有資格者集団の負担を減らせます。これによって、ヒューマンエラーを大きく減らせるというのもメリットです。過重労働による会社の損失を防げるため、有資格者の転職希望者を受け入れる企業も多く見られます。
転職活動で即戦力になることをアピールする方法
積極的に転職志望者を受け入れる企業が増えています。それとともに、会社としても「生産力向上につながる人材か、即戦力として受け入れて間違いのない人材か、といった厳しい目を向けられます。「私は御社の即戦力である存在であり、御社にとって生産性の向上に貢献できる」というアピールが重要となってくるでしょう。自分自身が「即戦力になれる」とアピールする方法をまとめました。
職務経歴書の作成を万全にする
自分が即戦力となれることをアピールする最初の手段は、職務経歴書です。
これまでの勤務先で、どのような仕事を何年間携わってきたかをまとめたものが「職務経歴書」です。営業職といっても、その職種は多岐にわたります。どのような業務を担ってきたのか、一目でわかるようにまとめる作業が必要です。
職務経歴書の書き方には3つの種類があります。
キャリア式:職務内容ごとに経歴をまとめられる書き方。異業種転職が多い人など、さまざまな分野で業務に携わった人に最適。
編年体式:業務経験についてタイムラインごとに記す書き方。同じ職種・業種一筋で働いてきた人に最適。
逆編年代式:最新の業務からどんどん過去へさかのぼって職歴をまとめる書き方。現在の業種をアピールしたい人に最適。
自分にとって相手に伝えやすい書き方を選んで、職務経歴書を作成しましょう。ここで今までの業務の洗い出しを行うことで、自分が転職先できることは何かも見つかります。
具体的な数字で即戦力をアピール
職務経歴書にせよ面接にせよ、内容に具体性を持たせることが大切です。
職務経歴書の内容については面接の中で受け答えをする機会もありますが、その際に「顧客開拓に関して、たくさん頑張ってきました。結果、リピート購入いただくお客様も増えました。」という表現はあまりにも漠然としています。これでは小学生の受け答えで、歓迎されません。
「顧客開拓の場面では、エリア担当を拝命後、3年間で110件の新規契約に至りました。その9割以上の顧客にリピート購入いただいております。」と伝えるとどうでしょうか。何をどれだけ頑張ってきたのか、相手にわかりやすく伝わります。
面接担当者に「自分を採用するとメリットがある」ことを伝えるには、数字を提示することをおすすめします。「3年間」「110件」「9割以上」というように具体的な数字があると、面接担当者も具体的な活躍図を想像しやすいです。数字を提示することで、採用企業側は自社の事案との比較もしやすくなります。
資格で即戦力をアピール
企業が提示する採用枠の業務に関する資格を持っていることは、大きな武器となります。資格の取得時期と、保有資格の正式名称は履歴書に必ず掲載してください。
職務経歴書を作成する場合は、この資格を利用してどのような仕事に参画したかもまとめると、よいアピールにつながります。業務に必要な国家資格のほか、これまで取得した民間資格などもまとめて記載することで、「向上心や探求心を持って生活している」こともアピールできるはずです。
保有資格に関しては、講習受講義務などがあるものも存在します。そのような資格の場合は、講習受講履歴も一緒に提示しましょう。
経験者ならではのビジョンやスキルで即戦力をアピール
これまでの職務経験や保有資格を通じて、転職を希望する企業で自分がどんなことができるか、どんな貢献ができるかをアピールすることも重要になります。管理職候補での採用であれば、「どんな管理職になりたいか」を簡単にまとめて伝えるのも一案です。将来のビジョンが描けることをアピールできれば、「企業についての分析ができている、求める人物像に合致している人材である」と企業側も判断してくれるでしょう。
転職活動では、「経験」も武器の一つです。これまで勤めてきた企業でどんな仕事をしてきたか、どんなスキルを持っているか、職務経歴書を通じて棚卸ししてください。そこから掘り下げて、「転職先で、自分自身は何ができるか」を検討していくことをおすすめします。
意欲や好奇心で即戦力をアピール
意欲や好奇心があることをアピールできる人は高評価となります。
「新天地へ飛び込むときはいつもワクワクする」という人がいます。「企業で働く」ことに好奇心は必要ないと思われがちですが、不安を持って採用面接に臨むよりは好印象を与えられるでしょう。とくに異業種転職を試みる場合、「新しいことにチャレンジしたい」「業界について学び、実績を作って貢献したい」といった意欲を見せることで、ポテンシャルを認めてもらえる可能性があります。
また、どういった事柄で好奇心がわき上がるかといったことも考えてみてください。自分自身の興味関心を探ることは、「この企業に向いている人材か否か」を確認する材料にもつながります。
「新天地に飛び込むときはいつもワクワクする」という表現は、企業に対し、前向きな印象を与えることができます。しかし、深く掘り下げていくと、「自分は転職活動そのものにワクワクしているのであって、希望する企業にはときめいていない」ことに気づくかもしれません。その状態なら、転職活動は失敗します。自分自身の興味関心を確認する作業も同時進行することで、自分のスキルがフルに発揮できる企業への転職が叶うのです。
効果的なアピール方法を整理しておこう
ここまで転職活動でアピールすべきポイントについて説明しましたが、「自分自身を採用しないことは会社の損失となる」とばかりに、あれもこれもどんどんアピールしてしまうと、さすがに面接担当者もうるさく感じるかもしれません。とはいえ、アピールできる要素はどんどん伝えたいという気持ちも必要です。
職務経歴書でアピールしたいポイント、面接において直接口頭でアピールしたいポイント、それぞれを抜き出しておきましょう。数字や保有資格に関しては、職務経歴書で伝えることができます。面接では、これをフォローするための受け答えを準備しておくとよいです。数字や資格に関することは、口頭で伝えるよりも文字にして伝えたほうが、相手は情報をしっかりと受け取ってくれます。
将来のビジョンや意欲がある点をアピールするのは、面接が好適です。とくに意欲関心に関しては、面接担当社員との何気ない会話からアピールできます。力を入れることなく、気軽な会話の中で、好奇心が強いことなどを伝えられるとよいでしょう。
まとめ
転職における即戦力の意味、そして「即戦力になれる」とアピールするための方法をまとめました。企業にとっても、即戦力を持った人材を受け入れることは大きなメリットとなります。このことから、採用のための審査が厳しくなるでしょう。転職活動の際には入念な準備をすることをおすすめします。また、自己アピールしすぎるとマイナスに受け取られる可能性も否めません。「どこで効果的にアピールするか」といったところも考えて、ポイントを絞っておくことが大切です。
しかし転職場合は新卒時の就活から遠ざかってしばらく経ちますから、「もう面接でのアピール方法なんて忘れてしまった」という人もいますし、逆に新卒から時間が経っていない場合は、「まだ即戦力と言えるほどの経験やスキルを積んでいない」という人もいると思います。そんな人には、転職エージェントの活用がオススメです。転職エージェントなら効果的なアピール方法を熟知し、経験の浅い第二新卒を歓迎してくれる企業も熟知しています。転職エージェントを利用すれば、自分の持っているスキルや経験に応じたアピール方法と転職先を見つけてくれるはずです。
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